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2014年4月18日(金)
議論紛糾 法人税減税 政府と党の思惑にズレ

ゲスト

野田毅
自由民主党税制調査会長 衆議院議員
大田弘子
政府税制調査会法人課税DG座長

どうなる法人税改革 減税の是非、代替財源を検証
石本キャスター
「法人税改革ですが、安倍総理はこのような発言をしています。『世界の企業は日本の法人税に注目している。法人税率は大きな成長戦略。そうした観点から改革に取り組んでいかなければならないと思っている』と発言したわけですが、総理の意見、姿勢ですが、党税調と足並みが揃っている、同じだと考えてよろしいのでしょうか?」
野田議員
「基本的には、法人税改革が大変大事なことだということは共通しています。ただ、法人税率だけが法人税改革かというとそれだけではないでしょうというスタンスで、大事なことは成長戦略ということの視点はもちろん、大事ですが、同時に、アベノミクスの最優先のテーマは何かというと、デフレ脱却ということにまず全力投球をすると。現在は税率の話だけが出ていますが、一番大事なのは昨年戦略的にやった研究開発減税、あるいは陳腐化した設備をさらに先端的なものに置き換えるという、これも大事な成長戦略に関わると」
反町キャスター
「そういう意味でいうと、設備投資減税とか、研究投資減税なんかも、それは、法人減税と同じだと」
野田議員
「もちろん。法人減税そのものですね。それから、賃上げ促進ですね。これも、デフレマインドの中で賃金がどんどん下がり、非正規も増、分配率、労働分配率も下がってきているという。これがデフレスパイラルの原因になっているわけだから、いかにして、これをギアチェンジして、賃上げをさらに継続的にやっていくかと。そういう意味で、賃上げ促進税制を世界でやったことのないやつをやったわけですから、まずそういう意味で第1弾のアベノミクスの法人税改革を、昨年まずやったと。それがこの前国会を通って、この4月から、現に実行に移すわけで、これから企業に活用してもらわなきゃいけない。だけど、これで全部ではありません。さらに次に続いて、税率の話も知らん顔をするわけにはいきませんねというのが、現在のテーマなんだろうと思います」
石本キャスター
「法人税率なのですが、日本は外国に比べて高いとよく聞くのですが」
大山解説委員
「はい。日本は東京都の場合、国と地方を合わせた、法人税の実効税率が35.64%。35%ぐらいになっています。それで、よく言われているのは経済財政諮問会議の民間議員の方が25%というのは1つ目指す考え方ではないかということで、今年に入って、この税率の議論がちょくちょく出るようになった。ここ3か月ぐらいの背景なんですね。国際比較で見てみると、その25%というのは、中国とか、韓国とか、アジア諸国にあると。そうすると1つの有識者の考え方としては本来日本に来るべき企業がこっちに行っちゃうという可能性もあるのではないかということもあるし、法人税率を下げて企業の事業活動が活性化すれば、経済全体にさらにプラスになるのではないかということを主張する学者の方もいると」
反町キャスター
「財政諮問会議で25%という数字は何ですか。たたき台?」
大田氏
「アジア並みということですよね。だいたいヨーロッパが30%ぐらい。だけど、競争相手はアジアでしょうと。だから、アジア並みという数字が出てきているんですね」

