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2014年3月28日(金)
日豪連携で米けん制? EPA先行合意か

ゲスト

西川公也
自由民主党TPP対策委員長 衆議院議員
メラニー・ブロック
在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所会頭
菅原淳一
みずほ総合研究所政策調査部上席主任研究員

日豪EPA交渉 どうなる牛肉関税引き下げ
島田キャスター
「日本の牛肉関税を引き下げるにあたって、オーストラリアの要求への妥協幅というのはあるわけですよね」
西川議員
「そうですね。これは相撲と同じで、交渉というのはドンとまずぶつかって、あとは最後に一瞬どちらかが引くかだと思うんですね。現在はぶつかっているところです。最後の一瞬ドンと引いたらオーストラリアがこちらに転んでくるかどうかという感じですね。だから、私は希望を持っています。これは長い間かかったやつだから、合意できる。最後に数字を決めるのは両首脳ですから、アボット首相と日本の安倍首相ですから、調整はおそらく4月7日に首脳会談になると思うんですね。だから、6日の深夜までかかってもやってほしいなと思います」
反町キャスター
「今回オーストラリア首相の訪日日程は6日に日本に入るんでしたね」
西川議員
「6日に入ります」
反町キャスター
「6日にアボットさんが日本に来る。けれども安倍さんに会うのは7日であると。つまり、アボットさんも安倍さんも東京にいる段階で、周辺の事務レベルでぎりぎりでの詰めが6日の夜に行われる?」
西川議員
「6日の夜までに。私は5日、6日、本当に真剣にやると思います」
島田キャスター
「どのくらい妥協幅があるのかですが」
ブロック氏
「オーストラリアは現在のところ牛肉関税を19.25%でと話し合いをしているということでは1つもありません。あくまでも業界としましては、まだ関税を撤廃というふうに思っている次第であります。ですから、この19.25%は我々が希望している数字ではない。1つの業界としてはそれ以下のものを実は狙っているということです」
島田キャスター
「19.25%というのも、ぎりぎりで妥協できる?」
ブロック氏
「私は直接その数字のことについてここで話す権限もないし、そういう背景があってということで本日来ているわけではないのですが、数字というよりお互い両国のパートナーシップというのも大事ですし、安倍首相のお爺さまにあたる岸信介さんのもとでそういう通商条約も結びましたので、そういう気持ちの中でどこまで両国のこれからのことについて、EPAができるかというものです。過去のことも大事ですけれど、これからどういうふうにするかということも大事だと思います」
反町キャスター
「牛肉関税撤廃に向けた3つの方法ですが、即時撤廃、段階的に撤廃、一定水準で妥結。この3つの方法があるかと思いますが、どの方法が現在の状況にあると思いますか?」
西川議員
「まず即時撤廃はあり得ませんね。それから段階的撤廃よりも、私は一定水準で妥結する可能性が強いと思うんです。我々は38.5%に極力近づけて交渉に臨んでいると。オーストラリア側ではオーストラリア側の考え方を日本に投げていますから、そこで交渉はやっていますが、それは反町さんが言うように、交渉ですから100点と0点とという話にはならないんですね。お互いに歩み寄るということです。それで一定水準のどこで妥結するかはわかりません、合意がですね。ただ、下げるとすれば下げないで済めばいいけど、それでは言うことを聞かないでしょうから、その時、階段状に下がるのか、一気にドンと下がるのか。何年か経ってから下げるのかとか、下げ方はいっぱいあると思うんですね。それでオーストラリアに先行有利と言うのか、先行利益と言いますか、オーストラリアと妥結した時に、オーストラリアに利益が行くようにしようというのは日本の政府の中にもあるんです。そうすると、なるべく早く効果を出してやった方が、オーストラリアも他のことをあまり言わずに理解してほしいと思いますからね。一定水準がいくつかというのは現在の段階では私の立場ですと38.5%でがんばれと言っているということです。こちらはこちらで新聞が19.なにがしと言っているから、きっとそんな気持ちもあるのですか?」
ブロック氏
「本音はまたあとで話をしましょう」

