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2014年6月11日(水)
再調査合意を徹底検証 日朝間に埋まった地雷

ゲスト

古屋圭司
拉致問題担当大臣
平井久志
ジャーナリスト

北朝鮮 特別調査委員会
島田キャスター
「拉致被害者の再調査に関する日本と北朝鮮の合意の発表からまもなく2週間となります。5月29日ですが、北朝鮮側は、従来の立場はあるものの、全ての日本人に関する調査を包括的かつ全面的に実施し、最終的に、日本人に関する全ての問題を解決するとしています。これまでの拉致問題は解決済みという主張を変えまして、大きな方針転換をしました。それに対して、日本は、まずは調査を開始する時点で現在日本が独自にとっている北朝鮮に対する措置を一部解除するとしていまして、この合意に基づいて拉致被害者を含む、全ての日本人に関して調査が始まることになりました。その調査ですが、どういう流れで行われるのかということですが、こちら日朝合意から3週間をメドに特別調査委員会を設置するとしました。よって来週にも特別調査委員会が北朝鮮に立ち上がる予定となっています。北朝鮮の調査の進展にあわせて、北朝鮮が進捗状況を報告します。日本は、日本側の検証要員を派遣して、調査内容をここで検証します。その後、日本人の生存が確認された場合帰国させる方向で話が行われるということです。どれぐらいの期間、行われるのかということについて、菅官房長官は、おおよそ1年ぐらいだという認識を示しています。今回の焦点の1つというのが特別調査委員会の設置だと思うのですが、これは北朝鮮が設置するということですが、どういう人達がどれぐらいの規模で置くのですか?」
古屋拉致問題担当相
「これは北朝鮮との合意の中にも、全ての分野について当事者能力がある人間を置くと。特別の権限と言っていますね。そういう人を置くんだと。その特別委員会を立ち上げると。こういうことですね」
島田キャスター
「一部報道で、国家安全保衛部、秘密警察とも言われているのですが、金正恩第一書記と直結している組織だということなのですが、ここにいる人達が関わってくるということもあるのでしょうか?」
古屋拉致問題担当相
「それは北朝鮮にいろんな組織がありますからね。組織、指導部があれば、統一戦線もあるわけですから、それぞれ皆役割分担というのが当然、あるわけでしょうから。そういったところを全部統括できるというか、マネジメント能力がある人間が入ってこなければ、意味がないですよね」
島田キャスター
「独裁国家ですから、それは金正恩第一書記ということになりますね」
古屋拉致問題担当相
「そうですね」
反町キャスター
「国家安全保衛部という、その組織が、今回、拉致被害者調査に本格的に関与するとなると、これは本格的なものになるのかなというような報道が流れている中での、現在のやりとりになっているんですけれども、いわゆる拉致の主体、拉致をした人達はどこのグループがやったのか。当然そこも中に組み込んでいかなくてはいけないわけではないですか。国家安全保衛部がやったという情報もあるのですか?」
平井氏
「いや、調査部であるとか、全部。中にあるセクションであるとか、云々の部分の…」
反町キャスター
「1つではないんだというね。いくつかの組織でやっているんですよね」
平井氏
「5つぐらいの工作機関があると言われていますから、日本の被害を受けた方達も、いろんな工作機関がやっていて、しかも工作機関同士が隣で何をやっているかわからないというのが現実ですから、非常に難しいですね」
反町キャスター
「そこの部分で、今回の特別調査委員会のメンバーをこちら側から見た時に、拉致をやったと思われる組織は3つだか、4つだかわかりません。1つではないですよね。それぞれの組織から全部入っているかどうかという、ここはポイントになりますか」
古屋拉致問題担当相
「どういう中身を出してくれるかですよ。現在平井さん言ったように、我々も経験則からわかっていることはね、めちゃくちゃ縦割りですよ。これは1つの例から申し上げますと、これは黄長燁という人、前の政権の時、日本に呼びましたよね。いろいろ話を聞いたけれども、全く拉致のこと知りませんよ。知らない」
