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2014年3月18日(火)
本日公表 公示地価 日本の土地政策を問う

ゲスト

金子一義
元国土交通大臣 自由民主党住宅土地・都市政策調査会長 衆議院議員
井出武
東京カンテイ市場調査部主任研究員
本郷尚
税理士 税理士法人タクトコンサルティング代表社員

きょう公表 公示地価 三大都市圏平均で上昇に転換
八木キャスター
「地価が上昇傾向にあるのはどうしてなのでしょうか?」
井出氏
「最初にあげなければならないのは、アベノミクス効果ではないかと思います。もちろん、アベノミクス効果だけではない部分もあるのですが、アベノミクスという看板がバッと上がったあとに、いろいろなことが起こったわけですけど、一番大きかったのは株価が高くなった。それから円が安くなった。この2つで日本の経済状況がある程度良い方向に是正する形に動いたということですね。これが主として高額取得者、富裕層と言いますが、そういう方のマインドを和らげて、不動産投資に向かわせた。あるいは、実際に不動産を買うというマインドになったということが大きいと思います」
八木キャスター
「関西地区も上がってきている?」
井出氏
「そうですね。関西地区でも、たとえば、京都は結構な上昇率になっていますし、大阪府についてもほんのわずかなマイナスなんですね。ですから、事実上横ばいという形と言ってもいいのかなというレンジになってきたということは、トレンドとしては底を打って、そこから上がっていくというふうな状況にあるというように理解できるのではないかなと思います」
本郷氏
「現在の株高円安ですね。円高になるとドルが安くなって、だから外資が買ったんですね。高額物件に外資が手を出して。特に東京のマンションはあっという間に外資が買い上げるわけですよね。3割引で買えるわけですから。そうするとどんどん売れますから、どんどん買う。忘れてはいけないのは、別にアベノミクスではないですけれど、消費税の増税、それから、あとで出ますけれど、相続税の増税が確定しています。資産家が動いたわけですね。消費税の駆け込み需要が非常に強く出たわけです」
反町キャスター
「円安効果によって海外の人が買いにきているとういことですが、それによって不動産市場に変化が起きているのですか?」
井出氏
「これは少し前の話、昨年の夏くらいのことだと思うんですけど、シンガポールから始まったと思うのですが、日本のディベロッパーが海外にいわゆるセミナーをやりに出たんですね。日本にはこういうお買い得な物件があります、アべノミクスによって円安が進みましたと。ですから、最近高かった80円台に比べると、現在110円とかに近づいていますから、先ほど本郷先生が言った通りで、3割程度の差が出ていますが、どうですかということで非常に盛況だったんです。いろいろなディベロッパーがそういうことをやったことで、日本を買いましょうと言ったらいろいろな意味がありますけれど、安倍さん自身もバイ・マイアベノミクスと発言されていますね。日本の不動産に限らずいろいろなものを円安という現在の状況で購入したらいかがでしょうかということを、まさに官民揃ってやったというようなこと、これが功を奏したと」
八木キャスター
「これは政府として目指しているところのなのでしょうか?」
金子議員
「今お話の海外からの投資という部分は相当あるんだろうと思いますが、一方、安倍政権によって行われた政策、特に金融政策で、今年と昨年、市場に対する金融資金量を倍にするという金融の緩和の状況が1つありましたね。もう1つは、円安によって輸出産業が伸びると。株価は今日、輸出業、生産業が伸びました。そういう意味で収益の期待値というのは上がったという国内の面も相当あると思うんです。ですからJ-REITに資金が流れているなと。J-REITというのは単なる投機ではなくて、有効利用をされて初めてJ-REITが成り立ちますから。ですから、今度の三大都市圏中心に上がったというのは、土地が投機目的よりも有効利用されるという意味で、三大都市圏が中心になって上がってきているという解釈を私はしています」

資産デフレは止まったか
反町キャスター
「バブルではないかという懸念がデフレ脱却する前から出ている。ここの部分については?」
金子議員
「住宅都市調査会で大阪の北ヤードを調査に行きました。あの時のマンションの売れ具合、状況を見ると、相当投機の部分があるなということは感じています。ただ、それが現在全部そうかという話とは違うんだろうと。現に実際の事務所、東京のオフィスビル空室率が下がっていますよね。これは需要があるから空室率が上がらなくなってきている。実際、実需というのがそれなりに伴っていると。本流を我々としては進めていきたい」

