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2014年5月12日(月)
情勢悪化?ウクライナ 駐日大使が語る打開策

ゲスト

イーホル・ハルチェンコ
駐日ウクライナ特命全権大使
蓮見雄
立正大学経済学部教授 ユーラシア研究所事務局長
渡部恒雄
東京財団上席研究員

駐日ウクライナ大使に聞く ウクライナ東部の住民投票
島田キャスター
「州の独立の是非を問うとして、親ロシア派の主導による住民投票が行われた州は、ウクライナの東部、ドネツク州とルガンスク州でした。一部の投票所では、発砲があり、1人が死亡するなど緊張が続く中、投票が行われたのですが、その投票の結果、州の独立の是非を問う住民投票として、ドネツク州では賛成が89%、9割近いですね。反対が10%。ルガンスク州では、98%くらい賛成と出ているのですが、反対が5%未満ではないかと出ています。どちらも投票率は、過半数を大きく上回って、ドネツクで74%超、ルガンスク州では80%を超えています。この投票を巡りまして、信頼制が低いという指摘もあるのですが、親ロシア派は事実上の勝利宣言をしています。今回、ヨーロッパ、アメリカだけではなく、ロシアのプーチン大統領も延期を要請していたのですが、それを聞かないという形で行われた住民投票。政府としては、どのように受け止めていますか」
ハルチェンコ大使
「ご質問ありがとうございます。答えは簡単です。昨日は、住民投票などありませんでした。昨日起きたことというのは、我々がウクライナから聞いているのではなくて、他のところから聞いていることでは世論調査とさえ受け止められない程度のものです。基本的には失敗です。なぜなら、この投票所に来た人達の数というのは、全体の領土の4分の1の部分でしか行われませんでした。これは推定によりますと、10から20%程度であったと。全体の人口に対する割合ですね。最も驚くことは、先ほど出た数字なのですが、そこで言われている数字は、すさまじい数字だったと思いますね。一番の指導者が、このルインクスで司令を出している、この住民投票といわれるものを組織している人に聞いたところ、『私達は、普通の住民投票を組織化することはできない』と言ったのに『何でもいいからやれ』と。これでともかく数字を出せと言われたので、それで89%という、とんでもない数字が出ているわけですね。しかし、ウクライナの外務省の話では、私は引用をしているんですけれど、昨日起きたことというのは、それは、ただ、クレムリンからお金が出て、組織化されているもので、これは違法なことであって、全くこの領土的な保全ということや、国家の制度に対しては、何の意味もない、効力もないものであるとしています。ですので、これは全くの茶番劇であって、全く法律的な根拠もありませんし、全く法律的な結果もありませんし、領土は保全されるものであります、ウクライナでは。ロシアのマスコミの言っていることは、ウクライナ東部で行われていることなのですが、これは、ただモラルを高めると。つまり、侵略者であるロシアの側のモラルを高めるためのものだけです。ウクライナというのは、領土的保全を守るべきでありますけれど、結局クリミアも含め、現在侵略されているのです。クリミアでは一時的に成功したことで、ロシアというのは東側に対して、来ようとしたのですが、これは完全に失敗しています」
蓮見教授
「大使のお話とはちょっと見方が違うのですが、まず親ロシアかどうかというのがあって、僕は、むしろ嫌キエフというか、キエフに対して…」
反町キャスター
「嫌キエフ、嫌いということですか」
蓮見教授
「はい。嫌キエフに対して、非常に心配しているといいますか、そういう人達が多かったのではないのかなと思います。仮にですが、投票率が、たとえば、3割であったとしても、それだけの人達が、実は以前に世論調査をいろいろしてあるのですが、それによると、ロシアと統合した方がいいという人はほとんどいないんですよ。東ウクライナでも。しかしながら、こういう形で選挙である程度、独立がどこまで独立かはわからないのですが、独立を求める人が一定数出てしまったというのは、むしろ、ロシアに頼りたくはないのだけれども、キエフが非常に不安定ではないかと。特に、ロシア語を使う人達が、これからどうなっちゃうんだろうかという心配をしていたのではないかという、その結果ではないかと思うんですね。つまり、今回明らかになったのは、茶番だと言って切り捨ててしまうことはできなく、かなりの人達が心配をしていると。そうすると、東ウクライナにいる人達が安心できるような姿勢をキエフが見せないといけない。そういう課題が出てきたんだと受け止めなければいけないのではないかというのが、私の考えです」
