安藤忠雄がニッポンに喝!「責任ある子どもに育てよ」
日本の教育制度にも問題があるとお考えですか?と聞かれた安藤氏は、少子化問題と社会制度に言及する。
「少子化で子どもが一人しかいないから、親が子育てに勇気を出せない。昔なら、子どもが多くて多少手がかけられない子がいても、まぁいいや!となって、子どももたくましく生きていた。ただ、今の社会で子どもが何人かできた時、生活がしやすいか、女性も働きに出て行けるかと考えると、そのシステムができていません。子育てで職場の復帰を諦めてしまう女性が全体の7割もいるというのは、それだけ労働力が無駄になっているということ。
日本の政治は、子どもを増やすことも考えていかないといけない。また、80歳、90歳の人生を青春で生きていけるよう、若い頃から頭のトレーニングをしておかないと」
「1950年代、日本人は家族を忘れ、地域を忘れ、会社のために働いてきました。そろそろ、会社も家族も大事、家族が大事なら地域が大事、という人が出てくればいいなと思います。子ども、嫁に久しぶりに会う、こんな社会で良いのでしょうか?」
「今までの価値観は、東京に行って儲けてエラくなって、というものでした。そうではなく、それぞれの地方で自分の地を守りながら楽しくやっている人たちをメディアがもっと取り上げれば、地方都市も良いんだな、という人も出てくると思います」
安藤忠雄 建築家の提言 : 『目をさませ』
「1970年代くらいから日本人は豊かになってきました。でも、お金さえあれば豊かになる訳ではなく、いい学校、いい会社に行けばいいというわけでない。日本人は自分の価値観を持って生きた方がいいのではないか、目を覚ませ、と思い続けているが、殆どの日本人は寝ている。漂っている状態です。日本の経済成長率は下がり続けていて、中国は成長し続けている。そのことを考えると、目を覚まさないと。
20代で頑張っている人もいるが、まだ少ないと思います。一流大学を出て一流企業に入り終身雇用、というスタイルが崩れてきているのに、まだそれが良いと思われています。
身の回りみると、腹立つことばっかりじゃないですか? まず腹を立ててみろ!と思いますね。腹を立てるという言葉は、日本人にとって死語になっている気がします。物事をたくらむ心もない。たくらむ心があればぶつかり合うし、蹴落とされる。今は、蹴落とすことすらありません。
これは、国際化のルール。国際化とはお互いがガチっとぶつかりあうことです。女性も男性もぶつかりあって本当に意見を言い合って、上下関係でなしに良いものをみんなで見つけあっていかないと大企業でもやっていけない。国際化とは世界中がぶつかりあって、より良い生活とは何かということを探すことです。そうなると、頭にくることがいっぱいある。怒りのない日本、目をさませ!ということですね」