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2024年5月24日(金) 18:00~19:00

<時代劇>『隠密奉行 朝比奈 第1シリーズ』

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放送休止

2024年5月17日(金)

次回の放送予定

2024年5月24日(金) 18:00~19:00
第5話「奥州棚倉、姫様の財政改革」

毎週(金)18:00~19:00

「何ですか?」
「中身を確かめてみろ」
朝比奈は、老中土屋相模守が菓子折りを開けてみた。その中には小判がぎっしりと詰まっていた。
「賄賂だ。選りにもよってこのわしに」
「いったい誰が……」
「奥州棚倉五万石、小笠原忠信じゃ」
小笠原忠信(塩屋俊)は、三年連続の不作で苦しい生活を余儀なくされている棚倉の財政建て直しのために転封になってからわずか半年。それが、城内にも蛇があふれかえっているというだけの理由で、棚倉からの転封を願い出ているというのだ。
「そんな下らぬ理由でしかも賄賂まで使って領地替えを願い出るなどもっての外。即刻、棚倉に赴き内情を探ってまいれ」
しかも、その賄賂、土屋相模守だけでなく、同じ老中の綾部備前守(大林丈史)にも送られているという。

朝比奈河内守がどこへ消えたか、その姿を追って真鍋が朝比奈邸に現れた。
「ようやく現れましたね。殿様はとっくに発ちましたよ」
「あ、あの……」
「行き先は奥州棚倉だそうです」
「棚倉?」
「奥州といっても常陸のすぐ隣だから水戸街道を通って行くとおっしゃっていましたよ」
「……?」
いつもはどこにいったのかなかなか教えてくれない奥方様がどうして今日に限ってこうもあっさりと朝比奈の行き先を教えてくれたのか? どうもいやな予感のする真鍋である。

そして、いやな予感というのはえてして当たるものである。
「遅いじゃないか、もう半日も待ち続けだ」
「あ、やっぱり……」
朝比奈とは距離を置くようにという渡辺弥左衛門の命令も何のその、真鍋は朝比奈に体好く使われてしまう。
藩から招かれて棚倉へ向かう途中の著名な財政改革人・松波勘十郎に偽の手紙を渡し追い返せというのである。

松波勘十郎を騙った朝比奈は棚倉領内で小笠原忠信の妹・雪乃(麻乃佳世)と出会う。
雪乃は兄の忠信とは正反対にお城を出て領内で農民たちと共に暮らし、領民のために何とか棚倉藩を立て直そうと努めていた。
鬼の勘十郎と異名を取る松波勘十郎を招いて領民から更に年貢を取り上げるつもりなのだと予想した雪乃は忠信に抗議するが受け入れられない。
朝比奈は勘十郎として、忠信と小姓頭・橘織部正(中島久之)に対面する。贅沢を戒める朝比奈に対し、能道楽だけはやめないと忠信は言い張る。
「松波勘十郎を呼んだのは、御公儀に対して財政改革に熱心だと見せかけるための方便。一日も早い領地替えのためでございます」
橘の言葉に忠信は安心する。

だが、領内では新助(角田英介)という農民を中心に、土地を捨てて逃亡しようという企てが進められていた。
実は、この企ての裏では大きな陰謀が進められていた。
そして、やがて朝比奈の正体も知られてしまう――

出演者・スタッフ

<出演者>
朝比奈河内守正清:北大路欣也
りん:萬田久子
真鍋平太郎:金田明夫
渡辺弥左衛門:鶴田忍
土屋相模守:船越英二
<ゲスト>
雪乃: 麻乃佳世
小笠原忠信:塩屋俊
綾部備前守:大林丈史
橘織部正:中島久之
新助:角田英介
<スタッフ>
原案:隆慶一郎
音楽:渡辺俊幸
ナレーター:能村太郎
プロデューサー:西渕憲司、河合徹(フジテレビ)
加藤貢、上阪久和、小嶋雄嗣、塚田英明(東映)
脚本:ちゃき克彰
監督:蔵原惟繕

番組概要

「またお出かけでございますか?」
お土産マニアの愛妻・りん(萬田久子)に特産物を頼まれて、今日も旅立つは大目付・朝比奈河内守正清(北大路欣也)。大名が不穏な動きをしないよう、監察するのが大目付としてのお役目だが、そのやり方は彼独特。老中・土屋相模守(船越英二)の密命を受けると、身分を隠し、諸藩に潜入。事件を探る。ゆえに諸藩は朝比奈を、隠密奉行と呼んで恐れる。

そして、その朝比奈の秘密の行動を探るよう、目付・渡辺弥左衛門(鶴田忍)から命令をされて、どこまでもついてくるのが、御小人目付・真鍋平太郎(金田明夫)。いつも結局、朝比奈にいいように利用されるが、それもまた楽し。

朝比奈「旅はよいな」真鍋「それはもう、陰気臭い城のなかにいるよりは、はいッ」

 朝比奈は今日も旅空の下。ひそかに、そして大胆に、悪い奴らを斬り伏せる。世はすべて事もなし!

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