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2014年3月20日(木)
米国防費削減&新戦略 国際情勢への影響は

ゲスト

中山泰秀
衆議院安全保障委員会理事 自由民主党衆議院議員
福山哲郎
参議院外交防衛委員会理事 民主党参議院議員
森本敏
前防衛大臣 拓殖大学特任教授
小原凡司
東京財団研究員・政策プロデューサー

QDR・米新戦略発表 アメリカの意図と背景は
八木キャスター
「QDR(4年ごとの米国防計画見直し)のどこに注目していますか?」
森本氏
「国家財政の赤字が膨大な量になっていて国防費に非常に大きな圧力がかかっているので、国防費を削減するということをやりながら、即効性の高い質的な面で強化された国防力をどうやって維持するかということが1つの大きなテーマですよね。キーポイントは国防予算の削減が、国防計画にどう影響を与えるかということと、それから、今年度末にアフガンに出ている部隊約4万8000人のうち戦闘部隊を引き上げて、これでヘーゲル国防長官が言っているように戦時体制から抜け出す、終わるということなので、そのことを考えると、これまでヨーロッパ、中東湾岸というのを大事にしていたのですが、アジア太平洋に他の地域と比べれば重点を置いて兵力をプレゼンスさせる体制を重視する。それはアメリカの国益がこの地域にあるからですね」
反町キャスター
「特に中国のA2AD(接近阻止・領域拒否)戦略をクローズアップするのは、何か意図的にアピールしたいのか?狙いは何ですか?」
森本氏
「中国がどのように国防戦略を展開しようとしているか、必ずしもまだアメリカは見極められていないと思うんです、思うのですが、これまで中国がやってきた国防体制の現象として見ると明らかに世界の5つのドメイン、陸、海、空、宇宙、サイバー、このうちの海洋の中に出てきて、領域を広げようとしている、いわゆる拡張主義がアメリカの国益を将来損なうかもしれない。3年前に中国はアメリカに次ぐ第2の経済大国、このままいくと2020年にGDPが追いつく、2030年には軍事費まで追いつくという状況になりつつあるわけですから、将来のことを考えるとQDRというのは今日のことではなく、現在からアメリカが国防計画をどのように進めるかという指針と方針を示すわけです。これは将来、何を念頭にアメリカが国防計画をつくり、国防体制を維持するかということをグローバルに、国内に見せるということです。当面中国が海洋に出てきてアメリカの国益や同盟国に不協を与えるのであれば、それに向き合わなければいけない。そこに予算と体制の重点を充てるんですということを内外に示そうとしている」
反町キャスター
「そもそもA2ADとはどういうものなのですか?」
森本氏
「A2ADがどういうことかと言いますと、第一列島線の内側を、他の国がこの中に直接入りこんで中国に影響を与えるようなことにしないようにするということです。中国から見て、たとえば、日本やアメリカがこの第一列島線の中に入り込んで、中国に圧力をかけるというようなことを拒否できるような体制をとるということですね。それはコンボを動かして、入ってきたら必ず妨害する。それはEP3の事件だとか、これまでいろいろなものがありましたから。つまり、自由にこの中で活動できることを拒否できるような体制をとるということが第一列島線の中の目標です。まだこれが完成していないと思います。そのあと第二列島線の中を、これは外国の勢力が入ってきてもいいのですが、自由にこの中で活動することに対して、中国はいつでも意思があればこれを阻害する、つまり、邪魔をすることができるような海域にするということです。と言うことは、結論を先に言ってしまうといけないけれど、日本はこの第一列島線と第二列島線の間が国の生命線ですから、従って、ここの中における日米の軍事力が中国との関係においてバランスをどうやったら優位にできるかということが、これから2020年、2030年に向けた日米の戦略法の目標となりますよね」
中山議員
「過去の歴史を見ましても、アメリカというのはウォープランオレンジという、いわゆるセオドア・ルーズベルトの時代に第二次世界大戦を想定していたわけですよね。要するに、戦争計画ということ。あの時は世界中の国々を地図で色をつけ、たまたまオレンジに塗った日本との戦争をウォープランオレンジ。第二次世界大戦終結の時にはウォープランレインボーと変化していたわけですが、そういう戦略に長けた国というのがアメリカである。太平洋地域に先生のお言葉を借りれば、アメリカにとっての国益が存在しているということをアメリカが今回のQDRで非常に重点的に表しているということに関しては、将来のそれこそ米中の対立の激化ということを念頭に置いているというように思います。その中で日本が日米安全保障条約というものをベースにしながら、中国というものに対してどうやって向き合っていくか。どうも前向きにご審議いただいているようですが、韓国の朴槿惠政権と日本、アメリカの3か国の関係をどうやって充実をさせるか。冷戦構造はベルリンの壁の崩壊で終わったんだという日本の政治家もたくさんいましたし、世界もそう言っていたけれど、僕はそうではないと、深く潜っていただけで、ロシアもよく見てみるとソビエトと変わらないではないか。ですから、頭を冷戦状態から紐解いていくのが大事だと思うのと、韓国はまだヤルタ会談後のままですから、ですから、冷戦状態の生きたシーラカンスみたいなエリアが我が国から飛行機で1時間くらいにあるということ、これに対する平和ボケと危機感というのを我々はよく考えて21世紀の防衛というのをやっていかないといけないと思います」
福山議員
「先ほどのA2ADのお話なのですが、日本語訳を持ってきたんですけれども、これはおもしろいのですがテロからA2ADの能力を有する国家との高度な紛争までという幅の中に実はA2ADを有する国家が書いてあるんです。これはどう見ても中国を念頭に置いてあるので、そこは非常に中国に対するある種の牽制がここには込められているのと、先ほどの第一列島線、第二列島線の森本先生のお話は、私は同意なのですが、非常にザクッと言いますと、アジア太平洋の海域を米中の共同管理ぐらいまでの、自分は主導権を持つんだというくらいの野心があるんだと思いますね、将来的には。そこは日米にとってはノーサンキューですから、そこをどう日米の安保体制の中で、逆に言うと警戒をし、抑止をしていくかということのせめぎ合いをどうするかということではないかなと私自身は考えています」

