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2014年5月28日(水)
規制改革の目玉と障壁 改革会議トップに問う

ゲスト

岡素之
規制改革会議議長
大田弘子
規制改革会議議長代理

規制改革の現状と課題 選択療養の懸念と可能性
島田キャスター
「6月にまとめられる骨太の方針に向けて、これまでどんな問題について議論を重ねてきたかというと、5つの分野です。健康・医療、雇用、農業、創業・IT、貿易・投資などとなっているのですが、この規制の在り方を見直すことで、国民の暮らしや国の形がどう変わるのかということを、今日は話していこうと思います。今日、規制改革会議は、公的保険を使う診療と保険外診療を組み合わせる混合診療をさらに拡大する選択療養という新制度の創設を求める意見をまとめました。この選択療養制度について、現在評価療養という制度があるのですが、現在は一部の先端医療などが評価療養という制度のもと、混合診療が一部解禁されています。ただ、患者が評価療養を受けられるのは、厚生労働省が安全性や有効性などをチェックして、指定した医療機関に限られています。これが現在の形です。そこで規制改革会議が提案しているのが選択療養という、仮称ですが、医師が患者に治療の安全性などを説明したうえで患者との合意があれば、第三者機関に診療計画、科学的根拠や患者の選択書面を共に申請をし、第三者機関で審査をしてもらいます。第三者機関で、認可がおりれば、より多くの医療機関で、この制度が受けられるようになるということです。ポイントは第三者機関を新たにつくることだと思うんですが、この説明でよろしいですか?」
岡氏
「はい」
島田キャスター
「第三者機関というのが新しくて、よくわからないのですが、これは?」
岡氏
「これは安全性と有効性を確認するために、島田さんおしゃっていただいたように、医師と患者の間でどういう診療をするのかということについてきちんと診療計画などを作成し、さらに、その診療の裏づけとなるエビデンスも添付し、話し合った結果、患者がこれから受ける診療について理解して、納得をするということがまず第一歩です。そのうえで、さらに、これから行おうとする診療の安全性と有効性等を確認するために、ご指摘の第三者機関にそういった書類を全て提出すると。そこで確認をして、いいものは進めましょうという考え方なのですが、この第三者機関についてはまだ具体的なこういう組織だというものができ上がっているわけではありません。私どもが考えているのは全国統一的にして、中立的な立場で、客観的な立場で、そういうことが確認できる、判断できる。そのような組織、機関をつくるべきだということを提案しているわけですね」
島田キャスター
「これまでは厚労省が大きくかかわってきたわけですよね」
岡氏
「はい」
島田キャスター
「今回の第三者機関はまだ決まっていないということですが、厚労省がどれくらい関わるかというのは、イメージがありますか?」
岡氏
「全く関与しないということはないかもしれませんね。ただ、現在は私どもとしてはその程度のまでのことであって、これから厚労省との話し合いの中で決まっていくことになろうかと思います」
反町キャスター
「受け入れの医療機関を増やして、それで、自ら望む人は医師との合意のうえで、先端医療を自己負担ではあるけれども、受けられるようにしたいという理解でよろしいですか?」
岡氏
「そうですね。まず我々が今回提案している、一番ベースにあるものは何かといいますと、先ほど、島田さんのご説明の中にもちょっとありましたけれども、いわゆる保険、公的な保険で受ける診療と、いわゆる保険外診療、別の言い方ですと、自由診療というのが2つあるわけですよね。現在、国の取り決めは、これを一体の診療としてやった場合には公的保険診療部門も自己負担になりますよということですね。ただ、それはあまりにも厳しいではないかということで、8年、10年ほど前に、これは政府自身がこの新たな制度をつくった。保険外併用療費制度という新しい制度をつくられたわけです。その中に評価療養と選定療養と2つあるんです。これは基本的に、評価療養というのは、将来、保険救済するということを主たる目的とした制度ですから、そのためには、安全性や、有効性のチェックを含めた大変厳しい実施計画というのをつくって、どの患者に、どういう治療を、どの期間でという、いろいろなことを決めた形で進めていくわけです。それに対し、今回、私どもが提案している選択療養は国民である患者がこういう治療を受けたいというところをスタートにしておるわけですね。起点にしておるわけです」