日豪EPA交渉 自動車関税撤廃の可能性は
島田キャスター
「オーストラリアの自動車関税は、撤廃容認する可能性もあるのですか?」
西川議員
「結局ですね、オーストラリアは海外資本が全部撤退です。それで非常に賃金が高い国です。オーストラリアはそういう点で大したものだと思います。労働している人達で建設機械をいじる人で年収1000万円は皆軽く超えると私は聞いてきました。そうすると、日本としても日本でつくる、あるいはタイでつくる。他の国も含めてオーストラリアに持っていけたらいいわけですね。それで韓国と豪州の間のEPA、経済連携は自動車関税ゼロになります。そうすると、韓国の自動車と日本の自動車、日本の自動車の方が高いんです、価格が。さらに5%の差がついたら、果たしてこの5割を超えている日本の自動車のシェアをオーストラリアで守ることがずっと続けられるかというと、それはそう甘い蜜をしたてない方が私はいいと思います。そういう意味で韓国の状況と同じくしてやらないと、自動車メーカーの人達は大変だと思いますね。過去に電気製品、テレビ等で韓国のテレビはヨーロッパでゼロになった。日本は17%~18%残っているのではないですか、関税が。これで競争しろと、人件費は韓国より日本が高いですから。これはこういうふうにしない方がいいと思います。自動車ははやくゼロにして、韓国がゼロになっていますから、競争条件を同じくしてやらなければ、日本の自動車産業と言えども大変な時期がくると思います」
反町キャスター
「韓国とオーストラリアにおいて、オーストラリアの韓国に対する牛肉の輸出の関税はどのようになっているのですか?」
ブロック氏
「2018年で撤廃です」
反町キャスター
「韓国からオーストラリアに対する自動車の輸出の関税はゼロになっているわけですよね」
ブロック氏
「そうです」
反町キャスター
「それを日本にも求めるのかどうか。日本が自動車の関税をゼロにしてほしいのであれば、韓国並みの条件を持ってきなさいよというのは、いかがですか?」
ブロック氏
「業界から韓国と同じ形で何かできないかということについては言ってくると思います。ただ、韓国と日本の農業のあり方が違うというのはある。一緒に見てはいけないという認識はある。韓国との自由貿易ができあがっていますし、それを前例として考えるというのは、どうしても考えると思います。韓国と日本の違いついてわかる人達は、もう少しそういう見方でない人もいれば、なぜ同じにできないかということを言ってくる人達もいると思います。ただ、EPAは1つのパターンでできあがっているものでもなく、それぞれの条件、実態があるということは認識しなければならない」

日豪EPA交渉大詰め 聖域の行方とTPPへの影響は
島田キャスター
「日豪のEPA交渉は今年に入って急激に進展を見せているように思えるのですが、これはTPPを意識して加速させているのではないか?」
西川議員
「TPPを意識してとは申し上げません。評価はそれぞれの人に評価いただくと。結果として連動するのかどうかわかりませんが、これは現在やっているTPPを壊すためにやっているわけではなく、EPAはEPAだと。TPPはTPPだと。偶然時期が一緒になっていますねということしか申し上げられませんね、私の立場では」
ブロック氏
「オーストラリアと日本は7年かけて2国間の交渉をやってきましたので、それも自然に流れていく次のステップだというふうには私も思っていますので、そういう意味ではTPPに存在しないものも、2国間の協定だからこそあるというものもあるのではないかと思っているのですが、タイミングに関してはそれぞれの課程もいろいろあるかと思うんですけれども、7年かけた、それが最近だけということではないんですよ。もう事務レベルでは非常にいろんな作業もやってきましたので、それを積み重ねてこのタイミングになってきたというふうに思います」