アメリカの存在感低下 揺れる国際情勢と対応は
八木キャスター
「アメリカが指導力を発揮できていない状況をどう見ていますか?」
森本氏
「中国だとか、ロシアだとか、そういう国が国際秩序とか、国際法に基づく国際の平和などで軍事力を使って、外に影響力を行使しているということについてアメリカは軍事力を使って解決できないだけではなくて実は国連も動かない、従って、これらの国際問題を解決する場というのがなかなかない、アメリカが政治的リーダーシップを発揮する場がなかなか出てこない。辛うじてあるのは現在のところG7だけという、しかし、北朝鮮だとか、G7ではどうにもならない、中国もどうにもならない、イランだってG7でやっているわけではない。つまり、そういう問題を解決する枠組みの中で、アメリカがリーダーシップを取れるような状態にないということだと思うんですね。それから、もう1つは、国際社会の中で、同盟国が本当にアメリカと全ての面で価値観を共有して、かつての冷戦時代のように西側が一致団結してということになかなかならないということもアメリカにとっての大きな問題を解決する時になかなかアメリカ側に全員が無条件で立ってくれるという状態になっていない。そういうことがアメリカのリーダーシップをずっと後退させているということではないかと思います」

揺れるウクライナ問題 今後アメリカはどう対応
八木キャスター
「ウクライナの問題で、オバマ大統領はロシアに圧力をかける方針を示したけれども、軍事的な解決の可能性は否定しています」
森本氏
「それは明らかにアメリカの世論はそういう感じで、議会もおそらく軍事介入というものは、承認しないし、できない。アメリカは大統領が戦争権限法で、自分で判断ができるのですが、それは決して世論と議会の支持が得られないということは予めわかっていると思います。それをロシアに読まれているんですよね。現在アメリカの大統領が仮に軍事的介入というオプションを我々は留保したいということをきちっと言うことができたとして、どれだけの同盟国がアメリカのポジションをサポートするかですね。むしろ、我々は今回の問題は軍事力で解決すべきではないと、同盟国から異論が出てくるようなことになって孤立してしまうのではないかと思うんですね。それはアメリカにとって得策ならずと、初めからそう考えているのではないでしょうか」
八木キャスター
「なぜそうなってしまうのですか?」
森本氏
「私はシリアがあると思います。シリアの時にイギリス議会で拒否された、つまり、ずっとイラク戦争からアフガン戦争、シリア情勢、全てが引きずって、軍事力によって問題を解決するという時代はもう終わったと。アメリカが現在のオバマ政権の時の話ですけれども、そういう基本的なスタンスを同盟国はそれを現実の問題として受け止めている。とにかく何としても皆でロシアの国際法違反にきちっと厳しく対応して制裁しよう。しかし、軍事力のオプションというのは最後までとらないと。冷戦時代と違って現在のロシアの経済というのは皆先進国との間にガチッと組み込まれてしまっているわけです。だから、ロシアもすごく困ると思うんです。自分はクリミアに財政を負担しないといけない、現在ロシア人はすごくプーチン氏の支持率が高く、皆賛成していますけれども、やがて時間が経てば西側から制裁を受け、国内経済はもう既に30%近く株価が落ちていますけれども、エネルギーを買ってくれる国もない、財政は厳しくなる。たったクリミアの220万人を助けるためにこんな目に遭うのかと。時間が経てばプーチン氏だって非常に厳しい状態に置かれると思います」

