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2014年4月3日(木)
武器輸出ついに解禁へ 新三原則 徹底議論

ゲスト

佐藤正久
自由民主党安全保障調査会副会長 参議院議員
上田勇
公明党外交安全保障調査会長 衆議院議員
清谷信一
軍事ジャーナリスト

新三原則で武器輸出解禁 なぜ今?何のために
島田キャスター
「武器輸出に関する指針の武器輸出三原則は、1967年に佐藤内閣が答弁で示した、いわゆる武器輸出三原則で、これは共産圏、国連決議で武器輸出が禁止されている国、紛争の当事国またはそのおそれのある国への輸出を禁止しています。さらに、1976年の三木内閣の政府統一見解で、この三原則に加えて、憲法、外為法の精神に則り、その他の国への輸出も慎むとして、事実上日本の武器輸出を原則的に禁止しました。ただし、海外に向けて武器を輸出する必要が生じた際には、官房長官談話などを発表して、特例化措置をとることで対処してきました。今回新たな三原則では輸出禁止の対象となるケース以外は、例外という形ではなく、一定の条件を満たせば輸出が可能になるという形にして、本当に転換をしたわけですが、なぜ現在変える必要があったのかということなのですが」
佐藤議員
「例外化措置とありますよね。これは21の官房長官談話等を出してきているわけです。要はなかなか時代にマッチングしないということで、普通、家で言えば、家があります、母屋が。建て増し、建て増しで非常に使い勝手が悪くなってしまった。よって、基本の平和国家の理念をしっかり置いたもので、同じものに建て替えた、リフォームしたというのが実態で、そんなに大きく踏み出したというわけではなく、これまでのをきれいに整理したというのが基本だと思います。もう1つ大きな外交方針として安倍総理は積極的平和主義と。一国平和主義ではなく、いろんな国と協調しながら、この世界平和に我々が貢献していくんだという1つの手段に、こういう技術とか、あるいは防衛装備というのを位置づけようと。そうすればするほど、例外化措置で1個1個やれというのは、非常に、日本という体にもあわなくなってきていると。これをしっかりと日本の体にあうような家につくり直したというのが、今回の新たな三原則だと思います」
島田キャスター
「これまでは原則禁止だったにもかかわらず、今回から一定の条件を満たせば、輸出は可能になるということで、私達にとってみたら本当に大きな転換のように見えるのですが、そのへんはいかがでしょうか?」
上田議員
「最初の武器輸出三原則、あるいは三木総理の答弁の時にはまだ自衛隊が海外で活動するということはなかったんですね。そのあとPKOであるとか、災害派遣で海外に自衛隊が行くようになりました。この間フィリピンの台風の時なんかも自衛隊が行って、海外救助をしました。その時に持ち出す装備品も、外為法上は輸出になるんです、これは。だから、その度に外為法の許可をとっていたというところ。これはこれまでとは全然違うということがあって、その度にこれまでは、佐藤さんおっしゃった通り、例外化措置をと言ったんですけれども、それが積み重なっていって、わかりにくくなってしまった。平成23年の時に官房長官談話を出して、平和貢献、あるいは国際協力、それと共同開発生産については包括的に例外化にしようということが出たんですけれども、実際内容がちょっと重要なところがわかりにくい面もあったし、実情にあっていないということもあったと。なので、これをもうちょっとわかりやすく、体系的に考え、1つ1つ案件が出てきた時に、例外化をするのではなくて、考え方に基づいて1つ1つ、基準をつくろうではないかというのが、今回の見直しなのだと考えています」
佐藤議員
「実際にいろんな紛争事項が現場で起きていたと。たとえば、陸上自衛隊の持っている攻撃ヘリ、コブラがあるんです。それはアメリカではもうつくっていないんですよ。でも、それは日本以外にも他の国、サウジアラビアが持っているわけですよ。部品がほしい、アメリカはないんですよ。日本にくださいと言っても、これまでは、それはダメですとか、あるいは整備、F15の整備能力は、日本は高いんですよね。ところが、それがマレーシアとかでF15を直してくださいと言ってもできませんと。いちいちマレーシアはアメリカまで持っていって、来てもらわないといけないと。いろいろな不具合事項がありましたので、そういうものをしっかり厳格審査、適正管理という枠をはめたうえで、必要なものについては、安全保障の観点からプラスになるというのであれば認めましょうと」
反町キャスター
「ビジネスチャンスがあるというのはよくわかるのですが、一方、たとえば、F35の話がありますね、次期の主力戦闘機になるであろうという。要するに、国際共同開発をする中で、日本が参加をするというためにも、今回の移転三原則が必要だったという、こういう形になっていきますよね」
佐藤議員
「なっていきます」
反町キャスター
「そういう意味でいうと、要するに、アメリカが、たとえば、先ほどのコブラの話にしてもそうですが、アメリカがパーツをつくっていないから、日本がつくるんだとか。アメリカの装備品の購入ないし、導入予定にあわせて、アメリカの生産ラインの計画にあわせて、日本はここの部分は担当するとか、F35に関しては共同開発にしなくてはいけないから、日本はここの部分をつくるとか、こういうことが必要だし、共同で何か取り組んでいきますというのではなくて、他国、特にアメリカの軍事産業、ないし軍事政策の濃淡にあわせて、日本がそこに出ていくための法律にようにも見えるのですが」
佐藤議員
「全く逆です。要は、これまでは開発段階に入れなかったんですよ。ある程度、決まってから、そのパーツをライセンス的にやるとか、そういうことだったんです。今度はアメリカに限らず、国際共同開発ということで、メリットということがあるというのであればそこに開発段階から入っていくようになるわけです。それは能動的に自分が入っていくわけです。これまでは開発に入っていけなかったんです」
反町キャスター
「これからは入っていけるようになる」
佐藤議員
「はい。この前F35は例外化措置でやっと1つ部品が入ると言ってもあと追いですから。今回、たとえば、日本の大手3社が、1つの小さなパーツに入れるだけの話で、それほど大きなメリットというのは、全体としてそうでもないんです。これから新たな共同開発でプロジェクトを張った時に日本の強みを活かして、日本に本当に安全保障上必要なのであれば、厳格審査のうえで、はじめから能動的に入っていけるというのが、今回の原則です」

