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    【テーマ】
  • 『ウイグル騒乱・イラン大規模デモ
    混迷するイスラム世界は今…』
    【ゲスト】
  • 高村正彦 元外務大臣 自民党衆議院議員
  • 山内昌之 東京大学大学院 総合文化研究科 教授
    【編集長】
  • 小林泰一郎 解説委員

“中国ウイグル騒乱”どう見る?

 日中友好議員連盟会長である高村議員は、中国ウイグルで起きた騒乱についてこう語る。「中国のいろんな価値観がある中で、“統一”というのは一番大きな価値観の一つですよね。チベットにせよ、新疆(しんきょう)ウイグルにせよ、もともと少数民族がいて、そこに漢民族が入ってきて開発することにより、生活が豊かになると政治家は考えます。しかし、新しく入ってきた民族がより豊かになって、もともといた民族の人たちも少しは豊かになっても、民族の違いで納得しがたい状況はあるのではないかと思います。胡錦濤主席が言っている、『調和ある和諧社会』は、少数民族のいる地域で、どううまくやっていくかが、中国のこれからの大きな課題だと思いますね」

イランの政治体制と大規模デモの構図

 小林編集長は、今のイランの政治体制と、デモが起きた経緯について図を用いて解説した。



「欧米の国では、大統領がトップですが、イランの場合、行政を行う大統領、司法、国会、軍の上に最高指導者という人がいて、この最高指導者が一番権力を持っています。しかし、この最高指導者を任免する権利というのが、専門家会議というところにありまして、この議長が、ラフサンジャニ元大統領です。つまり、1979年のイスラム革命以降、“イスラム法学者”という、イスラム教のお坊さんのような人たちが、国のトップを動かしている仕組みになっているんですね。
今回の大統領選挙では、革命防衛隊出身のアフマディネジャド氏とムサビ元首相が戦いました。事前の予想では、けっこう競るのかと思われていたのですが、実際はアフマディネジャド氏が圧勝という結果になりました。このアフマディネジャド氏が、予想よりも大差をつけて勝利したために、ムサビ元首相を支持する改革派の人たちから不満が出てきました。そういう時に、最高指導者のハメネイ師は、再投票の必要はないと言い、アフマディネジャド氏が大統領であると太鼓判を押したんですね。この時、ムサビ元首相の後ろ盾にラフサンジャニ元大統領がいました。そうしたことで、ラフサンジャニ元大統領とハメネイ師やアフマディネジャド氏との関係がゴタゴタしてきまして、ムサビ元首相を支持する改革派の人たちがデモを起こして混乱が続いている、というのが現状ですね」

選挙に不正はあったのか?

 大統領選挙に不正はあったのかを秋元キャスターに聞かれた山内教授は、「選挙には、本来、公正な団体や個人が入って監視をしなければならないのですが、イランにはそれらがないので、不正があったのかどうかは分かりません。分からないので、その問題については水掛け論になると思うんですね。しかし、制度として監視する機関を作れば、不正を見破ることはできると思います」と話す。

世界が注視!イラン核開発の今…

 秋元キャスターに、イランが核兵器を持とうとしているのかを質問された高村議員は、イランの核開発についてこう語る。 「イランが核兵器を持とうとしているかは分かりませんが、核を平和利用するだけだと言っています。どこの国でも核の平和利用の権利はあるんですよ。しかし、NPT(核兵器不拡散条約)で5つの認められた保有国以外は、核兵器を持つ権利はないんですね。そういう中で、平和利用と核兵器製造能力は同じようなことをしていくわけです。誰でも平和利用の権利はあるんだけれども、これを、核兵器を造る方に使ってはならず、全てを明らかにしていかなければいけません。ところが、イランは18年間にわたって、秘密裏にウラン濃縮等をしてきました。このことを、2002年に反体制派が暴露し、2003年に、IAEA(国際原子力機関)が18年続けてきた事実と、平和利用するための条件を突きつけましたが、それに従わない状況が続いているわけです。 現時点で、イランが核兵器を持っていないことは間違いないことだし、ここ1年・2年で核兵器を持つに至らないことも間違いないことだと思います」

“ジハード”の真意とは?

 反町キャスターに “ジハード”のことを聞かれた山内教授は、「“ジハード”というのは、イスラムの教理で言いますと、信仰のために努力すること・信仰のために献身的に物事に対して取り組むことなんです。イスラムの信仰のあだをなすような敵に対して、そういうものを排除していくということが、信仰のために努力することと定義すれば、小さい“ジハード”は“戦うこと”、引いてはイスラムのために戦うので、“聖戦”というような考え方が出てくる、そういうことだと思います」と話す。
これを受けて、反町キャスターは、“聖戦”が“自爆テロ”に繋がるかを山内教授に質問した。
「すぐには繋がらないでしょうね。“ジハード”は戦略的なもの、“自爆テロ”は戦術の問題、いわゆる戦い方ですから、イコールではありませんね。」

高村正彦 元外務大臣の提言 : 『平和と安定に貢献』

 「日本の原油輸入の9割を占めている中東地域が混乱していたら、日本のエネルギー安全保障の上でも大変なことになります。ですから、イランにしても、イラクにしても中東和平にしても、みんな関係があるので、そこの平和と安定にどう貢献していくかを日本はこれから考えていかなくてはならないところです。アメリカほどの力はありませんが、日本には、日本が果たす役割が十分にあると思っています」

山内昌之 東京大学大学院教授の提言 : 『複合思考』

 「日本の中東外交で見ると、中東のアラブ・イランは反米とされます。ところが親日でもあります。しかし日本は反米国家ではありません。日本全体の外交路線を考える前に、中東ともアメリカとも仲良くしていかなくてはなりません。そういう点で、外交に関しては常に複合思考を持つべきです。この内容は、平和と安定、それから繁栄ですね。豊かになってもらわないと困ります。豊かになるには、手段は何でもいいかというと、そうではない。その国の人たちに感謝される、そして我々日本人が、自分達の力を尽くして彼らに力添えをして、彼等自信の手で平和を獲得するためにはどうしたらいいか考えなくてはいけないですね」



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