一滴の向こう側

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第60回 熊本は俺が守ったる

2016年4月。熊本を襲った未曾有の災害、熊本地震。
マグニチュード7.3の本震を含んだ、震度1以上を観測した地震の数は4000回を超え(気象庁資料)死者50人。建物の被害は17万棟以上にのぼった。
地震発生から半年。復旧が中々進まない中、壊れた屋根の上を歩き回る男がいる。
彼の名は、遠山剛(47)。彼は、家々の屋根にのぼり、ひたすらブルーシートをかけ続けているのだ。
遠山は、何故ブルーシートをかけ続けているのか?
そこには、知られざる熊本地震に立ち向かう人々の想いがあった。

遠山剛

熊本県熊本市出身。
48年続く「ふじ美塗装」2代目のペンキ職人。
22歳の時、父親のケガをきっかけにそれまで勤めていたホテルマンを辞め塗装業の道へ。
今では半年先まで依頼が埋まるほど人気のある塗装屋に。
しかし今年春、熊本で起きた地震から塗装業の傍ら、被災した家の屋根にブルーシートを無償でかけ続け始めた…



前編 2016年10月29日(土) 22:00~22:30

 熊本地震から半年たった10月。
遠山は塗装業の傍ら、壊れた屋根を簡易的に修復するために屋根の上に登り、
無償でブルーシートをかけていた。
今も彼のところには、様々な依頼が舞い込む。
震災後も揺れ続ける余震。
そんな人達の為に、遠山は惜しみなく駆けつけるのだ。それもまた無償で。

彼は言ってしまうのだ。
「俺が熊本を守ったる」

塗装業の仕事は、滞る。それでも彼は
皆の為に何かをせずにはいられない。
そんな彼の心に去来するのは一昨年亡くなった
父・典紀さんの言葉だった…



後編 2016年11月5日(土) 22:00~22:30

 震災から半年。
遠山にある相談が舞い込む。
それは、熊本市内にある幼稚園からだった。
「子供たちの絵から、色が消えた」
そう話す園長先生。
震災は、園児たちの心奥深くに深い傷跡を残していた。
「俺が熊本を守ったる」
遠山は考える。
幼稚園に、子供たちの心に“色”を取り戻したい。
自分の愛するペンキで。
その想いは子供たちの心に届くのか…