武器輸出を原則解除 新三原則の戦略とは
島田キャスター
「新しい防衛装備移転三原則ですけれども、何が一番違うのかというのは、先ほどは輸出するのは禁止しようというのが原則だったんですけれども、一定の条件を満たせば一転、輸出を可能にするというものであると思うのですが、禁輸対象というのがありまして、これが原則①ですね。日本が締結した条約その他の国際約束に基づく義務違反、国連安保理の決議に基づく義務に違反、紛争当時国には輸出をしないと。その他、この原則に引っかからなければ、その移転の条件として、原則の②と③があります。ここでフィルターを通していくわけですが、その原則②は平和貢献、国際協力の積極的な推進に資する場合。日本の安全保障に資する場合。これもフィルタ-を通してOKとなった時に、この原則③、目的外使用及び第三国移転について事前同意を義務づけるというふうにしていますが、この全ての3つを満たした場合、移転が可能になるということなのですが、単純な疑問ですが、武器輸出三原則となっている武器というのが、防衛装備と変わったのには何か意味があるのですか?」
佐藤議員
「実際これまで一般の人が、えっと思うことがあるのは、自衛隊が持っているブルドーザーがありますよね。あるいは油圧ショベルとか、あれも武器扱いなんですよ。そういう決まりになっています、武器の装備の管理上。そういう扱いになっているんです。たとえば、ハイチ。いろいろドーザーとか持っていきましたよね。それをハイチ政府に渡してきました。その時も武器輸出三原則の例外化という形でやってきました。ですから、武器という定義はすごく広くて、それで今回も実態にあわせる形で、防衛装備というのが実態にあっているということで、今回武器ではなく」
反町キャスター
「それは防衛省の資産というか、防衛省の持っている、自衛隊が持っているものは、全部武器だと、そういう理屈ですか」
佐藤議員
「全部ではありませんけれども、被服もありますから」
清谷氏
「一般的にわかりづらいんですけれども、装備品というのは、いわゆる武器の類です。あとのものは、需品という言い方をするんですね。ですから、需品にあたるもの、たとえば、ズボンであるとか、下着というのは武器にあたらない。たとえば、使っている懐中電灯とかですね」
反町キャスター
「ブルドーザーはなぜ武器になるのですか?」
清谷氏
「それは装備品だから。一般的にいうと、装備というと誤解を受けやすいのですが、自衛隊とか、いわゆる官庁の中では装備というのはだいたい武器とか、それに類するものですね」
佐藤議員
「全部輸出で許可を取って海外に(行った)。カンボジアの時も、南スーダンも、皆持って行って、笑い話のようですがカンボジアにブルドーザーを持って道路整備をやりました。その時隊員は銃を持っていますね。銃をそばに置くために銃牙をつけたんですよ。それは完璧な武器だということで、それを置いておくことはダメだとか」
反町キャスター
「輸出や移転という言葉も、僕ら引かかっているんです。装備品の輸出ではなくて、装備品の移転とはどういうことなのですか?」
佐藤議員
「今度は技術なんですよ。さっき言った整備技術がありますよね、整備すべきものを向こうに渡すわけではないでしょう。向こうのF15を海外に行って、日本の業者が直すとしますよね。これが整備技術です。これもこれまではダメだったんです。そういう実態を考えると、これは輸出ではなくて、そういう技術の移転ということが実態にあっているだろうと。あるいは共同でいろいろなことを開発する時に技術交流もありますから、そう考えた場合、輸出ではなくて移転という実態」
反町キャスター
「たとえば、カンボジアにブルドーザーを持って行ったりしましたよ。使い方やメンテの仕方を教えて帰ってきていると思うのですが、それを伝えること自体も技術移転にあたるというのがこれまでの定義。今回もその枠で考えているのですか?」
佐藤議員
「それはちょっと間違いです」
反町キャスター
「だって、装備品のメンテナンス方法を相手に伝えて帰ってくることは、技術移転にあたるからダメだと、そういう話ではないですか」
佐藤議員
「ただ、相手の装備品を直すような場合です。どちらかというとキャパシティビリングといって、向こうに技術を教えこむという、向こうの能力開発支援と、また別な枠でやっております。向こうの国が持っている装備を直す時は、それは技術移転です」
反町キャスター
「がんじ搦めになっていたということですね。わかりやすく言えば」
佐藤議員
「そうです」
島田キャスター
「でも、武器は輸出でもいいんですよね、これまでと同じように」
佐藤議員
「たとえば、トータルで防衛装備品という。全部防衛装備品です、要は。その方が実態に合っているので、防衛装備。しかも、それは技術も入るので移転」

