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2014年6月17日(火)
ニホンウナギ絶滅危機 魚食文化どう守る

ゲスト

横山信一
農水政務官 公明党参議院議員
勝川俊雄
三重大学准教授
生田與克
NPO法人魚食文化の会理事長

ニホンウナギ 絶滅危惧種に ウナギ捕獲の現状
島田キャスター
「ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されたのですが、それはどういうものかといいますと、レッドリストというものがあるのですが、絶滅というのが、既に絶滅したと考えられる種。野生絶滅というのは、自然の野生状態では絶滅しましたが、飼育、栽培下で生息しているという状態ですね。絶滅危惧というのが3種類あります。今回ニホンウナギはこの絶滅危惧のうちの上から2つ目の絶滅危惧ⅠB類というのに指定されたのですが、これは近い将来野生での絶滅の危機が高いとされる種類です。ちなみに、絶滅危惧の一番上がヨーロッパウナギ、日本でも食べていましたね。これが指定されたりしていて、絶滅危惧種Ⅱ類というのが、最も危険が小さいところで、メバチなどが指定されています。さらに、現時点では絶滅の危険度が小さいものが準絶滅危惧というのがあるのですが、ビカーラ種というのが、日本で出回っているウナギの一種でもあるんですね」
反町キャスター
「水産関係者の危機感の共有。どう見ているのか。研究者、専門家は、やばいぞと思っていても、水産業者に伝わらないとか、一般の消費者にはもっと伝わっていないとか、そのへんの感覚はどんなふうに感じますか?」
勝川准教授
「研究者、ウナギの専門家で集まって、ちょっと大変なことになるねというのは、内輪ではやっていたのですが、そういったものが外に伝わっていたか、伝える努力はしていたのかというと非常に不十分だったと思うし、またウナギ自体が日本の漁獲が減っていく中で、ヨーロッパウナギを中国で養殖をして、日本に輸出するという、そういうルートでいっぱい入ってきたので、消費量、供給量自体は増えたんです。だから、増えて、安くなって、国内の漁獲はどんどん下がっているけれど、実際消費者レベルでは、増えて、安くなっていた。ですから、昭和の時代に非常に貴重だった。晴れの日のごちそうだったウナギが、平成に入って、スーパーなどで、非常に安い値段でパック詰めにされたものが売っていましたよね。そういう形で、実際資源は減っているのに消費者レベルではウナギって、こんなにたくさんあるんだと。逆の情報を消費者は受け取っていたわけですよね。だから、消費者レベルで、気づけといっても、それは無理だと思いますね」
島田キャスター
「確かにウナギの量がそんなに減らないどころか、増えているような気がするので、その点が情報を共有できなかったという理由の1つでもあるのでしょうか」
生田氏
「いや、この規制がかかったのは大歓迎ですよ。何だい、今さら遅いよぐらいな気持ちですよね。勝川さんおっしゃったように、10年前、15年ぐらい前から言っていたもんね、こういう話ね。だから、なくなるんだったら規制するのは当たり前ですし、それで、テレビの報道だと、規制をするから食えなくなるというような報道なんですよね」
反町キャスター
「すみません。まさにその通りです」
生田氏
「そうでしょう。いい加減にしてほしいですよ、本当に。でも、逆に規制をするからこそ、これからも食べられるんだよということですよ。そういうことではないですか」
島田キャスター
「そうか、間違った情報が訂正されるということですね」
生田氏
「そうそう」
勝川准教授
「現在ウナギが非常に高い値段になっている。ウナギ屋さんがピンチなのは、規制のせいなのか。それとも規制がなかったからなのかというと、規制がなく、食べ過ぎちゃったから、こういう事態になっているわけで、もしまだウナギがたくさんあるうちにきちんと手を打っていれば、持続的に食べられたし、現在もまだ残っているわけですからね。現在残っているものをどうやって大事に未来につないでいくかということを、我々は議論をしなくてはいけなくて、今年、来年、自分が食べられるか以上にそのことをきちんと考えていかなければいけないと思います」
