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    【テーマ】
  • 『経済再生への14の提言“新時代の日本の姿”』
    【ゲスト】
  • 小宮山宏 三菱総研理事長
  • 宋文洲 ソフトブレーン マネージメント・アドバイザー
  • 小幡績 慶応大学大学院准教授
    【編集長】
  • 安倍宏行 解説委員

経済再生への14の提言

 PRIME NEWSが始まって2ヶ月。早くも80もの提言が集まった中で最も多かったテーマは、“今の経済危機からどのように脱出するか”だった。このテーマに対しての14の経済再生への提言が集まった。
今回はこれら提言を振り返って紐解きながら、日本の向かうべき道を改めて探っていく。

「税制の改革」を唱える提言

 【安心をつくる消費税アップ】 ―――伊藤元重 東京大学大学院教授(4月2日放送)
 「消費税が決して悪ではないという認識をすること。消費税のもつ意味を皆さんが考えるということが重要です。」
この提言について安倍編集長が振り返る。
「消費税20%という国はヨーロッパにあるわけで、大して珍しい事ではありません。伊藤先生のポイントは、猶予期間を設けて、将来税金が増える事を見越してその分を国民に渡す、駆け込み需要を推進したらいいのでは、というアイデアでした」
消費税でお金を動かして安心を得ようという考えに「最も危険な思想」と語る小幡准教授。
「過去に3~5%の消費税引き上げの時に駆け込み需要の反動で大変な事になった。思想としては経済学者が陥りがちな“理論だけ”なんです。年金・医療などのシステムを変えてからお金を使っていくべきだと思います。」

「金融市場の改革」を唱える提言

 【国際的な資金の流れを監視し、建設的な投資先へ誘導を】―――柳澤伯夫 元金融担当相(4月21日放送)
 「今度のアメリカの金融危機は、日本の低金利の資金がとんでもない投資先に行ってしまった。そういうことをコントロールする。そして我々の資金を、国民を幸せにするために使うべきです。この2つの視点から提言します」と提言の説明をして現状を語った。
「今は、G8やG20など会議はよく開かれているようですが、機関の設立までにはいたっていない」

 【穏やかな資産インフレを!】―――藤巻健史 フジマキ・ジャパン代表取締役(4月20日放送)
 「今の危機を脱するには、資産インフレが有効だと申し上げたい。バブルの時になぜあれだけ景気がよかったかというと、まさに資産効果だったと思います。」

「流通の改革」を唱える提言

 【生活者視点でモノを売れ!!】―――藤巻幸夫 藤巻兄弟社代表取締役社長(4月20日放送)
 「お客様のためという人は多いが、それは得てしてプロダクトアウトの発想で、作り手の見方だけで押し付けてもモノは売れません。生活者側の年代、生活圏、生き様によっても違います。そこまで見抜くか、ということです。」

「行政の改革」を唱える提言

 【廃県置藩】―――榊原英資 早稲田大学教授(5月21日放送)
「やはり、江戸時代的な地方分権の社会を作っていくということです。ここで言う藩とは基礎的自治体で、そこに行政権を集めることが大事だと思います。現在の日本では、国の形を大きく変えなければいけません。」
江戸に回帰するという発想についてコメントする安倍編集長。
「無駄な行政組織がこれで効率的になるのかどうか、これは議論の余地があるのではないでしょうか。」

「アジア市場の重要性」を唱える提言

 【アジアの内需に参加する】―――斉藤惇 東京証券取引所グループ代表執行役社長(4月13日放送)
「今、アメリカの消費は一気に縮小しており、我々は新しい需要の市場を見つけなければなりません。アメリカは、二台目の車、二件目の家など、少し無理した需要を作りだしていました。生産スピードをどんどんあげていくので世界は完全な生産過剰に陥り、人為的に無理な需要を作ってきたのが今回急に冷えたのです。インド、中国、インドネシアには、テレビ、洗濯機がほしいという人たちがいます。これらの国には、商業を通して国民の生活を豊かにするという目的で輸出ができます。アジアの需要=日本の需要と思って、若者も元気を持って行っていただきたい」

 【第4の道】―――高橋進 日本総合研究所副理事長(4月9日放送)
「第一の道は、既得権益に固まった日本が選んだ道です。これを壊そうと小泉内閣がいろいろやったが上手くいきませんでした。これを変えようとした先がアメリカ流の改革、市場原理主義で、第二の道。しかしこれも挫折し、改革を迫られています。第三の道は、ヨーロッパです。ヨーロッパ資本主義は弱者にも配慮していますが、政府に対する信任が厚い、北欧ならやっていけるが、日本では政府に対する信任がないから無理です。そうなると、日本型の第四の道を探さなければならない。」