米新戦略&国防費削減 中国はどう読み、どう動く
八木キャスター
「A2AD戦略を中国はどう受け止めているのでしょうか?」
小原氏
「私は中国から帰ってきたばかりなのですが、向こうで退役海軍の軍人ですとか、もう少し政府寄りの方達と話をしていてもQDRに対する批判はほとんど聞かないですね。アメリカの国防総省もHP等で発言を公開していますが、今回のQDRで中心なのはイランと北朝鮮であって、中国については不透明性から、その意図について懸念を示している。ただ、具体的に中国に対して何かをするというよりは、アメリカの戦略としてはロシアや中国とは戦略的な安定を維持するということなので、こういった文章から中国は必ずしもQDRは中国に対してこれまで以上に敵対的だとは感じていないと。ただ、中国が現在それ以上に気にしているのが日米ガイドラインの見直しだろうと」
反町キャスター
「QDRの狙いが中国に伝わっていると見ていいのですか?」
森本氏
「伝わっているというか、これはもともと2012年1月にアメリカの国防戦略方針が出たので、それを具体的に焼き直しただけなので、中国は別に目新しいことではないんです。そんなにサプライズではないんです。当然のこととして受け止めていると思います。しかも、そんなに中国を敵視し、中国はロシアに代わる敵だなんて一言も書いてないですから。中国は現在の米中が新しい大国関係に入ったことに非常に自信をもっていますので、きちっと向かい合えると。自分達の国防力も今年(国防費)12.2%と確実に近代化が進んでいる。いずれは追いつく。現在アメリカの4分の1くらいだけれど。だから、中国はQDRそのものをそんなに気にしていないんだけれども、アメリカの同盟国が一緒に支えてこの地域全体で中国を封じ込めるような体制をとるというのであれば、それは許さないぞと。だから、日米防衛協定のガイドラインの中で、日本がアメリカとどういう同盟協力をしていくのかということを非常に気にしている。海洋に出てこようとしている中国を日米で封じ込めるというつもりだろうということだと思いますね」

中国の軍事力増強 その戦略と今後
小原氏
「ここ数年中国は海軍に重点を置いています。この表れの1つが中国空軍の不満という形で中国国内でも表れているというふうにも言われていますし、実際に中国の方々はこれに対処する措置もとっています。ただ、今回おもしろいのは全人代のぶら下がり等で、空軍の代表が非常に元気が良かった。空軍の存在をアピールするようなことを言っている。これはこれまで海軍ばかりが目立っていて、予算が回ってこなかったことに対して空軍の存在をアピールするということと、次の予算では何らかの配慮がされているのではないか。ですから、今年元気が良かったのは海軍と空軍、特に空軍が目立ったというような状態ですので、そういう意味では中国としても非常に大きな予算ではありますが、それでもやはり限界はありますので、自分がやりたいことがすべてできるわけではない、その中でも空軍に配慮をしていかなければならないということなんだろうと思います」
反町キャスター
「まずは海軍力の整備だというのが、中国の基本的方針としてあるわけですよね?その中で空軍に軸を移しつつあるということですか?当面は海軍だということは全軍的な理解を得られているということですか?」
小原氏
「全軍的な理解というのはなかなか難しいだろうと。各国とも陸海空軍それぞれせめぎ合いはありますので。ただし、現在の中国が目指すべきものは海軍の増強であるということに間違いはない」
反町キャスター
「中国が日米のガイドライン協議、日本の集団的自衛権の議論に対して非常に敏感に反応しているのは?」
小原氏
「アメリカのプレゼンスが下がってきているという、全体の流れというのは中国も聞いて知っている。ただ、QDRを見る限りでは日本における海軍力の増強を含むということはちゃんと謳われているので、中国としては、そんなにドラスティックな変化はないだろうというふうに見ていると思います。ただ、日本がアメリカとの協力を進めるといううえでどういった内容の協力を進めるのかということは非常に彼らは気にしている。中国側でよく言われるのは、日中関係はすなわち米中関係だと。日本との関係はすなわちアメリカとの関係になるんだという言い方なのですが、アメリカとは絶対に調和できることはないともよく言います。ただ、日本とは協力はできると。そういうことをよく言うのですが、そういう中で日本がさらにアメリカに寄ってアメリカと協力を進めると中国に対する軍事力がさらに高まるということはおそれていると思います」

