過去の放送内容
前日 翌日
    【テーマ】
  • 『減原発?首相会見詳報 側近・田坂参与解説』
    【ゲスト】
  • 田坂広志 内閣官房参与
    【解説キャスター】
  • 小林泰一郎 フジテレビ解説委員

「脱原発依存」発言の真相

※菅総理の「脱原発依存」発言要旨(7/13)
・原発は事故のリスクを考えるとこれまでの考え方だけでは律することができない
・原発に依存しない社会を目指すべき
・計画的・段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもやっていける社会を実現させる

 「ある意味では今までと何も変わったことを言ってはいないと思います。と言いますのも“原発に依存しない社会を目指すべき”というのは目標のように見えますが、冷静に考えてみると今もし国内で新規の原発が作られなければ自然に40年の寿命で施設がなくなっていくものですから私の考えでは2050年ごろには原発はなくなり、原発に依存できない社会がやってくると思われます。もちろんここには新増設ができるのではないかという考えも出てきますが、アメリカはあの広い国土で東の片隅で起こった福島より数段規模が小さいスリーマイルの事故が起こっただけで約30年新しく施設を建設することはできませんでした。その現実を考えると、この日本で新増設は簡単にできるものではないと思います。
 もし原子炉の新増設が行われるとした場合、最悪の事態を考えた上で今からエネルギーの計画を立てるべきだと思います。しかし国民の今の心境を考えてみてもそんなに簡単に原発を建てるという方向になるとは少なくとも20年、30年は思えないでしょう。
 原子力発電を今後も続けていきたいという方々の気持ちはわかります。ただ仮に将来日本で原子力発電を健全に発展させていきたいのであれば今一度しっかりと原発に関わる人は襟を正すべきだと思います。例えば規制と推進が一緒の組織にあるのであれば速やかに改めていく、その上で政府が国民の信頼をしっかり取り戻した時に本当の議論が始まるのではないかと思います。信頼が築けないと疑心暗鬼が続き、議論すら起こらない状態が続き感情的な反対運動が起こってしまうのではと考えられます」


原発依存と自然エネルギーの今後

 「田坂さんはこれからどれくらいの時間をかければ日本は原発依存から脱することができると考えていますか?」と質問する島田キャスターに対して田坂内閣官房参与はこう答える。
 「私は今現在“絶対にこちらに行くべきだ”とは申し上げておりません。と言うのはまだ未来が見えていないからです。色んな方々の議論を公平に聞いてみると“自然エネルギーは伸びない”と言う人もいれば“原発は危なくて使うべきではない”と言う人もいる。この両極端の意見の中で“原発の安全性はどこまで安全で、国民が安心できるものにできるのか”という調整がありますし一方で“自然エネルギーについてどれぐらい実用的になるのか”という調整があります。その結果はまだ世界的にも見えていません。この調整をやりながら思いのほか原発が無くてもやっていくことができるのか、それとも原発が安全になったしそろそろ稼働してもいいのではないかという話になるかもしれません」
 「それでは脱原発ではない将来も可能性としてはあるという事でしょうか?」と質問する反町キャスターに田坂内閣官房参与はこう語る。
 「“脱原発依存”という言い方がなぜ出てくるかというと今までの行政が原発に依存するという事をずっと言い続けているからです。その流れの中で、一度原発はなくなってしまっても大丈夫かどうか、チャレンジしてみる所から始めていく必要があるのではないかと思います。そうしないと“原子力があるから自然エネルギーは必要がない”という流れに現在なっているところがありますから、自然エネルギーは発展していくことがありません。そうなりますと未来永劫、国民にとって自然エネルギーがかなり大きなエネルギーになる可能性があったのにもかかわらずその可能性を掴み取ることなく未来の世代に先送りしてしまう可能性があることになります。我々は未来の世代がいろんな可能性を選ぶことができるように、現世代が頑張る必要があると私は思います。

田坂広志 内閣官房参与の提言:『信頼』

 「エネルギー政策の中での原発の問題が今回のテーマでしたが、原発というとよく二つの言葉が使われます。それは“安全”と“安心”です。どちらも大切な言葉ですが実はその奥にもっと大切な言葉あると思うのです。その言葉が“信頼”です。つまりいかに私が“安全で安心です”と言ったところで、その言っている人間や組織に信頼がなければ国民は納得しません。したがって今私は残念ながら損なわれてしまった原子力行政や原子力の事業者に対する信頼を根本から作り直すことがまず全てのスタートなのではないかと思います。是非原子力に思いをもっている方々は考えて頂きたいです」
 「確かに今まで“安全 安心”と言われて、割と何も考えずに国民は信頼していた部分も少なからずあると思います。しかし今回のことで色々と明らかになりました。例えば組織は信頼を失ってしまったからなんとか立て直そうとする。しかし菅内閣は国民の信頼をまだもっているのか、この点についてどう考えていますか?」と質問する島田キャスターに田坂内閣官房参与がこう答える。
 「これは支持率という数字に出てきておりますし、厳粛に受け止めるべきだと思います。やはり国民とのコミュニケーションが大切でどんな考えをもっているかをもっと話していく必要があるのではないかと思います」

首相のブレーン 田坂内閣官房参与に言いたい・聞きたい

 「視聴者から“田坂さんは自身の使命は国民の生の声を官邸に届けることだと言っていましたが、昨今の菅総理の発言はあまりにも国民の意見と乖離していると思いませんか?”と質問が来ていますが、この件についてどう思いますか?」と視聴者の質問を読み上げる島田キャスターに田坂内閣官房参与がこう答える。
 「この視聴者の方も乖離していると感じているわけですから、私はそれに対して否定する立場にはありません。やはり多くの国民が疑問を感じているわけですからこそ支持率として形になっているのだと思います。私は内閣として国民とのコミュニケーションが不足していると思います。私自身の力で申し上げられることは限られています。それでも私は原子力に関しては可能な限り国民の声を伝えていこうと思っています」
 「続いて“菅政権は続くと思いますか?もしくは菅総理が辞めた場合、菅総理がエネルギー政策を引き継いでいくのでしょうか?”と質問が来ていますがどう考えていますか」と視聴者の声を読み上げる島田キャスターに田坂内閣官房参与がこう答える。
 「エネルギー政策の引き継ぎについては、これは国民が決めることだと思います。菅総理が残そうとした政策が、国民が改めて考えた時に“やっぱりなにかの気の迷いだったのか”と思われてしまうのか、それとも“結構面白く、大切なことをやろうとしたのではないか”と思われるのかの分かれ道だと思います。この手の話は国民の世論の話だと私は思います」



前日 年間の一覧に戻る 翌日