井出氏の全国地価分析
八木キャスター
「地価の分析を行っているということですが」
井出氏
「中古マンションの価格が上がった、下がったというのを分析して、それを天気マークで落とし込んでいるんですね。要するに、晴れだと上がっている。雨になると、ちょっと下がって株が落ちているというような動向を一目でわかるように。中古マンションというのは実は非常に地価との連動性が高いんですね。と言うのは、新築マンションはちょっと言葉が悪いかもしれませんが、ディベロッパーの儲けの部分が価格に乗せられていたりしますが、中古というのは基本的に個人間売買ですので、言い値とそれに応諾した方の握手で決まるということで、ほとんど需給バランスだけで決まるということで、非常に地価の動きに敏感になるんですね」
八木キャスター
「国交省が公表した公示地価と違うところはありますか?」
井出氏
「たとえば、まず高知とか、宮崎とか、こう言ったところ、あと北海道ですね。それから、山口県、それと九州の南の方の、熊本、宮崎、このへんが晴れマークになっています。公示はどちらかと言うとマイナス傾向ですが、実際中古マンションの価格の動きは上がっているんですね。なぜこういうズレが出るかということなのですが、実は中古のマンションの平均価格というのを出すわけですけれども、そうなると、いろいろな動きがあります。1つは、比較的古いマンションと新しいマンションが一緒に市場にある場合、新しいマンションの人気が上がることがあるんです。要は、築浅と私どもは呼んでいますが、築浅のマンションというのは、たとえば、耐震基準が高かったり、設備が最新型だったりということで非常にもともと人気があるのですが、そういうマンションが潤沢にあるようなエリアですと、そこを探して新築と天秤にかけて、こちらの方が安いから中古でいいやということで買っている方も結構いらっしゃる。そういう消費行動になる場合もあります。それから、もう1つのパターンとしては、これは富山でこういう動きがあるんですけれども、ここは都市の中心部に需要が集中し、そこの物件が動いていると。ですから、周辺部がほとんどなくなってしまって、主に富山市のみで動いていて、そういうふうになりますと、中心部はそれなりに周辺部と比べるとそれなりに高いですから、高い方向に収斂していくというふうな動きで、晴れというか、価格が上昇するというような動きになります」
反町キャスター
「郊外の地価が下がる、中心部の地価が上がるというのがはっきりしていると、県全体の公示地価の価格は下がっているかもしれないけれど、マンション価格は上がるという状況になっているのですか?」
井出氏
「いろいろな県で中心部が上がっているところが多いんですね。宮城県は震災の復興需要が特需的な動きをして上がっていますが、青葉区の動きが一番大きくなっている。青葉区は、仙台の中心地ですね。それから、茨城県については水戸が県庁所在地ですが、水戸ではなくて筑波の上昇、そこへの需要の集中、あるいは、そこの上昇というのが見られて、それが牽引していると。これは地価公示でもそのような結果になっていますので、連動性が高いなという印象を持ちますね。ですから、そういう二面性というのもどうしても指摘せざるを得ない部分があって、中心部は上がっているのですが、その外周部、あるいは、郊外部には及んでいないというところがあります。ですから、これがアベノミクスの進行状況の表れというふうに、ちょっと辛口かもしれませんが、言うことができるかもしれません。だから、これが郊外まで達した時にアベノミクスは相当な成果が出たというふうに不動産セクターに関しては評価してもいいというふうになると思います」
八木キャスター
「郊外に広がるというのはいつぐらいに見ていますか?」
井出氏
「今年、私自身は郊外に結構出てくるのではないかと思います。ちょっと先ほどお話しましたけれど、昨年はかなり富裕層の方が動いて、それがかなり上昇につながったという面がありました。富裕層だけが動いているマーケットですと、いつかは息切れしてしまうマーケットになるんです。そうなると、それを郊外に広げていって、もうちょっと所得の低い層にリーチするような物件の供給も必要となってきます。これが今年できるか、できないか。消費税がまもなく8%に上がりますが、それ以降にできるかというところも非常に大きなポイントだなと私自身注目しています」