島田キャスター
「患者の視点で考えている?」
岡氏
「患者の視点でというのが大変大きなポイントの1つですね。ただ、患者の視点で何でもやるということになるといわゆる混合診療が全面解禁ということになるので、大変重要な安全性、有効性の問題というのが浮上するわけですから、私どもとしてはそうではなくて現在の保険外診療、療養費制度という枠内に、新たな、その先ほど言いました評価療養と選定療養に加えて、もう1つ新しい制度をそこにつけ足しましょうよと。ですから、あくまでもこの枠の中の話であって、決して混合診療を全面解禁ということを申し上げているわけではないですね。それから、もう1つ、特徴としましては、評価療養は先ほど申し上げたような建てつけですので、どうしても結論が出るのに時間がかかる。平均3か月から6か月と言われています。さらに、これを短縮しようということで、いろいろ検討をしていますが、それでも、3か月ぐらいかかるだろうと言われています。私どもは、そういう治療を受けたい患者さんというのは緊急性がありますから、できるだけ、その確認が迅速に行われることを期待しているわけですね。また、病気によっても違うと思いますね。だから、これから治療を受けようとする病気にあった専門性があるお医者さんがいるとか、あるいは施設、設備がちゃんと整っているというような、いくつかの条件を、医療機関に求めなければいけない。それも書いてあります、診療計画の中にも明記してもらう。こういう治療をやりますよ。こういう診療機関でやりますよ。この診療機関にはこういう専門性がある。あるいは設備ありますという、そういったもの全部書いていただき、第三者機関に出していただくと」
島田キャスター
「この新しい考え方の選択療養の中で、患者起点という話を、先ほど、岡さんからありましたけれども、医師と患者が合意をするということですが、患者は素人で専門的な知識というのはあまりないと思うんです。医師からこれにしようよとか、これがいいんじゃないと言われたら、そうですねと言うしかないんですよね。その場合、良識的なお医者さんばかりとは限らないかもしれない。その場合、たとえば、値段の高い治療を知らないうちに選択させられるとか、そういうことはないのでしょうか?」
岡氏
「その点についての考え方は現在の自由診療でも放ったらかしになっているぐらいのことですから、いろいろと行われている可能性がある。公的な診療の中にあるかもしれないということで、この選択療養をやるから突然、医者が悪くなるわけではないですよね。まずこれをご理解いただきたい。そのうえで私どもが今回の提案している選択療養は、その点についてはプラスがありますと。どういうプラスかといいますと説明しているように、全て診療計画を申請すると。書類が全部残るんですね。しかも、OKが出たあと、実際に診療をしますね。その結果の報告書も、私どもは考えているわけですね」
反町キャスター
「公開の可能性はありますか?要するに、たとえば、この病気についての診療について、どういうような診療を受けたらいいのかという医師からのアドバイスを受けたけれども、過去の実績みたいなのが出てくると。それはこの医者からこういう診療方針を勧められているんだけれども、過去にこういう例があってという、いわゆるデータバンクとして使う第三者機関の可能性というのは、そこはいかがですか?」
岡氏
「いや、まだそこまでの議論はしていません。可能性としてはあるかもしれませんが、極めて高いレベルの個人情報ですから、扱い方も注意する必要があろうと思います。ただ、私は、先ほどの島田さんの質問に対する答えとして、そのような形で、書類で残りますから、書面で残りますから、相当の覚悟を持って、何か悪い治療を押しつけたり、高い料金を押しつけたりすることは、私がある医者から聞いた話、それは一番医者にとってはハイリスクだと。医者はそんなリスクはとりませんと。だから、現在のように記録も残らない、何も残らない時はあるかもしれないけれども、私どもの今回の提案はきちんと記録が残るんですよ」
反町キャスター
「医療サービスの評価というのはデータがないですよね」
大田氏
「とっても大事です」
反町キャスター
「時々、どこかの月刊誌にここはいいじゃんとか、わからないみたいな、そういうものも視野に入れた、今回の自由診療の部分はどうかみたいな、そういうものを視野に入れた考え方ということでよろしいのですか?」
大田氏
「たとえば、先端医療の治療実績が残っていく。あるいは先端医療を進める効果があるというのはあると思うんです。いずれ評価にもつながっていくでしょう。いずれにしても医療機関の評価というのはとても大事ですから、これはこれで進めます。並行して進めていく」
