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2014年6月10日(火)
人口減少問題緊急検証 どう生かす成長戦略

ゲスト

西村康稔
内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員
鬼頭宏
上智大学教授

ニッポンの未来を考える 深刻な人口減少問題
島田キャスター
「深刻化する人口減少問題を受けて、先月、将来の日本の人口に関する定義がなされました。政府の有識者会議の『選択する未来』委員会というところからは、現状のままでは人口の急減、超高齢化社会が到来して、2060年には、人口が8674万人、現在の3分の2になると推計されるために、制度や政策、人々の意識を速やかに変えて、50年後に1億人程度の安定した人口構造を保持すると提起。日本創生会議というところは、増田寛也元総務大臣を中心とする有識者会議ですが、2040年までに全国の現在1800の自治体のうち、およそ半分の896の自治体で、20歳から39歳の女性が半減して消滅する可能性があると」
反町キャスター
「国の危機というとまず1000兆円の借金の話をするのですが、国の借金の返済だとか、長期金利だとかというのを考えた時に、人口減というのは非常にきわどいテーマだという人も多いのですが、そのへんをどう受け止めたらよろしいのですか?」
西村議員
「まさに借金を返すには税収が増えるか、歳出を減らすか、増税するかになるわけですね。1つ目の、税収が増えるためには成長しなければいけませんから、先ほどの話で、労働人口が減る中でしっかりと成長できるかどうかという課題に直面しますし、歳出削減と言いますけど、人口減少と同時に高齢化はどんどん進んでいきますので、お年寄りは長生きされますので、社会保障費が現在は年間1兆円ぐらい増えていくわけですから、歳出削減が非常に難しい状況の中で思い切ったことをやらなければいけない。3つ目の増税も成長もしない中で、人口が減る中で増税に耐えうるのかという議論になってきますから、そういう意味では、本当に大変な問題ですので、現在申し上げた人口がどう減っていくのを抑えるのか。これが1億人程度、50年後、2060年ぐらいに、1億人を維持しようという、1つの提案をいただいてきました。そのためには出生率を2.07まで上げなければいけない」
反町キャスター
「大変ですよね」
島田キャスター
「現在、1.4」
西村議員
「大変なんです。相当なことをやらないと、マクロ的には、日本全体としては、維持できませんし、成長がおぼつかなくなる可能性があるわけですね。結婚したカップルに何人ぐらい子供を持ちたいかと聞くと、だいたい2.4人です。平均が2.4人です。だから、結婚されると2人以上持ちたいという気持ち、希望を持っておられる。それから、独身の女性に聞いても、2.1人ですね。結婚して何人(子供を)持ちたいですかと聞くと2人以上ということ言われますので、そういう意味では結婚してもらって、そのうえで、子育ての環境を整えれば、決して無理な数字ではないので」
島田キャスター
「つまり、環境が整っていないということですね」
西村議員
「はい。その前に結婚も遅れています、しなくなっていますので、そのあたりは総合的な対策を打たないといけないということで、政府全体で取り組んでいこうという方針で、骨太方針、成長戦略もまとめています」
反町キャスター
「1800のうちの900近い自治体が消滅するというと、その時、日本は、どういう国になっているのか。イメージはありますか?」
西村議員
「地方はまばらに住んでいく社会になってしまう。放っておくとですね。そうすると、行政はすごくコストがかかるわけですね。離れたところの交通インフラ、道路はつくらなければいけない、救急の病院は整備しなければならないと。従って、できるだけコンパクトな、コンパクトシティと言われますけれども、できるだけいろんな機能を集約化していこうというのが、1つの方向性になっています。まばらにいるより集まってくれた方が、いろんな産業も飲食店もそうですし、散髪屋さんでもクリーニング屋さんでも、いろんなサービス業は可能性がありますから、そういう意味では集積というのが、1つの大きな方向性、集約、集積。これが1つの方向性になりますし、それから、そうは言っても田舎で、地方でどうやって雇用を生み出すのかという活性化の議論と、この2つがすごくポイントになってくると思いますね」