反町キャスター
「蓮見さんの話は、要するに、それほどロシアに対し、親ロシアの人達がたくさんいたわけでも、強いわけでもなかったんだけれども、ウクライナの、キエフの暫定政府の国内統治のやり方がかえって、逆に、親ロシアの数字を押し上げてしまったのではないか。国内政策が少し強行過ぎたのではないかという指摘はいかがですか?」
ハルチェンコ大使
「世論調査の結果としてウクライナから出ている最近の数字を見ますと、それはほとんどの人達、国民の7割ぐらいの人達というのは、自分達のウクライナは団結しているべきだと言っています。親ロシア派と言われている人達、あるいは分離主義者と言われている人達ですが、こういう人達は明らかに少数派です。10%とか、あるいは15%とか、よく言われていますが、しかし、ここで問題なのはこういった親ロシアの人達への影響力が東側であったのは、ロシアのテレビがあったからですね。確かに、ロシア語を話す人達が多いということはあります、特に都市部で。しかし、地方に行けば、村に行けば、ウクライナ語が聞こえてきます。これが歴史です。都市部はロシア語が多いと聞きます。ロシアはそれを利用しようとしています。数週間前のことですが、ロシアの秘密工作員が東部に、スルビアンスクという町に入りこみました。工作活動を始めました。それでお金を払って、いわゆるこのならず者の人達ですね。私はならず者という言い方をしているんですけれど、本当にギャングと言われている人達ですが、恐怖の行動をとっているわけです。テロスリトの行動をとっているわけです。それでそういった人達がやったことというのが、だいたいロシアの、このマスコミの中で大きく喧伝されました。つまり、口実をつくるということです。つまり、ロシア語を話す人達を助けるという口実をつくるためにやったことですね。一部クリミアでも行われているんですけれど、昨日起きたことというのは本当に単なる茶番劇です。これは無視すべきだと思います。もちろん、ウクライナ政府は確かにこの状況はわかっています。ウクライナ東部で起きていることというのはわかっています。ドネツクの州政府ですが、我々は通常の住民投票をするべきだったのではないかと、このあとで。このやり方として、こういった人達を追い出すために住民投票をきちんと行うべきではないかと言っていますが、まずやらねばならないのは、こういったテロスリトです。武装している親ロシア派という人達を追い出す、追放すると。このことが現在一番大事なことですから、地元の人にこういった恐怖をまき散らすことは止めさせるというのが大事です。つまり、ジュネーブ協定、ウクライナに対してのジュネーブでの約束というのはロシア側が守るべきことです。というのは、ロシアは決して何もテロリストの部隊を引き上げるべきだと言ってはいないんです。ロシアがそこにお金を出して、指令を与えて、プーチン大統領こそが自分の住民投票を延期するべきだとなどというホラを吹いているわけです。結局、プーチン大統領が、全然口を出すべきものではないです。これは、ウクライナ問題であって、本当の住民投票を通常の状態で、ロシアの人達がいなくなったあとでやるべきことなのです」
プーチン大統領の延期要請
島田キャスター
「先ほど、大使はプーチン大統領が投票の延期を求めたことがホラだということですが、それはなぜそんなホラを、大使はプーチン大統領がつく必要があったんだと考えますか?」
ハルチェンコ大使
「ロシアはこの状況に全く関与していないということを示したいだけだと思うんですね。そういう意志表明をしたいだけだったと思います。ウクライナの秘密部隊は、何人かがロシアに囚われの身にもなっています。また、おそらくプーチン大統領がここで考えているのは、アドバイザーに対して、こうした法的な有効性を与えないようにしようというような、そういう工作を行っているということも考えられると思います。何らかの口実にしている部分というのもあると思うんですね。つまり、ロシアのテレビで、ロシアはここに何も関係していないんだと。住民の投票の結果がこう出ているのではないかということを示したいということではないでしょうか。たとえば、しっかり組織だって投票が行われたのは、2か所だけだったんです。ジャーナリストがいて、しっかりと監視がされていたのは2か所だけです。おそらく人口比に対して4%ぐらいの投票所しか、きちんと管理された形で投票が行われていないということです。それが昨日起きたことだと言えます。それを彼らは住民投票と言っているんです。それは世論調査とも言えませんよね。ある意味、見せかけにしか過ぎないということだと思います。民主主義の社会の中では許されないことでしょう」
親露派が住民投票強行 ウクライナ問題の行方は
