一滴の向こう側

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あの瞬間を再び…大切な想い出を甦らせる

 大切な時計が壊れてしまったり、懐かしい姿を収めた映像を見ることができなくなってしまったら…
 今回番組が注目したのは、そんな壊れてしまった大切な想い出の品を甦らせてくれる男たち。世界に名を轟かせる伝説の時計職人、松浦敬一。155年続く「新光時計店」の4代目。わずかな狂いも見逃さない、まさに時計のスーパードクター。
 そしてもう一人は、魔法の手を持つ職人、吉岡博行。京都府京都市「吉岡映像」でフィルムやビデオテープなどの映像を修復している。映像の中でしか会えない大切な人や風景を独自の技法で甦らせている。
 「修復」という仕事に情熱を注ぐ彼らの姿を4週にわたってお届けする。

松浦敬一

日本で最も古い時計店「新光時計店」第4代目店主
・広島県呉市 出身
・先代から受け継いだ多様な部品、ノウハウと共に100%修理という理念の下、“神の手を持つ男”“伝説の時計店”等と形容され、世界中の修理依頼を請け負う。
・現在、跡継ぎである息子 光司に修理指導中。

吉岡博行

株式会社吉岡映像代表 フィルム修復師
・京都府京丹後市 出身
・災害で損傷したテープの修復をボランティアで行っている他、フィルムに対する熱い想いから数多くのフィルム修復してきた。
・今後の目標は世界中の家庭のフィルムを修復すること。

第1話 8月10日(土) 22:00~22:30

 広島県大崎下島で155年続く「新光時計店」の4代目、松浦敬一。彼のもとには国内はもちろん、海外からも続々と修理依頼がくる。その数は、年間400を超える。
 ある日、松浦のもとに珍しい時計が届いた。それは、視覚障害者のために70年前作られた、通称「盲人時計」。その時計には依頼者の大事な想い出が秘められていた。無事に甦らせることはできるのか?
 京都府京都市にある吉岡映像。ここで、再生が困難になったフィルムやテープを独自の技術で修復しているのが、吉岡博行。彼が甦らせた映像は、昭和初期の京都の風景や外国のアニメ、家族の記録など様々だ。
 そんな、吉岡のもとに1本の16ミリフィルムが送られてきた。それは、48年前の修学旅行を撮影したフィルム。保存状態が悪かったため、テープは波打ち、折れ曲がっていた。早速、作業に取り掛かる。果たして、吉岡独自の修復技術とは?

第2話 8月17日(土) 22:00~22:30

 松浦のもとに届いた盲人用の懐中時計。それは、依頼者の父が戦争で負傷した際に天皇陛下から賜ったものだった。松浦はこの修理を息子の光司に任せた。光司は自動車メーカーのサラリーマンだったが、2012年の秋に店を継ぐため戻ってきた。基本的な修理は出来るとはいえ、初めて見る盲人時計に悪戦苦闘。果たして、甦らせることはできるのか。
 一方吉岡は、48年前の修学旅行の様子を収めたフィルムを修復中。損傷のひどい部分があり、作業は難航していた。傷んだフィルムは映写機に引っ掛かる恐れがあるため、1コマ1コマ大事にしながら進めていく。膨大な時間を費やし、やっと完成。早速、依頼者のもとへ向かう。

第3話 8月24日(土) 22:00~22:30

 90歳のおじいちゃんが持ってきた柱時計。そこには、2年前に亡くなった妻との思い出がたくさん詰まっていた。その時計の修復に挑むのは、息子の光司。しかし、大きな問題が…。
吉岡の元に届いたのは、2012年7月に九州北部を襲った集中豪雨で水害に遭った泥まみれのテープ。火山灰を含む泥水に浸かっていたため損傷が激しい。その中には修復困難なデジタルテープが… デジタル方式は、テープが傷つくと信号を読み取らないため映像が出ない。しかも、過去に修復が成功した例もないが、吉岡はデジタルテープの修復を決意する。

第4話 8月31日(土) 22:00~22:30

 ハワイに移住した日本人女性から届いた90年前の置き時計。祖母との想い出の音色を甦らせてほしいとのこと。早速作業に取り掛かる松浦。しかし、蓋を固定しているネジの溝がなくなり、時計の内部が開けられなくなっていた。息子の光司も作業に加わり、2人で開かない蓋に挑む。果たして、想い出の音色を奏でることができるのか。
 これまで5000本ものフィルムやテープを修復してきた吉岡にとって、デジタルテープの修復は初めての挑戦。アナログテープは、多少の傷でも修復可能。しかし、デジタルテープは、傷に弱いため再生できる確証はない。火山灰にまみれたテープの汚れを丁寧に拭き取っていく。そしていよいよ再生の時…