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    【テーマ】
  • 『どうなる地方分権② 道州制が地方を救う?
    増田元総務相&橋下知事参謀が語る地方主権』
    【ゲスト】
  • 増田寛也 野村総合研究所顧問
  • 上山信一 慶應義塾大学教授 大阪府特別顧問
    【ブレーンキャスター】
  • 河合雅司 産経新聞社論説委員長
    【編集長】
  • 若松誠 解説委員長

昨今の地方分権

 増田氏は、今の地方分権論について次のように語った。
「今までの選挙でもありましたが、選挙にスポーツ選手などの人気者を候補者にあげてきましたが、それと同じじゃないですかね?今、橋下知事や東国原知事などの人気者にすがっていると思いますね。だから地方分権の声は広がっていますが、中身は大した事ないという印象ですね」
さらに地方分権は手段と言い。さらにこう続けた。
「地方分権になれば、皆バラ色になるわけではありません。夕張市みたいに、どん底まで落ちる可能性もあるんです。だからここは、注意する必要があります」

国の規制と地方の実情

 増田氏は、「(国は)金を出すから口も出すという文化が一つなんですね。二つ目は、保育所は戦後、未亡人となった方が、戦後の混乱期にお子さんを働きながら育てるというのが大変ということで始まった制度。だから当時は必要だった。しかし徐々に待機児童が増えてきた。待機児童を減らすか、育児環境を取るかの判断は(今は)自治体に任せるべきです。しかし国が地方に対する“信用の欠如”が根本なんです」と、保育所の制度の始まりと現状について説明した。そして、こう続けた。
「地方自治体は、待機児童を無くすために一生懸命がんばっています。今更、お子さんを劣悪な環境に押し込めようと思う知事や市長はいないと思います。もし、おかしな基準に合わせることがあったら選挙で落とせばいいだけですからね」

全国統一基準は、役所は避けられない?

 反町キャスターは、元運輸省出身の上山教授に役所の体質を質問した。
「何か事故があった場合、“国の責任は?”とマスコミに叩かれるのを避けるために厳しい基準を作れと言われます。あと既得権益がありまして、難しい基準を作ると“基準に合った工事をするのが上手い”業者が出来てしまって、その人たちの仕事をキープするために基準を維持するというのもありますね。  最後に組織防衛ですね。予算と法律が霞ヶ関の命ですから、この2つが出来る人は出世しますね。役人がいなくならない限り、こういう問題は消えないと思いますよ」

上山信一が見る道州制

 「今までの道州制の議論は、行政サービスの効率化という点だったと思うんです。つまり“節約のため”の道州制ですね。あと市町村合併のような感じで都道府県を合併させて行政の効率化を図るという議論だったんです。しかしこれは役所の考える道州制で、私が思うにもっと地ベタに根ざした道州制を考えなくてはならない。つまり観光や商業がどう変わるのか? 海外からの投資、人口の変動など(経済的側面から)道州制を考えるべきですね。私は道州制は“儲かる”と思うんです」とし、EUを例に挙げて説明した。
「EU統合は通貨まで一緒にしてしまったことで加盟各国は、都道府県のような感じになった。そしてEUが世界でも存在感を示すようになった。これと同じことを日本も考える時期だと思います」

関西がEUに似ている?

 上山教授は関西がEUに似ているとし、下記の表を使って説明した。



ヨーロッパ主要国の位置づけ特徴と関西地方の都道府県に当てはめた。
・経済の中心:ドイツ=大阪
・文化の中心:フランス=京都
・イベリア半島:スペイン=和歌山(紀伊半島)
・長靴の形:イタリア=三重(バチカン=伊勢市)
・海がない:スイス=奈良県
・モダンな港:イギリス=兵庫(神戸)
・フランスの隣で文化も似ている:ベルギー=滋賀
・男女平等で豊か:スカンジラビア=福井(県民満足度1位)
ここで州都の問題を挙げた。
「問題は経済の中心・大阪と文化の中心・京都の仲が悪いので州都は滋賀県大津市(ブリュッセル)としたほうが良いですね」と、独自の考えを語った。

