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2014年5月8日(木)
日米”通商戦争”史と西村副大臣TPP戦略

ゲスト

西村康稔
内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員
畠山襄
元通産審議官 国際貿易投資研究所理事

西村副大臣が見た米国の今 TPP交渉どう説明 反応は
島田キャスター
「26日から10日間、アメリカでいろんな方と会ってきたということですが」
西村議員
「ワシントンで政治の関係者、政府の関係者とTPPを含めて様々な政治課題について議論するというのは1つの大きな課題でした」
島田キャスター
「日本の立場をどう説明してきたのでしょうか?」
西村議員
「今回、特に議会の関係者、あるいはその周辺の方々ともお会いしてきましたので、もう一度改めて日本のポジション、立場をしっかりと説明するということが大事だと思って、今回かなり念入りに説明してきました。一番大事なことは、日本も高いレベルの自由化を目指して参加したんだと。これは安倍総理のリーダーシップで決断があって、相当反対もありましたけれども、しっかり理解をしてもらって交渉に参加したということをまず申し上げて、高いレベルのものを目指してしっかり努力していると。これまで88%くらいしか自由化していなかったですね。FTA、これまでの自由貿易協定では。しかし、それをもう遥かに上回る形で高いレベルのものを目指してやると、数字は言えないですが、そういう努力をしているということを申し上げて、ただ国会の決議もあって5品目を中心に関税撤廃がダメだということも含めていくつかの決議がありますので、そう言った決議を踏まえて我々は対応している。ですから、ギリギリの一線があるということも理解してもらいながら自由化を目指してやっているということを説明してきました」
島田キャスター
「議会の方々はこの説明で納得したのですか?」
西村議員
「たとえば、どの方がどう言うかはありますけれども、基本的に理解される方もあれば、基本的に100%自由化だろうという方もおられました。ここは丁寧に日本の立場を説明してきましたし、最終的にアメリカ国内の手続きは議会との関係も含めてアメリカに責任をもってやってもらうと。我々は日本の国会にしっかり責任をもって可決したあとは説明をして、国会に承認してもらわなければいけないので、それは我々が責任を持ってやると。各国はそれぞれの国内の手続きに責任をもってやるということで、その信頼関係のもとで12か国は商談していますので、私はアメリカの関係者に説明をして、理解をしてもらおうとしますけれど、最終的にはアメリカ政府が責任をもってやってもらわなければいけない話ですので」
TPP交渉 米国の背景と思惑
反町キャスター
「アメリカ議会は真剣にTPPを進めようと思っているのですか?民主党も共和党も攻めても票にならないだろうな、やめとけよという、どちらが本音ですか?」
西村議員
「正直申し上げていわゆるTPA(大統領貿易促進権限)、アメリカ議会から政府に交渉の権利が渡される。そこでもって通常はそののちに政府は交渉して後は一括OKかOKではないか、YESかNOでやる、そういうやり方が一般的なアメリカの交渉の仕組みであるということを前提にすると、現在のアメリカ議会は現在の段階でTPAの権限を政府に渡すという雰囲気はあまり感じられなかったと。正直申し上げてこの議論は11月の中間選挙以降になるのではないかと」
反町キャスター
「TPPの交渉において、再交渉になるという前提で話をしているのですか?」
西村議員
「そこは今回、私は多くの人に強く申し上げましたけれども、日本もギリギリの交渉をしていると。高いレベルのものを目指していますが、国会決議もある中でできるだけ自由化をしたいけれども、決議があるからできない部分も含めて、ギリギリの交渉をアメリカとしている、他の国々ともしていると。そういう立場を理解してもらって、この状況の中でアメリカも自動車などのセンシティブな問題もあって、お互いギリギリの交渉をしてまとまった、それをあとから再交渉と言われてもそれはできませんよと。これは、日米にかかわらず12か国全てがそれぞれセンシティブ、弱いところもあり、強いところもあり、お互いが駆け引き、譲歩をしながら、パッケージでまとめようとしていますので、いわばガラス細工のように積み上げていっていますから、あとから再交渉でこの部分だけとってくれと言われても、全部崩れてしまいますよと、だから、それはできませんということは強く申し上げて、日本の立場に理解を求めてきたと」