歴史に見る人口減少問題
島田キャスター
「人口問題を歴史的なアプローチから研究なさっているということなのですが、現在人口が急減という状況。これは日本で初めての現象なのでしょうか。それとも過去にもあったのでしょうか」
鬼頭教授
「過去にも何度か人口が減った時期があります」
反町キャスター
「江戸時代?」
鬼頭教授
「短い期間ですが、年数でいうとだいたい120年ぐらいですか。そのぐらいの期間、1世紀以上、人口が停滞した時期があります。この18世紀の人口の減少、一時減少して、少し戻りますけれども、人口減退というのは少子化ですよ。晩婚化と少子化」
島田キャスター
「どこかで聞いたことのある」
鬼頭教授
「現在ほど激しくはないけれども、18世紀を通じてだいたい女性は3歳ぐらい結婚年齢が遅れます。そうするとちょうど子供1人分が減るぐらい」
反町キャスター
「その少子化、晩婚化を切り抜けた方法、切り札は何だったのですか?」
鬼頭教授
「農村で手工業生産が盛んに行われるようになった。それは農民自身がやるという面もあります。それと同時に、藩が主導し、資金を渡すということで、非常に産業が活発化してきますね。これは世界的にも似たような現象があって、最近ではプロト工業化。本格的工業化の前のタイプの工業化という言い方をしています。戦前は農村工業と言っていましたね」
反町キャスター
「特に江戸時代の人口減少から戻っていくための流れというのは現在の日本に非常に似ている、地方の活性化みたいなイメージと聞いていたのですが、そういう理解でよろしいのですか?」
鬼頭教授
「その通りですね。1818年に、80年ぶりに貨幣価値をやるんですよ。これは、1つのきっかけです。金融緩和ですよね。それが全国に波及し、藩で幕府のお金が足りないので藩札を刷るんですよ。ところが、それは単なる借金証文として出すわけではなくて、それを原資にして、つまり、農民などに貸しつけて、産業に従事させるわけです。産業を始めさせるわけです。それがまわって、地方の経済発展ですね」
反町キャスター
「それが人口増にまでいくわけですね?」
鬼頭教授
「そうです」
反町キャスター
「つまり、豊かになることによって子供が増えるみたいな」
鬼頭教授
「はい」