相続税増税の影響は
八木キャスター
「大相続時代を迎えます。来年1月から相続税が改正されます。事実上の増税となります。どのように改正されるのですか?」
本郷氏
「もうマスコミで大騒ぎしていると思いますけれど、相続税の基礎控除は5000万円が3000万円に、相続人1人につき2000万円が600万円に、要するに4割カットということで、こういう数字になるわけです。これはもう民主党の時代から3党合意で決まっていたわけですから、これはアベノミクスではないのですが、富裕層がマンションを買っているんです、相続税対策で。かなり高額物件を買っている。マンションが相続税対象になるんですね。要するに、マンションというのは土地が小さいんです。建物比率が圧倒的に高いですから、相続税は。たとえば、5000万円のマンションを買っても土地が小さいですから、建物が大きいですから評価額がだいたい3~4割くらいの評価になってしまう。現金で持っているよりもマンションの方が3~4割くらいですから、だいたい6割くらい消えてしまうということで、相続税対策で買っているというのは多いんですね。4000万円だって40万円かかる、5000万円でも160万円、6000万円だったら310万円。と言うことで、マスコミでも大騒ぎしていると。ただし、今回の税制改正で自民党になった時に、そうは言ってもそんなに税制がきつかったら大変だということで、自宅の土地については住んでいることを前提に奥様にはあまり相続税かからないんですけれど、住んでいる土地については240平方メートル、今年はですよ。240平方メートルにつき80%評価を下げますと。あるいは来年からは基礎控除が下がる時に合わせて330平方メートル、つまり、100坪については8割下げますという、2割でいいですということになっていますので、自宅には相続税はかからないと。それに合わせて実はもう住宅メーカーが住宅展示場に行くとわかると思うのですが、全部二世帯住宅で展示ができています。同居して相続すれば、土地については相続税がかからないというわけではないけど、80%評価が下がりますよとか、二世帯住宅、あるいは賃貸併用住宅をつくりませんかというアピールで相当な受注を住宅メーカーがとったと思うんです」
反町キャスター
「生前贈与の話もありますが、節税ができるシステムですが、そこまでやらなくても、現在の話だと機能するのではないのですか?」
本郷氏
「それ以外にも住宅政策としてはもともと住宅敷金贈与といって、ここ3年間で1500万円、1200万円、1000万円と少しずつ下がりましたが、子供が、あるいは孫が住宅を建てることについては親が贈与しても増税課税しませんよという政策もあります。それから、麻生さんの肝いりで、教育資金贈与で孫やひ孫に出していいですよとか、つまり、親世代から子世代、孫世代に早く資金を贈与してもいいですと。相続税は重くしたけれど、贈与税は軽くしますよと、それで景気対策にもなるからどうぞということで、かなりそういうメニューを増やしたということは事実です」
反町キャスター
「相続税を引き上げる、生前贈与の税を引き下げるということで、土地の動きは活発化している?」
本郷氏
「そうですね。土地というか、その活用とか、建物を建てるとか、それは現実としてはかなりある」
井出氏
「これも信託銀行さんが中心になって、そういう勉強会、セミナー系のイベントを開いて、そういう資産をお持ちの方に、こういうふうな状況になっていますので、こういう策をとられたらいかがですかというのを懇切丁寧に解説して、それに誘導するというようなことをやっていますので、そういうことで、これはすぐにやらなければいけないという認識を持った方は物件を買うという動きにつながっているということになっていますね」

消費税増税の影響は
八木キャスター
「消費税の増税が4月以降の不動産景気に、どのように影響すると見ていますか?」
井出氏
「腰折れとか、ちょっと冷え込むのではないかという心配の声がありまして、全て税金が上がるわけなので、たとえば、日用品とかを買いに行って痛切に感じる中で、では住宅を買おうというマインドがどれだけ高まるかということになるとやっぱりちょっと落ち込んでもしょうがないのかなという気がいたします。ただ、今回の増税に関して言うと、ローン控除の制度を拡充したり、還付金の制度を整えたりといったことで、税率が上がったあとのフォローアップのような政策を厚くとられています。中には5%の時より8%に上がった時に買った方が得だというような一定の所得層もいらっしゃるんです。ですから、そこをうまく使った方が得に買える方もいらっしゃるんです。97年の時は結構な落ち込みを経験していますけれども、そのようなことは起きないのではないかと。比較的、ちょっと冷え込んだ感じがあっても、すぐにまた元に戻ってマンションとかが売れていく環境に戻る。ディベロッパーも出すという計画もあります。そういったことがうまくいけば、いろいろな制度も整っていることもあるし、それがアナウンスされて消費者に伝われば、動くのではないかと思います」
八木キャスター
「一時影響があっても、また上がっていくと思いますか?」
本郷氏
「ロングレンジで見ると、マンションや自宅を買うというのはローンなんです。ローンは20年ローン、30年ローンを組む方もいらっしゃるわけです。そうすると、先ほどの高齢化という問題があるわけです。持ち家比率は、60歳以上の人が80%持っているわけですよ。こういう人達が亡くなると、相続を我々やっていますから、結局現在の30代、40代の人が必ずもらえるんですよ。こういうロングレンジで見ると、長・中・短で見ると、果たして本当に実需はあるのかなといろいろと考えてしまうんですね。私はバブルを経験している人間ですから。そうすると、上がる要素はあまりないんじゃないかなと」
金子議員
「政治にいる立場としては、土地バブルを2度と起こさない。これは1つの大きな政治課題。ですから、先ほどJ-REITに資金が流れていると言っていましたが、J-REITも実需があるからJ-REITが成り立つんです。バブルのようなJ-REITは、一度J-REITが信用を失ったらあっという間に信用がなくなりますから、瓦解します。現在ようやく日銀に買ってもらえるようになりましたけれども、それすらなくなっちゃいます。ですから、J-REITに対して実需のない悪質なものだけはなくしてくれということは金融庁なり国土交通省、所管官庁ですが、そこに我々も要請しています。それからもう1つ、大都市圏、オリンピックを控えて、あるいは名古屋もJRゲートを控えて、大阪も北ヤードを控えて、都市開発はまだまだ進みますよね。特に我々は日本へいらっしゃいということで国際戦略特区というのをこれからつくり上げていって、東京ならば、既に大手町、日本橋、虎ノ門、が議論になっていますよね。大阪も名古屋もきますよ。そういうところというのは、波及効果としての土地の持続性というのが続いていくんだろうと思います。あくまでもそれはバブルではなくて実需を前提としている話だと思います」

