ドラマスペシャル『北の国から '89帰郷』

4月7日(土)17:00~20:30



 純(吉岡秀隆)は、富良野に戻り、市役所の臨時職員としてごみ収集の仕事に就き、正吉(中沢佳仁)と一緒にアパート暮らしをしていた。札幌に住むれい(横山めぐみ)と付き合ってはいたが、会う度に洗練されていくれいと純の距離は開くばかりだった。
 そんなある日、純は小沼シュウ(宮沢りえ)と知り合った。20歳のシュウはひと月前に東京から富良野に来たばかり。東京にはあまりいい思い出はないようだった。純が連れてきたシュウを五郎は張り切ってもてなす。新聞もテレビもない五郎の暮らしがすっかり気に入ったシュウは、度々五郎の石の家を訪ねるようになった。
 そんな折、札幌で看護婦をしているはずの螢(中嶋朋子)が行方不明だと勇次(緒形直人)が知らせてきた。螢は黒木という医者と不倫をしており、勇次のことを避けていたという。病院も辞めてしまったらしい。五朗がこのことを知ったらと、純は螢の身を案じた。
 一方、正吉は一冊のポルノ雑誌のグラビアに、シュウが写っていたのを見つける。純はまだ、このことを知らなかった。
 そして螢が突然、純のアパートにやってきた。根室の診療所で黒木と二人で暮らすのだと言う。やつれてはいたが、世間に逆らっても恋を貫こうとする螢には、これまで純が見たことのない凛とした強さがあった。
 年が明けて1995年、正月。草太(岩城滉一)のふとした一言がきっかけで、純はシュウが昔AV女優をしていたことを知ってしまう。そして純は、会えば過去を詮索するような口のきき方をして、シュウを傷つけてしまう。その頃五郎も、黒木の妻(大竹しのぶ)が訪ねてきたことにより、螢の不倫を知ってしまう。「昔のことを消せる消しゴムがあればいい」そうつぶやくシュウは、五郎とそれぞれの思いを語りながら一夜を明かす。
 翌朝、五郎は純の車で螢の元へ向かった。しかし診療所まで来たものの、五郎は言葉を失う。最果ての地まで逃れてきた螢に一体何をどう言えばいいのか…。「何をしようと、俺は味方だから…いつでも富良野に帰ってくるんだぞ」それだけ言うのが精いっぱいだった。
 シュウがまた、五郎の元を訪れた。シュウの過去に純が気づいたことで、二人は気まずい関係のまま会えない日が続いていた。シュウがつらい胸の内を話せるのは、五郎だけだった。
 ある日、れいから純に電話があった。「今日午後、お嫁に行くの。…純君のこと好きだった、多分、まだ今も」純は車に飛び乗り、れいのいる札幌に向かった。車のワイパーには、今夜会ってほしいというというシュウからのメモが。木立の陰からウエディング姿のれいを見つめる純。アパートに帰った純に、五郎は、シュウに会いに行くよう告げるが…。



<出演者>
黒板五郎:田中邦衛
黒板純:吉岡秀隆
黒板螢:中嶋朋子
北村草太:岩城滉一
小沼シュウ:宮沢りえ
笠松正吉:中沢佳仁
和久井勇次:緒形直人
大里れい:横山めぐみ
北村アイコ:美保純
成田新吉:ガッツ石松
黒木夫人:大竹しのぶ
中畑和夫:地井武男
ほか
<スタッフ>
原作・脚本:倉本 聰
音楽:さだまさし
プロデューサー:山田良明、清野豊、笹本泉
撮影:竹越由幸
美術:根本研二
照明:本間利明
音声:三井登
演出:杉田成道
制作:フジテレビ