人口ゼロ成長 目指した40年前
島田キャスター
「毎日新聞の1974年、約40年前の1面の見出しなのですが、人口ゼロ成長を目指せ。15年ぶりの白書で6項目の提言で、子供は2人が限度ということですね。40年前、時の政府が人口の抑制政策に掲げたということが見てとれるんですけれども」
鬼頭教授
「その当時はまず環境問題というのが公害からより地球規模に広がったという認識が出てきますよね。それから、1968年にアポロ8号が月の裏側に回って地球を映す。月面から地球が浮かんでいる。アースライズと言っていますけれど、地球の出ですよ。すると、非常にちっぽけな、はかない存在であると。そこで当時、人口爆発が起こったわけですね。その白書が出た前の年の2年前、1972年にはローマクラブの報告書で、成長の限界というのが出て、この経済成長と人口成長が続いたら、石油はあと30年しか持たない。石炭だともうちょっと持つけれど、何百年だとか。鉄はどうだ。いろいろな資源の限界を示したわけですよ。それだけだったら、おとなしく、冷静に聞けたのかもしれないけれども、先ほどもお話にありましたように、オイルショックがあったわけですね。それで大変なことになるぞということで」
島田キャスター
「焦っていたのですか」
鬼頭教授
「とにかく世界の人口増加を抑えなければいけないので、当時世界の人口増加を引っ張っていったのは途上国ですよ。先進国は一応、多産多死から少産少死へと、人口転換という現象が起きて、達成していますから、そんなに増えないんです。ちょうどいいぐらいだったんです、日本は。だけど、ちょうど二酸化炭素を削減して温暖化を防ごうというのと同じで、日本は真面目ですから、途上国を説得するために自分の国もはやく人口をストップさせようと」
島田キャスター
「この頃は2.1でしたよね、出生率が。人口ゼロを目指せということで、現在1.4と。ある意味、成功しているように見えますが」
鬼頭教授
「皮肉な言い方をすれば、成功していると言えると思います。白書の中で出生率を人口が維持できる水準から4%減らすだけで、昭和85年までは人口増えるけれども…」
島田キャスター
「昭和85年は2010年ですね」
鬼頭教授
「2010年ですね。ほとんど当たっているんですよ」
島田キャスター
「成功ですね」
鬼頭教授
「はい。そうして、そのあとは人口が減少しますよとまで書いてあるんです」
島田キャスター
「そこまで読めていたと」
鬼頭教授
「読めていた。だけど、そのままだったら人口が減りっぱなしになるわけですよ。だから、出口戦略を考えていなかった。それが問題」
反町キャスター
「当時の人口学者、政府というのは減少傾向に入るところまでわかっていたんですね」
鬼頭教授
「そうです。それを期待していた」
反町キャスター
「期待ですか?」
鬼頭教授
「それは出生率を落とせばこうなる。だから、当時の予測はまだ増えっぱなしですから」
反町キャスター
「もちろん、それがゆくゆくは必ず安定期に入る。そのあと下降局面に入るということまでわかっていて、わかってブレーキをかけたわけですよね」
鬼頭教授
「そうです」
反町キャスター
「そういうことですよね。まさに出口というのは人口減少局面になった時に、国がどういうトラブル、困難に直面するかという議論はその頃あったのですか?」
鬼頭教授
「その頃なかったと思いますね」
反町キャスター
「それは40年後のことなんてかまっていられない」
鬼頭教授
「そうそう」
反町キャスター
「とりあえず、現状の対応をしなくてはいけない」
鬼頭教授
「そうですね。だから、どこでブレーキを緩めるかという考えは、その当時はなかったと思います」
反町キャスター
「たらればの話をしてもしょうがないのですが、この時期に手を入れておいたら、現在みたいな状況にはならなかったという意味で、いつ頃だったのですか?」
鬼頭教授
「そうですね。1992年は…」
反町キャスター
「楽観的な予測が出ている頃に手を打っておけばとなりますか?」
鬼頭教授
「1992年はスタートしていますからね、エンゼルプランは。1990年にスタートしています。そこから、すぐ次世代育成支援対策推進法も出てきますから、もうちょっとはやい1980年代ですよ。だけど、バブルでね、その頃は」
島田キャスター
「バブルだと子供はあまり生まれない?」
鬼頭教授
「生まれないんですよ」
島田キャスター
「何でですか?」
鬼頭教授
「出生率が下がった。女性が働いて生きていくことができる自信を持った時代じゃないですか。だから、シングル体質とか、そのシングル化とか」
西村議員
「そうです。女性が働けば、働くほど、つまり、就業率が上がれば上がるほど、いったんは下がるんです、出生率は。ただ、最近の先進国の例で、出生率をとっています。2.6までとっています。こちら側に、女性の15歳から64歳の労働力率。働いている方の率ですけれども。これを見ると、出生率が働く割合が増えてくると下がってきます。どこの国でも。フランス、イギリス、日本も下がってきます。ただ、最近の傾向は一定のところまで、65%ぐらいまでくると、今度はフランスも上がってきますし、60%ぐらいからですね。それから、イギリスのケースも65%を超えて上がってきています。日本も2005年を底として上がってきています」
反町キャスター
「日本の方が労働力率が上がる割に比べ、出生率の上りが鈍いですよね」
西村議員
「そうです。ここはフランスの場合も緩やかに上がって、大きな予算をつけて、ドーンとやった時以降、上がったとも言われています。スウェーデンでもそういう傾向が見られます。ですから、女性がより働く、活躍する場面が増えることによって、収入が増える。少し安定的に子育てできるという面もあると思いますし、子育ての支援のところの保育所など、そういうところを整備する予算を追加することによって、さらに上がっていく可能性はあると思うんですね」
島田キャスター
「そうすると、エンゼルプランとかがあったけど、ドーンとやらなきゃダメだというのは、出生率を上げるうえではポイントになりますか?」
鬼頭教授
「私はそう思います。ただ1992年といいますとバブルが弾けた直後、ちょうどその頃ですから、今度は景気が悪いということで、結婚しにくくなったという状況がありますよね。非常に、状況が反対なのだけれども、少子化に結びついてしまう」
反町キャスター
「安定成長が出生率向上の鍵?」
鬼頭教授
「安定成長というか、雇用の安定でしょうかね」