反町キャスター
「環境省がレッドリストに載せたのを受けて、農水省としてはどういう反応したかというのは、何かあるのですか?」
横山議員
「ウナギ、漁業というのが非常に管理しづらい形態を持っていたんです」
反町キャスター
「管理しづらいのですか?」
横山議員
「しづらいですね」
反町キャスター
「何か養殖池でエサを…」
横山議員
「それは養殖の部分だけですよね。そこにシラスを入れてくる。シラス採捕という漁業がまずありますね。それと養殖をする養鰻業というのがあります。あと親ウナギを採る漁業があります。シラスを採る漁業ですが、これについては実態が把握しづらいという状況。それから、養鰻業についても、これもいわゆる漁業法の網にかからない。公共水面を利用しないということもあって、なかなかその規制の枠から外れてしまうんですね」
島田キャスター
「つまり、何もされなかったということでいいのですか?」
横山議員
「いや、そういうことではないのですが」
島田キャスター
「最後のところでちょっと自分達の管轄ではなかなか管理しにくいということですか?」
横山議員
「効果が出てこないところが、これまであったということですね」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、ウナギの養殖をやることとか、シラスウナギを採ることというのは、農水省の管轄ではないのですか」
横山議員
「いや、管轄ですね」
反町キャスター
「管轄ですよね?」
横山議員
「管轄というと、管轄という言い方が正しいかどうかというのはあれですが、シラスウナギの採捕については都道府県になります」
島田キャスター
「都道府県のどこですか?」
横山議員
「いや、都道府県ですね。都道府県が管轄になります」
島田キャスター
「結局シラスは都道府県。その他は?」
横山議員
「養鰻業に関しては、先ほど、公共用水面ではないという言い方をしましたが、いわゆる私有地なのですね」
反町キャスター
「私有地に穴を掘って、水を張って、養殖をしている?」
横山議員
「そうです。ですから、漁業法の網にかかってこないということになるんです」
島田キャスター
「そこは管轄というか、どういうところが指導するのですか?」
横山議員
「私有地ですよね」
島田キャスター
「私有地だから何をしようが勝手だろうということですか」
横山議員
「勝手だろうというかですね…」
反町キャスター
「養殖池で、養殖というか、蓄養というか、蓄養です、おそらく。そのウナギの総量を、養殖で上がってくるウナギの総量を規制することは、当然のことながら、それはできるものなのですか。それは市場の手に委ねるしかないんですよね。おそらく」
横山議員
「そうですね」
反町キャスター
「『あなた、養殖やめなさい』と業者に言うことは、できないですよね」
横山議員
「はい」
反町キャスター
「そうかと言って、ウナギを、資源を守るということになると、シラスウナギの捕獲量を規制するかどうか。こういうことになってくるわけですよね」
横山議員
「これは非常に難しい問題で…」
反町キャスター
「都道府県の話と」
横山議員
「捕獲量というか、採捕量ですね、それは。ご存じのようにシラスは小さい。採捕量と言っても、なかなか実態が把握しづらいんですね。と言うことがあって、採捕の量を規制しようとしてもなかなか実態がつかめないということがある」
島田キャスター
「密漁みたいになってしまう」
横山議員
「密漁もあるということです。そういう意味では池入れ漁といいますか、養殖をする時に池に入れるシラスウナギの量、そこをしっかりと管理していきましょうという段階になってきている。ごめんなさい、もう1つ、先ほどの話に追加しなくてはいけないのですが、国、都道府県に任せっきり、国は何もやっていなかったということではなくて、それは国としてもちゃんと都道府県と連携を取りながら、助言をしているという」
島田キャスター
「国のどこですか。農水省ですか?」
横山議員
「そうですね」
島田キャスター
「農水省が、都道府県と」
横山議員
「助言」
島田キャスター
「助言をする?」
横山議員
「連携をしているということですね」
島田キャスター
