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2014年3月24日(月)
山本一太担当相に聞く ウクライナと北方領土

ゲスト

山本一太
領土問題・科学技術政策担当大臣 自由民主党参議院議員
山田吉彦
東海大学海洋学部教授(前半)
北澤宏一
東京都市大学学長(後半)

山本一太担当相に聞く 領土問題の課題と対応策
八木キャスター
「沖縄及び北方対策、海洋政策・領土問題担当としてはどのようなことをされているのでしょうか?」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「一言で言うと非常に難しいのですが、内閣府が他の省庁よりも高みに立って知恵を出す、それによって重要な政策分野における国家戦略を、省庁を横断した形でつくって、あるいは発信していくという意味でいうと、先ほど言った6つの司令塔を持っていることはおそらく初めてだと思うんです。総合海洋政策本部、宇宙戦略本部、IT総合戦略本部、知的財産戦略本部、科学技術政策担当、総合会議技術担当ということで、そういう中で総理のバックアップと大臣としてのいろいろなイニシアティブと知恵、あるいは新しくつくった予算の枠組み等々を使いながら、省庁の縦割りを何とか乗り越えて、横串を指して、国家戦略、成長戦略に結びつく政策をきちんと立案し、実行していく、これが私の仕事だと思っています」

露・クリミア編入宣言&北方領土
八木キャスター
「ウクライナ問題が北方領土問題にどのような影響を与えると思いますか?」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「岸田外務大臣も国会の答弁でおっしゃっていますが、現在のウクライナ情勢が日露関係にどう影響を与えるか。これは余談を持って言うのは差し控えたいと思うのですが、外務大臣が何度も明言をされているように、政府の立場ははっきりしていて、力による現状変更の試みというのは看過できない。クリミアの主権、領土の統一性を侵害するような行為は認められないということで、確か11日だったと思うのですが、ラブロフ外相と電話会談をやり、いわゆる国連の監視団を入れる話とか、暫定政府と直接交渉すべだきとか、関係国に対して自制を促す。平和裏にこの問題を解決していくというのが、この問題の日本政府の立場だと思います」
反町キャスター
「北方領土問題がある。秋にはプーチン大統領が日本に来る。そういう時に、現在ウクライナ問題でロシアをボコボコに叩くことが北方領土交渉に得策なのか?」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「その部分は外交戦略のコアにあたる部分なので、ここで私がコメントすることを差し控えたいと思います。現在私の立場からいうと、北方領土をスムーズに進めていくために何ができるのか。1つは国内世論をキチッとまとめる。現在北方領土問題について、最新の世論調査でもはっきりしているのですが、特に20代、若い人の関心が低いんですね。キチッと領土問題を理解してもらう。北方領土は歴史的にも、国際法上でも間違いなく日本の領土ですから、この間違いない事実をいかに国際社会に理解してもらうか。その意味でいうと、領土主権の対外発信を担当する領土担当大臣として、ここの部分で貢献していくことに尽きると思います」

どう守る尖閣諸島 中国の戦略は
八木キャスター
「尖閣諸島は北方領土と違って、領土問題が存在しないという立場です。
中国の動きをどのように見ていますか?」
山田教授
「現在、中国の公船が日常的に接続水域に入ってきて、頻繁に領海の中に侵入している事態。決して改善されていないです。しかも、その後ろには、時々駆逐艦の姿が見えている状況で、むしろ激しくなっているわけです。また、漁船団の動きが非常に気になるところでもあります。中国は、対フィリピンでも1995年にミスチーフ湾礁を中国側の領土に組み入れようとした時にも漁船を使った。2年前のスカボロー礁というフィリピンの環礁を占領した時も漁民をまず渡してくる。同じような状況が日本の近海にも実は起きているんですね」
八木キャスター
「現在、中国人にとって、尖閣諸島はどういう位置づけになっているのですか?」
山田教授
「この2年で中国の中では逆に日本とは違う徹底した広報戦略。国民に対するイメージ戦略も、当たり前のように尖閣諸島は中国のものであって、中国が管理していると。その現れとして公船が頻繁に入ってきている。現在、公船がお互いに入っている状況で中国のプロパガンダから見ると、日本と同じ状況であってもうしっかり守っている。逆に取りかえそうとしているんだということを広めています」