どう見る何が課題 安倍政権の外交・安保
反町キャスター
「安倍総理の発言として、集団的自衛権について期限ありきではないというのが、これまでより突っ込んだことかなと思いますが」
福山議員
「これは私が国会で総理とやっていますね。ほぼ今日の私とのやりとりと同じ答弁だったのですが、非常に慎重に答弁されているという感じで、1つ気になったのは集団的自衛権等とおっしゃったんです。これは少しポイントで、現在の議論をしている中で、集団的自衛権の憲法を解釈する以外の、おそらく領域警備など、マイナー自衛権の議論等なんだと思いますが、そういった問題が含まれるよということは、僕は暗に示されたのではないかなと、非常に慎重な答弁だったなと、会見だったなというふうに感じました」
中山議員
「キーワードは、昨年から安倍政権というのはスピード感に関しては国際的な評価を得ていると思うんです。しかし、同時に安倍政権がハンドルを握る日本国内、国民に対しては多少国民の方々、自民党支持層であっても、スピード感に満ちあふれて、逆に丁寧さが足りないのではないかという指摘がある。特に友党であります公明党。この関係を考えたら、福山先生がご指摘になられた、そういう解釈プラス法律、現在公明党の北川さんがずっとおっしゃっておられました。ああいった形での対応というのも当然まな板の上にしっかり乗せて、協議の対象にするぞということを表してらっしゃったのではないかと思いますので、安倍総理の真摯な対応というのが見てとれるなというふうに思いました」

東アジア安定のカギは あるべき日本の安保戦略
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安倍首相(3月18日 衆議院本会議)
韓国は基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国
諸般の事情が許せば、核安全保障サミットに出席し
未来志向の関係構築に向けて引き続き尽力する
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八木キャスター
「来週の核安全保障サミットで、日米韓3か国の首脳会談の実現は?」
中山議員
「報道でも見られているように、かなり濃密な議論が行われ、それで成功すると思います」
八木キャスター
「それが2国間の日韓の首脳会議につながる可能性というのは?」
中山議員
「期待しています。いつ上げた拳をお互い下ろすのかというのも当然大事ですし、そこにアメリカが仲介をしてくれるような立場でいてくださるというのはいいですし、同時に3か国共通の、言うならば利益というか、危機対応というのがウクライナも含めて迫られていると思いますので、当然のことではないかというふうに思いますのと同時に、対北朝鮮という北東アジア地域の大きな問題もあるし、中国が北朝鮮をなぜある意味政治的に放置しているか、北朝鮮の孤立を望んでいるかというのはいろいろ中国は武力というものをさほどアメリカは警戒していないと。いろいろな意見を聞かせていただいている中で、いざとなれば北朝鮮を使ってミサイルが撃てるわけです。そういう間接的に北朝鮮を軍事的活用、利活用するという可能性は、中国は常に考えているということだと思いますので、そういう意味では3か国の米日韓というこの会談は大きな意味を持つだろうというふうに思います」
八木キャスター
「中国は、オバマさんの歴訪というのをどう見ているのでしょうか?」
小原氏
「これまで韓国側から中国へのアプローチというのが非常に強かったんですね。2000年代の特に前半は中国の方が特に躊躇をして引いていた感じ、特に軍事関係では人民解放軍は韓国との交流というのはあまり積極ではなかったのが、最近になって歴史問題、歴史認識問題等に関して中韓の協力が有効だということに気がついてきた。ただし、韓国が必ずしも中国一辺倒になるということはもちろん信じてないわけで、アメリカとの関係があるわけですから、アメリカとの関係において日中の協力というのは昨年4月から議論を始めるというので、オバマ大統領と合意したという電話会談から協調的なアプローチを試みたわけですが、オバマ大統領から話の中で、考えの違い、あるいは戦略の違いというものが明らかになってきた。これまでのアプローチで米中で安全保障関係をつくっていくのは難しいということで、最近はアメリカに対してどちらかというと強行的な態度をとる、危機を示すことによってアメリカを対話に引き込む。アメリカを使い日本をコントロールしたいというのが中国の現在の考えですから、今回中国を訪問しない事態が中国にとって予期していなかったことではないと思います。日韓が完全に離れるとは考えていないと思いますが、だからと言って、韓国が中国からまったく離れるということも考えていない。既に韓国に対して経済的恩恵を与えているという話をよく聞きます。中国は韓国との関係に自信を持っているんだろうと」