実効税率引き下げは
石本キャスター
「総理の言うように、法人税減税自体が必要だという考えですか?」
大田氏
「必要です。大きく言うと2つ理由があるんですけれども、1つは、まず日本の税率が国際相場に照らして高いということ。現在企業が国を選ぶ時代ですから、企業がどこに投資をしようかという時は、税率そのものが効いてくるわけです。だから、海外の企業が日本を選ぶかどうかという時、少なくとも法人税率が阻害要因にならないようにしようと。それから、日本の企業が外に出ていこうか、どうしようかという時に法人税率が阻害要因にならないようにしようというのが1つですね。もう1つは、産業の新陳代謝を促すと。特定の産業に有利になっているような税の優遇措置は止めて、なるべく税率を下げて、広く薄い税にすることで新しい産業、新しい企業が起こってきやすくするというこの2つですね」
反町キャスター
「シンプルな質問で恐縮ですが、法人税を政策的なものではなく、一律で、たとえば、5%とか、10%と法人税を下げることで、日本の景気は良くなるのですか?」
野田議員
「個人的に聞かれると、決してそんな甘いものではないですよね」
反町キャスター
「そういうふうに感じますか」
野田議員
「財源をどうするのとか、様々ですね」
反町キャスター
「いや、そちらの話ではなくて」
野田議員
「ところが、財源のとり方をどうするかによって、経済に全部に影響が出ます。金利にも影響が出ます。もしそういうことに、財源なしにやって金利がどんと上がったらどうなります。様々なプラス、マイナスの影響が出ると思います」
反町キャスター
「なるほど。そういう意味でいうと、いわゆる成長戦略の一環として、法人税の全体引き下げというのがプログラムに載るか載るまいかという瀬戸際だと思うのですが、そこは慎重にやるべきだということでよろしいんですね。成長戦略として法人税があるのかという意味です」
野田議員
「その一環としての位置づけではあるのですが、それが成長戦略のまさに中心課題かというのはまた別ですけれど、成長戦略はもっといろんな形のものがないと、たとえば、電気料金だってそうでしょう。特に少子化対策をどうするのかという展望がない。どうして、成長戦略が完結できますか。様々な成長戦略を考えるうえでの制約があるのではないですか。規制改革の話もあるでしょうけれど、そういったことを全部揃えた中でやるわけで、まるで法人税さえ下げれば、成長戦略が達成したみたいはちょっと違う。ワン・オブ・ゼムの話である」
大山解説員
「法人税のパラドクスと言って、下げればその分税収が増えるから、それはマクロ的に見ると、プラスではないかという説ですね。それについてはどうなのですか?」
野田議員
「その説はむしろ大田先生からお話をいただいた方がいいかと思う。政府税調でも随分大きな議論があって、そういうことを言う人もあるが、実証的にそうということにはなっていません。別段法人税を上げようが、下げようが、その時の経済成長のレベルに応じて、税収は反映されるということで、法人減税が直ちにそういう逆にパラドクスで出てくるということの実証ということにはなっていないと思います」
反町キャスター
「大田さん、今の点はどうですか?」
大田氏
「はい。法人税を下げて税収が上がるのならば、法人税はゼロになっているはずですね。そこは下げたけれども、税収は維持されていると、私どもでも議論したのですが、税収が維持されるような、成長につながるような下げ方をしているわけですね。収益力の高い企業が国内に入ってくるようにする。あるいは課税ベースを広げ、広く薄くになって、新しい企業が起こるようにするというのが、税収につながる引き下げで、戦略的にやっているということが大事ですね」
反町キャスター
「そうすると、法人税を下げることによって日本の景気が良くなるのかどうか。ここはいかがですか?」
大田氏
「法人税率を下げるというのは景気対策ではないんですね。効果が出るまでには暫くかかります。しかし、これをやらないと5年先、10年先の雇用につながっていかないんですね。もちろん、税率だけで全てができるなんてことは、私も言いません。しかし、法人税の改革はやらなきゃいけない。やらなきゃいけないことの1つで、必要十分条件ではないけど、必要条件だということですね」

課税ベースの拡大とは
石本キャスター
「ここからは法人税の構造改革について、大田さんが座長を務めている、政府税調の法人課税ディスカッショングループでは、法人課税改革につきまして法人税の構造改革のためには、課税ベースの拡大が不可欠であるとか、単年度、法人税の枠内だけではなく、税収中立をはかるなどといったことを論点に話合われているということですが、まず1つ目の課税ベースの拡大について、少し詳しく教えていただいてもいいですか?」
大田氏
「税率を下げるということそれだけが大事なのではなく、誰がどう税を負担するのかという、その構造を変えていかなければいけない。現在税負担に偏りがありまして、一部の黒字法人に負担が集中しているんですね。この法人税の納税率、法人税を納税しているのは全法人の3割に過ぎないんです。それから、資本金1億円以上の企業というのは、1%に満たないんですけれども、ここが法人税収全体の3分の2を負担しているわけですね。この構造にもし制度上のゆがみがあるのならば、直していかなければいけない。もう少し広く負担していかなければいけないと。これが課税ベースの拡大ですね」
反町キャスター
「払っていないところには、それなりの理由があるわけではないですか、現状に。それをある程度見直していこうではないかと。こういう話になるわけですね」
大田氏
「はい。そうです。たとえば、租税特別措置という長く見直されずに続いているものもありますから、そういうものは見直しましょうということですね。それから、減価償却制度の在り方についても何が実態に合っているのか、企業の行動を歪めていないかという観点から1つ、1つ見直していきましょうということですね」
反町キャスター
「なるほど。課税ベースの拡大という流れというか、表現については、どうなのですか?」
野田議員
「いや、それは正しいと思います。ただ、課税ベースの拡大という場合にどういうものを想定するか。その租税特別措置という世界だけでなく、たとえば、企業が負担する社会保険料ですよね。あるいは法人税法上、全部損金ですね。だから、それによって赤字になっている企業もたくさんあるわけ。課税ベースは欠落しているということも実はあるわけですね。あるいは固定資産税、これも損金算入しているし、事業税、これも損金算入していますね。ですから、必ずしも租税特別措置政策税制だけが課税ベースを小さくしていることには限らない。様々なことから課税ベースの拡大というのはもういっぺん見直してみるというのはあっていいんでしょう、その点は。政策税制については長くやってきたから、惰性でやっている部分もなきにしもあらずなので、これは毎年期限到来の度に見直すことにしていますけれど、まださらに突っ込んでやるべきだというのもあっていいですし、そういう産業構造なり、社会構造が変わってくれば、政策の重点も変わってくるわけだから、見直しをすることは怠ってはいけないテーマだと我々も思っています」