反町キャスター
「でも、彼は金正日の知恵袋…」
古屋拉致問題担当相
「いや、だけど、彼はそれには関わっていない。本当か嘘かわかりませんよ。だけども、そういうこと。何しろ縦割りだから、隣の組織が何をしているのかわからないと。こういうことを本人は言っていましたよね。だから、それはまんざら、私は全てが嘘と思えないし、現実に我々がいろんな情報筋を通じて、入手している情報でも、そういう傾向は間違いない。これは平井さんも専門ですから、ご承知のことと思います」

日本が派遣する 検証要員
島田キャスター
「調査の過程で日本側が検証要員を北朝鮮に派遣するというような予定になっているのですが、いろいろと過去に北朝鮮が出してきた検証結果というものと日本側がちょっと違うのではないかという様々な疑問があるということが残っているのですが、たとえば、有本恵子さんに関して、報告としては28歳、石炭ガスで中毒死したんだというようなことですけれども、その死亡後も目撃情報があったりだとか、本当に様々な疑問点が残ったということですね。これまでの調査結果で、たとえば、北朝鮮が出してきた死亡診断書など、北朝鮮側が捏造と認めるようなことがあったりだとか、遺骨を別人のものを出してきた、合成写真を提供したりだとか、いい加減なものだったと。日本側としては、歯型やDNA鑑定によって嘘をあばいてきたというのがこれまでですが、2004年に、横田めぐみさんの骨の真偽を巡って両国の見解の相違が浮き彫りになり、その後、日朝協議が一時中断しました。その後、2008年の福田内閣の時、再調査に合意したのですが、福田内閣が退陣したため、実施は見送られたという経緯で、これまで来ているんですけれども、今回、日本が送り込む検証要員の人達というのは、どういうふうな人達で、どういう検証を向こうでするのかということですが」
古屋拉致問題担当相
「たぶん、おそらくメディアの皆さん方は、この合意文書の中に、日本側関係者による、北朝鮮滞在、関係者との面談、関係場所の訪問を実現させるというくだりがありますので、そういうご質問だと思いますが、我々はこういう文言がある以上は、あらゆる場合を、頭の体操をしていろいろ考えていますよ。でも、じゃあ、どういう人員でいつ派遣するかなんてことはとても申し上げるわけにはいかないし、まだ全く考えていない。現在の時点では考えていない。しかし、あらゆる頭の体操はしています」
島田キャスター
「過去に結構、騙されてきたというのが私達の中にあって、もう騙されないぞというような決意でたぶん行くのだと思うのですが、向こうでどういう検証をするのですか。DNA鑑定とか?」
古屋拉致問題担当相
「それは具体的なことは。どういう検証をするかということは一切、まだ決まったわけではないので、まだ向こうからどういう調査委員会を立ち上げたという報告もない。だから、そういう意味で、私達はあらゆる想定をして、いろいろ頭の体操をして、準備はしっかりと。現在関係部署が連携をして、取り組んでいるということだけは申し上げます」
反町キャスター
「ただ、日本からの検証要員というのは平壌にも行くという、平壌以外に行くところはないと思うのですが、平壌に行く場合と、そのタイミング。特別調査委員会が発足しましたというタイミングで行くのか。そろそろというところで行くのか。全部が揃いましたというところで行くのか。それとも最初からずっと駐在するのか?」
古屋拉致問題担当相
「いや、ここはどういう中身になるのか。その動きがどうなるかによって、総合的に判断する話で、現在ここでこうしますとはとても言えない」
島田キャスター
「いろいろなことを想定しているということですが、これまで騙されてきたんですけれども、どういったことが日本側にとって今後の再調査の中で、検証の段階で必要だと思いますか?」
平井氏
