一滴の向こう側

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あきらめさせない~服の外科医と介護旅行~

 穴があいたり、ほつれてしまった服をかけつぎという技で元の姿に再現する服の外科医、松本孝夫。年間1万5千着以上もの衣服の修繕をこなしている。
 そして、旅行に行きたくても人に迷惑をかけるという理由から尻込みしてしまっている人たちのために、安心して楽しめる旅をコーディネートしている小倉譲。
 今回は、“あきらめさせない”という想いに駆られた情熱あふれる2人の姿を4週にわたってお届けする。

松本孝夫

「江見屋かけつぎ専門店」会長
・年間1万5千着以上もの衣服修繕依頼をこなし、他のかけつぎ専門店で断れた依頼も引き受ける。名古屋の名かけつぎ店「江見屋かけつぎ専門店」会長。
・1962年に自らが創業して以来、「一針入魂」をモットーに、依頼者の服にかける想いを大切にし、熟練の技と豊富な知識を以て、一着一着の修繕にかける労は絶対に惜しまない。その仕上がりを聞きつけ、依頼は全国から殺到している。

小倉譲

特定非営利法人しゃらく 代表理事兼事務局長
・大好きな祖父との最後の旅行で「旅は最高のリハビリ!」であると実感。そんな感動をより多くの人と共有し、誰もが最期まで人生を謳歌できるような社会にしていきたいとの想いから起業を決意。
・バラエティに富んだツアープランを展開している他、難病の子ども達の夢の実現を目指す「まさゆめプロジェクト」のマネジメントも行っている。

第1話 11月30日(土) 22:00~22:30

 名古屋市にある「江見屋かけつぎ専門店」の主人、松本孝夫は服の外科医と呼ばれるかけつぎの名人。1日に50着以上、そして衣替えシーズンになると100着以上の依頼が届く。この日、松本が取り掛かっているのはスーツのズボン。特別な針で、「差し込み式」という高度な技術を使い修繕していく。
 神戸市にある会社「しゃらく」の代表、小倉譲。旅が最高のリハビリという考えのもと、様々な理由で旅をあきらめていた人のために様々な旅行を企画している。今回の旅の依頼者は、足が不自由なお年寄り。安心して旅を楽しんでもらうため、小倉はあらゆる場合を想定。そしていよいよ京都旅行へ出発した。

第2話 12月7日(土) 22:00~22:30

 旅の依頼者と最終打合せのため、小倉は特別養護老人ホームにやってきた。今回の旅は、夫から認知症障害がある妻へ贈るプレゼント。50年前に家族で行った思い出の場所を旅することで、失われた記憶と、あの頃の笑顔を取り戻して欲しいという想いが込められていた。
 松本のもとに届いたハーフパンツ。タバコの火で開いた穴を塞いで欲しいという依頼だったが、初めてみる生地に戸惑っていた。最近の生地は、様々な素材を加工して作るため構造が複雑。試行錯誤の末、松本が最も得意とする「織り込み式」という技術で修繕していく。

第3話 12月14日(土) 22:00~22:30

 花田夫婦が50年前に家族で訪れた奈良・東大寺。今回の旅をより快適に楽しんでもらえるよう、小倉は下見に向かった。車イスでもスムーズに本殿へ 向かえるルートや、旅先で必要不可欠なトイレを入念に 確認。そして迎えた50年ぶりの奈良旅行の日。妻・光世さんの笑顔と記憶は甦るのか…。
 他の店では修理できないと断られ続けたダッフルコートが松本の元に届いた。傷の状態を見て松本は、「織り込み式」という方法を選び、直すことに。同業者がお手上げだった部分を、55年で培った指先の感覚だけを頼りに修繕していく。依頼者の思い出がたくさん詰まったコートを、松本はどうしてもあきらめきれなかったのだ。

第4話 12月21日(土) 22:00~22:30

 松本の元に届いた純白のウエディングドレス。生地は、最高級と言われている『ミカドシルク』。今回は、ミカドシルクから共糸を抜き、傷の箇所に織り込んでいく方法で修繕することに。しかし、白で透き通る生地は修繕しても跡が目立つため、松本から溜め息がもれる。果たして、この方法でミカドシルク独特の光沢感を出すことはできるのか。
 50年前の記憶を辿る花田夫婦の旅。小倉は「妻の笑顔と記憶を取り戻したい」という夫・久良さんの願いを叶えることはできるのか?思い出の地・奈良で小倉が夫婦のために用意したサプライズ。その時、妻・光世さんに変化が…。『旅は最高のリハビリ』という小倉の信念が起こした奇跡とは?