平和国家日本は貫けるか
反町キャスター
「公明党が今回、移転に、三原則に賛成をした。ここの整合性というのは、党内の議論とか、支持母体の議論において問題にならなかったのですか?」
上田議員
「これまで防衛装備の範囲で、私達が例外化をお願いしたものもあるんです。たとえば、カンボジアで対人地雷を探査する装置は、我が党はずっと対人地雷対策ということには力を入れてきたものですから、対人地雷を探査する装置を持ち出す時も、これは例外化したんですね。あるいは中国で遺棄化学兵器の処理をする。この時に使うマスクも例外化する措置をしてもらったんです。だから、これまでそういう直接殺傷するような、いわゆる兵器みたいなものについては非常に抑制的に日本はやってきているし、ほとんど、現実には移転されていないわけですから、そういったものが何か積み重なってきて、非常にわかりにくくなってきたというのは事実。なおかつ包括的な例外化措置もとられたので、もう一度、これはちゃんと考え方を整理しようということについては、昨年12月の時点で、自民党とも合意をして、政府も是非そういうふうにしてほしいということだったので」
反町キャスター
「同床異夢に見えてくるんですよ。佐藤さんの話を聞くと、たとえば、F35の共同開発、ないしは必要なパーツを届けたいというこういう話だったと僕は思っています。上田さんの話を聞くと、マスク、地雷除去。同じ枠組みで合意したと言いながらも、頭の中においている移転するものが、全然違うものを想像しているような気がするのですが、同床異夢と思えるんですが、そのへんはいかがですか?」
上田議員
「F35は例外化しました。このF35というのはもちろん、共同開発に参加している国々が使うんですけれど、日本の自衛隊が使うんですよね。日本の自衛隊が使う装備品を当然日本の技術をそこに使うということは、海外から調達するというよりははるかに合理的なことだし、そこまで否定することになったら、自衛隊は装備を調達するなということになってしまうので、そこは全く同じ考えであったというふうに思います」
島田キャスター
「新しい三原則を見て疑問に感じる点は?」
清谷氏
「たとえば、整備。基本的に日本国内で、日本の企業が、在日米軍の機体を整備しているんです。P3Cであるとか、ホーネットであるとか。それは基本的には在日米軍のものだけでということで、よそに行っている韓国の機体はできないという縛りがあるわけです。新しいこの原則でいくと、たとえば、地球の裏側に行っても適用できるというような一応解釈ができるわけで、それが、たとえば、平時だけなのか、あるいは戦時も可能であるのかということは、公明党も全部オーソライズされているのかなと、僕は大きな疑問だと思うんですけれども」
上田議員
「頭から排除されないんだと思いますが、ただ、我が国の安全保障に資するということが原則なわけですから、と同時に、決めた運用細則などでも細かくそういう条件を決めています。その際、たとえば、3つの原則がありますけれど、3つとも満たされなければいけないですから、3つとも満たすかどうかというのは、国家安全保障会議で最終的な判断をするということになります。ですから、当然戦闘地域にこれは可能だけれど、たとえば、戦争をしているところへの日本人の渡航はまず自粛するということになりますから、そういうところに行くということはないでしょうし、それが出ていなくても混乱しているような地域であれば、それは日本にとっての重要性、日本との関係を判断するという重要な案件になってくるのではないかと思います」