島田キャスター
「この議論の中でいつも出てくることなのですが、お金持ちだけがそういう治療を受けられるような世の中にだんだんなっていくのではないかという、これにはどのように応えますか?」
大田氏
「身内が異常に重い病気の時に、海外で使われている薬があると。これは使ってみたいと思いますよね。それは少々高くても身内のためだから使おうと。でも、その負担ならしてもいいけれども、それで、根っこから自己負担になると使えないですね。だから、私は金持ち優遇というのは逆だと思います」
反町キャスター
「逆にいうと、そういう形で自由診療を積み重ねることによって、実績が積み重なることによって、それが保険に組み込まれるような道が、ここの部分の確約がないと、どうぞと言いにくい部分があるのですが、そこはいかがですか?」
岡氏
「そこは診療計画、あるいはその結果、実際に治療した時の報告。そういった形で、実績というデータがどんどん積み重なっていくことによって、その選択医療の中から評価療養に移行していく。そういう道筋をつくるべきだと思います」
反町キャスター
「いきなり保険に組み込むのではなくて、評価療養、その次に保険なのですか?」
岡氏
「順番としてはそういうことになるのかなと。私は、ホップ、ステップ、ジャンプと、実は内部で言っているんですけれども、現在は評価療養、保険収載ですね。それに対して一歩手前のところに選択療養をつくることによって、それで、選択療養、評価療養、保険収載という道筋に、これはつなげていこうと。そのために、先ほど申し上げたようにデータをしっかりと蓄積していく。もちろん、最後に保険収載に持っていくというところは厚労省の役割だと思いますが、私どもの提案する立場ではデータを蓄積し、このデータを有効活用してくださいと。有効活用の1つに、評価療養、保険収載につながっていくという考え方になります」

日本人の働き方改革 労働時間の規制緩和
島田キャスター
「規制改革会議では雇用、働き方、労働時間についても提言しています。その内容は①労働時間の量的上限規制、②休日、休暇取得に向けた強制的取組み、③一律の労働時間管理がなじまない労働者に適合した労働時間制度の創設。こういうことで三位一体改革とされているそうなのですが、この提案の狙いを教えていただけますか?」
岡氏
「今日これだけビジネス環境が変わってくる、社会もいろいろ変わってくる。人の考え方も多様化するという中で働き手から見ても、もっと新しい働き方が求められる時代になってくるのではないかと。企業側から見ても多様な働き方を社員にしていただいて、彼らが活躍をして企業のプラスになるというようなことを求める、双方に求める部分が出てきたと思っているんです。従いまして、今回、私どもは提案した3点に書いた三位一体と言うのは、新たな働き方の選択肢を1つ増やしましょうよということですね。ですから、これまでのものを変えるのではなくて、現在ある制度はそのまま、さらなる充実をするなり、やっていただいたらよろしいわけですが、それに加えて、この新たな考え方で、新たなものをつくりたいと、その3点をとりまとめているわけですが、その前に実は前文があるんですけれども、働き手の健康管理をしっかりして、1人1人の働き手がいきいきと活躍して創造性を発揮できる。そのような状態をつくりあげるために、この3つが一体となって必要ですよねと。第一によく長時間労働という言い方があります。この長時間労働の是正というものは課題ですよね。未だに残念ながら十分できてない。そういう中で、私どもはまず1年間で働ける上限を決めましょうと。もちろん、それは年間のシーリングを決めちゃいましょうと。ご存じのように、法定だったら、確か1920時間ですけれどもね。平均でいうと2600時間前後だと記憶していますけれど、何かを決めましょうと、上限を。これは超えてはいけませんというので、縛りになるわけですね。加えて健康管理ですから、休日はしっかり取りましょうと。これは強制的に企業が、2番目ですね。そのような形で、働く上限も決めます。休みも強制的にとってもらいますよと。そのうえで、あとは自由にやりましょうというのを、新たな選択肢として追加したらどうかというのが、今回の提案であるわけですね」
島田キャスター
「考え方によっては、労働者にとってというよりは、企業にとっての新たな規制ということになります。雇い手にとっては」
岡氏