「私の記憶ですけれども、日本側が提出した過去の拉致問題の疑問点が、150項目ぐらいあったのではないかという記憶があるんですね。ですが、おそらく最初は政府認定の人達に関しては、この日本の150項目の疑問点に北朝鮮側がどれぐらい誠意を持って、詳細に答えてくるのか。そこが最初の検証になるのではないでしょうか。それともう1つ注目したいのは、今度の再調査が日朝の共同委員会方式ではなくて、一応、北朝鮮がまず調査をして、それを日本が検証するというスタイルになったということですから、一義的にはおそらく北朝鮮がまずある程度の報告を出してきて、その段階で公表されるのかどうか、日本政府の検証作業というものを通じたあとに公表されるのか。そこのところは今後の推移を見ないとわからないと思いますけれどもね。そういう合意になっていますから、北朝鮮側もまずおそらく150項目に渡る疑問点に関する、ある種の回答、調査結果というのを、いつ出して来るかというところが大きなポイントになるのではないかと思いますね」
島田キャスター
「気が早いかもしれないですけれども、最終的に全ての調査が終わったあとで、安倍総理が北朝鮮に出向くということは、日本政府としては可能性としてはあるのでしょうか?」
古屋拉致問題担当相
「この前、外務大臣もちょっと言及していました。それから、総理ご自身も交渉のための交渉ではなくて、本当に拉致問題を解決するための話だったら、私は堂々と第一書記と会う用意があるということを公の場でも言っていますよね。それに尽きると思います」
反町キャスター
「ゼロベースでの調査が始まるという期待でいいんですね。と言うのは、何を言いたいかというと、これまで北朝鮮側が死んだと言っていた人達、横田めぐみさんも含めて、彼女も含めたその死亡を、北朝鮮側が亡くなったと言っていた人達の、生存の可能性。そこも踏まえた調査だというふうに理解していいのですか?」
古屋拉致問題担当相
「今回の合意で、従来の考えはあるもののと書いてある。思うものの、しかし、全ての調査をしますということですよ。この言葉の中には非常に大きな意味が入っているんですね。実際にこれまではもう拉致の匂いもしないといって、交渉の時、全部そうなっていたんです。今回、それを言っていないんですよ」
反町キャスター
「その意味でいうと、思うもののというところに一筋の光が見えるかもしれない?」
古屋拉致問題担当相
「いや、そう言わざるを得なくなった。言えなくなったということですね」

制裁一部解除の懸念
島田キャスター
「今回の日朝合意では日本が独自に行っている制裁を段階的に解除することになっています。具体的には、まず北朝鮮の再調査の開始の時点で、たとえば、人的往来の規制、送金及び現金の持ち出し金額の規制、さらには人道目的の北朝鮮船舶の入港禁止。こういったものを解除するとしています。ただし、この北朝鮮船籍に関して、日本政府は万景峰号を除くとしています。さらに適切な時期に人道支援を行うことを検討するとしているのですが、こちらの再調査開始時点での、独自制裁の解除については超党派の国会議員でつくる拉致議連や家族会の中にも反対の声があります。なぜ開始時点で解除ということにしたのでしょうか?」
古屋拉致問題担当相
「まず調査の開始が、どういう形で開始をされるかというのは、我々としてもしっかり検証をします。それが大前提ですね。もう1つは、現在拉致議連からも、そういう批判があった。よく交渉の扉を開けたと、こういうことをしないと交渉が始まらないという声もありました。最終的に、これは総理の強い決意と判断でなされたわけですね。私はむしろそういう声が上がるということはいいことだと思っているんです。なぜか。もしそうやって解除をして、北朝鮮がまた前と同じことをやったら許さないという、その圧力、声ですね。だから、むしろ私はそういう声が出てくることが健全だと思うし、私はしっかりと真摯に受け止めたいと思っているんですよ」
島田キャスター
「しっかりと調査をすると。その時点で決めるんだということですが、では何をもって合格ラインと言っていいのかどうかわからないのですが、ゴーだと」
古屋拉致問題担当相
「それは、たとえば、資格試験の点数みたいに80点以上だと優で、60点は…、そんなことは現在、現実にやれませんので、中身が来た時に、しっかり関係者で精査をして、我々もいろんな情報を、これまで苦労をして、情報の蓄積もありますので、しっかり、そういうものに照合しながら、総合的に判断をしていくということになります」
