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    【テーマ】
  • 『コマツ流ダントツ経営に学ぶ 日本再生のカギ!』
    【ゲスト】
  • 坂根正弘 コマツ代表取締役会長
    【ブレーンキャスター】
  • 宋文洲 ソフトブレーン マネージメント・アドバイザー
    【編集長】
  • 大山泰 解説委員

コマツ会長が語る経営構造改革/経営の見える化

 「社員にこういう点で問題がある、ここを取り除いたらこうなる、という部分が、データでもって裏打ちされた形で見せると、みんなやることが決まってくるじゃないですか。問題の所在の見える化さえできれば、経営は大体うまくいくわけですよ」
これを受けて反町キャスターは、企業のリーダーの最大責任は、問題点をしっかり指摘して社員に伝えることなのか、と聞く。
これに坂根氏は次のように話した。
「経営者の責任というのは、まず、経営がどっちに向かっているのか、それはなぜか、そして経営の問題点がどこにあるか、というのを分析することです。これを社員に見せ、みんなで活動をして知恵を出し、その知恵を出した結果、どうなったのかを常にローリングし、またそれを社員に見せて説明しています。結局、社員にしてみると、自分達がいろんなことをやっているものの成果が、会社全体としてどう表れているのか、を知らされることによって、参加意識が出るじゃないですか。私は、経営にとってここが一番大事だと思います」

コマツ会長が語る経営構造改革/成長とコストの分離

 「よくあるケースだと、コストが少々肥大であっても、成長して売り上げさえ伸ばせば、吸収できると言っている人がいます。ところが、ふたを開けると、大抵成長が思うとおりいかないんですよ。だから、コストはコストで下げる、成長は成長で狙うんだ、という両面をバランスよくやっていかないと駄目だと思いますね」

コマツ会長が語る経営構造改革/強みを磨き、弱みを改革

 坂根氏は、コマツの強みと弱みを次のようにまとめて話す。

 

「コマツの強みは何かと考えたところ、まずは、モノ作り競争力はあるが、我々の問題点は固定費であります。次のITの活用では、GPS通信機能を搭載した機械を出していました。ですから、ITの活用については、業界の中で何年も先を走っています。これは必ず武器になるので力を入れています。もう一つは、コマツは世界では2番手の企業ですが、アジアではトップです。これからはアジアの時代です。特に、『その他世界』の時代であるので、これも我々の強みとして強調しました。
特に評論家の立場になる人は、弱みばっかり指摘するんですよ。しかし、強みをもっと磨いた上での弱みの改革でないと意味がないんです。だから、あくまでも強みが先なんです」

コマツ会長が語る経営構造改革/大手術は1回だけ

 「固定費の中の一番は、やっぱり人件費なんですよ。これを削減するために、私は苦渋の決断をし、全社員に希望退職を募りました。そして、日本で働く人の5%の人数の方に手を上げてもらいました。結局、雇用に余剰感があると危機感が出ません。しかし、私は経営者として、二度とこんなことをやらないで済む会社にしたいなと思いました。
小さい手術を何回も繰り返したら人間の体はもたないですよね。だから私は、コマツの“ここ”と“ここ”を取り除いたら、やっていけるんだから、一回だけ大手術をさせてくれ、と言って希望退職を募ったんです」

“KOMTRAX(コムトラックス)”の性能

 坂根氏は自社で開発したシステム、“KOMTRAX(コムトラックス)”の説明した。
「建設機械というのは、人里離れた所で作業しているため、機械の調子が悪くなり、直しに行こうとしても、その機械がどこにあるのかを探すだけで大変な労力がかかってしまいます。そこで私たちは、GPSやセンサーを機械に搭載することにより、場所はもちろんのこと、エンジンの油圧、燃料の残量、さらには燃料の批准まで計り、燃料が正しいものが使われているか、というところまで分かるようにしました。もっと言えば、稼働時間がどのくらいあるのか、またそれが増えているか、減っているかも知ることができます。」
これを受けて反町キャスターは、機械の稼動状況を知ることで、使っている国の情勢や景気のことを感じるか坂根氏に質問した。
坂根氏は、「年間の機械稼動時間で見て、日本を100とすると、アメリカは180くらい、中国にいたっては、250~300にもなります。要するに、中国は日本の約3倍機械を稼動させていることになります。これは日本が夜や土日は作業しない、ということで、つまり、機械が全然動いていません。日本は経済効率がものすごく悪いと言えるんですよ」と答えた。

コマツ会長が読み解く日本企業の強みとは?

 八木キャスターに日本の企業の強みは何か?と聞かれた坂根氏は、「日本企業の共通の強みは、何をするにも連携をいとわないことです。どういった時にその特色が出るかというと、機械などの開発のとき、いろんな技術者が、一緒になって知恵出しをすることは、ものすごく向いてるんです。だから連携の強さが強みであります。ただし、これは一方で弱みにもなりまして、日本ほどトップ・マネージメント同士の連携が弱い国はないですよね。部下には連携をしっかりしろと言いながら、自分たちは連携が取れていないんです」と話す。

日本経済再生のためのキーワード

 坂根氏は、コマツの経営構造改革が国の改革にも通ずるのではないか、と話す。
「日本はアジアの国々と共に健全に栄えるべきであります。我々の環境技術やいろんなものが、中国やインドあたりで役に立つわけです。彼らが成長することで、我々も成長できるわけですよね。だから、共に健全に栄えるという視点が日本の新しい国づくりの中のもっとも大事なキーワードだと思うんですよ。それをやっぱり政治は示してほしいです」

坂根正弘 コマツ代表取締役会長の提言 : 『汗と知恵を出すしくみ <成長>アジア、環境 <コスト>固定費』

 「企業も国も行政もそうなんですけど、人っていうのは、ものの状況が手に取るように見える化できると、何をしたらいいか分かって、すぐ動き出すんですね。企業経営も、見える化するのが第一歩です。ただ、見える化するためには、ものすごい汗がいるんですよ。よく言われる『99%の汗と1%の知恵』は、ノーベル賞を取られる人も、そのもののメカニズムを究明するために99%の汗を出して、こういうメカニズムだったらこういう知恵を出せばいい、という1%の知恵なんですよ」



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