反町キャスター
「ロシアの国益、ロシアにとっての最大の国益がどこに向いているのかという見立てですが。クリミアをロシアが手に入れたという前提のもとで、ウクライナの25日の大統領選挙がきちんと行われることが、ロシアにとっての国益になるとプーチン氏は考えていると思いますか?それとも、大統領選挙も邪魔してグチャグチャにさせた方がロシアの国益になると、プーチン氏は考えていると思いますか?」
ハルチェンコ大使
「プーチン大統領はいろいろな状況で、過去、数年間こういう発言をしている。どういうことかというと、ウクライナというのは国であるかどうかということではなく、それでも、私がロシアだと。つまり、彼の考え方というのはいわゆるこうした歴史的な考え方からも、ウクライナという国は存在しないんだと。それはロシアの一部だというような考え方。ですから、ウクライナというのはそもそも旧ソ連の中にもなかったんだというような考え方をしているんです。つまり、かつての共産党の書記長のような立場をとろうと考えているということです。ですから、ウクライナが、自分達を、たとえば、自由とか、尊厳のもとで国として活動しようということは、どういう形であっても、妨害しようと考えていると思います。ウクライナが独立して自由であるということを認めようとしないんでしょう。ヨーロッパの国と、国として付きあうということも認めたくないんだと思うんです。ロシアの一部に過ぎないと考えている。そういうシンプルな考え方だと思います。私達は、ウクライナを国として考えていますが、彼は考えてないということでしょう。ただ、私どもとしては、ウクライナは国です。プーチン大統領の野望は阻止しなければいけないと考えていますし、そのための準備は、私どもは十分できていると考えています。私どもは、それに向かって、しっかりと歩みを進めていこうと考えています」
プーチン大統領&OSCE議長会談
島田キャスター
「先週の7日、ロシアのプーチン大統領とOSCE、ヨーロッパ安保協力機構の議長を務めるスイスの大統領がモスクワで会談しまして、ウクライナの危機打開について話し合いをしました。この機関の重要度、権威はどのぐらいのものなのでしょうか」
蓮見教授
「それ自体何か新しいものをつくるという能力があるかというと、それはないのですが、ゆるやかな枠組みで多くの人達を入れて話し合いをしたり、あるいは選挙監視をしたりという機能はあります。ですから、ロシアはOSCEが実は好きです。どちらかというと。なので、OSCEの枠組みでやるというのは、ロシアは、実は協力しやすいということです。ただし、一番大事なのは、そこで選挙監視の問題とかが出てきますけれども、透明な議論ですね。それから、透明な選挙を、特に大統領選挙に関してはしっかり確保をする。そのためにOSCEを尊重するという、国際社会がそれを尊重するという姿勢を明確に打ち出すということは非常に重要だと思います」
ウクライナ危機打開策 OSCE提示の行程表
反町キャスター
「OSCEはあまりアジアにいる人間にとって縁のない組織ですが、こういう時に、たとえば、国連安保理とか、そういった組織というものが出てきてもいいのかなと思いながら、なぜ今回OSCEというものが出てきたのか?なぜこの人達はOSCEに頼ろうというのか、現状をどのように見ていますか?」
渡部氏
「OSCEというのはその前にCSCEというのもあって、要するに冷戦後にロシアとヨーロッパとアメリカで、それなりに手打ちをして、冷戦が終わったあとにもう少し全体を含めてロシアも入れた中で安全保障の話をしましょうという会議でして、何で重要かというと全ての当事者が入っているからです。NATOという、北大西洋条約機構と言ってロシアに対抗してつくっているものとは違うし、NATOもロシアと対話をしていますが、そもそも、今回ロシアがいろんな意味で、大使が指摘するような問題のある行動をしているようなことも、1つはロシア側も被害者意識があるんですね。つまり、NATOがどんどん東に拡大してきてウクライナの手前まで来ている。ウクライナも入れてしまうのではないかと。要するに、ロシア側もすごく疑心暗鬼で、特にアメリカにですよね、アメリカが裏で動かしていて、それでロシアを取り込んでいくのではないかと。私は、アメリカ専門家だから、そんなことは考えていないのですが、アメリカ側は。ただ、アメリカ側もちょっとロシアが心配しているところに無頓着なところがあって、ということがあったので、ますますOSCEの枠組みというのは重要で、国連安保理というのは、最後は重要になると思います。ただ、これは拒否権を持っていますから、ロシアが。たぶん国連安保理と言われたって、たぶん特にこれは大使に聞けばわかると思うのですが、ロシアが拒否権を持っているところで解決なんてとんでもないと、当事者としては思うでしょうね」