反町キャスター
「北朝鮮に対する制裁、国連でやっているもの、金融制裁やら何やらも全部含めていろいろあるのですが、これ以外のものって、たとえば、貿易ものとか、いろいろあるわけですか?」
古屋拉致問題担当相
「たとえば、貿易は全部禁止されています。それから、この送金も一部だけですから、認めているのは」
反町キャスター
「その意味でいうと、たとえば、量的にも、質的にも、本当に北朝鮮が解除してほしいという制裁のカードはまだ手元にある?」
古屋拉致問題担当相
「まだあります」
反町キャスター
「いくらでも?」
古屋拉致問題担当相
「あります」
平井氏
「福田政権の時に、実は制裁の一部解除というのに、チャーター便が入っていたんですね。それは今回入っていないわけですよ。なぜかというとですよ、そのチャーター便が就航しても、貿易は禁止されていると、全く北朝鮮からの輸出ということはできないわけですよ。空のチャーター便が飛んでも意味がないわけですね。だから、チャーター便の就航というのは、たとえば、輸出ができると、貿易ができるという条件があってこそ、意味があるわけですので、そういう意味で北朝鮮は実利を取ったというか、福田政権時代の合意にあったチャーター便を落として、今回送金、現金の持ち出しを入れているわけですね」

朝鮮総連問題の対応策
島田キャスター
「今回、合意文書に盛り込まれなかったのですが、北朝鮮がこだわったとされているのが、朝鮮総連本部の問題ですね。それはどういったものなのかと言いますと、千代田区にある朝鮮総連本部が2013年に債権回収のため競売にかけられました。今年3月に香川県の不動産会社、マルナカホールディングスが競り落としました。これが22億1000万円ですね。朝鮮総連は最高裁に不服の申し立てを行っているのですが、それが棄却された場合は、ビルを明け渡すことになるということです。この件については何か北朝鮮側と話し合いがあったりだとか、合意は?」
古屋拉致問題担当相
「これは、もうニュースでも流れていますよね。これは日本の三権分流、特に司法で対応をしていることなので、これはどうしようもないです。これは司法の判断ということで。それは繰り返し言うでしょう。こちらも繰り返し言うだけです」
反町キャスター
「ただ、その点に関して日朝平壌宣言、2002年の。金正日総書記と小泉総理の間で交わされたものです。この中にこういう文がありますよね。『双方は、在日朝鮮人の地位に関する問題については、国交正常化交渉において誠実に協議をすることとした』と。つまり、在日朝鮮人に関する問題というのは何か。これは、つまり、総連ビルの問題ではないのですかという、ここの部分はいかがですか?」
古屋拉致問題担当相
「うん、それも1つあるかもしれません。しかし、もっと朝鮮人の地位というか、尊厳という。私は、平壌交渉10周年に際しての古屋圭司拉致問題担当大臣談話というのを出しているんですね。この最後の部分、これがポイントなんです。北朝鮮の指導部に対し、歴史的、大局的見地に立って、平壌宣言の精神に今一度返って、拉致被害者全員の帰還を実現するという、正しい判断を下して、問題解決に向けた真剣、かつ具体的な話し合いに応じるよう強く求めます。そのようにすることが、北朝鮮が尊厳を持って、我が国を含めた世界各国との融和を達成する端緒とすることができるのでありますということですよ。だから、私らはこれを大きく書いてあるわけです。朝鮮総連の問題も一部ではあるかもしれないけれども、もっと私達は大きな視点で捉えて、この文書を合意した。これは北朝鮮に対するメッセージです」
反町キャスター
「総連ビルの話をどう見ていますか?」
平井氏