人口減少問題と成長戦略
島田キャスター
「政府は今月中にもまとめる骨太の方針に人口政策を盛り込む予定です。50年後に人口1億人程度の安定した人口構造の保持を目指すという目標を掲げるほか、2020年をメドに人口急減、超高齢化の流れを変える。少子化対策の予算を大胆に拡充し、第3子以降を重点的に支援をするというポイントがありますが、ここで目を引くのは第3子以降の手当てを厚くするということなのですが」
西村議員
「特に3人目になると負担が増えますので、そこはいろんなことはできないか。予算的に、あるいは税制とかで手当てができないかということでいろいろ議論しています。ただ、先ほどから申し上げている、大胆に予算を打ちたいのですが財政の制約がありますので、ここも財源をどうしていくのかとかですね」
島田キャスター
「大胆にとはどのぐらいを考えているのですか?」
西村議員
「少子化担当大臣の森雅子大臣は現在GDPに占める家族に関する支出の割合が日本はGDP比率で1.35%ぐらいなのですが、OECDの平均は2.35%ぐらいです。だから、単純に言うと、1%分ぐらい。」
反町キャスター
「5兆円」
西村議員
「なんです。他の国より低い。ですから、それはさすがに、消費税2%以上分になりますから、なかなか厳しいので、せめてプラス1兆円ぐらいできないかというようなことを現在、提案もされてやっていますけれど、それにしても財源が要りますから、そのあたりを少し真剣に考えていかなければいけないところですね」
島田キャスター
「50年後に1億人程度の人口構造を目指すということは、現在から女性が産む人数について、どれくらいを目指すかがポイントになってくるのですか?」
鬼頭教授
「この会議のあまり表に出てこないけれども、よく読むと書いてあるのは2.07を目指すと」
島田キャスター
「ごめんなさい、50年後ですね」
鬼頭教授
「50年後、それを維持するということ」
西村議員
「2030年に、2.07ぐらいになれば、そういう感じになります」
反町キャスター
「2030年に、2.07を達成すれば、50年後には1億人で安定する」
西村議員
「弱ぐらいで、ほぼそういう感じになってきますね」
鬼頭教授
「ただ、これはとても急速な上昇ですよ。2005年がボトムで、2006年から出生率がだんだん戻ってきましたよね。2013年の1.43までのトレンドを延長してみますと、2.07に到達するのが、2052年か2053年ですよ。だから、それをもっと20年前倒しということですと、力技かなと思いますね」

出生率向上策と女性の活躍推進
島田キャスター
「政府は同時に成長戦略として2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にしたいと。さらに、女性の働き方に中立的な税制、社会保障制度への見直しなど、女性の活用も掲げているんですね。骨太の方針と同じくらいに出されて、成長戦略をどう読むのかというのは、私達女性も気になるのですが、つまり、どうすれば女性が生き生きと働けて、安心して子供が産めるような、そんな社会になると思いますか?」
西村議員
「現在は結婚し、子育ての時期に女性が仕事を離れるケースが非常に多いです。よくM字カーブと言われますけれども、先進国の多くはこの時期も平らか、まっすぐ山型になっていますね。ヨーロッパは山型が多いですね。アメリカでまっすぐになっているのですが、この下がるところを何とか下がらずに、子育てと仕事を両立できる。これは希望する人はできるようにせめてフラットになるようにできないかと」
島田キャスター
「どうして日本は下がっちゃうと思いますか?」
西村議員
「これはいろんな理由ありますけれども、1つは古くからの考えで子育てに専念した方がいいという考え。それから、仮に休業、子育てのための育児休業をとって、出産休業とかをとった時も仕事を離れてしまうと復帰がしにくいということもあります。これは男性の意識も変えなければいけませんし、会社の雰囲気を変えようと。その中でがんばる女性は指導的地位、役員になっていくような方を増やしていこうということで、安倍総理も先頭に立ってやられています。先ほども申し上げたように、女性が働けば、活躍すればするほど最近は子供の数も増えてくるという傾向に先進国はありますので、そういう意味では所得もダブルインカムでもって、少し余裕ができれば、子育てにもお金がかけられると、教育にもお金をかけられるということで、子供の数が増えてくる可能性もありますし、結果として、よりマクロで見れば、人口が減ってくる中で、女性のM字カーブの部分で、就業が増えれば、その分労働力が減るのもカバーできますから、結果として、社会全体として皆にプラスになる。一方三両得みたいな傾向になるように、女性も働いて生きがいを感じながら、しかも、子育てする時間もとれる。そういう意味で働き方を少し変えていく、よりフレキシブルに、フレックスタイムもあるのですが、柔軟な働き方も入れていこうということで」
島田キャスター
「それは女性の働き方をということですか?」
西村議員
「そうですね。1つは子育て時期の女性の働き方。それから、最近は介護をしている男女を問わず、親が介護の世代になった時に、介護にあたらなければいけないという、その時のフレックスな働き方とかです。こういったものを現在議論していますので、一定の方向性を是非出したいと思っています」

