プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2014年4月10日(木)
有事シナリオ徹底検証 集団的自衛権と限定論

ゲスト

中谷元
自由民主党副幹事長(特命担当) 衆議院議員
柳澤協二
元官房副長官補(安全保障担当)
西修
駒澤大学名誉教授

集団的自衛権の解釈 どう定義 何を対象
島田キャスター
「集団的自衛権について、1981年当時の鈴木内閣の答弁が、これまでの政府解釈のもととなっているものなのですが、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利を有していると。しかしながら、憲法9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されないと。権利を有しているけれども、許されないものなのだというふうな解釈でした。集団的自衛権というのはどういう時に発動できるのかということで、この解釈によりますと、自国と密接な関係にある外国に対する武力行使とあるのですが、自国と密接な関係にある外国というのはどこを指すのですか?」
中谷議員
「現在は、アメリカですが、アメリカに限らずいろんな国を対象にしてもいいと思います」
島田キャスター
「いろんな国というのは、同盟関係をこれから結んでいくという」
中谷議員
「現在でも外交的に、非常に日本と友好的な関係もありますし、そういった国がどういう状況にあるのか、その中で特に起こっている事象を具体的に見なければわかりませんけれども、国連決議が出た場合とかですね。一番わかりやすいのは、ペルシャ湾にイランが仮に機雷を撒いたとしますと、機雷を撒くということは武力行使でありまして、敵対行動です。ですから、そこを通る船は全てその対象国になりますから、各国で機雷の除去のオペレーションをするんです。それはイランと対決するという覚悟を持って、それに日本が参加をするということについては、機雷の掃海作業をしている国々と一緒に集団的自衛権を行使するというような考えでないと活動に参加できません。できなければいいんですけど、日本の石油はどう安定するのか、シーレーンを安定するのかということを考えると、集団的自衛権ができませんという選択を排除するのはあるべきことではないと思います。いろんな国が考えられると思います」
反町キャスター
「たとえば、オイルロード、シーレーンは日本の国益に直接関わるので、それは集団的自衛権でもあり、個別の話でもあるような気もするのですが、そういうことではなくて、アメリカ以外の国が他の国から攻められた場合、たとえば、オーストラリアでも結構です。オーストラリアとニュージーランドが戦争になりました。その時に、オーストラリアが日本に対して集団的自衛権を発動してくれと言ってきた場合に日本が応えるのかどうか。たとえば、日本とオーストラリアの間には、日米安保条約のような安全保障条約、相互支援援助条約はありませんね。何ら条約や取り決めがない。相互に支援、相互に安全、相互に防衛協力をする取り決めがない国が攻められて、その国が日本に支援を求めてきた場合には、日本はそこに行くのかどうか。ここの部分の線引きはどうなのですか」
中谷議員
「集団的自衛権を行使しないとしている国は日本だけです。つまり、そういう選択肢を持っていないという点で、仮にそういったオーストラリアがニュージーランド(と戦争になって)というのは考えにくいですが、日本に支援を求めた時にできませんということでは、非常に国として利益、また世界平和のための地位、名誉ですね、そういうのは損なわれるのではないでしょうか」
島田キャスター
「と言うことは、どの国というのを決めずに、この権利があると考えていいのですか。たとえば、時の政府が現在、この国から要請がきたから行こうというふうに決めるのですか。私達はどの国というのは知らないまま、その時に応じて政府が決めるということなのですか?」
中谷議員
「そうですね。現に1990年にクウェートへ(のイラクの)侵攻がありました。あれは国際的な秩序を保つということで、国連の決議もありましたけれども、多国籍軍が出まして、イラクを排除しましたよね。それには日本は参加しなかったのですが、あの時に、国連平和協力法案ということで、せめて後方支援ぐらいはしましょうということで、後方支援が武力の一体化になるか、ならないかという議論もありますが、要は集団的自衛権を使わないという、現在の解釈で出ているんですけれども、そういう選択肢もないわけですから、それでは私は困る場面もあるのではないかなと思います」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、集団的自衛権を日本国が持つということを我々が認めた場合、たとえば、紛争当事国のどこの国に対してもその国からリクエストがあって、その時の日本政府がOKと言った場合は、どこの国に対しても自衛隊を派遣できる。そういうことになりますよね」