「宋日昊さんは、最初の交渉の後に、この問題が解決しないと、日朝関係の全般の前進もないんだと。入口論だったんですね。今回の合意を見ると、そういうレベルからいうと、北朝鮮も水位が下がっているんだと思いますね。今回の合意文の発表内容は、日本側の発表文と北朝鮮側の発表もあわせますと、全く同じではないんですよ。それを北朝鮮側の発表で見てみますと、1番は国交正常化です。2番目が制裁の一部解除、3番目が人道支援のこと。4番目に在日朝鮮人の地位問題が出てくるんですよ。ですから、明らかに、宋大使がおっしゃった、これが入口だというところがあると、この合意文は向こうの発表でも4番目に来ているんですね。ですから、これが解決しないと、何もかもがダメだというほど、強いトーンから下がっているということがこの合意文書から読めるのではないかと。もちろん、この問題を北朝鮮は引き続き主張するでしょうけれど、全体の中で、この問題のために日朝が、たとえば、国交正常化に向けた動きが阻害されるほどのウェイトは現在考えていないのではないか。だから、この合意文が完成したのではないのかなと」

北朝鮮が調査に応じた背景
島田キャスター
「北朝鮮は拉致問題が解決済みという立場をずっととってきたのですが、ここにきて立場を一転させた。なぜ急にころっと変えたのですか?」
平井氏
「それは、この十数年間の中で、北朝鮮の拉致問題の前進なくしては、彼らの望んでいる過去の清算、国交正常化というのが実現しないということを学んだと思うんですね。ですから、第2の日朝平壌宣言というか、小泉さんが金正日さんとやった平壌宣言に戻るという彼らは認識だと思いますね。ですから、日本ではどうしても拉致問題にばかり関心が集まるのですが、このことによって対価として日本がやらなければいけない、制裁の一部解除であるとか、国交正常化へのプロセスとか、そういうことをもう少し議論する必要はあると思いますね」
島田キャスター
「北朝鮮の経済的なものなのかなと思うのですが」
平井氏
「経済的に追い込まれたという見方は間違っていると思います。経済的な困窮に追い込まれたから、こういう合意に出ていったわけではないと思います」
島田キャスター
「小泉さんの時はミスターXという人がいたと言われていた。今回の交渉の中でミスターX2みたいな存在はあったというふうに見ていますか?」
平井氏
「そこはよくわからないです。現在横田さんご夫妻がお孫さんとお会いになった時に外務省が非公式の接触を続けて、それはうまくいったんですね。ですから、外務省の、そういう非公式のパートナーは当然いるわけですよね。その関係が非常にうまくいったということが、今回の合意につながったという意味で、カウンターパートがいるということは事実だと思いますけれど、それが田中さんのパートナーであったミスターXと同じようなポジションにいるのかどうか。そこはちょっと即断しかねるところがあると思いますね」

日朝合意で日米韓関係は 核・ミサイル問題の行方
島田キャスター
「今回の日朝合意について、アメリカなどから拉致問題の解決への期待を寄せる一方、核やミサイルの問題が置き去りになるのではないかと懸念の声もあがっているのですが、アメリカの理解を得ていると考えよろしいのですか?」
古屋拉致問題担当相
「この合意をする前に、一切漏れていなかったですよね。だから、メディアの皆さんも、これは継続したことだけが成果だというような報道でほとんど一致していました。そういう意味では、非常に情報統制がよくできたということだと思います。一方で、我々が発表する前にアメリカには事前に、直前ですけれども、連絡はしています。理解はしています。と言うのは、私が昨年アメリカのワシントンで政府主催シンポジウムをやった時にも、この時に国務省の関係者も政府関係者も来ていましたから。日本というのは、核・拉致・ミサイルを包括的に解決することが日本の基本方針だけれども、日本は拉致問題を抱えている。だから、交渉の入口において、拉致問題を2国間で交渉することはあるんだと。結果として、そのことが核・ミサイルの解決の端緒にもつながっていくんだということを私は発表して、なおかつ事前に向こうの国務の関係者、政府の関係者とも話して、きちんとそういう認識を持っていますから、そこからずっとスタートしています。ですから、我々が拉致問題だけを交渉することによって、核、ミサイルの問題が遠ざかるという認識はないですね」
平井氏