「現在、日本で蒲焼にして食べられているウナギというのが3種類あるそうです。ニホンウナギ、ヨーロッパウナギ、ビカーラ種の3種類が蒲焼にされている。このうち、ニホンウナギが最も出回っているということなのですが、ニホンウナギというのは、ニホンウナギというぐらいですから、どのへんで生息しているものですか?」
勝川准教授
「ニホンウナギというのは、日本だけで完結するわけではなくて、太平洋のマリアナ海溝あたりで卵を産みまして、これが黒潮に乗って流れてくると。ニホンウナギの分布としては日本にも当然来るのですが、中国や台湾にかなり多く流れ着くんですね。それで日本もそういう国からシラスウナギを買っていますし、またそういう国でも自分のところで大きくして、日本に大きくなった状態で輸出してくるとか、日本はほとんど消費しているということは、非常に我々に責任があるし、逆に、我々が輸入を含めて、貿易も含めて、きちんと管理された持続的なウナギ以外買いませんよということをやれば、それなりにコントロールができるということでもあると思います」
島田キャスター
「現状は全然そんなことになっていないですね」
勝川准教授
「現状は残念ながら、そういうふうにはなっていないですね」
反町キャスター
「それは冒頭、話のあったニホンウナギが獲れなくなってきている中で、輸入ウナギが増えることによって、市場流通量が増えて、ウナギの蒲焼の値段が下がると、皆がたくさん、さらに食べるようになっていった。産業なり、流通なりというものがよそから集めてくることによって、ニホンウナギは減る一方で、世界からウナギを日本が集め続けてきた。こういう理解でよろしいのですか?」
勝川准教授
「そうですね」
反町キャスター
「今回の絶滅危惧種の指定というのは、はっきり言っちゃうと、日本の責任という言い方でもいいのですか?」
勝川准教授
「そうですね、ニホンウナギに関しては、完全に、日本の責任ですけれども、ヨーロッパウナギも日本人がかなりの部分食べてしまって…」
島田キャスター
「輸入して?」
勝川准教授
「そうです」
生田氏
「ニホンウナギより、ヨーロッパウナギの方が早いんですよ。だって、先ほどのレッドリストだって、ヨーロッパウナギの方が上ではないですか、ニホンウナギよりも」
勝川准教授
「だから、ヨーロッパウナギも、ニホンウナギも我々日本人が食べつくしたと言ってもいいと思います。さらに、準絶滅危惧のビカーラ種ですが、これはまだ情報がほとんどないんですね。ただ、日本が輸入し始めているということで、ちょっとマークをしておこうというので、リストに入ったと。それだけ日本の消費というのが、天然資源に与える影響というのは大きいんですね」

ワシントン条約への掲載は
反町キャスター
「ワシントン条約に載ってしまう可能性をどう見ています?」
勝川准教授
「これはIUCNで絶滅のおそれが有りということを、専門家が判断したわけですね。IUCNは基本的に、専門家の判断というものを重視しますが、いろんな政治的な絡み等で本当に規制されるかどうかというのは不透明ですね。ただ、可能性としてはある。ワシントン条約は、附属書というものがありまして、ここの絶滅リストに入ると、貿易に規制がかかる。附属書Ⅰというのが、本当に絶滅が間近に迫ってしまった状態。この場合、非常に規制が厳しくて、学術研究目的以外は基本的にダメという形になります。もしこれに載ると食用目的でウナギを外から買ってくることはできなくなります。附属書Ⅱは商業目的の取引が可能です。ただし、将来絶滅のおそれがあるものを守るために輸出国政府がきちんと管理をしたうえで発行した輸出許可書。これがあるものについては買えますよと。自由に貿易ができます、これがないものに関しては貿易をしてはいけませんよという枠組みですね。ですから、これは輸出国政府が認めないヤミ取引等に対して非常に効果がある。また、輸出国がきちんと関与したものについては、これまで通り買えるということですね。あと重要な点なのですが、ワシントン条約は基本的には貿易規制です。ですから、国際的な貿易で絶滅のリスクを上げるようなものに関して規制をしていこうというもので、国内で獲って、国内で消費するものは、全く対象外です。ですから、日本が自国でどうするかというのはワシントン条約では一切関知せずなんですね。ですから、ワシントン条約附属書Ⅱで困るのは、輸出国政府が認めていないようなウナギを、これからも買い続けようと思うと、それは困るんですね。ただ、それ以外の部分というのは、附属書Ⅱだと特に問題はないんですね」
