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    【テーマ】
  • 『シリーズ「防衛大綱」第1弾
    どうなる?FX=次期戦闘機選定問題
    日本の空と未来を守る「正しい盾」を選べ!』
    【ゲスト】
  • 前原誠司 民主党副代表 衆議院議員
  • 佐藤正久 自民党参議院議員
    【ブレーンキャスター】
  • 金田秀昭 NPO岡崎研究所理事
    【編集長】
  • 能勢伸之 解説委員

F-X選定の課題と問題

 佐藤議員は、これから主流になる第5世代の戦闘機について語った。「今の世界中で使われている主な戦闘機は第4世代です。そして、次の第5世代として、現在アメリカが保有している“F-22”は、従来の戦闘機に比べて格段に能力が上がっています。この第5世代で一番特長的なのはステルス戦闘機だという点です。ステルス戦闘機は、姿を隠すことができ、レーダーに映らない、そして機動性が優れている。空中戦においてはものすごく脅威になります。
アメリカは、ロシアや中国でもこの第5世代の戦闘機を、今後作るだろうと予測しています。日本もこの第5世代の戦闘機を念頭に置いて、次のF-X選定を考えていかなくてはなりません。」
前原議員は、F-X選定について、日本が抱えている問題を話した。「日本は、国土の面積だけだと世界で第60位ですが、ここに排他的経済水域を含めると、その面積は世界で第6位になります。航空自衛隊や海上自衛隊がカバーしなくてはならない領域が、ものすごく広くなります。そして、ここが制空権や制海権など、日本の主権が及ぶ範囲です。ここをどうやって守っていくのか、ということが、F-X選定の問題に大きな影を落としています。同時に、主権について我が国と意見が合っていない国があるというのも問題です。例えば、尖閣諸島は、日本が実効支配しているものの、中国や台湾が自国の領土だと主張しています。このような尖閣諸島の問題や、制空権・制海権などの主権を、我々がどのようにして守りきれるのか、ということです。これらの問題を、20年、30年かけて周辺国の軍事動向を睨んだ上で、守れるものを選んでおくことがF-Xの問題では大事なことだと思います。」

F-X候補 どれがベストか?

 佐藤議員は、現在開発中の“F-35”よりも能力的な面で“F-22”が非常に良いと勧めた。
前原議員も、防空性能がこれ以上のものはないと“F-22”を挙げたが、この戦闘機を選ぶのに3つの問題があると話した。「一つは、アメリカがこの戦闘機の生産を打ち切り、他国に売らないと発表したことです。これにより、“F-22”が日本にリリースされる可能性は、良く見ても3割くらいしか残っていないと思います。二つ目は、今まで日本が行ってきたライセンス国産ができないことです。ライセンスを買ってきて国内で作ることになれば、国内の防衛基盤となる防衛産業に仕事が生まれます。しかし、 “F-22”も“F-35”もライセンス国産ができないので、これをアメリカから買っても、防衛基盤をどうするのかという問題が発生することになります。そしてもう一つは、戦闘機を買ったとしても、そのメンテナンス・管理をどうしていくかというところです。このステルス戦闘機は非常に秘密性が高いので、情報が漏洩しないようにすることが重要になってきます。この部分をクリアにしないと管理するのが大変になると思います。」

防衛大綱の見直し

 反町キャスターに、安全保障のために自民党はどのような考えがあるのかを聞かれた佐藤議員は「今回の大綱は、事後30年から40年は影響を及ぼすと言われています。“鳥の目”で先のことを考えながらも、喫緊の問題は、“魚の目”で流れを読みながら対応することが必要であると思います。しかし、ここで忘れてはいけないのは、防衛力は抑止するというのが基本です。抑止がしっかりあって、その上に様々なことを対処する部分を組み合わせていくというコンセプトはこれからも変わらないと思います。
そして前原議員は、日本で戦闘機が作れないことを問題視し、「日本では、武器を自国で作らないという制約があります。しかし、これからのトレンドは共同生産です。共同生産することにより、より良いものを、各国で技術を持ち合い、コストを下げ、安く作ることができます。これに日本が参加していないということは、今までの自民党の対応が良くなかったのではないでしょうか。」と指摘した。

敵基地への攻撃の可能性

 能勢編集長は、昭和31年に鳩山首相が話した答弁を紹介した。『誘導弾等による攻撃を防御するのに他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います』
これを受けて金田氏は、日本の脅威となる敵基地への攻撃の可能性を解説した。「時系列で三段階に分類しました。一つ目は“反撃”です。これは実際に弾道ミサイルを撃たれてしまった状態、つまり過去事象ですね。この場合の攻撃は基本的には可能です。そして、次は “先制攻撃”。これは現在形、あるいは進行事象の状態です。今まさに、日本に対して攻撃を仕掛けている、またはその意志を表明している、という場合になります。これは“反撃”に比べると、そう簡単ではありません。要件をきちんと押さえてはならなくなり、判断は難しくなります。しかし、攻撃ができる可能性はあると言えると思います。そして最後は、“予防攻撃”。これは、未来事象になります。将来、禍根があるので、早いうちにその芽を摘んでしまおうということです。こちらは、国際法的にも憲法の精神に基づく国内法規的にも認められないことになり、困難であると思います。」