税収中立どう目指す
石本キャスター
「2つ目は、単年度の法人税の枠内だけではなくて、税収中立をはかるというのは、具体的にどういうものですか?」
大田氏
「法人税というのは、先ほども申し上げたように、景気刺激策ではありません。税率引き下げというのは景気刺激策ではありませんから、その効果が出るまでに暫く時間がかかるわけですね。これを考える時に、1年間の中で、単年度で、しかも、法人税の枠内の中で捻出される財源で改革をやっていこうとすると大胆な改革はできないわけですね。だから、ここは単年度ではなく、法人税の枠内だけではなく、改革を考えていく。しかし、何の財源の手当てもなしに、税率を下げるというのはいけませんので、あくまで恒久減税ですから、恒久財源も考えなければいけない」
反町キャスター
「法人税の枠内だけではなく、中立をはかるということでいうと、法人税の中だけではなくて、たとえば、思いつくのは、簡単に数字を上げれば、税収が増えるという、たとえば、消費税。法人税を下げた分の財源を消費税に向けるとか、そんなふうにも読み込んでもいい表現ですか?」
大田氏
「それは他の税も含めてということでありますけれども、消費税というのは社会保障を目的化するということが書かれているわけですね。ですから、税はパッケージですから、たとえば、地方の法人課税を見る時に地方税の趣旨に照らして、たとえば、先ほど野田会長も言われた固定資産税というのはどうあればいいんだろうか。当然それは絡んでくるんだと思うんです。ですから、そこまで広げて、視野には入れて、議論はいたします」
野田議員
「消費税を財源として、法人税を減税するということはない」
反町キャスター
「と言うのは、福祉目的だからという建てつけだから」
野田議員
「これは断言します」
反町キャスター
「ただ、それは…」
野田議員
「いや、これはもう当然、それが前提で、3党合意をやって、一体改革をやったことですから」
反町キャスター
「ただ、それは10%までの話ですよ」
野田議員
「ですから、まだ10%になっていない。だから、まだその先の話は、財政がまたいろんな幅を持つようになれば、いろんな議論が出てくる。現在はそのことを言うべきテーマにする話ではないと、まず申し上げておきます。それから、ある意味では、財政から言えば、歳出も減税も同じようなものです、基本的には。ですから、歳出の際に、恒久財源なき恒久歳出ということは一番良くないねというのが、一体改革の原点ですね。ですから、法人税減税についても、そういう意味でのある程度恒久的な財源的なことを頭において対応をするという、この原則を崩すわけにはいかないでしょう。そういうことを頭において対応をすると」
石本キャスター
「現在言われている減税した場合の影響、どのくらいの影響があるのか」
大山解説委員
「経済諮問会議の民間議員の方が、25%を目指すべきだというのを、仮に、今年度の税収で単純に計算しますと、税収は法人税が10兆円あるんですね。それで1%下げると5000億円ぐらいと言われていて、日本の国の税収は50兆円ぐらい。だから、そのうち10兆円ぐらいが法人税だから、5分の1ぐらいは法人税で税収があるのですが、仮に35%を25%にすると、5000かける10ですから、5兆円になってしまって、50兆円は今年の歳入のうち10分の1ですから、単純に計算して考えると、これはかなり大きな額であるということです」