島田キャスター
「ワシントン条約にニホンウナギがもし載るということに関しては?」
生田氏
「先ほど、最初に申し上げた通り、ウナギに関する規制は大歓迎ですね。資源が回復してくれれば。大事なことは、持続的に僕らの孫とか、子供とかが食べ続けることが一番大事なことなわけですよ。せっかく、僕もウナギ屋の孫で、マグロ屋の倅なんですよ。ということは、絶滅危惧の波にもまれて…」
反町キャスター
「先ほど、我々もそういう議論があって、絶滅危惧種にいろいろ手広くかかわりがあるなと」
生田氏
「そうなんです。本当に、僕もウナギ屋の孫だから、おじいちゃんがやっていたわけです。そうすると、それなんかも本当にやらせてもらった、めちゃくちゃ難しいわけですよ。生きているウナギでパッと裂くわけでしょう。昔から、串打ち3年、裂き8年、焼きは一生というわけですよ。串打ちだってできないです、4、5年はまずできないですよ。身がいかっているわけではないですか。がりがりなわけでしょう。その中に竹串を刺す。もう突き抜けて指を刺すのが関の山です。現在でもウナギ串刺しサックというのが売っている、包丁屋へ行くと」
島田キャスター
「本当に職人芸」
生田氏
「だから、そういうのをやっておかないと危ないようなものです。串打ちが下手だと、ウナギは蒸すじゃないですか、蒸した時に全部串が抜けるんですよ。すごく大事な作業」
反町キャスター
「規制をかけることがウナギ資源を守ることになる。この点は同じですか。それとも規制を安易にかけることには慎重であるという立場ですか?」
横山議員
「規制という言葉がどうなのかというのはあります。資源管理を一緒にやっていきましょうという、そういう意味での規制ということであれば、それは歓迎です」
反町キャスター
「ニホンウナギに関しては、日本、台湾、中国、韓国と、地域限定の話である中で、どこの国がワシントン条約に訴えるのか。中国は言うかといったら、たぶん、言わないだろうと。なぜならば中国は食べるより、日本へ輸出する、ビジネスだから。言うとしたら、日本しかないのではないかと思うんですけれども、そういう考え方の検討というのは政府部内で進んでいるのですか?」
横山議員
「それはないですね」
反町キャスター
「それはない?規制が必要だと言いながらも、自ら先頭を切って規制をかけて、自然保護に走ろうというところまではまだ考えはいっていない?」
横山議員
「前提としてお話しなくてはいけないことがありますが、輸出許可書と先ほど、お話が出ましたけれども、輸出許可書を発給するには、2つの条件がありまして、1つは、合法的な採捕ということがありますね。もう1つは、種の存続に影響がない証明書が必要です。実はこれを出すのには、ウナギというのはほとんど生態がわかっていないですから、実態のわからない生物です。そういう意味では、種の存続に影響があるか、ないかというのは、現在の時点ではほとんどわからないということを考えると、実際にNDFといいますが、その証明書の発給が難しいだろうと、現在の時点では考えられるんですね」
勝川准教授
「では、ヨーロッパウナギが日本に入ってきているのは、どうやって入ってきているのですか?」
横山議員
「私が聞いているのは、ヨーロッパウナギについても現在輸出はされていないと。NDFが発行できなくて…」
反町キャスター
「え、でも、ヨーロッパウナギが中国に行って、中国で畜養され、日本にきているのではないのですか?」
横山議員
「かつては、そうだったんですね」
勝川准教授
「DNAを鑑定すると、ヨーロッパウナギは日本の市場に出回っているということになっていますが」
反町キャスター
「それは密漁ということですか?ヨーロッパで密漁されたシラスが中国に行って、中国で畜養されて、日本に来ているということですかね」
横山議員
「そういうふうに断定できるかどうかは別で、私が聞いているのはヨーロッパでNDFは発行されていないということですね」
反町キャスター
