2012年7月20日(金)22:55~23:00

#16 すだれ職人
 東京都江東区。ここに日本古来の伝統工芸品を作り続ける職人がいる。今回のマエストロ、豊田勇(とよだ いさむ)。この道51年のすだれ職人だ。年間5千枚以上のすだれを手掛ける豊田。
 古くは奈良時代から使われてきたというすだれ。その種類は用途によって多岐にわたる。古来から四季折々の風情を重んじてきた日本人にとって、すだれは機能と情緒を兼ね備えた夏の風物詩なのだ。すだれ作りは、まず「種より」と呼ばれる素材の太さを選別するところから始まる。そして、糸で素材を編み込む。家庭用などの1間サイズのすだれは機械で、それ以上の大きさのものは手作業で行う。
 卓越した技を持つ豊田は、今や全国で唯一、歌舞伎の舞台で使われる特殊なすだれを請け負っている。いわば歌舞伎の伝統を守る最後の砦。しかしその情熱は、伝統を守るばかりではない。伝統を守りながら、常にすだれの新しい可能性に挑戦するすだれ職人・豊田勇の普段力。それは、無意識でいること。