租税特別措置をどう見直す
石本キャスター
「歳入減をどう賄うのかというところになると思うのですが、政府税調で挙がっている主な代替財源に関する論点は、まずは見直すべき税制として租税特別措置ですとか、欠損金繰越控除制度。その他減価償却制度ですとか、地方法人課税や外形標準課税などいろいろあるのですが、まず租税特別措置というのはどういうものなのか」
大山解説委員
「特定の政策目標を達成するために、税制上の特例として、租税を減免、あるいは増微する措置。考え方としては研究開発や特定の投資に企業が何かお金を使った時には一部の税金を下げましょうということです。これは日本の法人270万社ぐらいあるんですけれど、96万法人が適用数で、申請件数の3分の1ぐらいあると。それから、もう1つは、130種類ぐらいあると言われているのですが、そのうちの半分ぐらいはほとんど使われていないものもあるのと。それから、期限つきで始まったものを延ばしていて、産業構造とか、そういう変化の中で、そろそろ延長も考えた方がいいのではないかとか、一部特定の産業の企業にはやや優遇的であるのではないかとか、様々な議論が国の経済の変化とか、産業構造の変化の中で、そういう指摘や議論もある。これをどういうふうに変えていくかというのも、大田座長の議論の1つになってきているということです」
大田氏
「ゼロベースで見直しましょうということで、この間の議論で、見直しの物差しをつくったんですけれども、期限の定めがあるものは、期限が来たら一応廃止しましょうと。それから、期限の定めがないものについても効果をよく検証して、見直しましょうと。それから、一番大きいのは研究開発促進税制で、研究開発は大変大事なのですが、現在の在り方が良いのか。これもしっかりと見直しましょうという物差しをつくったんです」
石本キャスター
「中小企業では、これが見直されることで死活問題となってくることもある」
大田氏
「中小企業を支援する税制というのもたくさんあるのですが、その時も単に中小企業を支援するから、いいというのではなくて、中小企業が成長するのを支援する税制にしましょうということですね」
反町キャスター
「租税特別措置は古く、昔できたものが3年とか、2年おきにずっと更新されず、現在に至ると聞くのですが、と言うことは、要するに古いというか、歴史のある産業、歴史のある企業に対して、特定の利益を確保する。そういう性格が強い税制だと思ってもいいのですか?」
大田氏
「一度できると成果が上がってなくても、なかなか廃止できない、廃止されないというのが欠点なんですね。だから、結果的に旧来型の産業を優遇するものになったり、使われ方に偏りがあったり、上位10社でもかなりの部分を占めているとか、そういうものになってしまっているんですね」
大山解説委員
「ゼロベースで見直すという方向になって、年末なのか、いつなのかは、わからないですけれども、自民党本部の党税調の会議の時に、各利害関係者、団体がハチマキをして訪れる。本当にゼロベースで見直すとしたら、大変なことになるようなことはないのですか。政治決断や政治的な議論の収束に持って行く時に大変なエネルギーも必要になるのではないかと思うのですが」
野田議員
「そのへんはある程度、ターゲットを絞ってやっていくということはあるのではないですか。先ほどお話したようにたくさんの項目があるわけですから。かつてどこかの事業仕分けではないけれども、限られた時間の中でやっているとおかしなことにかえってなりかねないんで。ある程度重点を置いて、これは特によく見直した方がいいとか。政策税制についてです。だけれど、課税ベースの拡大は政策税制だけが全てではないわけ。先ほどからお話しているように様々な他の問題もあるわけですから、そういったことをある程度限られた時間の中で、効率良く見直しをするということが迫られていますね」
反町キャスター
「古いものから切っていく。たとえば、特定のエリアを区切って見直していくのか、具体的にはどんな感じになりそうですか?」
野田議員
「これからどういう見直しをつくるかを含めて党税調としても、対応していく必要があると思います。毎年年度改正ではそういうことをやって、いくつか、十何本かは実際にはだいたい目的を達成したとか、もう利用が減ってきたよというので廃止している項目も実はあるんです。関心がないからそういうのはあまり出ないのね」