道州制の経済効果

 反町キャスターは、上山教授の『儲かる』という発言から経済効果ついて質問した。



上山教授は上記の表を出して、説明した。
・関西空港は赤字だが、伊丹空港は黒字だから収益を足せば自立できる
・関西の主要の港を統合すれば、一体経営が出来て効率がいい
・琵琶湖から流れる淀川を綺麗にできる
などの例を挙げ、今までの国の“縦割り行政”から“横割り行政”への切り替えを提言した。

地方議員の道州制への意識

 増田氏は地方議員の道州制への意識について「地方分権・道州制の話は行政権だけではない。司法は国が一本化すべきですが、立法と行政は地方におく。現状ですが、知事や市長が国と戦っているという話は聞きますが地方議員が戦っているという話は聞いたことないですよね? だから立法をキチンと地方に置いて、国会の機能を地方議会がやるという考えがまだまだないですね。だから地方分権・道州制を成功させるには地方議員や党の県連などが意識を高めることが今は重要だと思いますね」と語った。
この発言に反町キャスターは、現状の県議会議員が州議会議員になることで職を失い、これに反発するのではと、質問した。
「市町村合併でも同じことは起きています。むしろ県議会議員が州議会議員になるのではなく国会議員が州議会議員になったほうが良いと思いますね。しかし、国会議員が州議会議員になることを“格下げ”と思っているみたいでこの考えも改める必要があると思いますね」と驚きの考えを示した。

道州制への有権者の意識

 増田氏は次に有権者の意識について語った。
「今までは、国会議員を通じの政治参加しかなかった。しかし地方分権になると市や県単位での政治参加が可能になるので、住民も物事をしっかり考えるようになる。これが現実的にならなえれば、意識は変わらないと思いますね」

上山信一が見る「国と地方の協議機関設置の法制化」

 上山教授は『国と地方の協議機関設置の法制化』について次のように語る。
「これは車で言えば“両輪になった”というところでしょうか。今までは、自民党や地方分権推進委員会、霞ヶ関などは東京で国の関係者が議論しているんです。地方の関係者は、横から口を出すくらいしか出来なかった。三位一体のときのように若干の交渉が出来るけども、最後は国の案が通ってしまう。これは、拒否権を通じて“意思表示”みたいなものですね」
これに対して八木キャスターは、拒否権があれば形骸化しないかと質問した。
「交渉力は非常に必要ですね。両方に拒否権があるわけですから、お互い拒否したら話は進みませんよね」

増田寛也が見る「国と地方の協議機関設置の法制化」

 「まず国から注文が来るのは“地方の代表は誰だ”ということでしょうね。地方の中でも意見が違うのですね。まとまるときは“金くれ”っていうときだけです。それ以外には地方と大都市(東京)で対立がある。また、県と市町村も常に対立している。国は『地方の意見を集約して持って来い』っていうでしょうね。だから地方は、本気でまとめる組織を作らないといけないですね」
八木キャスターは実際に出来そうかと、質問した。
「難しいでしょうね。やはり知事会や市町村会など立場によって隔たりがあるので一本化するのは難しい。しかし、やらないとどうにもならないですね」

各党のマニフェスト(地方分権)

 増田氏は、各党のマニフェスト(地方分権だけ)を見て次のように語った。
「行政権についてだけ話すと・・・やり方が歪(いびつ)だと地方にお金や権限だけ行ってしまって、行った先の県庁が“ミニ霞ヶ関”になったら危険だと思うんです。だから地方議員・自治体などの実力をつけるような項目があったら良かったんじゃないかと思いますね。まぁ~。国会議員は地方議員をそこまで信用してませんし、国会議員が権限を手放すとも思えません」

増田寛也 野村総合研究所顧問の提言 : 『地方自治から地方政治へ』

 「地方分権の最初の入り口として地方自治を最初にやる。そして、これから必要なのは地方で政治を回すこと!みんなが『地方政治をしっかり作っていく』ということを意識することが大事ですね」

上山信一 慶應義塾大学教授 大阪府特別顧問の提言 : 『権限と責任の分権⇒本物の民主主義への突破口』

 「今までの分権は、国からなんとなくお金がくる話“お金の分権”だった。これからは、権限と責任を分権する。これは本物の民主主義になるということなんです。戦後64年間、日本は“おまかせ民主主義”だった。なぜなら経済はずっと右肩上がりだったから。『お金は後からついてくる』だから『赤字国債も怖くない』。しかし地方分権になると地方の違いがはっきりできる。だから本物の民主主義が根付くチャンスと思いますね」



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