尖閣問題&中国との情報源
山本領土問題・科学技術政策担当相
「中国の公船が、尖閣周辺にどのくらい入ってきているかをグラフでつくって公開しました。さらに中国が一方的に尖閣の上空に防空識別圏を設定するという出来事がありました。これについても日本の航空自衛隊がスクランブルをかけているのか、これも表をつくって公開しました。さらには尖閣の問題、竹島の問題について外務省が中心になって、実は私も政策の議論にもちろん関わっていますけれども、動画をつくったんです」
八木キャスター
「視聴者からの質問ですが『効果はどのぐらいあがっているのでしょう。具体的な証拠はあるのでしょうか?日本の立場が国際社会で理解されていくことをはかる尺度はあるのでしょうか?』とのことですが」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「たとえば、海外の主要メディアの報道ぶりとか、あるいは各国政府の発言、そういったところに日本の広報戦略の効果は表れてきていると思うんです。外務省がまとめたのですが、各国の主要紙、あるいは主要なジャーナリズムが尖閣の問題について、どんな論調を載せているのかがまとめてあって、現在やっている日本の広報戦略がある程度の効果はあげていると思います。ただし、これで十分かというとまだまだいろんな知恵を使ってリソースを出していかなければいけないところがあると思うんですね。今日プライムニュースに来て、ここでお話させていただく機会を得たので、どうしても実は申し上げたいことがあるんです。実は核セキュリティ・サミットに現在行っている総理が帰られたら、総理と外務大臣に国際広報戦略についての提言をもっていきたいと思っていまして、今週中にまとめて来週ぐらいに総理に届けようと思っています」

離島防衛の課題&在り方
八木キャスター
「視聴者の方からの質問ですが、『尖閣諸島の問題に加えて、太平洋側の島々の領土管理が気になります。どのように対応されていますか?』とのことです。所有者を見つけるだけでもかなり大変ですよね」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「それには時間がかかります。2009年に国境離島の管理と保全に関する基本方針を政府がつくって以来、内閣府と関係省庁が相談をしながらずっとやってきたんです。現在やっているのは領海の外縁を根拠づける離島が400ぐらいあって、そのうち50ぐらいは人が住んでいるので、350が現在、調査中の無人離島ということで、今おっしゃったように所有者がいない可能性がある280の状況をできるだけ早く調べる。これでも相当急いでいまして夏ぐらいまでにはここを調べて、無主の島だったら、現在の民法でいうと国の財産に帰属しますから、状況に応じて国有財産台帳に登録をしていく。一時マスコミで国境離島を国有化みたいに出たのですが、ちょっと誤解があったのは、国が私有地を買い上げるのではないんです。やはり国境を根拠づける島についても、調べられることをきちんと調べて、所有者がいなければ整理していきましょう、国有財産台帳に入れていきましょうということです」

どう守る日本の領土 離島防衛の課題&在り方
反町キャスター
「放っておいたら、どういう危険性があるから現在所有者を確認しようという動きになってきたとみていいのですか?」
山田教授
「放っておいてしまったら、他国が強制的に入ってきて実効支配されてしまい、いつのまにか動けない。実際フィリピンやベトナムで起こっている事実があるということです。プラス、しっかりと日本の土地を守っていこうという気持ち。政府がまずどこまでが日本なのかの確認をする作業を実はこれまでやってこなかった。それが問題であった」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「昨年、領土担当大臣、海洋政策担当大臣のもとに有識者懇談会をつくったんです。国境離島の管理と保全に関する有識者懇談会。5月か6月に実は最終報告書が出るんですけれども、今日座長といろいろな話をして中間のいろんな議論を聞いたのですが、実は先ほどお話が出ていた調査中の無人離島を夏までにとにかく急いでやろうと決めたのは有識者懇談会の報告の提言でできるだけ早く領海の外縁を根拠づける島の所有の状況を調べるべきと。この提言を実は受けてかなりスピードアップした。これから最終報告に向けていろいろと議論をしている中で、国民に国境離島というものを理解してもらわなければならない。そういう意味で言うと、たとえば、国境離島にモニターをつけたりとかしながら、国民のアクセスを良くする。そういう提言が、中間報告であったので、それを進めていかなければいけない。国境離島はなぜ大事か。EEZ(排他的経済水域)に直結しているところがあるんです。日本の未来は海とともにあるというぐらいで、日本の領土領海はEEZを含めるとすごく大きくなるのであって、しかも、エネルギー問題を考えれば、海洋資源の開発というのが極めて重要になってくる。日本としては、特にEEZの外縁を根拠づける島については、低潮線保全法というのをつくって、勝手に採掘をしたりとか、海岸線を変えたりとかができないような広域性みたいなものをしっかり取り組んできました」
反町キャスター
「中国は似たような法律を持っているのですか?」
山田教授
「中国は、海の島の保護法をつくりまして、日本が低潮保全法の検討を始めることに先を越した。もともと領海法の中に明確に領土を規定する法的根拠を持っています。ただ、細かく島々を管理するという前例は少ないですね。これだけ細かくやっているのはたぶん日本が前例だと思います」