「要するに、公式には輸出されていないということですね」
横山議員
「そうです。輸出されていないということです」

養殖の現状と資源管理
島田キャスター
「林農林水産大臣が日本のウナギについて、このような発言をしました。『シラスウナギの採捕、親ウナギの漁業、ウナギ養殖の三位一体で資源管理をしていく』と。この採捕のところですが、私達が食べているウナギというのが、天然の稚魚のシラスウナギを採って養殖で育てて、大きくしているものですが、シラスウナギの漁獲量というものは、国内シラスウナギの年間の漁獲量は、1970年には124トンあったということですがどんどん減ってきた。途中でサンプルの川の数も減ったそうで、必ずしも、つながっていないという指摘もあるのですが、減少傾向であることは間違いなく、2012年には2トンというような、全然単位が違うことになっているのですが」
勝川准教授
「河川の護岸工事などでウナギが住める場所がどんどん減っていったということと、もう1つは漁獲ですね。それぞれどちらがどの程度、寄与したのかということはわかっていないんです。ただ、我々がこれからできることというのは、この2つが主要因であるということで、この2つに関しては、ウナギが住みやすい川に戻していくことと、きちんと来たウナギが卵を産みに戻れるように規制をしていくということだと思います」
島田キャスター
「現在、漁業権などは一応あるのですか?シラスウナギを獲る権利は」
勝川准教授
「採捕許可がある人しか採れないということにはなっているんですけれども、ただ、採捕許可のある人自体がどれだけ採っていいというのはないですし、また採捕許可のない人がこっそりやったとして、誰がわかるのと」
反町キャスター
「取締まりをやるとしたら、担当者は警察がやることになるのですか?」
勝川准教授
「どうですかね。どうなのですか」
横山議員
「都道府県ではないでしょうかね」
反町キャスター
「そうか。都道府県だと都道府県警になるのですか?」
横山議員
「道はないですけどね。都府県になりますけれども」
反町キャスター
「都府県の県警察とかになるのですか?」
横山議員
「通常の漁業取締官がいます。そういう人達になりますね。漁業取り締まりは県庁の職員として取り締まりをされている方達がいますね」
島田キャスター
「でも、ずっと日本中の河川でやられても取締官が見ていられないですものね。結構、闇でやることもできますよね」
横山議員
「事実上、難しいですね」
反町キャスター
「密漁し、そのまま養殖業者に持って行っちゃえば、そこで即金で買い取ってもらえるのであれば、比較的サイドビジネスとして良い商売になる。そういう理解でよろしいのですか?」
横山議員
「うん、それが管理が難しかったということの、そういうことですよね」
島田キャスター
「生田さんはどう見ていますか?」
生田氏
「密漁の話になると、僕が聞いた話ですけれど、本当に良いサイドビジネスですね。だから、反社会的勢力というのですか、現在の言い方だと。ああいう方々も、結構、やっていると、随分聞いていますけれども」
反町キャスター
「収入源に?」
生田氏
「収入源」
反町キャスター
「取り締まりの方法ってないのですか、そういう意味でいうと」
勝川准教授
「いや、国がきちんとトレーサビリティをもってウナギをやっていく。たとえば、養殖の池に入れるのには、誰からどれだけ買ったのかが入っているとか。池に入れる段階できちんとモニタリングをしていく。届け出する。だから、ライセンスを持った人がいつ採ったものがここには入っていますよとか、そういう形で透明性をもってやっていくのが良いと思います」
反町キャスター
「ウナギは基本的に養殖の量が非常に多いという、抑えやすいビジネスでもあると思うのですが、それをどう見ていますか?」
横山議員
「抑えやすいというのは?」
反町キャスター
「要するに、池に入れる段階できちんと抑えるということが、もし制度として確立されれば、総量規制も比較的視野に入ってくるのではないかなと」
横山議員
「それが今回…」
反町キャスター
「最終的に、それが水揚げになるわけですから。出荷量に比例するわけですよね。池に入れたシラスの量の」
横山議員