少子化の要因と対策
島田キャスター
「他の先進国では、核家族でも出生率が高い国があると聞きましたが」
鬼頭教授
「日本では核家族が支配的になってくるのは、高度成長期よりあとですよね。ですから、まだ50年の歴史しかないんです。ところが、イギリス、特にイングランド南部、フランスの北部であるとか、スウェーデンであるとか、北海も沿岸地域ですけれど、ここは500年以上前から核家族ですよ。ですから、工業化が始まったから、核家族化したのではないんです。ですから、夫婦だけでも子供を育てられるようなシステムができている。つまり、行政の支援もあるし、地域社会、特に教会の支援もある。近所付きあいもあるのでしょうし、そういう長い経験のある中での少子化ですから落ち込みも小さかった。育児手当て等を支給するなどして急速に回復していった。フランスは2.0。イギリスはそこまでいかないけれども1.8ぐらいはある。ところが、日本はまだ経験が浅いので一世代、二世代がようやく経つか、経たないかというところで高齢者の問題もそうですけれど、孤独死のようなことも核家族化が起きてから起きるわけですけれども、子育てもそうですね。子供は家族が育てるべきだと言って、周りが何もしなかったら、それは負担は大きいですよ」
島田キャスター
「核家族であっても別に少子化問題が特別な要因ではない地域もあると…」
西村議員
「日本で言いますと、各県別に出生率を見ると、地方の方が全体として高い。東京は低くて、都市部は低いです。ですから、周辺にお父さん、お母さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、親戚がいてくれて、兄弟がいてくれたりして、何かの時には助けてくれる、ずっと預かってくれなくてもいいのですが、何かの時に助けてくれるという安心感は地方の方があるんだと思うんですね。理由の中に入っていないのですが、若者の雇用や所得が低いことも我々はすごく注目をしていて、どうしても非正規社員が増えた関係で、その分所得が低い、条件が悪いというのを是非改善したいと思っていて、いわゆる非正規社員化。これは先ほど申し上げたように何でもかんでもやる、会社に言われるがまま長期的に働く正社員ではなくて、いわゆるメンバーシップとなる会社の一員となる正社員のタイプではなくて別の類型として地域が限定されるとか、職を限定、ジョブ型。自分はITのことしかやらないんだと、あちこち営業に行けと言われても、それはしたくないし、話すのは苦手と言う人は、これまでどうしても非正規に甘んじていたわけですよね。だけど、ITのことをやらせてくれるなら自分は何でもできると。正社員になりたい人もいるので、そういう方達のために限定正社員という枠組みをつくりたいということで議論してきた。正社員になると保険等も含めて条件が良くなりますし、所得も上がってくるし、さらにITを極めていけば、転職もあるし、キャリアアップしていけば、所得も上がってくる。そういう道をぜひ開きたいと思って、成長戦略で現在議論をしています」
島田キャスター
「生涯未婚率の推移については」
鬼頭教授
「1950年で3%ないです。つまり、戦前もそうですし、江戸時代もそれに近い。つまり、日本は男として生まれ、あるいは女性として生まれたら、生涯に一度は結婚するという慣習がある社会です。しかし、ある時期からシングル化が当たり前になってきた。将来的に社会保障人口問題研究所は、女性の1995年生まれの人は20%まで、つまり、5分の1は結婚しなくなるのではないかと言っています。もし本当にそうなるとすると、ますます少子化が進んでしまうし、結婚した方に子供をたくさん産んでもらおうということになっちゃいますよね」

ニッポンの未来を考える
反町キャスター
「日本が人口減って、これは本当にまずい、何とかしなければいけないというのがあるならば、たとえば、結婚に対する強制力、ないしは目標を国が設定する。出生率にしてもそうです。人口8000万人、7000万人になった時にはアウトだということを考えた時に、そこまで政治が踏み込むべきかどうか。そこはいかがですか?」
鬼頭教授
「それは大変難しいです。私が昨年、新聞で何紙かに出生率目標を掲げるべきだと喋らせていただいたんです。そうすると、結構反応がありまして、子供を生まない、何人持つかは個人の自由であるという考えですよね。人口が減っていったら、社会がどうなるかということまでは考えない方が多い。それは確かに自分が生きている間はそんなに影響がないかもしれないけれど、高齢者になった時に年金がちゃんと支払われるかどうかだって、次世代の人口がちゃんと育っているかどうかです。だから、そこは強制できないけれど、そういう認識はもってもらいたい。つまり、持続可能な地球のために二酸化炭素を出さないようにしましょうと一生懸命やって、地球の持続可能性は、皆一生懸命にやるんだけれど、社会の持続可能性はどうなのですかというと、そんなことは知ったこっちゃない、個人の権利を国家が踏みにじるとか、入り込んでくるべきではないと。では、社会がどうなるか、そんなこと私にはわかりませんということになっちゃっているのではないかなと思います」