佐藤議員
「上田さん言われたのは、原則②で、ケースバイケースでということなんですよね。たとえば、この前アフリカの南スーダンで自衛隊の部隊が、韓国の部隊に小銃の弾1万発を供与しました。これはまさに例外化措置でやったんですけれど、これが弾ではなくて、日本と韓国の使っている同じような車両等の部品が、韓国部隊になく、日本が持っていた場合、我々が供与しなければ向こうは車が動かなく、彼らの命とか、保護している避難民の生命に関わるような場合は、議論をして、必要ならば人道支援的な観点から自衛隊が部品を持って整備に行くこともあるでしょうし、たとえば、アデン湾で海賊対処をやっていますね。日本には護衛艦の上にヘリコプターがあります。ヘリコプターが飛んで、いろいろ上から見ています。他国もヘリコプターを持っています。たまたまそのヘリコプターの部品が融通できるような場合で、向こうのヘリコプターが壊れたという時にそれは必要であれば、原則に照らし、緊急性とか、非代替の他に変えようがないという場合についてはしっかりと議論をして、場合によっては国家安全保障会議の方で議論をして、自衛隊の隊員が持って行って整備するということもあるでしょうし。別に地域概念はないんですよ」
反町キャスター
「たとえば、今回の移転三原則に関して、地域的概念がもしないとした場合に、紛争当時国、地域ではない場合、たとえば、わかりやすく言うとアフガンで活動している米軍の基地がパキスタンにある場合、パキスタンは紛争当事国ではないですよ。その基地で修理が必要な場合に、日本のメーカーが行って、そこで修理することは、このロジックからいくと可能になりますよね」
佐藤議員
「可能ではないと思いますね。いろんなパターンがありますけれども、原則②で、その時日本にとって日本の安全保障、防衛協議、本当に大事なのかという、まず日本のメリット、あるいは価値判断いうものが最初にありますから、日本でないといけないのかという部分が、アフガンという場合には日本でなくても他の国ができるなら、他の近くの国がやればいい話です」
反町キャスター
「ただ、米軍の飛行機の技術、メンテナンスに関しては、日本が非常に強く、大きく貢献しているという、その部分で周辺に他の適切な国がいない場合に、日本にアメリカ側から同盟国として、技術協力してほしい、メンテナンスに協力してほしいと。そういう可能性は突飛な例ですか?」
清谷氏
「いや、突飛ではないと思います。実際の問題として、たとえば、海上自衛隊がアデン湾に展開している。あれで実は既に民間の技術が入っているんですよ。民間の技術者が、その船を修理しながら行っているわけですよ。だから、本来はどうなのか。グレーゾーンではないかなという」
反町キャスター
「たとえば、移転三原則が悪いとか、良いとかという議論は抜きですよ。こういう状況になったので、開き直った説明を国民にしないままに自民と公明のつじつまだけをあわせた形でやっていくと、すっきりした説明ができていると感じますか?」
上田議員
「なかなか専門的な話ですからね。しかも、防衛装備、防衛技術はかなり高度な技術に関わることですから、なかなかご理解いただくというのは難しい面もあるというのは確かなのだろうというふうに思います。なので、防衛装備という中には単にそういうF35とか、ミサイルという問題だけではなくて、非常に広いものが含まれているんですよと。だから、これまでのいろいろな状況を踏まえて、新しいものをつくっていかなければならないということになりましたという説明をさせていただいているんです」