「心理的に韓国が出し抜かれたという疎外感を少し感じているのは事実だと思うんですけれど、もっと日本政府はプラスの面を言うべきではないかと思うんですね、アメリカに対しても。それはどういうことかと言うと、ずっとこの間、北朝鮮は第4回目の核実験を準備しているという話がありますよね。ところが、もし核実験をやったら日朝交渉をこのまま続けられますかと。日朝交渉が続いている間というのは、北朝鮮は逆に核実験ができない状況なわけですよね。当然、日本政府はもし核実験をやれば、この日朝交渉はストップします、先には進めませんとおそらくはっきりと通告すると思います。ですから、日朝交渉を続けるということが、ある意味では第4回目の核実験をやらせないことを担保している状況をつくり出していると思うんですね。韓国から出た今回の危惧とはむしろ逆で、この日朝交渉を続けている間は、私は北朝鮮は核実験はできないと思います。長距離ミサイルの発射はできないと思いますね。そういう意味で、この交渉が北朝鮮を挑発路線から対話路線に切り替えさせるための導入として非常に大きな役割を果たしていると私は思います。ですから、この日朝がうまくいけば逆に韓国との南北関係への改善に転換する可能性もあるし、北朝鮮は現在、6か国協議の即時再開を希望していますけれども、これは南北関係の改善なくしては現在の状況ではあり得ないわけですから、日朝交渉というものを次は南北(関係の改善)に続け、次は核問題に対する6か国協議の再開とか、米朝協議を続けるためには日朝交渉の果たす役割は大きいと思いますね」
島田キャスター
「拉致、核、ミサイルは包括的に解決するのですか、拉致、核は分けてやっているのですか?」
古屋拉致問題担当相
「これは基本的に、私達が言っていることは一致しているんですよ。まず日米韓の連携はすごく大切ですよと。連携することが結果として、南北関係についてもいい影響を与えていくと、平井さんもそういう解説をし、その通りだと思います。一方、拉致、核というのは、私達が分けてやっているというのは実はこれは私達が政府の主催で、ワシントンで初めて宣言をしたことと同じことを言っているんですよ。要するに、我々は拉致、核、ミサイルは包括的に解決するけれども、一方で交渉の入口において日本は拉致問題を抱えているから、2国間でやりますよと。だから、拉致と核は分けているけれども、しかし、結果として核、ミサイルの問題も拉致問題を解決していくということがその解決に向けての端緒になっていくんですということを彼は申し上げたかったんです。おそらく菅官房長官はそういう意味で言ったんだと思います」

ジャーナリスト 平井久志氏の提言:『結者解立 合意順守』
平井氏
「韓国の言葉です、結び目をつくった人がこれを解くべきであると。ですから、過ちを犯した者がまずその過ちを自分が正すべきだと。これは北朝鮮に対する提言として、拉致という過ちを犯したわけですから、まずそのことを自分達が過ちを正すということをやってほしい。もう1つは合意順守。私がちょっと不安なのは安倍さんが本当に国交正常化までやる気があるのかなと。所信表明演説等でも安倍さんは、歴代政権は日朝平壌宣言に基づいて過去を清算し、国交正常化のために努力をするとずっとおっしゃっていたのに、安倍さんはそういう自由演説の中ではおっしゃっていないんですね。古屋大臣は先般10周年の談話の中でそのことに言及されているのですが、今回の記者会見でも安倍さん自身の口からはまだ出ていないので、だから、これは相手のあることですし、ビッグディールが必要なわけですから、拉致解決と国交正常化というビッグディールだと思うので、お互いが書いてある内容を誠実に履行していくということが拉致の解決にも、国交正常化としても、日本の戦後処理ということについても重要になってくるのではないかと思うんですね」

古屋圭司 拉致問題担当大臣の提言:『気迫・覚悟!』
古屋拉致問題担当相
「拉致問解決のためには、まず気迫ですね。これがないと絶対胸突き八丁の交渉を成功させることはできないと思います。もう1つ覚悟と申し上げたのは、これは徹底的にやるぞと。だから、もしあなた達がこの合意に基づいて約束を守らない、順守しないならわかっているねという覚悟ですよ。覚悟というのは全てを含めた覚悟ですよ。我々が拉致問題を解決するというのは全ての家族の皆さんと拉致被害者が帰ってきて、抱き合う日が来るまで私の任務は終わらない」