STAP細胞 論文問題
八木キャスター
「STAP細胞の論文に関する問題をどのように受け止めていますか?」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「STAP細胞の研究というのは、生物学の常識を覆すような大発見だと期待をされていただけに、小保方さんの研究成果の信憑性についていろいろ議論が出てきているということは、非常に残念に思っています。特に安倍政権の最大の使命は日本経済再生ですね。その成長戦略の核の1つに科学技術イノベーションを位置づけて取り組んできたということを考えると本当に残念としか言いようがありません。私は科学技術担当大臣ですが、理化学研究所の所管は下村文科大臣で、もちろん、下村文科大臣がきちんと理研を指導してくださると思うのですが、ただ、理化学研究所という研究所が世界最高水準にあるような素晴らしい研究開発法人だと考えてきただけに、内外から沸き上がってくる疑問についてはきちっと調査をして事実を明らかにしていただきたいと思っています」
北澤氏
「まず国民の1人として、本当に期待していただけに残念ですね。落胆は今回大きかったと思います。しかしながら、科学の論文では、こういう事件というのは実は頻々と起きているんです。今回は特に大きく報道もされ期待も大きかった。かなりの頻度で起きていることは事実です。1年にいくつも起きています。日本国内でもいくつも起きていますし、世界的に言えば、二桁に達するぐらいは起きていると思います。ですから、そういう点で言えば、それほど珍しい事件ではないということになるかと思います。多くのケースで、自分がやりたいと思っていた研究の成果が本当に出てきてしまったかのように、夢を見る人達が実は相当にいるわけです。ですから、今回のケースもそのうちの1つだったかなと感じている面があります」
八木キャスター
「これから必要になるのはSTAP細胞の真偽の検証が一番になりますか?」
北澤氏
「サイエンスの科学の論文というものは、いわゆる自浄作用というものがあるんです。つまり、実験が再現されなければ、それは認められない。再現されるということは他の人がやって、いつかはその結果が出てくるはずです。ですから、自浄作用、自分で浄める。サイエンスの場合は、自浄作用がある場合に、捏造をやったら必ずばれるのです。だから、その意味で、理化学研究所が自分でやらずに放っておいても、真実はだんだん明らかになってきます。ですが、責任のある研究所として、理化学研究所は自分で調査委員会をつくってまずはっきりさせる。調査委員会というのはできることであれば第三者を入れて中立的な立場から調査を行うことをやると思います」
反町キャスター
「今回の問題からもたらされる日本全体へのダメージ。たとえば、学会に対する衝撃とか、産業界の投資意欲の減退とか、国際的な日本の科学技術に対する信頼度の既存とか、いろいろあると思いますが」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「まだ結果が出ていないので軽々ことは言えないと思うのですが、若手の研究者とか、女性の研究者とか、こういう人達にどんどんチャンスを与えよう、こういう人達がリスクを恐れずどんどん果敢に研究に取り組むことによって、科学技術イノベーションが生まれる。結果によってはその流れに水を差すことになるのではないか。私の担当する総合科学技術会議で新しくつくる特定国立研究開発法人の候補として理研と産総研、経済産業省が所管する研究開発法人ですが、この2つに決めました。実際に、特定国立研究開発法人にするのかどうかというのは閣議決定で決まるので、まだ少し時間があると思うので、しっかり見極めていかないといけないと思うのですが、科学技術イノベーションを成長戦略の中核に位置づけて取り組んできたので、理研にきちんとこの問題について対応してもらいたいと思うんです。キチッとした対応ができなければ、日本の科学技術イノベーション全体に対するイメージダウンを私は非常に恐れています」