新三原則 武器輸出解禁へ 審査・管理の体制は
島田キャスター
「審査は全部経産省が主体となってやっていくのですか?」
佐藤議員
「最終的には、外為法に則ってやっていって装備品を輸出しますので、経産省が最終的な出口になっている。その間の審査は経産省ではなくて、どちらかというと国家安全保障局、あるいは国家安全保障会議が中心になってやります」
上田議員
「法律がそうなっているんです。ですから、最後は経済産業省の大臣の許可となっています。これは他に禁止されている化学兵器も同じですね。貿易の許可ですから、これは経済産業大臣の許可ですね」
佐藤議員
「審査の部分が今回の一番のポイントで、たとえば、南スーダンで自衛隊の持っている弾薬を韓国に渡したという事例がありました。まさにそれが重要案件です。これまでとは全く違った新しいケースでしたから。ケースごとにレベルに応じて判断していくというのが今回の手続きです。三原則と同じように運用指針というものをつくって、いろんなパターンについて大きな指針に基づいてチェックをしっかり審査をしていく」
島田キャスター
「どのぐらいの時間をかけてやるのですか?」
佐藤議員
「ケースバイケースです。非常に緊急性を要する場合は夜中でも集まり、時間的に余裕がある場合は時間をかけてやる。丁寧な審査はできると思っています」
清谷氏
「僕は疑問があって、と言うのは、全部の審査を官の側でやる。そこがちょっと違うのではないかと。メーカーの方からオブジェクションした場合に再審査をするシステムは現在のところないと聞いているんですね。あとは外部の有識者が入っていない。防衛省というのは実は海外の装備品であるとか、研究に関してのデータベースを持っていないんですよ。本当に専門家としての能力あるのですか。少ない予算を情報収集に使おうという意識がそもそもない。そういう人達が果たして本当に専門家として審査できるのですかというのが大きな疑問です」
佐藤議員
「これは我々反省しないといけない分野もあるんです。今日私が主催する会議で議論になったんですけれど、これまでは防衛省はどちらかというと装備部門は調達に力を入れていた。いろんな装備品のデータを集めるとか、技術を使って交流する部署がないんですよ。現在そういう戦略をつくっています。そういう部署をつくる方向で考えている」

