防衛費の確保
反町キャスターに、防衛費の現状を聞かれた前原議員は次のように話す。
「国民の生命・財産を守る、安全保障の予算を確保することは大事だと思いますが、日本の置かれている状況を考えると、3つの問題点が出てきます。
まず一つは、財投債を含め、900兆円もの借金があることです。二つ目は日本が人口減少社会になっていることです。もう一つは、超が付くくらいの少子高齢化が進んでいることです。これらのことを考えたときに、日本の予算を、他の国のように防衛費にあてることは難しいと思います。
日本の防衛費は4兆8000億円あまりですが、そのうちの45%は人件費であり、残りの55%の半分くらいは、施設整備費や訓練費に使われています。したがって、装備費は防衛費の25~30%しかないことになります。これを考えたときに、防衛費のくくり方をもうちょっと考え直していかないといけないと思います。」
策源地攻撃による防衛
反町キャスターは、どのような条件が揃ったときに、策源地攻撃が可能なのかを今津議員に質問した。
今津議員は「それは、核を搭載したミサイルが発射されようとしているとき、国を守るという意味で法律上許される防衛手段だと解釈しています。」と話した。
さらに反町キャスターは、ミサイルが準備されているとき、それが日本に向けられているのはどう判断するのか、また準備段階で攻撃することにより、相手国が日本を狙っていたかどうかは分からないのではないのか、という指摘に今津議員は、「ミサイルが発射されるかは、やはり衛星で確認することになります。衛星でミサイルが移動された、燃料が積み込まれたなどの情報から判断します。日米共同で情報収集して、間違いないという判断のときには、日米どちらかが策源地攻撃をしなければなりません。」と説明した。
人材不足にあえぐ自衛隊の現実とは?
今津議員は、今の自衛隊の人材問題について、次のように語る。
「今年の3月の時点で、自衛隊の採用試験に合格はしたものの、実際に採用されていない人が全国で700人いました。試験に受かったのに採用されていない背景には、先輩が辞めない状況があります。ここで、21年度の予算を前倒しして、できるだけ多くの合格者に入っていただくような配慮をしています。こういう、入りたい人が入れない状態になってきています。」
このことについて前原議員は、自衛隊の階級を指摘して解説する。

「不景気のせいもあり、試験には受かっても採用されない人がいる、それに対して、階級の一番下の“士”の方が高齢化してきます。要するに、“士”の方の再就職先がないんですね。様々な地域で、この再就職先をどうするのか議論されています。これは、防衛の問題ではなく、経済の問題です。地域の雇用の受け皿を、政府が対策をし直して、“士”の方の再就職先を確保することが大事になってきます。その上で、若い人材を入れていくということを考えなくてはいけないですね。」
自民党提言素案の目玉?「陸上総隊」創設の真相
能勢編集長は、自民党提言素案の気になるポイントの一つ、“「陸上総隊」創設の提言”について、自衛隊の組織図を用いて解説した。

「陸上総隊の創設がもし実現すれば、陸上自衛隊創設以来の組織大改編になるのではないかと思います。まず、陸上自衛隊には、方面隊と中央即応集団という組織が並列的にあり、それが防衛大臣に繋がっていて、指揮されるという形になっています。それに対して、海上自衛隊や航空自衛隊は、防衛大臣と繋がっている、自衛艦隊司令官・航空総隊司令官が、海幕長・空幕長の助言を得ながら、その下の戦闘部隊を指揮する形です。この今の組織体制を見直して、陸上自衛隊にも総隊組織を作ってはどうか、というのが、今回の自民党の素案に入っていたというわけです。」
これを受けて反町キャスターは、先崎氏に「陸上総隊」創設の目的について質問した。
先崎氏は、「海・空は統幕の下にぶら下がっている形で、一つの組織にまとまっています。陸は5つ、6つあり、非常に煩雑なので、一本にした方が効率的な運営体制になる、ということで検討が始まったと認識しています。」
今津寛 自民党衆議院議員の提言 : 『武士道(サムライ)の自衛隊を誉りに』
「武士道(サムライ)の自衛隊の人たちが、縦横無尽に活躍できるような環境作りをしなければいけません。それが政治の責任だと思います。今は、人員や装備の面に関して、非常に窮屈な形で、自衛隊の力・優秀さ・マンパワーに頼り切っています。私はこれでは自衛隊の方々の努力は報われないと思っています。必要な体制、必要な人員を確保することが大切です。」
前原誠司 民主党副代表の提言 : 『シナリオベースの組織変革』
「現代の危機に即した組織変革を常にやっていくことが大事です。そのためには、命を張る現場の方々の意見を聞き、そして、最後は政治が決断する、ということが大事だと思います。」
民主党の防衛大綱議論
反町キャスターは、民主党内で、防衛大綱について今後取りまとめる予定があるのかを前原議員に質問した。
これを受けて、前原議員は、「新体制になりまして、鳩山さんは政権運営構想を前向きに考えています。その中に、防衛省を担う人は誰で、そしてその人が中心になってチームを作り防衛大綱を考える、ということは極めて大事だと思います。今日は自民党提案でしたが、私が言いたいのは、防衛省の防衛大綱であってはいけない、政府全体の防衛大綱であるべきです。そして、防衛大綱は、10年・15年もたせないと意味がありません。5年経って、中規模と同じタームで見直される防衛大綱では駄目なんですよ。2回か3回の中期防衛力整備計画に耐えられるものにした、先見性を持ってやらなきゃいけない、我々の議論はそういうものを前提として、ぜひやっていきたいと思います。」と話した。