「アジア経済共同体」を唱える提言

 【独立自尊】―――中曽根康弘 元内閣総理大臣(4月3日放送)
「日本というものの存在について自信を持ち、卑下することなく、世界に対して主張すべきことは堂々と主張する。政治家は国家存立の基本をよくわきまえ、国民もそれを支持していく、という意味です」さらにアジア共通通貨を2030年までに実現する目標の話も展開された。
中曽根元首相の話を振り返り、「アジア共通通貨の話は昔からあった事です」と安倍編集長。
「中曽根元首相からああいったロードマップが出るのはすごい事だと思います。ただ、なかなか簡単にはいかないと思います。」
アジア通貨について「絶対にやった方がいい」と断言する小幡氏。
「放っておくと中国はユーロに流れる可能性もあるのでは。通貨は大きい方に集約されていくのでは、と思っています。」
加えて安倍編集長は「そうする事によって通貨としての競争力が出てくる。それがアジア全体の経済の競争力を保つ事に繋がっていくと思います。」と発言した。

日本人に「新たな覚悟と心構え」を説く提言

 【目をさませ】―――安藤忠雄 建築家(4月27日放送)
 「1970年代くらいから日本人は豊かになってきました。でも、お金さえあれば豊かになる訳ではなく、いい学校、いい会社に行けばいいというわけでない。日本人は自分の価値観を持って生きた方がいいのではないか、目を覚ませ、と思い続けているが、殆どの日本人は寝ている。漂っている状態です。日本の経済成長率は下がり続けていて、中国は成長し続けている。そのことを考えると、目を覚まさないと。
20代で頑張っている人もいるが、まだ少ないと思います。一流大学を出て一流企業に入り終身雇用、というスタイルが崩れてきているのに、まだそれが良いと思われています。
身の回りみると、腹立つことばっかりじゃないですか? まず腹を立ててみろ!と思いますね。腹を立てるという言葉は、日本人にとって死語になっている気がします。物事をたくらむ心もない。たくらむ心があればぶつかり合うし、蹴落とされる。今は、蹴落とすことすらありません。
これは、国際化のルール。国際化とはお互いがガチっとぶつかりあうことです。女性も男性もぶつかりあって本当に意見を言い合って、上下関係でなしに良いものをみんなで見つけあっていかないと大企業でもやっていけない。国際化とは世界中がぶつかりあって、より良い生活とは何かということを探すことです。そうなると、頭にくることがいっぱいある。怒りのない日本、目をさませ!ということですね」
安藤氏のコメントについて語る安倍編集長。
「日本人は目標をあたえると相当なパワーを発揮する、そういう側面があるんだという事を強調されていたのが印象的でした。」
「腹を立ててみろ!」という意見に「賛成ですね」と小宮山氏。
「言い換えると、自分たちの日本の未来を、自分たちで決める気概を持て、という事だと思います。」

 【脱成長/近代思考のすすめ】―――水野和夫 三菱UFJ証券チーフエコノミスト(5月7日放送)
 「私達は、脱成長・脱近代、こういった思考を持たなくてはいけないと思います。まずこの考え方が物事の第一歩です。成長したら何とかなる、とか、近代の枠組みで考え、不況を脱却しなくてはならない、と思わないことが大事です。」

 【チエとアセがないと日本経済はたちゆかない】―――与謝野馨 財務・金融・経済財政担当相(4月9日放送)
 「お金を動かせば冨を得られるような話は、嘘。ちゃんと汗をかかないと日本の経済は付加価値を生まない。(日本が)金融大国になるという話は、想像なんです。やっぱり実際の具体的な努力がないと経済というのは成立しない。マジックのようなことはないですよ」
さらに4月16日にも出演された与謝野大臣は【あたたかい心】という提言を掲げる。
「“チエとアセ”に小宮山先生が話した“勇気”、更にそこに “あたたかい心”をプラスしました。中曽根さんが演説でも話していたように、昔から先輩は、今の若い人はしっかりしていないと言い続けている。しかし、若い人もしっかりしている。そう思わないといけない。」

地球の未来を見据え「改革の必要性」を訴える提言

 【イノベーション】―――安倍晋三 元内閣総理大臣(4月7日放送)
 「日本の人口が減少していくにつれて、国の成長も鈍くなってしまいますが、決して私はそんなことはないと思います。一人当たりの生産性を増やしていくことができれば、成長はしていけます。かつ、ひとりひとりが豊かになっていくということになります。そのためには、新しい試みであり新しい技術を開発していくことが重要です。」

 【低炭素化で元気になろう 生活を良くして経済も再生】―――小宮山宏 前東京大学総長(4月2日放送)
 「環境対策=“我慢する”ではなく、“良い生活をする” という意識改革が経済成長に繋がります」具体的には太陽電池を屋根に設置し、それらを取り巻く需要を高め経済的活性化をすすめることを提案した。
自らの過去の提言も踏まえ、経済再生について語る小宮山氏。
「途上国には潜在的な内需がある。アジアはこれから成長していくのだから、アジアが持続的に発展できるよう寄与しながら仲良くしていく。日本は国内的には85%が内需。85%の内需をどのように拡大していか。これが世界をリードしていくのだと思います。」



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