目的外使用 拡散どう防ぐ
反町キャスター
「適正管理はどこまで徹底できるのですか?」
上田議員
「輸出許可の申請をする時に、申請をする社が輸出する相手方の確認証を取ります。政府間の間では協定を結ぶことになっています。これまでもそういう方式でやってきました」
島田キャスター
「公明党はこれまで国際紛争を助長しないというのが基本理念でしたね。追いきれなくなる件数が増えていくと思うのですが、管理体制をどう考えていますか?」
上田議員
「国際紛争を助長するというようなものは三原則の2つ目の原則の日本の安全保障に資することが重要なわけですから、そういった懸念のあるものは輸出許可しないというのが大前提だと考えています」
佐藤議員
「外国為替及び外国貿易法というもので実際の目的外の場合は、処罰されるんですけど、これは意外と厳しいんです。この部分は慎重になっているのが現実です。違反した場合は懲役刑です」

防衛産業の本音と課題は
島田キャスター
「日本の防衛産業の現状と、防衛産業のメーカー達が世界と戦うことができるのかという観点はいかがですか?」
清谷氏
「まず非常に危機的状況というのがあります。現在、防衛装備がピークからだいたい4割ぐらいまで減ってきているわけです。つまり、防衛産業の各メーカーがビジネス事業を維持していくということは5年、10年先難しくなっている現状はあります。問題は、これまで防衛省が自分達の装備を非常に優秀であると宣伝してきているのですが、そうでもないものがいっぱいあるわけです。たとえば、陸上自衛隊が持っているヘリ型(UAV)というのは、自衛隊のホームページに大規模災害であるとかに必要であると書いてあったにも関わらず、3.11では一度も飛ばなかったわけです。僕の調べている限りでは信用度がない。二次災害が起きる可能性があるということで使われなかったということなんです。実際に、本番に弱いものは結構ある。昨年の機関銃のデータ改ざん。世界最先端、最強というイメージばかり言っているのですが、結構危ういものもある。サイズとしても非常に小さい。ある意味海外に輸出するということは国内のシステムを統合しなければいけない。たとえば、やめてもらう、事業統合する。そういう血と涙が必要。つまり、泣きながらでも統合しないと事業は残らない。血を流しても撤退するなどをやらなければいけない部分がある。その覚悟はあるのかというのが非常に大きな問題である」
佐藤議員
「日本には防衛産業の中で専従がいないんですよ。三菱重工業も全体の売上げの10%と言われるぐらいですから。そういう中でやっていますから、なかなか広げようといってもお得意先が自衛隊だけでしたから、そういうわけにもいかない。そうかといって、企業統合が進むかと、それぞれが全体の一部ですから企業統合が進む状況でもないという特性が日本の場合にはある」
反町キャスター
「日本の防衛関連産業が今回の移転三原則で大きくビジネスチャンスが広がっていくというふうに見ていますか?」
上田議員
「大きく変わることは現状では期待できないと思いますけれどね。と言うのは、部品すごく優れているものがある、素材はある。これまでは、たとえば、共同開発したいからサンプルを送ってくれと言われても、それは良いのか悪いのかわからなかったというのがある。ダメだと言われていたわけではないけれども、その時点では許可されるのか、されないのか、個別のことはわからないといった部分では大きくなることはあると思うのですが、たとえば、完成品でいうとそんなに国際競争力があるものはないのだろうなと思います」
佐藤議員
「忘れていけないことは、いざという時に部品がないといけないわけですよ。整備ができないといけないわけです。現在非常に全体の会社の中で小さなパーセンテージしか自衛隊関係のものがない。愛国心や誇りでやっている企業が多いんです。がんばってもらわないといざという時に部品が入ってこない、そうなってはいけないんです。基本的には国産化という軸をしっかり持ちながら、一部については国際共同開発をやらなければいけない。その部分だけは我々も防衛産業としっかり1つの装備をつくれるように、技術、会社、基盤というのは何としても維持しないとならない」

国際情勢への波紋は
反町キャスター
「この国には移転をする、この国とは共同開発するというように枠組みが決まることによって、よりスムーズにこれからできるようになると思うんですよ。結果、日本はインドネシアやオーストラリアとは共同開発するけれど、中国とはやらないねと。同盟国か仮想敵国かの協力関係においてハッキリ白黒ついてきてしまう。デメリットは?」
佐藤議員
「政策には当然メリット、デメリットがある。当然トータルでメリットが多い方を選択する。今回の1つのポイントは、我が国の安全保障にとっていかにプラスになるかという観点で見ないといけない」

佐藤正久 自由民主党参議院議員の提言:『積極的装備交流』
佐藤議員
「装備技術を使いながら、日本と関係が深い国、協力国と交流しながらさらに平和外交をあと押しするということに今回の原則はつながっていると思っています。今回の原則を使って平和外交を行うことをがんばっていきたいと思います」

上田勇 公明党衆議院議員の提言:『国際協調・協力』
上田議員
「積極的平和主義の枕詞があるんです。国際協調主義に基づく積極的平和主義。必ずそういうふうにいつも言っています。日本にとって重要なことは、日本だけが独自のことをやるということではなく、できるだけ多くの国々と価値観を共有し、協調し、協力をしていく。装備品についても同じもので使えるようになれば、それだけ協力ができると思いますので、そういう意味ではこれからはむしろ積極的な対応も必要になってきていると思っています。そういうことを通じてお互いの理解が深まるだろうと思っています」

軍事ジャーナリスト 清谷信一氏の提言:『汝自身を知れ』
清谷氏
「結局日本の防衛産業の現状を正確に把握し、何が強みで何が弱みなのかということを把握しないと冷静な判断ができないということ。政府ははっきりと防衛産業を儲けさせろと言うべきなんです。つまり、ちゃんと適正な利益が出ないと共同開発もできないし、自主的な開発もできない。設備投資もできないし、雇用も維持できない。ですから、ある程度の利益を確保するのは別に悪でもない。儲けることは悪ではない。巷で言われているのは、泣いてがんばっています、コスト削減やっていますという演歌とか、浪花節の世界になっている部分がある、それではダメなんです。ある程度儲らないと、防衛産業に入ろうと思う人がいなくなってしまう。そういった面では本当防衛産業を残そうと思うのであれば、そういうところをしっかりするべき。適正な利益が出るような調達システムと輸出の管理システムをつくっていくべきだと思います」