「それが今回、三位一体として紹介させていただいたところで。先ほども話をしましたが、池入れ量、池に入れる段階で、しっかりと規制をしていきましょうと。それから、許可を出す時点で、許可をもらった人がしっかり報告する。報告義務を厳しくすると。報告しないと罰則もしますよということですよね。それを池入れの段階で、しっかり管理をしていきましょうと」
島田キャスター
「ごめんなさい。池入れの段階はどこが?」
横山議員
「要するに、採捕許可を出しているのが都府県になります」
島田キャスター
「都道府県があくまでも、ライセンスとかの許可制のところの、最終的な責任を持つということになるんですか。国というよりは」
横山議員
「許可を出しているのは都府県になりますから。もちろん、国とは連携を取りながらやりますけれども」
島田キャスター
「国はどのぐらい関わっていくのかなというのが疑問なのですが」
横山議員
「連携を取りながら、それは役割分担なので、国が、県がという話ではなくて、そこは役割分担ですね。一緒になってやっていくということ。ですから、大臣がこういう話をされているわけですから、どこかの知事が話をするのではなくて。そういう意味では連携を取りながらやっていくということですね」

水産資源の持続可能性
島田キャスター
「水産庁は、資源管理あり方検討会を開催していますが」
勝川准教授
「水産資源を持続的に利用していくうえで必要なことが2つあって、1つは控えめな漁獲枠を設定して、十分卵を産める魚を残すことが第一ですね。次に、漁獲枠、獲っている量が自ずと決まってくるんですけれど、ヨーイドンで皆で獲りあうと価値が出る前に、とにかく水揚げしちゃう形になってしまうので、個別漁獲枠制度と言うのですが、あらかじめ個々の船なり、漁協なりに獲っていい量を渡してしまう。だから、現在は大皿料理を皆で獲ろうと思うとあっという間になくなっちゃうではないですか。だから、小皿に分けてしまおうと。そうすると、自分の権利になりますから一番魚のいい時期を狙って、選んで操業しに行けるという制度です。これが世界中で既に導入されていて、個別漁獲枠制度を導入したあと、漁業が経済的に成長産業に変わった国というのが非常に多いんですね。漁獲枠を個別に分けると、何が変わるかというと漁業者のインセンティブというのが変わるんですね。ですから、大皿料理の時、とにかくライバルより早くとらなきゃというので、お金になりそうなものは持って帰ってしまおうというふうになってしまうのですが、自分がとっていい量が決まっているとできるだけ高いものを持って帰ろうと思うんです。たとえば、漁師にとっては、海の中は現金早掴み大会のような感じで、価値のあるものがいっぱい落ちているわけです。これがもし時間で1分と決まっていれば、1分でとれるだけ、とるけれど、あなたは5枚しか獲ってはいけませんよと言われたら、1円玉、10円玉ではなくて500円玉を獲りますよね。そういう形で漁獲枠を個別に分けると、より早さを競う漁業から質を競う漁業に変わる。海の生産力は限られていますからより有効に利用できる。アメリカは2002年から2010年で国の漁業生産量が5割上がったんです」
反町キャスター
「これまでの7割しか獲れないけれども、皆さんが旬の時にあわせて、高値で売れる時に獲れば、所得は増えますよという説明というのは、たとえば、研究者の皆さんとか、政府から漁業者へなされていないのですか?」
勝川准教授
「これまで自由に獲れていたものが規制をされるというのは漁業者にとってすごく嫌なことですね。しかも、規制のない状態ですら生活が厳しいのに、そのうえ個人が獲れる量まで規制されたら、それは死ねと言うのかと思ってしまうのは、理解できるんですよ。個別漁獲枠制度はニュージーランドやノルウェーが1980年代に入れたのですが、その時どういうふうに入れたのかを聞きに行ったんです。漁業者がやろうと言って始めた国はなくて、どこの国の漁師も反対するんです。ただ、ノルウェーも、ニュージーランドもそうですが、個別漁獲枠制度を入れたら5年もしないうちに漁業が儲るようになって、現在聞くと漁業者の95%以上が賛成です。だから、現在は漁業者の意識が高いなと感じるんだけれども、実際のプロセスでは入る時はすごく抵抗したんです。ただ、結果として皆が儲るようになって支持された。これは漁業者にとってすごくプラスになる制度」