日豪のEPA交渉 TPP交渉の追い風になるか
島田キャスター
「TPPに日豪のEPAの結果がもたらす影響をどのように見ていますか?」
西川議員
「EPAを合意し、それでオーストラリアが先行利益を得るということになったら、先行利益をとること以外は、私どもも同じくやっていきたいと思うでしょうね。ただ、私はそれを意識してやっているわけではありません。結果的にそうなるかもしれません。だから、オーストラリアが先行利益を得たら、損するところはあるということではないのでしょうか」
反町キャスター
「TPPと、日豪EPAをキチッとやるメリットの比較は」
ブロック氏
「平行してやってきたこともあれば、TPPでは様々なこともあれば、EPAだと、日本とオーストラリアの農産品以外に、安全保障とか、いろんなこの60年、フレンドシップというか、絆をつくってきましたので、EPAというのは自然な流れだということも大事だと思います。TPPは過程に12か国も入っているので、それだけ時間がかかる」
反町キャスター
「オーストラリアとアメリカの話というのは、砂糖や乳製品でアメリカは厳しい姿勢をとり続けている。オーストラリアはアメリカに対して困っていると聞いています。EPAを日本とカチッとやることが国の利益になるのでは」
ブロック氏
「7年もかけてやってきましたのでそれもとても大事なプロセスの1つであると思います。私は政府の人間ではないので、政府の立場で話すよりは外から見たことしか言えませんが、TPPのいい結果を求めているということは、オーストラリアの政府側にもあると思います。日本側にもそれがあると言うことですので、だからと言ってEPAがないということではなく、並行でそれをやっていく」

日豪EPA交渉とTPP 米国はどう動くのか?
反町キャスター
「アメリカのTPPに対する強気な姿勢は変わってきていないと言われていますが、現在のアメリカの状況をどう見ていますか?」
菅原氏
「まさに昨日今日、大江首席交渉官代理がワシントンに行かれて、引き続き日米の関税交渉を中心にやられているというふうにうかがっていますが、まだまだかなり開きがあるというようなニュースも入ってきていますので、相当厳しい状況にあるということは確かだということだと思いますね。裏に利害関係、ステークホルダー。日本もそうですが、アメリカも全く同じ状況で、議会の背後には議員さんだけではなく、その後ろに様々な団体がいらっしゃるわけで、特に一部の農業団体ですけれども、日本とカナダと名指ししていますが、農産物市場の開放が不十分な場合は日本とカナダ抜きのTPPでいいんだというような言い方もしていますので、かなり強硬な姿勢というのは変わっていないということだと思います」
反町キャスター
「アメリカのTPPの姿勢については」
西川議員
「ここで変化がありましたねと私が言ったら、大騒ぎになると思います。ここは言及しません。しかし、大江主席代理が行っているということで、ご判断いただきたい」

日豪EPA交渉とTPP 強硬か譲歩か…米国の思惑
反町キャスター
「アメリカの政治日程から、アメリカがTPP交渉で考えるスケジュール感をどんなふうに見ていますか」
菅原氏
「非常に難しいところだと思います。ただ、現在はやはり日米首脳会談の前に、どこまで事務レベルで詰められるかというところが勝負で、この番組で西村副大臣とお話させていただいた時に、首脳間で牛肉の関税率を何%にしようという話は、それはしないんだと副大臣はおっしゃっていましたが、そういった個別品目の関税率をどうするといった話は日米首脳会談では出ないかもしれない。ただこの日米首脳会談で交渉に勢いをつけて、5月のAPEC貿易担当大臣会合のあとになるのではないのかと言われていますが、閣僚会合を開けるならここらへんで開いて、TPPの閣僚会合です、というようなことも出てきてはいますので、現在はまだそこのスケジュールを狙ってあと数週間、日米首脳会談に向けて事務方で一生懸命努力するという段階だと思うんですね」
反町キャスター
「5月のAPEC閣僚会議、6月にあるのかもしれないTPPの閣僚会合のあたりまでに終わらないと、いわゆるTPP漂流になるという状況が現実味を増してくる?」
菅原氏
「アメリカの場合は、通商交渉を政権がやる場合には大統領貿易促進権限というファストトラックとか、TPAと呼ばれるものですが、議会の反対が強く、オバマ大統領のお膝元である民主党の反対が強いということで、中間選挙は11月にありますが、その中間選挙前にこのTPA法案が通るという可能性はかなり低いと見られているわけです。その中でTPP交渉をやっているという状況ですから、夏までにTPP交渉が大きく動かなければ、中間選挙まではTPP交渉も大きく動くことはないという見方が広がっているというところだと思います」

