一滴の向こう側

今までの放送

あれから3年 東北に春が来た!

 東日本大震災からまもなく3年。いまだ震災の傷跡が残る地域もまだまだある一方で、復興・再建を遂げようとしているところもある。
 今回番組では、力強く歩み始めた人たちを応援しようとしている2人に密着。東北の復興を願い、力強く色鮮やかな旗を描き続ける大漁旗職人、伊藤佳伸と代々続く鵜鳥神楽という伝統文化を守るために立ち上がった若き神楽師、笹山英幸。
 2人の情熱あふれる姿を4週にわたってお届けする。

伊藤佳伸

旗や伊藤染工場2代目
・岩手県一関市で大漁旗を制作する「旗や伊藤染工場」の2代目。
・「大漁旗で漁師・地域を元気づけたい」と50年近く大漁旗を作り続けている。
・伝統的な手染めによって作られる大漁旗は漁師からの信頼も高く、東日本大震災で被災した漁師たちが新たな船を造り、復活へ歩みはじめる中、伊藤の大漁旗が必要とされている。

笹山英幸

岩手県下閉伊郡普代村役場職員
・地元は同県釜石市だが、小さい頃から憧れていた鵜鳥神楽(沿岸部に明治時代から伝わる神楽舞)の保存会へ加入するべく約120km離れた普代村へ単身で越してきた。同時に、「被災した地元へ再び神楽を巡回させたい」という想いも。
・現在は鵜鳥神楽を後世へ継承していくために、数少ない若手メンバーとして様々な演目にも積極的に挑戦する、現在1年目の若き神楽師。

第1話 2014年2月1日(土) 22:00~22:30

 2013年11月28日。宮城県気仙沼市で新しく作られた漁船を海におろす進水式が行われた。船の上には、色とりどりの大漁旗が新たな門出を祝う。大漁旗がはためく船の雄姿を一目見ようと町の人も集まっていた。大漁旗は、漁師の命。そんな大漁旗を作る名人が、岩手県一関市にいる。この道47年の旗職人、伊藤佳伸。全ての行程を手作業で行う伊藤の大漁旗は、どのようにして作られているのか?
 岩手県三陸海岸、普代村(ふだいむら)。この村にある鵜鳥神社(うのとりじんじゃ)は海の守り神として今も漁師町に暮らす人たちの心の拠り所となっている。鵜鳥神社には、「権現様(ごんげんさま)」として崇める獅子頭(ししがしら)がある。その獅子頭を使って行う伝統文化が鵜鳥神楽(うのとりかぐら)。東日本大震災を境に途絶えてしまった鵜鳥神楽を、もう一度復活させたいと普代村にやってきたのが、若き神楽師・笹山英幸。果たして、この世界に入ったきっかけとは?

第2話 2014年2月8日(土) 22:00~22:30

 伊藤の元に、新たな依頼者が訪ねてきた。宮城県石巻で被災した漁師の阿部慶昭さん。間もなく完成する漁船の大漁旗をお願いしたいとのこと。大漁旗は、復興の先陣に立つ海の男たちのシンボル。伊藤は漁師たちから直接話を聞き、その想いを元に世界に一つだけの大漁旗を作る。阿部さんにとって一番ふさわしい旗は?そして、その船の門出にふさわしい旗とは?
 3年振りに復活する鵜鳥神楽(うのとりかぐら)の南回り巡業初日の朝。笹山はまず鵜鳥神社に奉納するお供えのおもちを作る。鵜鳥神楽は、権現様(ごんげんさま)に神様を宿らせ2か月以上かけ各地を巡っていく。この日の巡業先は、鵜鳥神社近くにある鳥居公民館。こうした集会場やその地域の大きなお屋敷が、神楽お披露目の場。神楽を始めてまだ10か月の笹山。久しぶりの神楽を楽しみに待つ人たちの前で、初めての舞台に挑む。

第3話 2014年2月15日(土) 22:00~22:30

 宮城県石巻市の漁師・阿部さんの漁船、進勝丸(しんしょうまる)の大漁旗制作に取り掛かる伊藤。真っ白な布を見据え、躊躇なく勢いよく筆を走らせ下絵を描く。伊藤が描いた絵柄とは一体?そして、色付けの作業に取り掛かる伊藤。しかし、色を決めかね手が止まってしまう。伊藤が悩みぬいた末に出した答えは?
 鵜鳥神楽(うのとりかぐら)の新人・笹山は、宮古市・畑地区での巡業を迎えていた。3年ぶりの神楽を心待ちにしていた人々。すべての準備が整い、いざ、お披露目…!笹山の演目は師匠によって直前に決められた若手の登竜門「榊葉(さかきば)」。先輩達の舞で場は湧いている。果たして笹山は、その舞で人々に笑顔を与えることができるのか?

第4話 2014年2月22日(土) 22:00~22:30

 宮城県石巻市の漁師・阿部さんの思いを旗にする大漁旗職人・伊藤。名人伊藤が悩み、苦しんで描き上げた旗には黄金に輝いた鮭。それは鮭漁をする阿部さんが大漁であって欲しいという願いを込めたものだった。そして、いよいよ大漁旗を掲げた新しい船が海へ…進水式を迎える。
 船長・阿部さんに伊藤の思いは伝わるのか?

 笹山くんの師匠、鵜鳥神楽保存協会の深渡理隆さんが2月14日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。