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2014年5月19日(月)
選挙権・成人も18歳? 国民投票法改正と憲法

ゲスト

船田元
自由民主党憲法改正推進本部長 衆議院議員
前川清成
民主党憲法総合調査会事務局長 参議院議員
小林節
慶應義塾大学名誉教授 弁護士
青木大和
「僕らの一歩が日本を変える。」代表 慶應義塾大学2年生

国民投票法 三つの宿題 18歳投票権
島田キャスター
「なぜ改正案では、選挙年齢の引き下げを待たずに、4年後から自動的に(国民投票権の)投票権の引き下げをすることになったのですか?」
船田議員
「現行法で、18歳以上の者が国政選挙に参加すること等ができるまでは投票権も20歳以上のまま引き下げないと区切ったんですね。その間は20歳以上ということで、それが公選法による選挙権が18歳に下がったら、投票権も18歳に下げるという仕組みでつくったのですが、その3年という期限をとっくに越えちゃったんですね。もう7年も経っちゃったんですね。ですから、現在18歳で投票できるの、20歳で投票するのと、どちらかがわからなくなっちゃった。国民投票ができない状況ができちゃった。それをもう1回、整理していこう。直ちに18歳にしようという案も野党の皆さんからあったのですが、直ちに18歳となると、選挙権年齢が20歳、成人年齢も20歳のままで、国民投票権を18歳にしてしまうと、いろいろな問題点が、同じ投票行為をするにしても、ある時は18歳、ある時は20歳という違いができてしまうので、一応4年間の猶予期間を置いて、この4年間に選挙権年齢を18歳に下げる。これを2年間でやろう。民法における成年年齢はだいたい4年間でやろうではないかということで、それができたにしろ、できなかったにしろ、4年が経ったら自動的に18歳に下がるということで、一応どの時でも何歳で投票できるかわかるようにしておこう。ただ、経過措置はきちんと設けておこうと整理をしたのが今回の改正の内容です」
反町キャスター
「選挙に対する投票権と、国民投票に対する投票権がなぜずれるのですか?」
船田議員
「一緒の方がいいと思っています。ただし、国民投票法と公職選挙法のそれぞれ法律で決まっていますので、揃えようという意図がない限りは揃えられない」
島田キャスター
「そもそも何で18歳なのですか?」
船田議員
「理由は2つあると思います。1つは、世界のスタンダードが18歳なんですね。選挙権も、国民投票をやるところも。民法(の成人年齢)もだいたい18歳。選挙権は192か国のうちで170か国が18歳になっている。ナショナルスタンダードにあわせていく必要があるだろう。もう1つは、できるだけ多くの国民に憲法改正についての国民投票に参加していただく。皆で憲法について考えてください。そういう機会を与えるということで、20歳から18歳にする」
検証・国民投票法改正案 憲法改正手続きの課題
島田キャスター
「民主党としてはどういった立場で賛成なのですか?」
前川議員
「この改正案に関しては私達も様々な意見があったのですが、何より憲法改正という土台、民主主義の土台の議論ですから、できるだけ広範な与野党間のコンセンサスが成立することが望ましい。その点で船田先生はじめ、多くの方に汗を流していただいて、それぞれ譲り合って、広範な合意が成立しました。これは1日もはやく成立させるべきだと考えています。しかし、同時に様々な論点もありますから、それは慎重な議論をさせていただきたいと思っています」
反町キャスター
「憲法改正、9条の問題を視野に入れたうえで民主党として賛成なのですか?」
前川議員
「中身の議論と手続きの議論というのは、私は分けて考えています。まずは手続きに関しては主要政党が全部合意できるような内容でなければならない」
島田キャスター
「小林さんはいかがですか?」
小林教授
「あるべきものがなかったのが、できてよかった。年齢の件ですが、世界標準にあわせるということは十分理由になると思うんですよ。つまり、これだけ国際化の時代、留学とか、結婚とか、仕事で行き来している。大人の感覚が年齢によってギャップがあるというのは、いろんな意味で戸惑うことが多くなると思います。その意味で、あるべきものが大政党の合意のもとにきちんとうごいてきたなと思っています」
青木氏
「選挙権と国民投票権に2年のずれがあって、切り離されて考えられているというのが、僕自身納得がいかない。2007年ですと、当時僕は13歳でまだニュースを見ていなかったのですが、その時に3つ約束をしていたのにもかかわらず、3つの宿題が未だに前に進んでいない。今回こういう話が行われる中で、4年後、2年後に行うと言われているのですが、また流されていくのではないのか。国会の審議の中で(この問題は)なかなか順位が上がらなかった。今回も、やるとだけ言っていて、流されて、4年後に忘れ去られてしまうのではないかと個人的には思っていまして、お二方に必ず進めるとこの場で言っていただければなと思います」
