ドラマスペシャル『北の国から '87初恋』

12月29日(水)20:00~22:25



 純(吉岡秀隆)は中学3年生。電気機具に興味を持ち、いつもペンチを携帯して手当たり次第分解したがるので、ペンチと呼ばれている。方々で冷蔵庫を壊したりヒューズを飛ばして停電騒ぎを起こしたりで、村の電気屋の宮田(布施博)がその都度後始末をしている。

 そんな純が、大きな農家の大里家の裏に奇妙な電気製品があると聞いて見に出かける。車輪に鍋を4個取り付けた風力発電の仕掛けだ。興味をひかれて見ていて、大里の娘れい(横山めぐみ)に会う。美しい少女で純はボーッとしてしまう。純と同じ中学3年生だが、越境入学で富良野の町の中学校に通っているので、東京から移住した純は知らなかったのだ。純の妹螢(中嶋朋子)は、れいの顔を見知っていた。

 純は、家の作業小屋でポンコツの自転車で実験しながら、かつて父の五郎(田中邦衛)が試みてあきらめた風力の自家発電をこっそり完成させ、父の誕生日に驚かしてやろうと思い立つ。宮田がそんな純にいろいろアドバイスをしてやる。その傍ら、純はれいに近づく算段をし、ようやく道で二人になれた。級友中津がれいを好きなのを知ってちょっぴり心が痛むが、れいも自分に好意を持っていることを知り、純は有頂天だった。歩いているうちににわか雨となり、二人は畑の中の納屋に飛び込む。濡れた上着を脱いで、ストーブの前にかがむ二人。れいは中学を卒業したら東京へ出て、働きながら定時制高校へ行くのだという。東京の高校へ、と純も興奮する。だが東京を捨て、わざわざ北海道の奥に移住した父が何と言うか。

 近頃父は純とあまり語らなくなった、と純は思う。何か距離ができているようだ。五郎の方でも純がよく分からなくなったと思っている。そんな父に、東京行きは言い出せず、純は東京の叔母雪子(竹下景子)にひそかに手紙を書く。れいが行く東京に、純はどうしても行きたいのだ。思いつめる純を、螢が心配気にみつめていた。

 れいの父親大里(坂本長利)が、純に例の風力発電の仕掛けをくれるという。ポンコツ車をやるから製作に必要な部品も使えと。純は大里のガレージに通って、わが家のための風力発電機づくりに精を出し始める。なぜかそんな大里家通いを喜ばない五郎。大里は、村の人たちから孤立した偏屈な農家と目されているのだ。中津の家の畑が雨で流された時も、みんなで助け合おうという五郎らの呼びかけを、大里は連帯保証などできないと突っぱねたのだ。

 雪子からは下宿させてやると返信がきた。父には話し出せず、純は草太(岩城滉一)に打ち明け、中学卒業の時に10万円貸してほしいと頼む。純が東京へ行くつもりということは、草太から中畑の和夫(地井武男)の耳に。五郎はある夜純あての雪子の手紙を見てしまう。あげくは中畑からも聞かされる。父親だけが知らないでいたという思いが五郎にはつらい。純は純で率直に話し合えぬ父がもどかしいのだ。やがて五郎の誕生日、そして純の卒業が近づいて…。



<出演者>
黒板五郎:田中邦衛
黒板純:吉岡秀隆
黒板螢:中嶋朋子
井関雪子:竹下景子
北村草太:岩城滉一
中畑和夫:地井武男
大里:坂本長利
大里の妻:小林トシ江
大里れい:横山めぐみ
 
飯田アイコ:美保純
飯田広介:古本新之輔
中津:レオナルド熊
チンタ:永堀剛敏
松下豪介:南雲佑介
先生:鶴田忍
宮田寛次:布施博
ほか
<スタッフ>
原作・脚本:倉本 聰
音楽:さだまさし
プロデューサー:山田良明
撮影:竹越由幸
美術:根本研二
照明:本間利明
音声:西田貞雄
演出:杉田成道
制作:フジテレビ