中谷議員
「はい。だから、日本の平和主義というのは戦後の大きな柱でもあるし、現在の憲法もそれを謳っています。しかし、平和というのは正義と秩序に基づいていないと、民主主義、自由な社会は保たれません。たとえば、中国などは強い権力で縛っています。北朝鮮もそうです。しかし、世界の平和というのは、世界の国々が対等の関係で、自由に経済活動もできるという状態ですから、それをつくっていく活動に際しても、日本としてどうするかというのは、どういう事態が起こるかわかりませんが、何もしない、お金だけということでは対応できない」
柳澤氏
「政府が従来説明していたのは、密接な関係にある国というのは、同盟国のことですということを説明していたと思います」
反町キャスター
「それはアメリカもそうですよね?」
柳澤氏
「はい。現実問題としてどうかと言えば、守られる方にとってみても、条約上の義務としてどこまでやってくれるかということがはっきりしない状況というのは実は迷惑ですね。その時に頼んだけれども、日本の通報で来てくれないかもしれないという状態になるというのは助けられる方にとっても迷惑なわけだから、本当にそういうことをやっていくのであれば、私は筋としては、相互防衛条約を結んで、しかも、地理的な対象範囲を、たとえば、米韓であれば、アジア太平洋地域におけるいずれか一方への攻撃というふうに定義されている。NATOであれば、ヨーロッパと大西洋ということが言われている。そこではちゃんとお互いに守りあおうねという約束をしないと事が事ですから、お互いの信頼関係を、そういう形で担保する必要が現実的にはあるんだろうと」
反町キャスター
「相互防衛条約を結ぶということは、別にそれでお互いに守り合う約束をするのであれば、集団的自衛権を認める必要はないわけですよ」
柳澤氏
「いや、だから、それを集団的自衛権と呼んでいるわけです」
反町キャスター
「そういう意味でですか?」
柳澤氏
「そうです」
反町キャスター
「なるほど。では、相互防衛条約のない集団的自衛権の発動ということに関しても、僕はちょっと懸念を覚えたんですけれども、それはどうなのですか?」
柳澤氏
「それが現実的には、そういう発動の仕方というのは、権利だからということは言いますが、権利というのはそもそも使わなくたって文句を言われない、使って文句を言われないのが権利、使わないからといって怒られるわけではないのが権利です。だから、権利として、それを制約というか、どういう条件でどう使うんだということを国際的には制約する一方で、相手国との関係では、どういう時には日本を頼っていいよということをはっきりさせるというのが現実問題としては必要なのだろうと」
反町キャスター
「柳澤さんの考えでは、集団的自衛権を日本が持つことになった場合に、その発動の要件というのは、特に、何らかの国に紛争が起きる。かの国が攻められるようなことが起きる前に相互防衛条約等が全くなくとも、その国が攻撃を受けた。困った、助けてくれと言われた時に、日本の政府だけで、いわば行くか行かないかを決める。つまり、時の政府の判断で、必要とあればどこにでも自衛隊を派遣できる。この権利というのは当たり前だとなるわけですね」
柳澤氏
「いえ、そうではなくて、だから、従来、政府は同盟国のことを言っていますという説明をしていたわけです」
反町キャスター
「今回の政府、自民党がやろうとしている集団的自衛権の容認というのは、同盟国というタガというか、上限を外そうとしているということになるのですか?」
柳澤氏
「いや、そこにポイントがあるのではないと思います。つまり、狙いはアメリカだと思っているのですが、アメリカを支援することで、2004年、安倍総理がおっしゃっているように、集団的自衛権を行使できるようにすることによって、同盟というのは、本来、血の同盟であるのだから、集団的自衛権によって完全な堂々たる双務的なものにしていくというのが、自分の義務だと安倍総理はおっしゃっているわけです。であれば、そういう文脈で考えていくべきであって、アメリカとの双務性というのが最大の目的であると思います」
反町キャスター