ウクライナ問題の行方 どうなる大統領選
島田キャスター
「大統領選で最も注目すべきところはどこだと思いますか?」
蓮見教授
「私個人としてはポロシェンコさんが勝った方がいいと思っています。それには、いろいろ理由があってポロシェンコさんはロシェンというチョコレート会社を営んでいる。チョコレートは簡単に言うと押し売りはできないというか、おいしいチョコレートをつくって皆に買っていただくことによって初めて成り立つわけですから、彼自身は公正な市場経済と言いますか、透明な市場を望む。従って、彼が大統領になればビジネス環境の改善ということは当然考えるからいいと思うんです。それに対してティモシェンコさんはガスの女王でガスの問題というのはレントシーキングと言いますか、要するに、競争を抑制して生まれた利益をポケットに入れてしまうということが得意なので、万が一彼女が表に出てきた場合には腐敗がなくならないだろうと。ですので、ポロシェンコさんがこの際思いっきり勝つべきだと3日前に私はそう思いました」
反町キャスター
「政策の争点はどこにあるのですか?」
蓮見教授
「政策の争点は基本的にはないと思います。ないと言うと言い過ぎですが、今申し上げたように東部の鉄鋼業であるとか、ガスに利権を持っている人達と、そうでなくて、より開かれたウクライナの市場をつくった方がいいと思っている人達の戦いというのがあって、それが現象面としては親EUなのか、親ロシアなのかという形で見えてくるのですが、実は内部の本当の意味でウクライナがまともな市場経済に移り変わって行く時の既得権の人達と新しいポロシェンコさんのような人達との争いというのは本質的なところだと私は思っています」
反町キャスター
「投票が7対3だろうと、8対2だろうと、ウクライナを2つに割ってしまう選挙になると思いますか?」
蓮見教授
「そこまでは行かないと思います」
大統領選の行方
反町キャスター
「今回の大統領選挙は何を巡る大統領選挙だと思いますか?」
ハルチェンコ大使
「そうですね。今回の大統領選挙に関してはロシアとの違いがあると思うんですね。これまでの歴史の中で6回大統領選挙が行われてきました。ウクライナでは誰が勝つかわからないんです。でも、ロシアは誰が勝つかもうわかっています。ただ、現在一番大きな問題というのは通常の問題ではないです。以前の選挙ですと、経済がとにかく争点だった。でも、現在はどうやって、現在の大変な状況を克服するのか、ロシアの侵攻を受けて、どう現状を良くして行くのかということだと思うんです。有権者はそこを見ているんですね。どうやってクリミアを取り戻すか。また平和を確保するか。新ロシア派と言われる人達がいる中でどう国内を安定させていくか。もちろん、経済も重要です。経済は現在は最優先課題ではないですね、大統領選挙においては。それが最優先の課題とはなっていません。現在はウクライナがどうあるべきか、現状をどう改善していけるか。ロシアがある意味、実質的に私達に対して仕かけてきた戦い、それにどう対応していくか。それが一番の争点だと思います」
反町キャスター
「政治とか、外交が争点になると候補者は皆同じ意見になるのではないですか?」
蓮見教授
「そうだと思います。誰が選ばれたとしても、ヨーロッパと協力していくと。ロシアも好きではないかもしれないけれども、最低限のお付きあいはしないといけないという選択肢しかないと思います。ロシアに限らず、アメリカもヨーロッパもいろんな形で陰に日向に影響力を行使しようとするというのは、国際関係を考えるうえでは当たり前のことなのですが、結局なぜつけ込まれてしまったのかと考えた時に…」
反町キャスター
「それが大統領選挙の争点になったりします?我が国はどうしてロシアのくびきから逃れることができないのかと」
蓮見教授
「それはならないと思います。たとえば、ポーランドであるとか、バルトの国だったら、そういうことはあったし、それをもってむしろロシアがいるおかげで国民統合ができたのかもしれないけれども、ウクライナの場合はやはり長いお付きあいもあるし、ロシア語話者の方達もたくさんいるということなので、とにかくロシアから離れることを最優先にして国民統合をしましょうというのは無理です。東部の人達が、実際にロシアは好きじゃないかもしれないけれど、ロシアとの経済関係で生きているという現実があって、それを無視することはできないのであってつけ込まれないようにするためには、ロシアに頼らなくても何とかやっていけるような経済を立ち上げる。そういう方向性を出せるか。そのためにもまず安定をすることが重要であって、現在の状況というのは経済の改革にも着手できない状態になってしまっているわけですよね。だから、まずいろいろ意見の違いはあるんだけれども、まず国民統合をするんだということが重要であって、それが結果的に経済の改革のスタートになるわけですね。外資も入ってきてくれるわけですから、とにかくロシアが悪いと言い続けていても、残念ながら、ウクライナの場合には国民統合にはつながらないんです。そういう意味で、経済の立て直しというのは実はあと回しではなくて、実は一番重要だと思います」