自民・民主が考える敵基地攻撃の可否

 金田氏の可能性の話を受けて、反町キャスターは、党内ではこの問題がどのように考えられているのか質問した。
前原議員は「法律論と実体論を分けて考えなくてはなりません。法律論は、金田さんが分類された2つ目の“先制攻撃”くらいまでは憲法上は可能である、ということです。しかし、実態的には日本の自衛隊にそのような能力はなく、結局は日米安保条約に基づき、アメリカにお願いをすることになります。アメリカがやるのは性善説でいいのですが、日本が攻撃力を持つことは、憲法9条などで禁止されています。このようなことを、日本が周辺環境の変化に基づき、能力を持つかということをしっかり議論することが必要だと思います。」と話した。
同じ質問に佐藤議員は、「北朝鮮のミサイル発射の事案を受けて、自民党でもこの敵基地攻撃についてかなり議論されました。しかし大事なのは、自分の国は自分で守る、これが基本で、その上で日米同盟をどういうふうに有効に使うか、を本来議論しなくてはなりません。」と話した。
さらに、前原議員は付け加えた。「敵の基地を攻撃することは、前提条件があれば憲法違反ではありません。しかし、専守防衛という考え方の中で、日本はこれを自制してきました。憲法上やれるのに何故やらなかったのか、それは日米安保の体制があって、日本は“盾”の役割をしますから、アメリカには“矛”をして下さい、という役割分担があるためです。」

前原誠司 民主党副代表の提言 : 『自分の国は自分で守るという意志をを持つ まずは武器輸出3原則の見直し』

 「新日米安保条約が結ばれてから来年で50年経ちますが、情報・装備・敵基地攻撃能力、全てアメリカにおんぶにだっこしています。しかし、いつもアメリカが日本の立場になって守ってくれるかは分かりません。やはり、自分の国は自分で守る意志を持たなければなりません。敵基地攻撃の話も含め、自分達は抑制して、その分をアメリカに委ねています。まずは、赤裸々な議論を国民の前で行い、本当に自分の国はどこまで自分で守るのか、と、アメリカとの同盟関係で、足りない部分はどこまで委ねるのか、という線引きをもう一度しっかりやる時期にきていると思います。
そして、その為には武器輸出3原則の見直しが必要になってきます。“死の商人”にならない、という考えのもと、他の国との武器共同開発ができないのは、今のトレンドとまったく合いません。しかも良いものを安く作って、お互いで共有すれば、むしろ軍備拡張競争を誘発しない、というプラスの面もあります。しかし、古い武器輸出3原則を守って、それを守ることが平和主義のような考え方をしているのが今の日本の実態です。
まずは、自分の国を自分で守るという意志を持ち、その取っ掛かりとして武器輸出3原則を見直すことが大事だと思います。」

佐藤正久 自民党参議院議員の提言 : 『鳥の目・魚の目→自分意志(基盤)』

 「このような問題を考えるときは、“鳥の目”と“魚の目”の視点が必要だと思います。
“鳥の目”は、次の遠くを見ながら考える目線、これが大綱で言われるような30年先、40年先を見据えてどう考えるのかということです。
そして、“魚の目”は、潮の流れの変化を読む目とよく言われるのですが、今の日本の周辺状況の流れを読んで、どう対応していくのか。この二つの目線で大綱を考えていかなければならないと思います。そういう時に一番大事なのは、自分の意志です。まずは自分の意志を明らかにする、という議論をしっかりしないと、前に進みません。
そして、敵基地攻撃などの問題で忘れられがちなのは、国内の生産基盤と技術基盤の位置です。防衛は自衛隊や米軍だけがやっているわけではなく、それを支えている国内の企業も関係しています。戦闘機や戦車を製造する関連企業は数千社あり、防衛予算が削られていくと、防衛産業から撤退する企業も出てきて、維持していくこともできなくなります。国内の基盤をしっかり保つことと、自分の国は自分で守るという意志も持つこと、これらを議論して、これからの大綱を作っていきたいと思います。」

前原民主党副代表が語る政局の行方

 反町キャスターは、今回のテーマから離れて、小沢代表の進退をめぐる状況が民主党内でどうなっているのかを前原議員に質問した。
これを受けて前原議員は、「小沢代表の秘書が逮捕された時に、さらに次の展開があると思いましたが、結局は規正案だけで起訴されました。しかし国民は、政治資金規正法に違反しているかどうかではなく、西松建設からの巨額の献金を受けていたという事実、これは何に使うためのお金だったのかが気になっているのではないかと思います。この点は、小沢さん自らしっかりと説明責任を果たしてもらいたいです。そして、小沢さんの政権交代への意志を信じて、我々が主体的に、お互いどうしたらいいのかを考えないといけないと思います。」と話した。
これを受けて、反町キャスターは、前原議員が事件を契機に代表を降りたことを指摘し、今回の事件において小沢代表の責任の取り方はどういう形が望ましいのかを聞いた。
前原議員は、「私も苦渋の決断をした立場で申し上げると、出処進退は本人が決めることだと思います。そして、小沢さんも必ず政権交代をどうしたら出来やすいように考えていると思いますので、私は小沢さんがいろいろな意味での判断をされると期待しています。」と語った。




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