反町キャスター
「それに対して向こうは何と言うのですか?」
西村議員
「最終的に、私の立場から早くTPAを出せとか言う立場ではありませんので。アメリカ国内の話はアメリカ政府が責任をもってやる話ですから、我々の国会決議の話をするのも変な話ですから、日本の国会は我々が責任をもってやると。ですから、アメリカの議会はアメリカ政府がやってもらうということで、それは信頼関係でやっていますので、そこは日本の立場をしっかりと説明して理解を求めますけれども、そこから先はアメリカ政府の責任ということですね」
島田キャスター
「決まったことは、差し戻しできないよということは理解してもらえたのですか?」
西村議員
「そこは強く理解を求めてきました」
反町キャスター
「オバマさんは、TPPをまとめられる環境にあるのか?」
西村議員
「そこは今回もいろいろな方から言われた話が、北米の自由貿易協定、NAFTAですね。アメリカ、カナダ、メキシコ、特にメキシコとの関係でNAFTAは議論があってNAFTAもクリントン政権の時にわずかな30票くらいの差で下院を通っているのですが、この時に、クリントンは民主党でありながら、民主党の反対者が非常に多かった。むしろ共和党は自由貿易者が多いと言われていますけれども、共和党の方の賛成が多くて通ったわけですね。そのあと、ブッシュ政権でまさにTPAの議論があって1票差で下院を通ったことがあって、その時の話とか、いろいろな比較がなされました。ですから、これはギリギリ、議会との関係でどうなるかわからないという部分はありますけれど、アメリカ政府は責任をもってやってほしいという」
島田キャスター
「TPP交渉をめぐる今後の日程で、閣僚会合について5月19日から20日で、シンガポールで開くというのは決まったのですか?」
西村議員
「これは決まっていません。アメリカは甘利大臣もシンガポールの会談で強く言われましたけれども、閣僚会議が先にありきではないんだと。閣僚会議を決めてしまうと、結局事務方交渉官は難しいことは閣僚会議でやってもらおうと、どんどん上げていくので、なかなか事務方でものごとが詰まらないままに、私が出た12月のシンガポール、2月の甘利大臣、今回もやるのかということになってしまうと、事務方で詰めずに上がっていきますので、むしろ今回はベトナムの首席交渉官会議は決まりましたので、ここでとにかく詰めてもらって、それで見えてくればやろうということです」
反町キャスター
「今回の5月の閣僚会議が中間選挙前のラストチャンスだというのは?」
西村議員
「これは5月に開かれるかということも含めてわかりませんが、大筋合意で大きな方向性としてかなりの部分で一致してくる可能性はあると思いますので、それが5月になるのか6月になるのかわかりませんけれど、まずは12日からの首席交渉官の会合を見てかなりのところで詰め切って、あといくつかの点をどうしても閣僚に上げなければならないということになってくれば、相当方向性が見えてきますので、まずはベトナムの首席交渉官会合を」
“通商戦争”ニッポンの教訓 自動車交渉に何を学ぶ
島田キャスター
「日本にとって自動車の通商交渉はどういう理念でアメリカとこれまで対峙してきたのですか?」
畠山氏
「これは当時、通商産業審議官をやっていた天谷さんという方がいまして、彼は、協議は忍び足で歩けと言ったんです。それでアメリカはおそらく自分が悪いと言った最後の要請だったのではないか。自分が悪い、弱いんだと、だから、助けてくれと言った最後の要請だったと思いますよ。そうきたら同盟国日本は受けざるを得ないですね。そこからどうなったかと言うと、アメリカはそれをメドにやっていたホワイトハウスでの首脳会談のレーガン大統領の第一声は、私はたまたま鈴木総理の秘書官だったからよく存じ上げているのですが、『鈴木総理、自動車の件でお世話になりまして、ありがとうございました』。それだったんですよ。首脳会談の第一声が。そうだったのですが、それから変わりまして相手が悪いと言いだしたわけです。アメリカが、日本が悪いと言いだしたわけです。