「アメリカとの双務性が最大の目的だったら、集団的自衛権ということではなく、日米安全保障条約の改定、双務性を充実させるというところで済むのではないですか?」
柳澤氏
「いや、済むけど、それはアメリカ、要するに、現在は日本の施政権下におけるいずれかへの攻撃を共同防衛するということを捉えて、片務的だといわれているわけです。だから、共同防衛の範囲をアジア太平洋地域全体に広げる。あるいは地球全体に広げるということをすれば、そこで双務性が完璧なものになるなということになるわけです」
反町キャスター
「世界中にお付きあいするというふうに聞こえています」
柳澤氏
「いや、本当に双務性をやるんだったら、現にイラクやアフガンで、アメリカがブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上部隊の派遣)をしてくれということを望んでいたというのはそういう意味ですから。本当に双務性を確保しようとするなら、そこまでいく。ただ、そこまでやると言っている意味ではなくて、そういうところに手をつけないと、アメリカだって、いつ日本がどう助けてくれるのかがわからなければ、それは迷惑な話でもあるわけだし」
西教授
「集団的自衛権を行使する場合に、必ず同盟条約が必要かどうか。これは現在、国際的には必要ありません。たとえば、オーストラリアと日本は共同訓練をやっています。共同訓練をやっている時にオーストラリアにどこかの国が攻撃をしたといった場合に、オーストラリアが日本に対し、攻撃を受けた、要請を促すという場合、オーストラリアとそういう防衛条約がないからといってできないかというわけでは決してありません。これは基本的にはできます。権利としてできます。ただ、これもまた誤解がないようにしていきたいのは、権利があるから義務があるわけでもないわけです。一応は権利があるけれども、どうやって行使をするか。そこで先ほど言った自国と密接な関係にあるという、ここのところをもう少し整理する必要があるかと思います。自国との密接な関係にあるというのは、これだけだったら文化的に歴史的に密接というような、きちんとここのところを整理する必要があります。どういうふうに整理するかというと、そのまま放置しておけば、我が国の安全保障上、非常に重要な影響があるとか、我が国と、まさに安全保障上の密接な関係にあるとか、ここのところの定義づけが必要である。集団的自衛権の発動要件のところをどうやって歯止めをしていくか。ここのところというのが今後詰めていく問題だろうというふうに思います」

近隣有事と日本の対処 集団的自衛権と攻撃排除
反町キャスター
「たとえば、日本海に展開しているアメリカのイージス艦が北朝鮮から発射されるであろうミサイルの監視をするためにいる。これはわかっているという前提に立てば、そこにいるアメリカのイージス艦は、日本のためにいるのだから、もし彼らが、例え、日本の護衛艦から400キロ、500キロ離れていても、北朝鮮からの攻撃を受けたら、その彼らのために、日本の護衛艦は駆けつけるし、救援するし。もし北朝鮮の飛行機が攻めてくるようだったら、それに向かって艦対空ミサイルも発射しなければならない。こういう理解でよろしいのですか?」
中谷議員
「はい。現在の解釈によりますとできないですね、近くにいても。ところが、自衛権の発動ですから、個別的自衛権を発動すればアメリカの艦艇も防御できます。そういう自衛権の発動に際して、日本が集団的自衛権は使えないということで、現在の憲法ではできないです。しかし、その距離にもよりますけれども、米艦艇を守ると。援護するというような目的で自衛権を発動するというのは、現在はできません。しかし、集団的自衛権が行使できるとなれば、それができるようになるということです」
反町キャスター
「日本も攻撃対象になりますよね、そうなると」
中谷議員
「はい。だから、現在は日本が攻撃対象になるというのを認定して、自衛権の発動をするとなれば、米艦艇は守れます」
反町キャスター
「現在はそういう理屈立てなのですか?」
中谷議員
「個別的自衛権しか使えませんので、日本がそういう可能性がある時は、発動できるのですが、しかし、日本にまだ攻撃が及んでいない時においては現状ではできない。集団的自衛権を認めるとすれば、それができるようになると」
島田キャスター
「半島有事の場合ですと、アメリカ軍だけではなく、他の軍も展開していることもありますよね。その場合は、どうするのですか?」
中谷議員
「厳密に言えば国連軍がまだ生きている。イギリスとか、オーストラリアとか。ですから、その場合どうするかということですが、大前提は対象の韓国から、是非日本も守ってくれという要請があれば、大前提ですから、そういう事態になるかどうかだと思います」