島田キャスター
「優先順位は高くなかったのですか?」
船田議員
「そうではなくて、7年前は自民、公明、民主の3党で合意をしようと思って、9割5分合意したのですが、最後に天の声がどこかから出まして、民主党が離れてしまったんです。それで非常に混乱をしてしまい、強行的な採決になって、自公民の合意が崩れてしまった。反省しまして、今回、共産党、社民党を除く8党に何とか合意していただいて、これでいこうと幅広い合意ができたのが、前回と大きな違いです。しかも、年齢を引き下げるためのプロジェクトチームを合意した8党でつくります。そこで2年間ぎりぎり議論しますということも政党間で合意しています。前とは全然違います」
反町キャスター
「憲法改正は時間がかかるし、手間もかかると。とりあえず解釈変更で当面乗り切っていこうよという流れが主流になっている中で、政治的なプライオリティが高くないのでは?」
船田議員
「集団的自衛権に限らず、時の政府が憲法解釈をどんどんやってしまうということは、立憲主義から見てまずいだろうと思っています。本来は憲法改正をきちんとやるべきです。現実の政治としては極東の問題とか、安全保障の状況が厳しいものですから、それは当面解釈でやむを得ないと思います。やむを得ないけれど、少なくとも民意を反映させなくてはいけないし、できれば憲法改正によって議論すべきであるということを私の立場からは言わざるを得ない。そういう考え方を他の政党もお持ちだと思いますし、そういった問題があるのであれば、憲法改正についての土俵をきちんと整えて、条件を整えて、はやく憲法改正の議論をやろうではないか。こういう機運にもっていきたいと思います」
選挙権年齢引き下げは
反町キャスター
「公職選挙法の話で、国政選挙の投票権が20歳から18歳に下げられた場合、20代の人達の投票率が上がるかどうかはいかがですか?」
青木氏
「上がるかどうかは実施してみないとわからないところが大きい。僕自身が現在20歳で、18歳、19歳ときた中で強く感じている点としては、大学で、たとえば、経営学部とかに進むと実際に政治にふれる機会がなくなるではないですか。ただ、18歳だとだいたい高校3年生だと思うのですが、高校3年生だと政治経済の授業で政治にふれる機会があるのかなと。僕は(投票権が)2年下がることが、たった2年ではなくて、実際自分が机に座って、授業を受けたものから投票に行く。そういう前進というものが1つあるのではないかなと」
反町キャスター
「若い人にとっては、政治はお年寄りのものになっているような印象はありますか?」
青木氏
「まさに。まったく相手にされていない感じ。僕達自身も興味を持っていない層が一定層いるという、僕達自身も何とかしていかなければいけない問題と思うのですが、ニュースを見ていても僕達に関する話ではないのかという印象は受けますね」
小林教授
「単純に2歳下げれば、仮に投票率が低くても、有権者数は増えるんですよ。全体における水増しみたいな効果が出るとは思います。これは教育の問題であると。日弁連とか、司法書士会とか、いろんなところで若者に対する政治の道具としての憲法教育が始まっていますよ。何よりも試運転させないと絶対に覚えない」
島田キャスター
「効果はありますか?」
小林教授
「あると思います。いずれにせよ、やってもダメでしょうと言って、やらないと何も起きない。やろうじゃないかと始まることで結果が出ると思います」
成人年齢引き下げは
島田キャスター
「親権に関する年齢を18歳未満にすることの賛否については、7割近くの方が18歳はちょっとと考えています。現在の18歳、19歳にあまり期待していない数字が出ていますが」
青木氏
「生まれた時からゆとり世代と言われたり、なめられているというか、疎外感を感じますね。実際自分の周りの人を見ても、3.11が起きて以降、自分達の身にとって当たり前のことが当たり前でなくなるというのが感触としてありますね。大学の友達とか、周りで活動している仲間を見ても、自分自身で考えて、ちゃんと決断して動けている若い人は増えているのかなと僕としては感じます。成人年齢と選挙権は切り離して考えた方がいいのかなと思っているのですが、選挙権の部分でいうと18歳に引き下げたいという声がかなり聞こえてきます。成人年齢となると、そこは五分五分かなと。そこは切り離して考えた方がいいという声が多い」
島田キャスター
「世論と政治が行おうとしているギャップをどのように捉えていますか」
小林教授
「政治家というのはオピニオンリーダーであると。先頭ですから最高の情報を持っているし、目標を定めて、政策を掲げて、リードしてくれるのは大事だと思います。これまで言っているように、あいつら心配だと言ってやらせないと、永遠にダメだと思いますから、やらせてみろと。法教育とか、いろんな団体が学校に出前の無料講座を出してくるようになった。これは絶対効果があると思いますよ」