最先端科学技術の産業化
八木キャスター
「戦略的イノベーション創造プログラムと革新的研究開発プログラムとはどのようなものですか?」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「この2つのプログラムは私の指導のもとで内閣府のスタッフと協力しながら、もちろん、各省にも協力してもらいましたが実現した枠なのですが、簡単に言うと、安倍内閣が成長戦略のコアとして科学技術イノベーションというものを位置づけている。その科学技術イノベーションに投資できる特に有望ないろいろな案件を発掘できる枠組みをつくったということです。これまで科学技術政策は各省にまたがっていますから、たとえば、科学技術政策のプロジェクトを応援するというのも、各省のいろいろな考え方でやっていたと。中にはだぶっているものもあったわけですね。戦略イノベーション創造プログラムでは、各省の予算を拠出していただいたて、その500億円を内閣府に計上していただいて、正確に言うと、三百数十億円を内閣府の目利きで選んだプロジェクトにつけると。つまり、内閣府の中に総合科学技術会議という総理を長とする重要会議があって、そこで省庁の縦割を超えて、そこがどういうプロジェクトがいいのか判断するということなんです。その中では各省1つの方向性で、連携させて、それで高い研究開発のレベルがあっても、それが産業化しないと産業競争力に結びつかないですよね。いい研究があっても。それをとにかく加速化させよう。出口を睨んで、各省を束ね、1つの方向に向かってプロジェクトを動かしていく。もう1つの革新的研究開発推進プログラムというのは、平成25年度の補正予算でつけた550億円の基金なんですけれど、ハイリスク・ハイインパクト。最初から出口を決めないでハイリスクで世の中を変える研究につけようということで、プロデューサーを決めて、ここにお金をつける。ここが新しいです」

科学技術政策の課題&政策 どう産業化するのか
八木キャスター
「科学技術政策で期待されることは?」
北澤氏
「イノベーションを目指し、いずれにしてもプログラムディレクターというものとプログラムマネージャーを全面に押し出してやっていくということを決めたということですね。ただ、これは非常に難しくて、プログラムディレクターやマネージャーが本当にその人がこうしなくてはと思ったら、それをやらせることが、山本大臣が本当にやらせてくれれば、私はかなり望みが出てくると思うんです。大概の場合、各省庁が自分のところからもお金を出したんだと言って、皆その人がやろうとすることにいろいろ書き込み部隊がやってきて、自分のところに有利なことをどんどん書き込んでいくことをやって、最後は誰がつくったのかがよくわからないようなものになりがちです。だから、そこのところを今回はぜひちゃんとやってほしいというのが私の期待ですね」
反町キャスター
「プログラムディレクター、プログラムマネージャーは、どこから誰を選抜するのですか?」
山本領土問題・科学技術政策担当相
「戦略的イノベーション創造プログラムの方のプログラムディレクターは予算がまだできていないので内閣府に計上する法案が通っていないので、現在のところは内閣府の参与にしていますが、プログラムディレクターは決まっています。公募をしてキチッと厳しい審査をして10人の方々、研究者や経済人を決めました。いくつかの分野について10のプロジェクトを担当していただくことになっています。先生がおっしゃったことはまさにポイントで、各省から予算を集めてきた。もちろん、各省と連携をしながらいろんなプロジェクトを発掘してきたわけなのですが、これが、たとえば、各省がこの予算が足りないから、ここで手当てしようみたいなことは絶対になってはいけないと。これは内閣府がきちんと主導をして、省庁の連携で研究開発から産業化に向かうような出口に向かった動きにしていくというところが1番のポイントだと思います」

山本一太領土問題・科学技術政策担当相の提言:『国際広報戦略担当総理秘書官』
山本領土問題・科学技術政策担当相
「安倍総理にぜひ国際広報戦略担当の首相秘書官を置いていただきたいと思います。政策決定プロセスに影響を与える必要はありませんが、常に政策決定プロセスの場所にいて、何かをやる前に国際広報戦略をしっかり総理にインプットしてもらう人。秘書官がいいと思います。もちろん、民間人がいいと思っています」

北澤宏一 東京都市大学学長の提言:『”若者の未来”から始めたい』
北澤氏
「日本が世界に発信していく時には、若者の未来や人類の未来、あるいは世界の未来。そういうところから始めて世界に対してアピールをしていけるようお願いしたいと思います。日本は尊敬を勝ち得ないと生きていくことができない国ですから、そんなふうにしたいなと思います」