「いや、実は、その上限規制というのが、その可能性があるわけです。ですから、企業側からすると、あるいは企業側の団体である経団連からも、この提案が出た時、最初の彼らのコメントの1つには、この①番だけが行われるようなことは、絶対避けてほしいと。上限だけで自由がないという状態。一方、連合からはこの①番が素晴らしいと。この新しい制度にする前に、この①番だけは、全ての労働に適用してもらいたいというようなコメントをいただきましたけれども、私は、双方の、その企業側および働き手の、両方とも意見がある。そうではなく、これは三位一体なんですと。そうすることによって新しい働き方ができるということです。さらに1つ、大切なことを付け加えさせていただきますと、野放しで、あと勝手にやってということではちょっと無責任なので、私は、国がある程度の目安といいますか、この程度でというものを何か示すと。たとえば、上限にしても、休みの強制の部分にしても、そういうある程度の目安をしっかりと示したうえで、あとは、会社の経営と従業員。すなわち、労使で話し合って、合意をしたところで、新しい働き方を採用すると。合意しなければ何もない。現在のままですと。合意をした企業だけがやりますよと。その合意する時に、企業と組合が協議してお互いやりましょうと。その時に、同時に、うちは上限をどうしましょうと。それから、強制的休暇も、こういうふうにしたら従業員は休みとりやすくなるよねとかね。そういう中身の議論も、おおいに企業と組合の間で、労使で協議をしてやっていくと。決まったあとも、働き方を選ぶのは従業員1人1人の選択があっていいではないかと」
島田キャスター
「1人1人がまた、そこで選べると」
岡氏
「はい。そういうふうにしたらいいでしょうと。ですから、あくまでも、働き手が、多様な働き方を求めているこの世の中で、私はこういう働き方をしたいんですという従業員が対象になるということですよね」
反町キャスター
「評価の仕方がすごく難しくなりませんか?」
岡氏
「だから、評価というのは定性、定量があると思うんですけど、私どものイメージで言えば、こういう仕事をしてもらうということによってある程度決められるんですよね。こういう仕事をする時というのは、企業も、従業員もだいたい成果というのは、ボヤッとわかっていないと(いけない)。たとえば、このくらいの成果を出せば、このくらいの働き方だとわかっているわけです。それで、私は報酬とか、処遇とかを決められると思います。さらに、本当に、それにプラスの成果が出た時はよく言うボーナスを払ってあげたらいいわけでね。ですから、私は必ずしも定量分析をして、その成果によって報酬を決めないとこの新しい働き方ができないとは思っていません」
島田キャスター
「今日、厚労省がこの大きな流れはいいのではないかと言いつつ、この対象については、たとえば、為替ディーラーなど世界レベルの高度な専門職等、そういうものに限定してはどうだみたいなこともありますが、この点についてはいかがですか?」
大田氏
「労働時間を規制する時に、2つやり方があって、1つは労働時間そのものを規制する。上限が何時間。もう1つは、時間外労働に対して、割増賃金を払う残業代ですよね。国によって違うのですが、日本は労働時間の規制というのはあるんですけれども、36協定を結べば上限を超えることができて、非常に緩やかになっているわけですね。だから、一番の歯止めは残業代になるわけですね。労働時間の規制は、割増賃金が、もう1つの歯止めになって、最大の歯止めになっていると。だから、労働時間の話をすると、すぐ残業代はどうだということが出てくるわけですね。でも、増えているのは為替ディーラーに限らず、労働時間では成果を測れない仕事が非常に増えているんですね。労働時間そのものの規制がいるのではないかと。残業代だけではなく、労働時間そのものの規制がいるのではないかと。それが1つ目の柱である上限規制。それから、2つ目は労働から解放する時間、休日、休暇です。これもつくりましょう。労働時間を時間で成果が測れない仕事について、そこ自由にしましょうという、まさに新たな労働時間をつくると。この対象になる人はすごく増えているんですよね」
島田キャスター
「その年収がどうとかという概念ではないのですか?」
大田氏
「ではないと思いますね。私は、鍵になるのは、労働時間を自分でコントロールできる人かどうかと。今日はここまで、徹夜でもいいから働くと。でも、終わったら、休める。労働時間をコントロールできる、できないと、今度働かされるかもしれませんから、できるかどうかというのは、1つの鍵になると思うんですね。これは年収ではない。年収というのは、業種によっても違いますよね。ですから、そうではなくて、もっと柔軟性を持って、労使で、うちの会社の場合はどういう仕事がそれに該当するのかというのを話し合いましょう。それはちゃんと行政機関に届け出ることにしましょうということにするわけですね」