法律的に言えば、通商法の201条という世界から、301条という、対抗措置をとると変わっていったわけですね。それで日本の政策もそれに対応して、そういうことを一方的に決めるのはおかしいのではないかと。301条のもとに基づく協議だとこれを言うなら、私どもは受けないということを言いまして、たとえば、日米経済委員会というのがありますが、そこでその年のハワイで行われたのですが、その時に、向こうは半導体とか、人工衛星とか、そういう問題をとり上げたいと言うから、それは取り上げたいなら取り上げたらいいと、日米の間で話し合いができないことはないから。しかし、301条に基づいてやる協議でないぞということを言いました。ルール優先の姿勢に日本も変わっていったわけです。少なくとも工業製品分野ではそうなったわけです。それでECは自動車の自主規制をしてくれと頼んできたわけですね。それは何でかというとEC92というのがありまして、1992年に市場統合をやったわけですね。市場統合というのは具体的に何かと言うと、域内流通を自由化するんですよ。だから、ドイツで陸揚げしたものはフランスに大手を振って入っていけるわけです。その時にフランス、イタリア、スペイン、ポルトガルがGATT違反で対日自動車の輸入規制をやっていたわけです。GATT違反だったわけですけれど、言葉は悪いですけれども盗人猛々しい。それにもかかわらず日本に対してECを助けたと思って、自主規制をしてくれと。なぜかと言うと自主規制を日本がしてくれないと、日本車がドイツは輸入制限をしていないからドイツで陸揚げされて、あるいはオランダに陸揚げされて裏庭からフランスに入ってきてしまうわけです。フランスでインフラ制限していても裏から入ってきてしまう。だから、大元で抑えてもらわないとできない、日本が押さえてくれと。自動車というのは大きな貿易品目だから、これが裏からどんどん入ってきちゃうものだから、翻って域内の流通自由化はできないと。それではEC統合ができないと。その責任は揚げている日本だぞと、脅かし半分にそう言うんですね。そこは引き受けたわけです、日本は」
反町キャスター
「節を曲げたことはなかったのですか?」
畠山氏
「これはおっしゃる通りですけれど、例外的に期間を限って、しかも責任の所在を明らかにし、アメリカが悪い、あるいはEUが悪い、だけど、弱いんだから助けてくれと言われたら男日本たるものということで引き受けたわけです。ただ、EUの場合は、当時ECですけれど、輸出に味をしめて輸出規制を日本が引き受けてくれるのはありがたいが、それに加えて現地生産も規制してほしいと言い寄ったわけですが、断固断ったわけです。現地生産は輸出ではないと。現地生産は日本が経済論理にこだわった。結論から言えば、勝ったわけです。従って、現地生産は規制しないと。当然の結論と言えばそうですが」
島田キャスター
「自動車交渉におけるポイントをどう捉えていますか?」
畠山氏
「他の品目もそうでしょうけど、経済的な論理を大切にすると。最後まで迷ったならそこですね。だから、自主規制ももし迷ったらしないということだと思うんですね。だけど、迷わなくて、意気に感じたらやってしまうと」
西村議員
「実は畠山さんは私が通産省に入った時、石油部に1年生で入ったんですけど、その時の石油部長で直属の上司でありました。今のお話を伺っていまして、私、当時一番畠山先輩から教わったことの1つが筋を通すということだと思うんですね。1つが筋を通すことで私も1ミリも譲らないと言ったこともありましたが、筋を通すことは通さなければいけない、これは畠山さんに教わったことで、2つ目は、そのうえで先を読んでおられると思うんですね。どう出てくるのか、ここでこういう判断をすれば相手はどう出てくるのかということを読んだうえで、最終的には日本にとって国益がプラスになるような形で結論を見越して、判断をしておられると思いますので、まさに教わったこと、筋を通すということと、常に相手の先を読んで、こう言えばどう出て、最終的にどうなるのか、それを読んでのご判断だと思います」
反町キャスター
「現在国力の差も埋まってきて、安全保障もアメリカにお世話になっていることも減ってきている中で、あの時代と同じように、困っているなら牛買おうとか、そういうところまで日本はいけますか?」
西村議員