島田キャスター
「韓国に入っていくということもあるのですか?」
中谷議員
「当然陸上に上がる。一番しなければいけないのは邦人救出です。2万人ぐらいいる日本人をどう連れ帰るか。アメリカは、真っ先に自国の国民は帰しますけど、現在はお願いをするしかないと思います、米軍に。しかし、韓国も是非日本も邦人を帰してくれというケースにおいても、そういう戦闘が行われている場合は、現在の法律でも行けないんです。危険な時は助けに行けないという前提ですから。まず邦人の場合は、それを直す必要もありますし、戦闘が起こっている場合にそういった国連軍とか、韓国が是非日本も来てもらわなければ、韓国は消滅するというような状況にあるかどうかは知りませんよ」
反町キャスター
「現在だって、集団的自衛権の議論を日本でする時に、韓国側の反応をお聞きになっていますよね。韓国側におけるフォーマット、マスコミとか、世論とかでは、集団的自衛権、日本が持つと日本軍が韓国に上陸するから反対だという議論があるというではないですか。韓国は救いを、応援を求めるかどうかというのは、また現在の状況からすると難しいと思うんです。でも、そういう時ではないといけないということになるわけですね。逆に言うと」
中谷議員
「ただ、行くことだけを考えていますけれど、ジーソミアという情報交換で、秘密を守りますという条約もあります」
反町キャスター
「それはまだ向こうがバツだったんですよね」
中谷議員
「そういう情報を提供するとか、そういうのも協力の1つでもあるし、食料を供給するのも、1つでありますので、厳密に集団的自衛権ができるようになっている場合に、何ができるのか。現在は米軍の後方支援しかできませんけれど、事態に応じて、そういう可能性がありますが、おっしゃるようにまず韓国自体が日本も来ても良いですよと言ってくれないと、こういうケースはないです」
反町キャスター
「現在の状況はいかがですか。集団的自衛権が必要だとなりますか?」
柳澤氏
「私は、1997年の日米防衛ガイドラインの改訂作業の、防衛庁の担当者だったんですよ。あの時にいろいろ議論したのは、あれは憲法解釈を変えないという前提で議論をしていました。アメリカも基本的に良かったと言っているのは、日本がどこまで何をしてくれるかがわかったことが非常に良かったと。足らざる部分はアメリカが自分で手当てをするわけですから。同盟の信頼関係においてそういうことを本当に日本はどこまでやってくれるのというところを突き詰めるのが非常に大事だったんです。1997年のガイドラインができ、その時に集団的自衛権に該当するようなことを求められたことは一度もなかったんです。日本としては主に日本本土で米軍の来援部隊、増援部隊がどんどん来ると。それと14万人の米国市民が避難してくる。もちろん、その時に日本人も拾ってきてもらうわけですが、それを全部出し入れを捌いていく。そこは実は本当に大変な作業です。もう1つ、アメリカが求めているのは、中谷先生が大臣の時に米軍基地防護の条文をおつくりになりましたけれど、米軍基地をちゃんと守ってくれというのが一番大きな防衛面での要請です。あとは補給の根拠地として、日本をとにかくちゃんと機能するようにしてくれということだったんです。当時1997年と比べて、ミサイルや核の能力を別とすれば、北朝鮮の通常戦の能力というのは、私は全然伸びているわけではないと思います。この間の3月に出た、アメリカの4年ごとの国防見直しの中でも、すごく面白いのは日本についてはあまり研究をしていないんだけれど、韓国軍の能力はすばらしいと書いてあるわけです。現在通常戦のレベル、能力のレベルでは米韓合同軍の方が圧倒的に北朝鮮よりも優位にあるし、それから、大量破壊兵器も含めて、いろんな段階に応じた作戦計画のリニューアルも終わったということは昨年米韓軍でアナウンスをされています。その意味では、直接に日本にこれをしてくれというケースはまずないのではないかなと」

米国への攻撃と日本の対処 集団的自衛権とミサイル防衛
島田キャスター
「たとえば、北朝鮮の弾道ミサイルがアメリカへの攻撃を想定し飛んできた場合、どういう状況だったら日本はこれを迎撃できるということなのでしょうか?」
中谷議員