日本の農業はどう変わる
島田キャスター
「日本の農業を成長産業に復活させたいという狙いがあると思うのですが、このまま続けていくと成長産業に絶対ならないという思いがあるのですか?」
岡氏
「そうです。規制改革会議では、このテーマに取り組む時の基本的な考え方として、競争力のある農業、それから魅力のある農業というものを実現し、それで農業を成長産業化していこうということです。競争力のある農業にしたり、魅力のある農業にしたりするということは、一番重要なことは何かと言いますと、まず働き手が農業に興味を持って、農業はなかなか魅力ある産業だと言うことで、新しい方が農業に入ってきてくれるような状態にしなければ、私は成長しないだろうと思うんですね。そのためには、そこに入ってきた方々が農業を通じ、たとえば、豊かな生活ができるとか、生産性が高く、競争力高いからいろんなモノをつくって売れるとか、あるいは海外に輸出もできる等、期待が持てるような農業にしなければいけませんよね。我々が第一に取り組んだのが実はこの一歩手前のところで農地の大規模集約化が非常に重要であろうと。細かな農地が点々としていたのでは生産性が高まらない、機械化もできない、ITの利用もなかなかできないということになってきますと、競争力がつきませんから、そんなところになかなか若い方や新しい方は来ないということで、農地の大規模集約化を強く求めた結果、昨年来議論してきたんです。農地の中間管理機構というのが新しくできました。ただし、これはベースがリースです。農地を借りて農業をするということが基本的な考え方になっていたわけですが、私はこれによってだいぶ成果、効果が出てくることを期待はしています。実際農地の中間管理機構が動き出した時に、本当に期待通り効果が出てくるか、私どもは引き続きフォローアップしようと思っていますけれども、今回の中の最初に書いてある農業生産法人の要件の見直しも今回やったわけですが、これをやった理由はリースではなくて、農地所有をして現在のような形で農業に新規参入していって生産性の高い農業をしていきたいと希望される方々に対する答えとして、私どもは、農業の生産は1つ例がありますように、これまでの形では入ろうと思っても25%以下しか持てない。それが今度は50%未満、49%ぐらいまで持てるようにした。あるいは、そこに書いてないのですが、たとえば、役員の半分は農業従事者でないといけないということに対して、私は役員もしくはそこの執行している方が1人ぐらいいればいいのではないかと、いろいろな農業生産法人の要件というものを、今回改定を申し入れました」
大田氏
「農業生産法人として入って一定期間、しっかりとその地域で農業をやる。一緒に出資したパートナーもそれを認める。そして農業委員会が認めたら50%を超えて持てるようになる。それを撤退する時も農業委員会の許可を得て、持っている農地はしっかりと農地中間管理機構に提供する。農地として守る仕組みは確保して、撤退要件を明確にしたうえで入るということなんです」
反町キャスター
「撤退しにくくしているのですか?」
大田氏
「撤退しにくいと言うよりも、重視したのは、将来の子供達に農地は農地として使える状態で渡すということを重視しましょうということですね」
島田キャスター
「具体的に集約が進むと企業がたくさん出てきますよね。将来的に農業に関与する人達というのは企業の社員というようなイメージなるわけですか?」
岡氏
「特に、私どもが大規模集約化を言った時には、平地の飛び地になっているようなものが1つにまとまったら、機械化もIT化もできるから生産性が高まって、かなりの規模感があるようなところであれば、まさに株式会社的センスで、そこに若い農業をやりたい社員が入ってきて、機械を操作しながら農業に従事する。そういうようなイメージは1つありますよね。でも、全ての農業が全部そうなるということでもないわけですから、そこは、私はきめ細かな議論は必要かと思います」
大田氏
「土壌の管理から農産物が食卓にあがるまで、長いサプライチェーンというのはもっと付加価値を生み出せるんですよね。この付加価値を最大にし、農家の所得も増やしていきましょうということですよね」

どうなる法人税減税
島田キャスター
「大田さんは4月に財務省のメールマガジンに法人税引き下げに関するメッセージを書きました。その真意は?」
大田氏