欠損金繰越控除をどう見直す
石本キャスター
「欠損金の繰越控除制度についてはどのように見直しますか?」
大田氏
「これは代替財源というよりも、企業の事業は永続的にやっているわけで、1年間で区切って損益を考えているわけではないですから、損が出たら長く繰り越せた方がいいわけですね。特に初期投資が大きい企業であるとか、R&Dが中心の企業は長く繰り越せた方がいい。かつては黒字分全額が赤字と相殺できたんです。その代わり7年だった。それが8割になって9年になった。ドイツは6割で、無期限で繰り越せるんです。フランスは5割で、無期限で繰り越せる。仮に繰り越し期間と繰越限度額の、たてと横の面積が一定だとしたら、どれが企業にとって一番歪みを与えないいい形なのかというのを議論し、長く繰り越せる方がいいという意見が大勢を占めました」
反町キャスター
「財源がいくらとか、歳入がいくらとか、そういう話にはならない?」
大田氏
「そういう話にはならないですね」

党税調・政府税調の思惑は
石本キャスター
「大田さんらがまとめた政府の税調の意見というのは、党の税調の意見とどのように今後すり合わせていくのですが?」
野田氏
「もちろん参考にいたします」
大山解説委員
「党の税調と政府の税調が意見交換を定期的にするのでしょうか?」
野田議員
「これから考えますが、この前意見交換をさせていただいて、そんなに大きな開きがないように我々も受け止めていますし、お互い忙しい身だから他のテーマも党税調としては、骨太方針に関して言えば、法人税問題だけではなくて、他のテーマもいろいろあるものですから、検討は他の項目も含めてやっていきたいと思います。ただ、おおよそのことはそれに間に合わせるようには、どういうふうな表現にするかを含めて、知恵を出さなければいけないと思っています。最終的には年末の(税制改正)大綱でやりたいと思います」

とりまとめはいつ頃か
反町キャスター
「年末の税制改正大綱までに首脳会議が続くわけで、法人税減税を国際公約として見た場合に、あなたの国際公約はどうなっているんだと、他国の首脳から質問される場面が続くと思うんですよ。その節目節目においてはどうなのですか?」
野田議員
「6月(のG7首脳会議)がポイントだと思います。あとはそんなに同じ問題をということではないと思います。消費税8%になったあとの経済状況、あるいは25年度の決算とか、いろんなことが出てきます。一応12月となっていますが、来年10月から予測している(消費税を)10%に引き上げるという問題が入っています。7月以降、法人税の話よりはそちらの方が大事なテーマになっていくのだろうと思います。ただ最終的にセットするのは年末でも、法人税の骨格は6月ぐらいには方向性を出すと」
反町キャスター
「法人税に関しては、最後は誰がどこでどのように決めるのですか?」
野田議員
「昨年の税制改正のとりまとめもおわかりの通りでして、勝手に党税調が自分達の考えだけで独断的にやるというようなことはありませんが、少なくとも総理は、自民党の総理ですから、一生懸命想いを持ってやりたいとおっしゃっていることは我々も最大限その意を通してもらうにはどうすればいいのか、その通りで本当にいいのかと、内容について知恵を出して、その方向性が満たされるように擦りあわせをしながら、最終的には政府で税制改正は決定するわけです。それに先立って少なくとも党として閣議決定前に、閣議決定の中身について了承するという大前提があるわけで、それには党税調として先立って党の大綱をまとめる。政策論だけではなく、利害調整もあるわけですね。これをどうまとめるのか。法人税だけの話ではなく、消費税をはじめ、社会保障など様々な政治そのものなんですよ。政策論では正しいけれども、政治論では通らないことも多いんですよ。最終的には国民の理解を得られるようなおさまりをどうするか。そういうことを踏まえて党税調は判断すると」

野田毅 自由民主党税制調査会長の提言:『総合的判断』
野田議員
「ヨーロッパ、アジア、様々な産業構造がどう変わっていくのか。財政再建、特に2020年プライマリーバランス、これは絶対条件です。経済財政諮問会議ともこの点は一致している。そんなことを踏まえながら、持続可能な社会保障政策をどうするか、全部連動します」

大田弘子 政府税制調査会法人課税DG座長の提言:『2020年』
大田氏
「2020年はプライマリーバランスもありますが、東京オリンピックの年。この年に名目成長率は3.6%が政府の成長シナリオです。3.6%を達成するためにはあらゆることをやらなければいけない。規制改革も、法人税率引き下げも、生産性向上もやらなければいけません。この年に日本経済を本当に強くしていくんだと。その認識が共有できないと法人税改革はできないと思うんですね。利害を超えて2020年に強い経済をつくっていくというところで進めていきたいと思います」