森本敏 前防衛大臣の提言:『同盟強化の方針・目標を明確に』
森本氏
「私はとにかくロシアや中国に向かい合う、あるいはこれからのいろんなリスクに対応するために、日本は日米同盟を強化しないといけないのですが、しかし、どういう方法で、どこまで日米協力を進めるかというのは日本が決めることですから、日本の将来にかかっている問題なので、それをできるだけはやく日本の国内世論をまとめ、国としての方針を定めるということが日本にとっても日米同盟にとっても一番大事で、それが現在迫られていると思います」

小原凡司 東京財団研究員・政策プロデューサーの提言:『アジアの安定に貢献せよ』
小原氏
「日米同盟の強化ということに関しては全く賛成です。同盟国側ではアメリカのために何をするべきかということですが、現在アメリカの軍事費の削減ですとか、このQDRの中で述べられている内容から明らかなのは、アジアにおける安定を日本が自ら壊してはいけないということですし、まず日韓関係、日中関係を安定させることがアメリカの余分な兵力、あるいは注力をなくすことになる。アメリカの負担を減らすことになる。一方で、安定させるということは、たとえば、仲良くすることだけではないわけですし、そのためには自衛隊をどのように使うのかといった議論も必要になってくる。自衛隊を使うためには、新しい話題になるような装備面だけではなく、まだまだ解決しなければならない問題があると思います」

国際情勢と日本の防衛について 聞きたい事、言いたい事
反町キャスター
「視聴者からの質問です。『国防費を増大させられない事情は日本もどこの国も同じだと思いますし、武力で複雑な利害関係を解決できるなどとはもはや思えないのですが、日本においては国家安全保障会議というのがありますけれども、そういう場面ではどのような議論がされているのでしょうか?』とのことですが」
森本氏
「私は、今回のロシアの行動は明らかに国連憲章大2条4項の重大違反で、これをそのまま見逃すと、既にグルジア情勢でも沿ドニエストルでも同様のことが起きていて、これは国際秩序のそのものが崩壊しかねないような重大な問題なので、これは米欧諸国と一致して厳しく断固とした対応をとらないと日本の立ち位置が成り立たないと思いますよ」
八木キャスター
「現在の状況では断固としたというのはどういうものですか?」
森本氏
「日本独自のものですが、来週、核サミットに行かれてG7の非公式の首脳会議に入られ、もう少し厳しい制裁を皆でかけようということを総理自らイニシアチブをとっておやりになることが必要だと思います」
反町キャスター
「中国はロシアのクリミア編入をどう見ていますか?力による現状変更を国際社会として容認したと受け止めますか?」
小原氏
「それを中国が恐れている。台湾の問題もありますし、新疆の問題もある。こういったところがもし独立した時に他の国が支援して、他の国が編入するということなどはまったく許せない。あるいは、中国にしてみれば、尖閣問題もあるではないかと。中国がロシアを認めてしまったら、日本の行為を認めてしまうことになる。日本が現状を変えたと常に言うわけです。ですから、曖昧な態度をとっています。明らかな支持はできないということだと思います」