生田氏
「規制を入れることはすごく大変だと思うんだけれど、結局漁業者の価値観を180度変えるということです。これまでの漁業者の価値観は何なのかと言うと、大漁旗に代表されるように、大漁旗を翻しながらいっぱい獲るぞと行くのが漁業の概念なわけではないですか。それをお前は10本しか獲っちゃダメだよと言うと大漁旗は必要なくなるわけですよね。だから、これまでの、いっぱい獲るという価値観をこれしか獲らないというような価値観に転換することですよ。これはすごく難しいことだと思う」
島田キャスター
「漁業者から転換できると思いますか?」
生田氏
「漁業者は転換できませんよ。だから、国がリーダーシップをとるなり、あとは国民世論です」
島田キャスター
「回遊魚の場合には、たとえば、ノルウェー一国が我慢しても仕方ないとかにならないのですか?」
勝川准教授
「ノルウェーはほとんどの水産資源を他国と共有しています。たとえば、EUとロシアとほとんど共有している。ですから、全体の漁獲枠を皆で決めなければいけない。ヨーロッパにはアイセスという研究者の集合があって、IUCNの漁業版のようなものですが、そこでサバだったら今年は何トンというのを出すんですね。この漁獲枠を国の交渉で分けていく。それは国家の交渉。ノルウェーはノルウェーの獲り分がある。これをさらにノルウェーは漁船ごとに分けていく。全体の漁獲枠を研究者が決めて、それを国で分けて、国の中でもまた分けてという形で、個別に分けていく。全体の資源を残しながら個別に分けていく仕組みがヨーロッパにはあるんです。日本の場合、太平洋側と日本海側で違って、日本海側は、韓国、中国と接していますから、ヨーロッパとノルウェーがやっている共同管理の枠組みというのがないとなかなか難しい。ただ、太平洋側はEEZがずっと太平洋側に張り出していて日本1国で使える。まず太平洋の資源ときちんと日本のイニシアティブで管理する。そのうえでそのノウハウを持って中国、韓国と一緒に漁業管理をする枠組みをつくっていかないといけないなと」
横山議員
「資源量に関しては、私は一昨年に『魚は減っていない』という本を書いて、何を根拠に書いたかというと資源対象魚種が五十数魚種あるのですが、平成8年から比較すると、いわゆる低水準にあった魚種というのは、平成の初めの頃はだいたい全体の6割ぐらいです。現在は高位水準から中位水準の方が6割。明らかに魚は増えているんですね。と言うことですから、実際に魚が減っているという感覚ではなくて、低位水準の魚をどうするかということを考えていかなければいけない。その意味で、勝川先生がおっしゃったようなIQ(個別割り当て)というのも1つの手段だと思っていまして、今回のあり方検討会でも、そこは議論していただいて、IQの導入についてまずサバからやっていきましょうというような具体的な話も出ている」

横山信一 農水政務官の提言:『自主管理は世界が注目!』
横山議員
「IQ(個別割り当て)というものも1つの手段ではありますが、実際に漁業者自らの自主管理と公的管理を組み合わせることで非常に効果的な漁業管理ができるというのが世界に大きく広がっています。そういう意味では、日本は非常に優れた技術を持っていますので、資源管理技術を持っています。こうした日本の技術をもっともっと積極的にアピールすべきだと思います」

勝川俊雄 三重大学准教授の提言:『STOP 乱獲・乱食』
勝川准教授
「ウナギの場合も、マグロの場合もそうですが、卵を産む前に獲ってしまう、食べてしまう。その結果として我々の子の代、孫の代がウナギやマグロを食べられるのかという状況になってしまったんですね。ですから、我々は漁食に関して言うと、持続性をきちんと考えて、魚を獲る人も、魚を食べる人も、持続的な漁食というものに切り替えていかないといけないと思います」

生田與克 NPO法人魚食文化の会理事長の提言:『みんなで我慢』
生田氏
「勝川さんも言ったけど、子や孫の代まで美味しい魚を皆で食べていってほしいではないですか。そのためには現在の私達が少し量を我慢して、なるべく声をあげて漁業者の方に、そういう声を届けて持続的な漁業を実現するということが一番大事なことだと思います」