「状況はだいぶ違っていると思うんですね。おっしゃる通り、アメリカ一国で世界を見ていた時からアメリカの力は相対的に落ちていますし、我々の力も相対的に見たら落ちてきている。経済力から言うと、人口も減ってきているという中での話し合いだということ。もう1つは、アメリカの閣僚が、アメリカの副大統領が、アメリカの大統領が言ってくれば、最後は日本が譲歩するのではないかという思いをアメリカ側が持っていたのではないかと思うんですけれども、我々はまさにそこは筋を通す、1ミリも譲れない線はありますので、そこは絶対に無理だと言うことを一貫して言ってきていますから、そこはアメリカ側も違うなという感じは持っていたんだと思います」
牛肉・オレンジに何を学ぶ
島田キャスター
「農産物については、どんどん折れていったイメージですが、そうなのですか?」
畠山氏
「そうなんです。と言うのは今、西村副大臣にせっかく私が筋を通したと言って評価していただいた。その直後に恐縮ですが、現在筋を通そうとしているのは、農産物についてはアメリカです。だから、100%自由化をするのが筋であると。そういうルールの中での話。どちらに勝ち目があるかと言うと、これは残念ながら、ここだけの話というわけにはいかないけれども、テレビの前で。残念ながらアメリカの論理は強いと思うんですね。農産物でがんばるということは、必ずしも筋を通すということにはならない」
反町キャスター
「現在のTPP、日本政府の基本方針は聖域5項目死守です。これをどう見ていますか?」
畠山氏
「これは、がんばるところは、がんばるのはいいのですが、ややズレたところでがんばるのはどうかなと。迷った時は量を増やすとか、何かなさった方がいいのではないかなと」
西村議員
「大変厳しい先輩のお言葉で、ずっしり胸に刺さるお言葉ではあるのですが、このルール違反のところは確かにWTOでいろんな課題があるわけですけれど、これは日本だけではなくて、アメリカも当然ある話でありますので、いわば、ここは農業を保護するお互い様の部分があるというのがまず一点ですね。そのうえで確かに今回できるだけ高いレベルのものをつくろうというのは、我々も合意をして交渉に参加していますので、これまでのように88%の自由化というのはとても無理ですので90%を超えてレベルがどこまで自由化できるか、我々もギリギリの努力をして交渉をしていますので、守るべきところは守るということになりますから、その中でかなりのレベルの自由化をしながらアメリカの農産物が実質的にマーケットアクセスがこれまでと同じということはない。拡大するような形でのことを考えないと、アメリカにとってのメリットもないわけですので、そこは我々がギリギリの交渉をするというところです。その交渉がだいぶ距離が埋まってきて方向性を出せる状況にきている、最終の局面にきているという状況です」
今後のTPP交渉 あるべき日本の戦略は
反町キャスター
「畠山さんの考えからすると、TPPによる関税撤廃というものを突破口に日本の産業政策を大転換するチャンスがそこにあったのかどうなのか。たとえば、農業についてどう感じていますか?」
畠山氏
「チャンスがあったのにみすみす機を逸しているのではないかという見方もあると思うんです。具体的には何かというと、たとえば、国境措置による輸入制限、関税のことですが。これは今やルールに則っていないわけです。それは国内措置でやれということになっているわけです。国内措置とは何かというと、直接補償とか、農家の所得補償、そういう方式でやれと。牛肉、オレンジの話が出ましたけれども、牛肉は自由化対策として小規模ながら所得補償をやっているわけです。それを今度、大規模に、これをTPPをきっかけとして切り替えて行く。農業政策は、農業を保護しなくてはいけません。政府も何回もそう言っている。疑いのないところですが、保護のやり方が国境措置でやるのではなく、国内措置でやるべきではないか。そういう機会がせっかく与えられたのに西村副大臣のような優秀な方ががんばっちゃうものだから守りきっちゃって国内措置に切り替えるタイミングを失いつつあるのではないか。それは日本の貿易政策のイメージにも関連しますから、一農業政策の問題ではないということだと思っています」
西村議員