日本に期待することは
島田キャスター
「安倍首相は、欧州を訪問して、『力を背景とした現状変更の試みは容認できない。問題があるからこそ(ロシアとの)対話も行わなければならない』と発言しました。日本にウクライナが望むことは何でしょうか?」
ハルチェンコ大使
「この機会を捉えましてもう一度言いたいことがあります。日本政府に対し感謝申し上げます。これまで全てやってきてくださったこと、努力を、ウクライナを支援してくださったことに感謝申し上げます。もちろん、緊密に見守って参りました。安倍総理が最近、ヨーロッパを訪れたところ、ヨーロッパのヴィッセルやあるいは、NATO(北大西洋条約機構)といった安倍総理が最近訪問したところには、私たちもよく訪問しています。声明がヨーロッパから出てきました。安倍総理が2国間の話について、語ったこともありますけれども、しかし、日本は未だにウクライナにとってパートナーである。この関係、政策というのを続けていただければと思っています。また、特に大事なことですが、ここで強調しておきたい点ですが、具体的な点としては、ウクライナの支援、日本からいただきたいこととして現在議論がされています。これはエネルギーの問題です。エネルギーの問題というのは、非常にウクライナだけではなく、他のところにも重要です。ヨーロッパにとっても重要です。世界の他のところに対しても重要です。それはこれまでロシアが実質的には武器として、ガス、石油の輸出を使ってきました。つまり、ロシアが実際にウクライナを人質にとっているようなエネルギー政策なんです。ウクライナだけではありません。ヨーロッパの一部も人質にとられているようなものです。戦略的な問題。つまり、エネルギー依存性をロシアに対して長期的には減らしていくということがまさに重要だと思います。それはウクライナのエネルギーの安全のために重要です。ヨーロッパにも重要です。ですので、日本がこの解決策ということに対し力を尽くしていただければと思うんですが、既にいくつか方向性は見えてきていると思うんです。この問題は非常に重要です。また、日本の支援が、金融面において、それはIMF(国際通貨基金)の枠組みの中で、日本がOECDの監視の中でもです。地理的には離れておりますけれども、私どもは日本の支援をありがたく思っております」
日本の果たすべき役割は
島田キャスター
「日本は何ができると思いますか?」
蓮見教授
「クリミアがロシアにとって、安い買い物だと勘違いされると困りますよね。要するに、クリミアをウクライナが取り戻せるのかどうかという問題もありますが、仮に当面、ロシアに支配され続けるとしても、コストがかかって大変だということをロシアにちゃんとわからせなければならない。その点では日本が欧米と協調して、きちんとその点は批判をしていくことが必要なことだと思います。ただ、経済制裁をロシアに課すということはどういう意味を持つのかというと、実はウクライナという国はロシア市場にも依存しています。ヨーロッパ市場にも依存しています。そうすると、ロシアの経済が悪くなるとウクライナの輸出が減る。ヨーロッパの経済が悪くなるとウクライナの経済が悪くなる。と言うことは、結果的にウクライナ制裁になりかねないリスクがある。ウクライナが立ち直るためには時間がかかると思います。長期に渡って十分な国際支援をすることが必要で、その時にG7では不十分で、日本が音頭をとって、たとえば、中国はウクライナにとって第3の貿易相手国ですね。ですから、中国など新興国にも声をかけて、たとえば、現在日本は15億ドル出すと言っているけど、もうちょっとがんばって、20億ドル出しますと。だから、中国とか、他の国も出してよと大きな枠組みをつくる声を、主導権をとるということが、日本はできるのではないかと思っていて、それができるといいなと思っています」
蓮見雄 立正大学経済学部教授の提言:『大人になる』
蓮見教授
「1つには意見の違いを超えて国民統合しないといけない。確かにロシアが悪いという部分はあるのですが、まずウクライナがまとまるということが一番大事だろうと思います。そのうえできちんと自分達で経済的に自立できるようになる。そういう意味で、大人になる必要があると思います」