今後の日本の住宅政策
八木キャスター
「若い人達の持ち家率が下落傾向にあります」
金子議員
「83年から随分長い間、持ち家率が下がっていますね。随分住宅政策としては、若い人達の新規持ち家に対して、住宅の税制、住宅のローン控除。今度消費税対策として、住宅ローン控除だけではなくて、消費税対策として住まい給付金。あるいは住宅ローンを借りない人も、持ち家を買う場合、お金で家を買う場合に対しても、住まい給付金という対策を講じてきているんですけれど、なかなか上がっていないという現状。それは多様化しているんだと思いますよ。持ち家に必ずしも拘らないで、家を借りるといった世代。昔、年収の5倍で家を買うという1つの尺度がありましたけれど、だんだん収入が上がらない、あるいは下がる中で、つまり、逆に言いますと、デフレの中で年収5倍論で住宅を持つという状況というのが崩れてきている。その結果ではないのだろうかと思います」
反町キャスター
「持ちたくても持てないのか、積極的に持たないのかの受け止めは?」
金子議員
「新築マンションを必ずしも買わなくていいのではないか。と言うのは、わが国はある意味ストック社会になっているんですね。そうすると、高度成長の時は毎年毎年収入を上げてフローで食べていたんだけれども、現在成熟したストック社会になってきましたから、本来だとストック、つまり、貯金ではなくて、家も1つの財産として活かしていけるはずですよ。ところが、現実にはなかなか財産として活かせない市場、つまり、家というものを評価するのに耐用年数評価と言って、20年経つと上モノの資産価値がゼロになってします。耐用年数にあわせて市場価格が連動してしまう。だから、20年経った家というのは市場でも価格はなくなってしまう。家を買っても財産として活用できない。なら借りとけと。敢えて持つ必要はないではないか。もっと問題なのは高齢者が本来貯金だけではなくて、持っている家も、住んでいる家も、資産として売却するか、貸して、新しいところに住むとか、あるいは貸して、年金の足りないところを補うとか。建物評価というものを変えていって、市場価格を耐用年数と切り離して評価できるような仕組みというのを考えてあげたい。現在国交省で検討しています。中古住宅、必ずしも新築住宅でなくていいんです。そういうところで持ち家というのが広がっていける。自分の持っている住宅というのを、貯金と同じように資産として処分できる、こういう社会をつくっていきたい」
井出氏
「若い人の動きの中で重視しなければいけないのは少子化の中で1人の息子さん、あるいは娘さんという一人っ子の場合が結構あって、そうなると、いずれは持ち家である家を、親から子が貰えるというふうに回帰している。だから、家を買わない。ただ、そういう方ばかりではなくて、家を買いたいけれども、給料が追いつかない、あるいは雇用の問題とかもありますね。ですから、そういういったものを解決していかなければいけないということで、私が考えているのが非常に住み替えにくさというのがいろいろなところにあるんです。本当はもうちょっと高く売り買いできる物件なのに、それが非常に安い価格になっているので無理だと諦めちゃう方は大きな機会損失ですよね。たぶん住宅を買おうとしている方にとっても機会損失だし、仲介会社や不動産にとっても機会損失ですから」

