ドラマスペシャル『北の国から '83冬』

12月27日(火)20:00~21:55



 11月から五郎(田中邦衛)はクマさん(南雲佑介)と東京に出稼ぎに出かけていたが、麓郷のわが家で正月を迎えるために、歳末に帰ってきた。けなげに小屋で留守を守っていた純(吉岡秀隆)と螢(中嶋朋子)は大喜び。そんな時、みどり(林美智子)の息子の正吉(中沢佳仁)が家出をした。この雪の中をどうして…。友達の身を案じる純と螢だが、ようやく見つかった正吉は純たちの小屋で正月を迎えることになった。正吉は身持ちのよくない母親に反発しているのだった。

 正月、麓郷に沢田松吉(笠智衆)という老人がふらりと現れた。昔、五郎の父やみどりの父の杵次(大友柳太朗)らと麓郷を開拓した草分けの一人で、一度は豆の景気で大成功したが、女に狂って妻子を捨て、30年前に駆け落ちして出ていったままだった。聞けば東京で医薬品会社を経営、今は会長職だという。すでに五郎の父や杵次も死んでおり、松吉の身寄りも街のラーメン屋で働く孫娘の妙子(風吹ジュン)だけだったが、とにかく部落を挙げて松吉のために歓迎会を開いた。だがそんな折、五郎に思いもかけない難題が持ち込まれた。みどりが金融会社から借金をした時、連帯保証人になっていた五郎に、700万円を払えというのだ。ばくちで借金したみどりは期限が切れても払えず弁済能力もなく、法的に五郎が責任を負わされる。小屋を建てて暮らしている土地二町一反、そっくり取られてしまうことになる。真っ青になった五郎は金繰りに奔走するが、そんな大金はどうしようもない。中畑(地井武男)や新吉(ガッツ石松)らはみんなで何とかしようとするが、五郎はひとりで悩み込む。ところがその話を聞いた松吉老人、あっさりと俺の山を売れという。そして張本人のみどりは正吉を五郎の家に置いたまま姿をくらましていた。

 妙子にちょっかいを出した草太(岩城滉一)が、妙子とドライブしながら五郎のその難儀の話をするのを、車の中に隠れていた純と正吉が聞いてしまった。純も驚いたが、自分の母の不始末に正吉のショックは大きかった。その夜、正吉は雪の中を五郎の家から飛び出していってしまった。翌日になっても正吉は帰らなかった。こっそりみどりが五郎に会いに来て、麓郷を出て行くという。五郎は借金のことは怒らず、故郷は捨てられないんだ、帰ってこいよと話す。そして正吉をあずかることを約束する。しかし、その夜は吹雪になったが、正吉はどこに行ったか戻ってこない。純や螢は翌日朝から五郎とともに正吉の隠れていそうな場所を探して走った。その正吉は、純たち一家の留守に小屋に来ては、屋根の雪おろしをしていた。そして雪と一緒に落ちて、雪の中に埋まっていた。必死に雪を掘って助け出す五郎たち。

 松吉の山の話は、ボケた老人の錯覚だった。とっくに人手に渡っていたのだ。東京の会長職というのも嘘だったことがわかる



<出演者>
黒板五郎:田中邦衛
黒板純:吉岡秀隆
黒板螢:中嶋朋子
宮前雪子:竹下景子
沢田松吉:笠智衆
沢田妙子:風吹ジュン
北村清吉:大滝秀治
北村正子:今井和子
北村草太:岩城滉一
中畑和夫:地井武男
中畑みずえ:清水まゆみ
中畑すみえ:塩月徳子
 
笠松杵次:大友柳太朗
笠松みどり:林美智子
笠松正吉:中沢佳仁
吉本辰巳:塔崎健二
吉本友子:今野照子
成田新吉:ガッツ石松
水沼什介:木田三千雄
和泉:奥村公延
時夫:笹野高史
松下豪介:南雲佑介
中川:尾上和
ほか
<スタッフ>
原作・脚本:倉本 聰
音楽:さだまさし
プロデューサー:中村敏夫
撮影:竹越由幸
美術:藤森信之
照明:本間利明
音声:西田貞雄
演出:杉田成道
制作:フジテレビ