公務員の政治的行為
島田キャスター
「公務員の政治的行為については」
船田議員
「1つは純粋な国民投票運動、純粋な勧誘だったらいいですと。つまり、特定の政党や特定の候補者を応援してくださいということと合わせて国民投票も言ってしまうのはダメです。純粋に国民投票での憲法についての賛否のことを言うのは構わないというのが1つありますね。純粋でなければいけない。もう1つは地位を利用してはいけないと。公務員であるが故に、営業力が大きいですから、窓口で住民票を出す時に憲法改正に反対しなければ住民票を出さないとか。教育者も禁止されていまして、公立学校も私立学校もそうなんです。教員についてはPTAで賛成しないと、あなたのお子さんの成績を悪くする、単位をやらないという地位を利用したものはダメですと禁止している。それと、特定の、今おっしゃった、取り締まる立場にある、ジャッジをする裁判官などは職にあるうちは、そういった勧誘運動をやってはいけません。そういう制限を加えさせていただきました。最後の『組織により』というところが、今回我々自民党、公明党と一緒になってどうですかということで出したのですが、これはまだ議論がまとまらずに将来への課題ということになり、付則にいれられたという状況であります。どう言うことかというと、公務員の皆さんが集まって、つまり、組合等の活動の中でがんがんやられたりしたら大変ではないのか。それから町内会に公務員の方が来られて、指揮して、音頭をとって、今度の憲法改正を反対しましょうとやるようなことも、ちょっとまずいのではないかということで、個人でやるのはいいのですが、組織でやる、しかも、主導する、指導したり、企画したりするのは公務員としての影響力を考えた場合にまずいでしょうということで我々は整理しようとしたのですが、それは宿題ということになりました」
前川議員
「今の点は大事な点ですので、三つの宿題に公務員の政治的行為と書いてある。政治的行為と言うと、自民党よろしくとか、民主党よろしくという感じですけれど、現在、議論しているのはそうではなくて、自民党よろしくとか、民主党よろしくとかではなくて、今度は憲法をこう変える、それについて国民の1人として自分達は賛成とか、反対だとか、そういう意見表明をするのは自由です。公務員だって、日本の国民ですし、税金も払っているわけで、それは原則自由に認めましょうというところが、まず議論のスタートです。ただし、船田先生がおっしゃったように、学校の先生が地位を利用して反対、賛成しろというのは良くないので、2007年の時点で禁止するということを明記しています」
小林教授
「前の国会で覚えているんですけれど、選挙と国民投票の改正のどこが違うか。選挙の場合は、議員であれ、首長であれ、特定の権限を持った地位に人をはめるんです。ですから、人によっては利権が動くんです。それに対して憲法改正国民投票法というのは、人が動かずに、国の将来について、夢を語りあう場です。だから、公職選挙法等で選挙について、公務員は賛同人に名前を書くのも禁止されている。だけど、憲法改正国民投票法についてはそもそも利権は関係ないわけですから、賛成派、反対派に連名で入ることとかを許されるという話です」
前川議員
「衆参で3分の2の多数が必要なんです、総議員の。これは主要政党の全部のコンセンサスがなければ、出てきません。ですので、時間をかけて議論を尽くすと。その中から私は憲法の改正というのがスタートすると思います」
検証・国民投票法改正案 憲法改正手続きの課題
反町キャスター
「安倍さんは2月4日の衆議院予算委員会で『国会議員はたった3分の1(の反対)で、国民の6割7割がもし望んでいたとしても、それを拒否してしまうのが果たしていいのか』と話しています。3分の2はきついという趣旨の話だと思うのですが」
小林教授
「まず形式的、世界的に見て特にきつくはない。だけど、私は日本の風土からいって憲法はちょっとアンタッチャブルですから、白紙に書かせていただくならば、私はもう少し軽いものを主張すると思う。だけれど、安倍総理の得意技で国民の6割7割と、こんな事実ないですよ、未だかつて。だから、国会議員の3分の2未満と、そんなにギャップはないですよ。架空の議論につきあってもしょうがないと思うのですが」
反町キャスター
「自民党の中でかつて言われていたのは、96条を改正して、国会議員の要件を2分の1に下ろせばいいという話がありました。その技術的な変更論についてどう考えていますか?」
小林教授