高齢化に向けた土地政策
八木キャスター
「郊外の高齢者が郊外の持ち家の土地を売って都心や駅近のマンションに買い替える話が増えていますが、こういう傾向を実際に感じていますか?」
井出氏
「そうですね。郊外というのは、たとえば、大きな病院があっても交通網、バスが1日3本しかないところでお待ちになっている高齢者の方がけっこういらっしゃいますが、駅前では(待つことが)ほとんどないですから、買い物も便利だし、病院にも行けるというところであれば、住む環境としても整っていますので、そういうところに共同住宅、マンションを建てて、住んでいただくという戦略を立てて、供給しているディベロッパーも出てきています」
本郷氏
「たとえば、60代、70代の方はまだ動けるんだと思うんです。それから、自分がマイホームを買った方は自分で選択し、自分で決断していく。地方で農業を営み、土地の中で生きた方におっしゃったようなことを言うのはかなりキツいかなという感じはします。60代、70代ですと、今度は生存対策と我々言うんですけれど、この人が子供に残すというよりは、自分が90歳、100歳まで生きるリスクがあるんですね。楽しみたいという気持ちもあるわけですよ。だから、売却して、組み替えて、資産の運用をして自分はコンパクトなマンションで、しかし、駅前で暮したいと。アクティブに動きたい方が必ずいるんですね。そういう生活を見ると、いいねという人達もいるんです。経済の活性化につながるんです。土地を守って、土地のために生きていこうという価値観は薄くなってきたんです。それでいいんです、そういう生活をして見せればいいんですよ。年金だけではとてもじゃないけれど生きていかれないんです。年金だけで細々と生きても、資産貧乏と言うんですよ。資産だけは持っているけれど、収入がないのですから、これでは楽しくないという人も都心部周辺にいるわけですよね。自分で決断して、自分で動く、地方とはちょっと違うかもしれませんけれどもね」

金子一義 元国土交通大臣の提言:『・中古住宅市場の育成 耐用年数から別れて ・コンパクト・シティの促進』
金子議員
「私は中古住宅市場を活性化しようと。これまで議論ありましたが、住み替えをいかに若い人も高齢所帯もできるようにしていくか。そのために中古住宅の市場の層を厚くしていく必要がある。そのために一番の問題は、ネックになっているのは住宅の評価の問題。これをちょっと『別れ』と書いていますが、耐用年数からの別れ。耐用年数ではなくて、リフォームすれば長く使える、良い住宅は価値があるんだという市場をつくれるようにしていきたい。もう1つは、土地問題というのは地方部ほど厳しい。その地方部に対して機能を集約、中心部に集約していくような、俗に言うコンパクト・シティというのを政治として責任をもってやっていきたいと思っています。」

井出武 東京カンテイ市場調査部主任研究員の提言:『住み替え文化の創造策』
井出氏
「住み替えということになるといろんなパターンがあると思うんです。新築から中古へ、中古から新築へ、あるいは中古から中古へでもいいと思うのですが、そういったいろんなパターンをもっとやりやすくしたいと。住み替えで面倒くさくて逡巡している方とか、さっきの耐用年数の問題でできないというような理由も結構あると思うんですね。そういうのを1つ1つクリアにしていきながらもっと簡単に住み替えができるような金融サポートなり、制度のサポート、税制のサポート、こういうのがあれば、こういった全体の数もアップしますし、業界としても非常にいい方向に向かうと。それが最終的には日本経済を潤すということにつながっていくのかなというふうに思います」

本郷尚 税理士法人タクトコンサルティング代表社員の提言:『高齢者が安心して暮らせる住宅』
本郷氏
「動物が、環境が変化するに応じて、住まいを替えていくわけですね。住まいというか、環境に応じてね。やはり人間も意識を変えなくてはいけないと思うんです。家を守っていくという意識があるんですから、そこからいかに脱却できるか、3人の意見が一致しているんですね。最終的には人間は最後1人になります。その時、高齢者が終の棲家に安心して暮らせる住宅、あるいは環境を整えてほしい。そこにすんなりと入っていかれるような意識を持ってもらいたいなと思います。はっきり言いましょうか、子供の世話にはなれません。ですから、自分1人でそういうところに行けるよう意識を変えていただいた方がいいのではないかと思います」