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    【テーマ】
  • 『崩壊寸前!?
    救急医療最前線 日本型ERの挑戦とは?』
    【ゲスト】
  • 鴨下一郎 前環境大臣 元厚生労働副大臣
  • 鈴木寛 民主党参議院議員
  • 坂本哲也 帝京大学医学部 救急医学教授
    【編集長】
  • 黒岩祐治 解説委員

救急医療の現状~医師不足~

 今年に入り、判明している事例だけでも3件の“受け入れ拒否”による死亡が確認されている。この現状について鴨下議員に伺う。
「ここ10年で見ると、高齢者の救急が増えています。患者を受け入れ後、後方の病院に順次お送りするシステムが残念ながら機能していない。高齢者の方には急を要するケースも多いのに準備ができず間に合わない。こういった事に対しインフラとマンパワーをフルに発揮できるように、我々は知恵を出し対処していかなければなりません。」
医師の現状については、「30年前に、医師は対人口比で140~150いれば事足りると言われていた」と鴨下議員。「ところが現在は患者さんのニーズもあるが、救急・産科・小児の医師が減る事により医師不足という状況が増えました。それから政治家も葛藤はしています。医療費は年間1兆円規模で増えていくなかで抑制策をとる、医者からすると給料は伸びないのにリスクや患者さんのニーズは高まっている。これらの事から(医療制度は)ギリギリのところまで来ていると思います。」
医師は全国で絶対数が不足していると鈴木議員。
「人口1000人あたりに2人の医師という計算。更に人口の高齢化という問題もあります。65歳前の方から比べて65歳後の方はお医者さんがかかる割合は4倍になります。従って医療需要と高齢化は密接な関わりがあるわけです。OECD平均に比べて、明らかに医師不足です。今年の4月1日からは医学部定員が増えましたが、実質あと10年かかるというのが現状です。」

医療安全調査委の是非

 訴訟リスクが急激に増してきている。委員会もまだ形としてまとまっていない。
現場の医師たちはこれをどのように捉えているのか。
「そもそも救急医療は不透明ですから、やってみないとわからない。やってみて裏目に出ると重大な結果に結びつく。その度に責任を問われるという事から、手を出さず安全策という方が増えているのが現状。」と坂本教授。
治療を行った後の情報公開がどれほど行われているのか?と反町キャスター。
治療を受ける側としてはどうしても気になる。そこにギャップもあったのでは。
「救急医療における治療のリスク説明、誤判断には充分な過程説明などが足りなかった事が、行き違いの一つの原因にはなったと思います。」

患者の動向

 救急車出動件数について黒岩編集長から説明が入る。「平成元年に比べると平成19年には救急車出動件数が約1.5倍になっている。原因として高齢化社会の進展や核家族化などがあります。搬送者の状況として、軽症・中等症の方だけで8~9割を占めます。救急車を呼ぶ必要のない方が利用しているという現象。これだと救急車も大変だし、受け入れる側の体制も圧迫してしまいます。」
黒岩編集長の言う原因に加えて、昔との診療所の変化も影響するという鈴木議員。
「昔は気軽に訪ねられる診療所が増えた。ところが今はビルディング診療所が増え、定時で閉まってしまう。相談できる人がいなくなったんだと思います。市民自らも健康・医療・医学について勉強していくことが必要です。今は“#711”のサービスもあります。電話を回すとアドバイスを聞くことができるサービスが、無料で始まりました。これは救急車出動の緩和にも繋がるのではないでしょうか。」

“救命救急”最前線 「日本型ER」とは?

 黒岩編集長から、救急医療でのトリアージの重要性が語られる。トリアージとは多数の負傷者が発生した場合、患者の優先順位を決めること。現場の人材や機材を最大限に活用することが目的となる。
「救急医学は戦場医学とも言われています。多くの患者がいる中で、瞬時に優先順位を決めていく事を病院に取り入れているのです。」
坂本教授から優先順位に関する手順と呼称の説明が入る。
・コードレッド … 心配停止。蘇生チームが待合室に急行する。
・コードER … 生命に関わる緊急性の高い状態。優先的に処置ベッドに移送し診療開始。
・通常対応 … 上記以外。順番を待って診療室に誘導。
この段階分けをするのは看護師という。
「医者は患者を診ている状態。どうしても看護師の役割になります。うちでは一定の基準でトリアージの権限を選抜で与えています。」
坂本教授から話のあった帝京大学のユニットについて医師育成面で期待を寄せる鈴木議員。
「救急医学というのはほとんど独学。トリアージもそうですが、全て一通りできる医師を育ててこなかった。多種多様に学ぶ事ができるという意味で、非常に意義のあるユニットだと思います。」

鴨下一郎 自民党衆議院議員の提言 : 『トリアージ』

 「患者さんをより正確にトリアージしていく事。これがしっかりしていれば、本当に救急の方は3次救急に辿り着けます。またトリアージの拡大により患者さん自身も正しい自己診断ができるようになっていくのではと考えています。」

鈴木寛 民主党参議院議員の提言 : 『救急医療機関への報酬増』

 「救急医療に関しては妥協できません。となれば必要なコストを投じるべきだと思います。少なくとも救急医療に関しては報酬を増やしていくべきでしょう。」

坂本哲也 帝京大学医学部教授の提言 : 『救急医療改革』

 「現場の見えている専門家が、改革を行っていく。また地方と都心でも問題点は違ってくる。それぞれに点在する医師がそれぞれの問題を指摘し、問題に対して声を出していくべきだと思っています。」



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