「現在、平時においては自衛権でミサイル対象自体ということで撃ち落としています。これはまだ自衛権発動ではないです。アメリカが自衛権を発動した時に、日本は自分が攻撃されていませんと、現在の憲法では集団的自衛権になるので撃ち落とせません。しかし、これで本当にいいのでしょうかということで、現実にはミサイルが撃ち上がった瞬間から、宇宙衛生で米国から日本は情報をもらっています。しかもイージス艦が並んで情報がリンクしていまして、どこでどの船が撃てば一番効果的か、これは基本的には日本防衛ですけど、日本とアメリカが一緒に対処しているんです。ところが、これがアメリカへ行くぞとなった時に、日本が撃ち落とすことができるのに撃ち落とさなくて本当にいいのかなということで、早急に集団的自衛権を認めて、アメリカに飛んでいく場合においても日本が可能な場合は撃ち落とすようにしなければいけない」
反町キャスター
「集団的自衛権が発動されるようになれば、アメリカに向かって撃つと思われる発射台をこちらから、先制攻撃をできるようになるんですか?」
中谷議員
「集団自衛権を使えば、できるようになると思いますが、あまりリアリティのある話ではない」
柳沢氏
「アメリカへ向かうミサイルというのは、アメリカ本土へ向かうのであれば北極圏を通っていくわけですね。弾道ミサイル防衛はどのように成り立つのかというと、まずブースターで一段目のロケットと称してもいいのですが、その場合、燃え尽きた段階で与えられた運動エネルギーが全部わかるわけですね。その段階から一定の時間の中の航跡をコンピューターで解析をすることによって飛んでいくコースがわかる仕組みになっているわけです。アメリカに行くような長距離のものは相当高く、スピードで飛んできますからイージス艦から打ち出すミサイルより早いし、高いところを飛ぶわけです。だから、日本から離れていくミサイルは基本的に撃ち落とせません。つまり、迎え撃つから当てられるのであって、アメリカ自身は地上発射型のサードというミサイルを整備している。日本にはそんなことより在日米軍基地をちゃんと守れよという話になるわけですね」

集団的自衛権 限定容認論 その焦点は
島田キャスター
「限定容認論についてはどのように考えていますか?」
中谷議員
「昭和20年代、30年代はあまり個別的自衛権とか、集団的自衛権とか、言っていなくて、50年頃に確立したんですけれども、これは集団的自衛権も非常に幅が広くて、他国へ行って武力行使をするケースもあれば、先ほどのモデルケースで出たような我が国周辺の事態もあります。私は集団的自衛権と聞けば、当然これは憲法改正でやるのが筋であるという論者だったのですが、高村さんが昭和34年の砂川判決を出して、これの自衛権の定義として自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置は取り得ると。その必要な自衛の中に集団的自衛権が我が国周辺の一部も入ってくるというのが限定論です。それを聞きましてなるほどと。集団的自衛権も区別をして、ここから先はできないけれど、いわゆる必要最小限ということで…」
反町キャスター
「何を必要最小限かというのは時の政府が決める?」
中谷議員
「決めます。一応そういう範囲内でということで、実際は法律が改正されないと自衛隊は現在以上のことはできません。ですから、どの程度やらせるのか、これは当然与党でも議論をして政府は提案をしますけど、それは必要最小限度の国民の常識だと判断できる内容でしたら、国会審議にあげるということで法律によって縛られるし、必要最小限度日本の防衛に必要だという範囲というのは、その時の政権が考えればいいと思います」
柳澤氏
「基本的には、個別的自衛権というのは日本が武力攻撃を受けたという客観的な誰の目にもわかりやすい要件があるわけですね。それがいらなくなるわけですから、そこは実際問題としてなかなか要件を言葉で言うことはできても、実際にその認定というのは非常に難しいものになっていくことは間違いないと思います」
西教授
「(砂川事件)最高裁判決というのは、日米安保条約の合憲性違憲性の問題だったんですよ。地方裁判所では、これは憲法違反だと言ったんです。だから、日米安保条約について問われているわけで、ここで言っていることは他国に安全保障を求めることは何ら禁ずる物ではない。そこには集団的と個別的自衛権もあるんだということまで言っているんです。ただ、それを肯定するのかどうかまでは言っていない。だから、集団的自衛権は否定されていないというのがこの判決からくる帰結です。この時の長官である田中耕太郎最高裁判所長官の捕捉意見が私は非常に重要だと思っています。このようにおっしゃっています。『自衛はすなわち他衛、他衛はすなわち自衛という関係があるのみである。従って、自国の防衛にしろ、他国の防衛の協力にしろ、各国はこれについて義務を負担していると認められる』。