「法人税率の引き下げももちろん、1つの目的ですが、単に税率を引き下げるだけではなくて、もっと広く薄く担うことで新しいビジネスも起こりやすくしていく。現在はかなり負担に偏りがあるんですね。資本金1億円以上の企業が税収の6割を担っていたり、法人税を負担している企業は3割だったりしますので、もっと広く薄くすることで、新陳代謝を起こりやすくしましょうということがあるんですね。これは将来の雇用を生むことにもなるわけです。よくその企業と家計を二分化して法人税率引き下げは企業に優しくて、家計に冷たいという言われ方もあるのですが、そうではなく5年先、10年先の雇用をつくっていきましょう、そのために現在、法人税率を引き下げなければいけませんという議論をしているんです。それが真意です」
反町キャスター
「メールマガジンに書いてありましたが『高すぎる法人税のしわ寄せは、賃金など何らからのかたちで個人に及びます』と。単純なお話にしてしまうと、法人税を下げると賃金が上がるという理解でよろしいのですか?」
大田氏
「いえ、そういうことではないです。それをどこに使うのかは企業が考えることですけど、要は、法人税が高くて家計には関係ないよと言うことではなくて、グローバル競争の中で法人税が高いとどこかにそのしわ寄せが及ぶわけです。それは雇用が減ったり、あるいは賃金が減ったり、実際そうやって日本の企業は競争してきたわけですね。だから、なかなか賃金が上がらなかったと。日本にやってくる企業もそんなに増えていないということがありますので、だから、広く薄くし、税率を下げましょうという議論です」
島田キャスター
「税制調査会は、法人税減税の代替財源として企業が薄く広く税を負担する方法を拡充する仕組みとして、外形標準課税を軸に検討に入ったとのことですが」
大田氏
「外形標準課税というのは地方税なんですね、法人事業税。これを所得にかけるのではなくて付加価値にかけましょうと。付加価値というのは、賃金や利子や賃貸料ですが、これにかけましょうと。地方の行政サービスは、赤字法人も出ているわけです。だから、地方税というのは皆で行政サービスの負担をし合いましょうという税ですから、赤字法人であっても少しずつ払いましょうということで、外形標準課税になったんですね。ただ、これが実際は1億円以上、つまり1%に満たない企業にしか適用されていないということがありますし、法人事業税の3分の1に付加価値割が適用されているんですね。だから、これを拡大しましょうという議論が政府税調でも出てきています。これは賛否両論があります。課税ベースに賃金も入りますから雇用にマイナスではないかという議論もあります。ただ、これを広げますと、税率は下がるんです、課税ベースがうんと広がりますから」
反町キャスター
「これまで1億円以上のところが集中的に負担していたものを、全体に広げるという意味ですか?」
大田氏
「2つあって、3分の1の付加価値割を、所得割を減らし、もっと広げましょうという議論と、課税対象を1億円以下まで広げましょうという議論の2つあります。もしも前者なら税率は下がっても企業にとっての負担はそんなに減らないわけですよね。所得にかかっていたのが付加価値に変わるわけですから。これは課税ベースを広げるという議論であっても、これで税率を下げて、さあこれで良かったですねということではいけないなと私は思っています。もう1つの1億円以上のところを広げましょうというのは、すぐにできるかどうかはともかく、議論した方がいいと思うんですね。なぜなら地方税ですから、赤字法人でも火事を出せば消防自動車は来ますよねと。ですから、そこは広く薄くという、もともとはそういう主旨だったんです。でも、いざ導入する時は大企業に限定したというところがありますから、やはり議論をしていかなければいけない」

岡素之 規制改革会議議長の提言:『政治のリーダーシップ』
岡氏
「規制改革を実現するためにはどうしても政治のリーダーシップが不可欠であるというのが私の考えです。幸い現在の安倍政権が大変リーダーシップを発揮していただいていますし、規制改革も従前に増して進むことを期待しています。規制そのものを所管している各省庁の官僚の皆さんがこの規制改革に対して、もっと主体的に積極的に取り組んでほしいということから、今度の答申にそのようなことも盛り込むことにしています」

大田弘子 規制改革会議議長代理の提言:『危機感の共有』
大田氏
「政治のリーダーシップに加え、広く危機感が共有されないと規制改革は難しいですから、なかなか進まないんですね。子供達にどんな日本経済を残すのか。それを本気で考えて、高齢化は進みますが、新しいものが生まれる若々しい経済をつくっていこうという、危機感を共有して規制改革を進めなければいけない。ラストチャンスと毎回言っていて、言い古されているのですが、私は本当にラストチャンスだと思います」