日豪EPA交渉大詰め 聖域の行方とTPPの影響は
反町キャスター
「マレーシアに行くということですが、どういう目的があるのですか?」
西川議員
「マレーシアに行くことは正直に行くと言います。それで何をやってくるか。私は、向こうの貿易経済大臣のムスタパさんと会います。他の大臣とも会います。それで、日本とマレーシアのEPAは結んではいるものの、実質的な話し合いはしないできました。TPPは日本とアメリカの貿易の巨大国家が協定すれば、それで他はついてくるという判断がありましたね。私はそうは思いません。これは日米で握っても、他の国は、実際は不満がいっぱいある。ですから、マレーシアの皆さんにも応援できるところは、やってみればいいという日本の姿勢でいけるように交渉官同士の話し合いを始めてもらおうと思います。そのためにはマレーシアにはたくさん課題があります。国有企業が多くて、民営化しろと言ってもそう簡単にはできません。それから、競争政策で内外の企業を格差なく入れろと言ってもそう簡単には入れられませんね。国内の事情がある。それから、マレー人優遇策。これも外せと言ったって政権の基盤ですから、それはできない。できないものは現在アメリカとどういう後ろの密約があるかはわかりませんが、表へ出して日本が堂々と協力してやればいいと思うんです。そこで、日本もマレーシアとこれはお互いに東洋人同士が手を握らなければいけません。12か国の交渉は日米だけでやって話がつくものではありません。豪州とも仲良くやりたい。マレーシアとも仲良くやりたい。私はその大臣がどう考えるかを明日行ってうかがってきたい」
反町キャスター
「西川さんは、前裁きの仕事をするのはマレーシアが初めてですか?」
西川議員
「いえ、豪州の次。ニュージランドとも常にやっていますけれどね」
反町キャスター
「マレーシアの次に、他の国に行く予定があるのでしょうか?」
西川議員
「そういう計画になっていくと思います」
反町キャスター
「聖域5項目をどう守るのですか?仲間をつくることが最終的に5項目を守ることにつながるという理解でよろしいですか?」
西川議員
「極力守らなければいけませんね。アメリカが原則論でゼロだと言い続けるということになりますと、日本の立場で、総理がどう考えるかはわかりませんが、公約したことを守れなくなります。アメリカの原則論を聞くということになればそうはいきません。日本だけでこの協定が進まなかったと言われるわけにはいきません。ですから、いくつもの国の本音を12か国の話し合いの中で出してほしいというと願っているわけです」

西川公也 自由民主党TPP対策委員長の提言:『国益の最大化』
西川議員
「私はこの交渉は国益をいかに大きくしていくかということでありますから、攻めるところもあるし、守るところもありますねと。結果として日本経済がこの成長戦略の大きな柱である、このTPPを妥結に持っていくと。こういうことで努力をしていきたいと思っています」

メラニー・ブロック 在日オーストラリア・ニュージーランド商工会議所会頭氏の提言:『聞く耳をもつこと』
ブロック氏
「私はTPPだけではなく、これからの豪州とのEPAについても似たようなことで、聞く耳をもつこと。それは誰に対しても言えることであって、それは交渉する中で攻めることだけではなく、相手の実体、その懸念を持っていること、いろいろと考えていらっしゃることに耳を傾けることが大事ではないかということです」

菅原淳一 みずほ総合研究所政策調査部上席主任研究員の提言:『決断』
菅原氏
「各国首脳ももはや決断の時と言ってもいいのではないか。先ほどの西川先生の話でも日豪EPAに関しても今度の首脳会談で首脳同士での決断というのが求められているということですが、アメリカが譲歩するにしても、これはオバマ大統領の決断というのが必要でしょうし国内も安倍総理の大胆な決断というのが必要な時期で、事務方で一生懸命に詰めて、あとは首脳の政治的決断にお任せするという段階に来ているんだと思います」
反町キャスター
「たとえば、日豪のEPAがピシッと成立して、オーストラリアの牛肉が安く日本に入ることになりました。アメリカ牛肉の日本のシェアが減ってきましたということになると、そもそもTPP交渉を始める時に、オバマ大統領が国民に約束した雇用が増えるという話が前段で瓦解していくことになりますね。そういう危機感がアメリカに変化をもたらす可能性をどのように見ますか?」
菅原氏
「通商政策はそもそも選挙において問題ではなくて、雇用というのが大きな問題なんです。ですから、雇用という判断からTPPが必要だということの理解がアメリカ国内で得られれば、これは当然のことながら、オバマ大統領の決断をあと押しすることになるのだと思います」