「世界の流れがWTOでの議論も含め、アメリカもヨーロッパもまさに畠山さんがおっしゃったような国内での直接支払い、所得補償のような方向に舵を切ってきますし、これは我々も現在日本型の所得補償の在り方を議論してやっていこうということでやっていますので、方向はそういう方向にいくんだと。ですが、いかんせん規模が違い過ぎますので、アメリカは日本の100倍ぐらいの一軒あたりの規模がありますし、オーストラリアに至っては千数百倍の規模がありますから、対等にはなかなかできない。しかも、それをカバーするだけのお金を直接支払うとしたら、どれだけのお金がいるのかという話になりますので、まずは農業の改革でTPPをやる、やらない関係なしで直接の支払い、あるいは規模拡大、構造改革、規制緩和を行いつつ農業を強くしていこう、成長産業にしていこうという方向性は打ち出していますので、現在の段階ではなかなか将来が見えてないので、関税を撤廃するということはできませんし、国会決議もありますのでできませんけれども、将来は強い農業をしっかりつくっていくという方向には大きく舵を切っています。何より減反をやめたということは、減反は小さい農家も含めて、コメの価格を維持していこうという政策、それを大きく舵を切って自由につくれるようになりますので、ある程度価格も下がってくることは将来あるでしょうし、国内で賄いきれない品質の良いものは、輸出もしていこうと。国際的に勝負できるようになってくるでしょうし、そういうところを見据えた政策を現在やり始めていますので、是非将来は期待をしていただきたいと思います」
西村康稔 内閣府副大臣の提言:『世界の繁栄の中心に~新しいルールを世界に』
西村議員
「世界の繁栄の中心に日本があるべきで、新しいルールを世界に広げていくという主旨で書きましたけれども、まさにTPPが進むその前に日豪で思い切った決断をして進めた。そしてTPPもさらに動き出し加速されてきた。それを見て今度はEUとの関係で日本とEUとの交渉が安倍総理とEU側との間で早期妥結に向けて加速していこうということで合意をなされていますし、いろんなものが刺激し合いながら動き始めているんですね。さらに言うとASEANとの交渉、日中韓、まさに日本が中心になって世界のいろんな国と自由貿易、投資、新しいルール、知的財産を守るとか、この交渉が広がってきていますので、まさにこれを日本が成し遂げれば、世界の繁栄の中心になれるということだと思いますので、それがまず大きな狙いですし、その過程でそうしたルールを中国とか、ロシアとか、新興国にも知的財産を守る、投資を守る、保護するといった基本的な経済の新しい時代のルールをしっかり守ってもらうということをやっていく。それによって、そうした国々も国際社会の一員として責任を果たしてもらうことになりますので、そういう意味で日本が政治、経済、そうした面も含めて、世界のリーダーになれると思いますので、がんばっていきたいと思います」
畠山襄 元通産審議官の提言:『プルリの時代』
畠山氏
「バイラテラルというのは2国間です。WTOみたいに全部の国で相談するというのはマルチラテラル。TPPはその中間でプルリラテラル、複数の国の協定の時代に入る。西村副大臣からお話がありましたようにEUがこれを見ていて、座視しませんから、早速アメリカとの間でTTIPというのをやり出した。それから、アジアで日本もTTIPだけでは中国も入っていないし、韓国も入っていませんから、それらを加えたRCEPをやり始めたということで、皆多国間の協定ですね、多数国間の。多国間というと全世界という誤解を与えるので、プルリラテラルと言うとその誤解がないと思いますので、その時代に入ったということだと思うんですね」
反町キャスター
「ブロック化ということですか?」
畠山氏
「ブロック化ではないですね。ブロック化というと排他的。自由化の競争をする時代がプルリラテラル。重層的な制度があってTTIP、これは日本が入っていないけれども、アメリカ、EU。EUというのは1か国という感じがありますが、28か国ですから、これはプルリだと思っていいと思うんですね」
島田キャスター
「今回のTPPは、畠山さんは、これは成功、合意にこぎつけるべきだと思いますか?」
畠山氏
「これは絶対に合意にこぎつけるべきである。今回の政府の方針はこれに参加し、交渉を成し遂げるという方針は大変良かったと。涙が出るほど、嬉しい感じがいたします。ただ、総論は美しくても、各論のところでちょっとたたらを踏んでおられる面があるのが残念である」