一滴の向こう側

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第69回 世なおしは、食なおし

世界初!東北産の食材が付録につく情報誌、その名も「東北食べる通信」。発行部数はわずか1500部、書店にも並ばない雑誌。
しかしSNSなどで評判となり、2014年にはグッドデザイン賞の金賞も受賞した。
これまでには、わかめや牡蠣、槍いか、にんにくや葡萄など特集してきた。第一次産業の生産者と食卓を繋ぐこの雑誌を創刊したのは、編集長の高橋博之。
過去には、「疲弊したふるさとを救いたい」と、岩手県議会議員を務めていた経歴もある。
そんな彼が「東北食べる通信」に込める想いは…なんと「世なおしは、食なおし」。
その真意とは!?

高橋博之

「東北食べる通信」編集長
2006年、岩手県議会議員補欠選挙に立候補し、初当選。以降、県議会議員を2期務める。
東日本大震災の直後には、岩手県知事選に出馬、沿岸部の被災地270キロを徒歩で遊説するという前代未聞の選挙戦を展開したものの落選。
その後、NPO法人東北開墾を立ち上げ、2013年食材付きの情報誌『東北食べる通信』を創刊した。



前編 2017年3月4日(土) 22:00~22:30

 岩手県・花巻市の郊外にある一軒の民家。
「東北食べる通信」はここで作られている。

創刊から3年半。
まだまだ人手は足りない。
今も梱包や発送はスタッフたちの手作業で行っている。

高橋が2月号の特集に選んだのは…酪農。
牛を24時間、365日山で放牧し、
ありのままの姿で育てる「山地酪農」の道を
突き進んできた牧場主に、高橋は心が惹かれたという。

岩手県盛岡市から車で3時間。
雪深い山の中にあるその牧場には、
本物の酪農を追求してきた男がいた…。



後編 2017年3月11日(土) 22:00~22:30

 『東北食べる通信2月号』の取材先は、岩手県岩泉町にある中洞(なかほら)牧場。
牧場長の中洞正さん(64)は酪農歴30年、新たな方法を取り入れている。
それは、これまでの牛舎に牛を繋養し、
穀物飼料に頼った生育方法を全面的に見直し、
山で放し飼いする方法で牛を育てあげるというものだ。
その牛からとれた牛乳は、「日本一高い牛乳」とも言われる。
その理由は、牛たちから絞り出された牛乳本来の味を
限りなく“そのまま”に届けたいという中洞さんの信念が、
全国各地に、消費者に、圧倒的な支持を得ているからだ。

東北食べる通信・編集長の高橋は考える。
東北の一次産業の生産者と会うと、彼らの情熱に圧倒される…。

さらに、中洞牧場で働きたいと、門を叩く若者たちは年間200人以上。
「一次産業は食べ物だけでなく人間も育てる」。
高橋は、取材を通して何を伝えようとしているのか?