BSフジ

2015年10月17日(土)公開!

INTRODUCTION

文=小栁大輔(ROCKIN’ON JAPAN編集長)

僕はSCANDALが大好きだ。
なぜかというと、自分たちの振る舞いやイメージにどこまでも責任を取ろうとしている、とても気持ちのいい4人だからである。
弱音を吐かない――どころか、弱っている姿すら匂わせもしない。
しかも、その振る舞いの影にある何かが精一杯の「頑張り」としてバレてしまうのではなく、あくまでナチュラルにその姿勢が保たれているのもすごいことだと思う。

この話のキモは、彼女たちが誰よりもプロフェッショナルである、という点にある。ただし、彼女たちはただただストイックに厳格に、「プロ」らしい振る舞いをしているわけではない。
4人は4人として、あくまでいつも楽しげに、軽やかに、明るく堂々とした足取りで進むべき道を歩いているだけなのである。
そう、いつも誰よりまっすぐであれ。いつも誰より楽しくあれ――。
それを4人をして、SCANDALたらしめる絶対のマナーだとするならば、4人はそのマナーを誠実に守り続けているだけなのである。
要するにSCANDALは、「SCANDALのプロ」でいるだけなのだ。

このドキュメンタリーフィルムの中で、4人は何度も何度も「楽しい!」と叫ぶ。
パリに着けば「楽しい!」。
ユーロスターに乗れば「楽しい!」。
シンガポールで豪雨に降られれば「楽しい!」。
香港でツアーファイナルを迎えれば「楽しい!」――。
SCANDALほど、「楽しい!」に貪欲なバンドはいない。そして、この姿勢こそが、4人をして「SCANDALのプロ」でいさせ続ける最大の秘訣なのだろうとも思う。

だが、ファンはきっと知っているだろう。
この「楽しい!」こそが、4人の心を支える魔法のような言葉なのだ、ということを。
このドキュメンタリーフィルムは、こちらが目を隠してしまいたくなるほど赤裸々に4人の姿をとらえていく。
オフショット撮影、ホテルの部屋での独白なんてザラで、メンバー間のダイレクトなやり取りとその間のザラついた空気まで完璧に収めている。
それを見せてしまえるのも信頼の証なのだ――なんていういい感じの結論もきっちりお伝えしておきたいが、それよりも大事なのは、そんなシビアなやり取りを経て彼女たちがどうなっていくのか、ということだ。そう、このありのままの過程が教えるものとは一体なんなのか、ということである。

どんなシビアなやり取りにおいても、4人は4人だけでしっかりとやり抜いてみせる。
話し合い、目を合わせ、全員がお互いのことを、話し合いが行われる前よりもずっと深く分かり合えるまで、しっかりと争い抜いてみせる。
このやり取りこそが4人を、「SCANDAL」にしてきたのだろう、と僕は思っている。
そして、そんなシビアなやり取りを重ねたあと、また新たな国の地面を踏みしめた4人はやはり4人でまっすぐにこう叫んでみせるのである。
「めっちゃ楽しい!」と。

繰り返すが、僕はSCANDALのそういうところが本当にすごいと思っている。
こういう4人だからこそ、まっすぐで潔く言い訳や御託のない、ただただリスナーの背中を力強く叩き、押してくれるようなポップソングを作り、力強く歌うことができるのである。
そう、SCANDALは、いつも「SCANDAL」でいたいと誰よりも願っているから、こんな4人でいられるのである。

4人はきっとこれまで、何度も何度も「その強さの秘訣はなんですか?」「その明るさはどこからくるんですか?」と聞かれてきたのだと思う。
ただ、このフィルムを観ればよくわかるだろう。
あの強さも、あの明るさも、「楽しい!」という言葉もすべて、どこから来たも秘訣も何もなく、ただただ4人が「SCANDAL」として生きていくうえで必要なものだったのだ。
誤解を恐れずに言ってしまうならば、ただそれだけのことなのだと思う。
4人は4人のやり方で強く明るくいようとすることで――もっと言うなら、そういう4人でいようと決めることで、ここまでSCANDALを守ってきたのだ。
それを実直にやり抜いてきた4人は、だからこんなにカッコよくなれた。
4人は集まった瞬間から今のようにカッコよかったわけじゃない。
SCANDALはちゃんと自分たちの足で、日本を周り、世界の大地を踏みしめ、一歩一歩進んでいくことで、ちゃんとカッコよくなっていったのだ。

このフィルムはそんな4人が今また、ちゃんと「SCANDAL」になっていく過程を包み隠さず見せる素敵なドキュメンタリー作品である。
「SCANDALの裏側」には、いつも「楽しい!」と叫びながら、不器用に進んでいく4人の足跡が刻まれている。

そんな赤裸々な姿を堂々と見せてしまう気持ちのいい4人組、SCANDAL。
だから、僕はSCANDALのことが大好きなのである。