外国人労働者と移民政策
島田キャスター
「外国人材の活用については?」
西村議員
「定住人口も増やしたいけれども、それが難しい場合は、いろんな人に訪れてもらおうということであったり、地方は農業や水産、林業、一次産業ありますので、そういったものを改革して可能性があるもののはたくさんありますし、資源はあるので、それをうまく活かして地域で雇用を維持しようということがもう1つあります。地域構造改革も先ほどの集約化等も含めてやらなければなりませんし、中堅企業で地方で結構良い企業があるんですね。全国1万社ぐらいあるのではないか。全国の人とヒアリングをしたことがあるんですけれど、その企業に何かプラスαあると、国際展開ができるとか、どこかの企業と連携をすれば新しい技術を活かせるとか、持っている技術を新しい技術に活かせるとかがありますので、中堅企業にも我々は注目して、是非支援を今回成長戦略でも入れていきたいと思います。外国人人材について、安倍総理がはっきり言われたのはまず移民はやらない。つまり、単純な労働者と言われるような方々を日本に定住させるような政策はとらない。移民政策はとらないとはっきり言われましたので、それはあり得ません。ただ、その中でどうやって活用していくのかというのがいくつかあって、1つはまず高度人材と言われる金融だったり、ITだったり、エンジニアだったり、研究者だったりする人は、どんどん来てもらおうと。来てもらって、規制も緩和し、日本の研究者と切磋琢磨して新しいものを生み出してもらうとか。ITセクターでまた新しい技術を一緒に切磋琢磨してもらうということを考えています。既にスタートして一定の緩和をしていますし、現在、法律で法案が議論されていますけど、永住権等もとりやすくする仕組みを入れようとしています。2つ目に技能実習生と言われる、技能を学びに日本に来る方々、単純労働者ではなくて少し上のレベルではありますけれども、仕事しながら技能を3年間学んで本国に帰ってもらうという仕組みですが、たとえば、これを、3年を5年に伸ばすとか、いったん帰った人にまた来てもらって、経験を活かしてもらうとか。建設分野は人が足りないものですから、これをやろうということで決めました。これを他の分野、製造業とか、農業にも技能実習制度を広げていこうという議論を現在しています」

西村康稔 内閣府副大臣の提言:『つなぐ!』
西村議員
「先ほどから議論になっている、結婚しない世代になっているということですので、男女をつなぐ、結婚できるようにするということもありますし、先ほど申し上げたけれど、非正規の社員が正規になれるように、所得が上がるように、職につないでいくという意味も込めています。それから、そもそもコミュニケーションをとれない子供や大人が増えているということですので、小さい頃から友達と友達をつないでいく。一人っ子も多いですから、一人で、部屋で過ごすのではなくて、外へ出て皆で遊ぶという、手をつなぐという意味のつなぐ。こういった意味を込めて『つなぐ』という言葉にしました。さらに言うと、東京から地方にUターンで戻ろうかというところを、大企業で働いてきた人を中小企業につなぐとか、NPOでつなぐとか、そういう意味でつなげていく作業、そこに政策は必要だと思っていますので、ぜひやりたいと思います。これによって我々の世代から次の世代に、また文化も日本の良さもつながっていくようにしたいと思います」

鬼頭宏 上智大学教授の提言:『”悲観は気分に属し、楽観は意志に属す(アラン)”新しい文明の創造のための社会デザインの構築を!!』
鬼頭教授
「まさに現在、この時代にふさわしい言葉だと思います。じゃあどういうふうに意志を発言していくか。何に向けていくのか。それは過去に人口が減退した時代がそうだったように、単に行き止まりの時代ではなくて、その次の時代を生んだ時代です。江戸時代の後半がそうです。平安から鎌倉にかけてもそうです。ですから、その新しい文明を築くための社会デザイン、これはまだ矛盾があることから、女性の活躍であるとか、出生率を上げるとか、なかなか整合性ができていない。それをどうやってデザインしていくか。地方と都市の問題もそうですね。社会全体の仕組みをつくり変えていくという努力をここ20年、30年の間にちゃんと踏み出さないと、将来がないのではないかなと思っています」