「2つ問題です。憲法というのは主権者の国民に対しては現権力者を縛るためにあるものですから、現権力者が縛りを解こうという時に、現権力は必ず過半数持っているわけですから、現在の自民党は。それでは縛りにならないと思うんですね、ことはじめに。それから、現権力者達が改憲ゲームという壮大なる政治ゲームを始める前に、ルールを変えようという発想はアンフェアだと思います。その2つの理由で、私は絶対反対です」
反町キャスター
「発議要件について」
船田議員
「私は、現在でも実は悩んでいるんです。1つは、憲法というのは法律よりも、もっと重いものだと思っていますので、それは3分の2というのは、理屈としては大事だと思っています。一方で、その3分の2のために、発議ができないという硬性憲法のもとがそこにある。そうすると、憲法を変えたいと思っても、国会の中で議論していて、国会から出なければ国民の判断ができなくなっちゃうわけですね。つまり、民意を問うことができない。憲法に対する国民の民主主義が保障されないという事態になりかねないので、そこで悩んでいます。もう1つの悩みは、憲法改正のやり方です。いっぺんに全部投票できるような状況にはないと思います。何回かに分けて、国民投票が行われ、発議も何回かに分けてやるようになるでしょう。そうすると、常に3分の2を超えるものをやって、何項目かずつ国民投票にかけていくのは至難の業。それを考えると、たとえば、もちろん、1回の国民投票で、いびつな憲法にはならないように気をつけますけれども、何回かの憲法改正をやったうえで枝ぶりがちゃんとできるような形になると思いますし、憲法改正が途中で止まってしまったりした場合、いびつな憲法の状態がそのまま続いてしまう危険性がある。だとしたら、3分の2よりは2分の1の方がやりやすいのではないか」
反町キャスター
「船田さんは、96条先行改正論には賛成なのですか?」
船田議員
「それには反対です」
前川議員
「小林先生がおっしゃったように、憲法というのはその時の権力を縛るルールです。通常の法律と同じで、2分の1、2分の1、それは世界のどこの成文憲法を持つ国でもやっていない。3分の2を2分の1に引き下げないと憲法改正できないというのは、私は邪道だと思います」
反町キャスター
「いかがですか?」
青木氏
「憲法改正については比較的学校の友達とか、教室の中でも意外と話し合ったりする機会があります。実際若い世代の中にも、これに関する当事者意識というのが少し生まれているのかなという実感があります。そういう中で、若い世代に対して、僕が今日ここに呼んでもらったことも1つ良かったことだと思います。実際疎外感を持たずに若い人達に対してもしっかりと議論の場ですとか、考えるきっかけの一歩になれればと僕自身は思っています」
船田元 自由民主党憲法改正推進本部長の提言:『国民投票で憲法を国民の手に取り戻そう』
船田議員
「要するに、民主主義というのはもちろん、選挙もあります。それから、国民投票で当面は憲法改正の問題だけなのですけれども、これによって憲法というのを不磨の大典として、神棚にしまっておくのではなくて、我々のちゃぶ台というと古いですけれども、テーブルに出して、眺め回して、何が足りないのか、何が違うのか、そういうことを議論する場を国民投票によってつくり出して行こう。そのことで憲法というのを国民にもっと近づける。そういうことを言いたかったんです」
前川清成 民主党憲法総合調査会事務局長の提言:『広範な合意 形成の努力』
前川議員
「私達が登場する前、55年体制下の憲法の議論というのは、一方で、自民党は現在の憲法は押しつけられた憲法だと。自主憲法をつくろう、一から百まで全部つくり直そうという議論でした。かたや、その時の、野党第一党の社会党は憲法に関して議論したら戦争になってしまう、護憲だという議論でした。私は、それは両方とも両極端で戦後70年過ぎたわけですから、様々なルールの変更をしなければいけない場合が出てくると思います。だから、主要政党間で合意ができるようにじっくりと時間をかけて、コンセンサスを得るための努力をしなければならない。そう思っています」
小林節 慶應義塾大学名誉教授の提言:『国の主(あるじ)として』
小林教授
「憲法の本質は主権者国民が本来国の主ですから、一時的に権力を預かる政治家は貴族でありません。主権者として権力を監視、管理するという意識で、国民投票に臨んでほしいと思っています」
青木大和 「僕らの一歩が日本を変える。」代表の提言:『届け 若い声!』
青木氏
「今日、お話させていただいたように、若い世代だったり、僕達世代がなかなか議論の場に上がれなかったり、年齢の問題でも20歳だったり、18歳だったりという側面でごちゃごちゃしてしまっているのかなと思っていて、ただ、私達も日本に生まれ、日本で育ってきて、一国民であり、これから日本を背負っていくという思いを持っている中で、若い世代の声を10年、20年、30年の先を見据えたうえで、若い世代の声をしっかり汲み取っていただいて、より良い未来の日本に対して反映していただければと思っています」