ここまで踏み込むかどうかということも含めて、これから考えていかないといけないと思います。限定容認論ですけれど、国連憲章で、まず1つは武力攻撃が発生すること。それから、安全保障理事会で、必要な措置を取るまでの間であること。それから、ニカラグア判決によって、一応宣言があること、要請があること、必要性があること、均衡性があること。国際社会の中で限界があるんです。それに我が国の憲法98条2項では日本国が提携した条約、確立された国際条約、国際法規は、誠実に遵守していくということもあるわけです。国際法の中で制約がある。さらに、自衛権の3要件です。わが国への急迫不正の侵害がある。排除に他の手段がない。必要最小限の実力行使にとどまると。そこのところで、もし集団的自衛権を認めるとするなら、我が国及び我が国の密接な国に対する脅迫性ということになってくると思います。自衛権の3要件の中で集団的自衛権を考えていく。これ自身は変わらないということを確認しておく必要があります」
柳澤氏
「砂川判決は、おっしゃるように日米安保の合憲性が問われた裁判であったわけですね。司法審査に馴染まないと言っているのは、内閣が憲法に基づいて条約を締結し、国会で慎重審議のうえ、国会で成立した条約については最終的に国民の判断に委ねられるべきで司法権の判断には馴染まないと言っているので、政府が閣議で勝手に決めていいということが読み取れるものではないということをご理解いただく必要があると思います」

中谷元 自由民主党 衆議院議員の提言:『常識的判断』
中谷議員
「憲法9条をどう読むかということなのですが、制定68年ですか、最初は自衛権の行使すら認めてなかったんですね。その後は自衛隊ができ、日米安保も認め、PKOも認め、日本の置かれている安全、生存、そのためにどうあるべきかということで、本来は憲法改正で国民の合意を得るのですが、しかし、現実的には当たり前のことだろうということは、国民が容認してくれるレベルではあると思うので、今日例示にあったことなどについては、現在の憲法で容認をし、しかし、それ以上のことになったら、これは憲法改正で国民の同意を得るということで、常識的範囲内で運用すべきだと思います」

柳澤協二 元官房副長官補の提言:『現実的な議論を!』
柳澤氏
「現実的というのは、2つありまして、1つは軍事的な対応だけを考えるのが現実的かというとそうではない。脅威の元を絶つような形の外交努力というのが同時に必要で、そうでないと現場の海保とか、自衛隊にも無限の負担を強いるということになります。もう1つは、これまで日本がPKOやら、イラク派遣やらで積み上げてきた自衛隊としてのノウハウの実績があって、現在南スーダンでも十分活かされています。これ以上、本当に何をさせようとしているのか。集団的自衛権で先ほどから出ている議論の中で私の意見では軍事的にはあまり現実性がないというシナリオで議論されている。それで困るのは現場ですから。自衛隊を国民の宝だと思っているけれど、それを本当に無駄な使い方をしないでほしいという思いですね。是非現実的な国際情勢判断をし、現実的な役割分担を考えていただきたいということであります」

西修 駒澤大学名誉教授の提言:『国家的利己主義からの脱却を!!』
西教授
「我が国の憲法には、いずれの国家も自国のことのみに専念してはならないと、はっきりと書いてあるわけです。でも、自分のところがやられたら助けてくれ、あなたのところがやられたら助けません。これはまさに国家的な利己主義ではないかと思うんです。世界の平和の中で我が国はそれに対してどう協力していくか。そういう意味において国家的利己主義というものの考え方から脱却しなければいけない。そういう時代に入ってきていると思います」

集団的自衛権について 聞きたい事、言いたい事
島田キャスター
「視聴者からの質問です。『もし一部にせよ集団的自衛権の行使を認めるとなると、日米安保の片務性にも関わることになるのでしょうか。そうだとするならば、米軍基地縮小、思いやり予算の一部削減などどのような可能性が出てくるかも議論すべきなのではないでしょうか?』とのことですが」
中谷議員
「日本の米軍基地の縮小につながると思いますよ。自分でできることは自分でやるということで、双務性になるんですね、お互いに。ですから、ある程度日本の自衛権の分野でできる範囲も増えますから、その分米軍の縮小にはつながると思います。ただ、オーストラリアとか、グアムに行って、アメリカとか、オーストラリアとか、共同訓練をするなど、活動の範囲は広がりますが、日本で米軍がやっている負担軽減にはつながると思います」