皆さまこんにちは!
去る11 月7日(火)、学生キャスターとしての最後の放送を無事に終えることができました。
放送後、お世話になった皆さまから素敵なサプライズが。
メディアで活躍する医師を志す身として、学生の今、情報発信の経験を積みたい。
そのような思いで学生キャスターとしての日々のスタートを切りましたが、この半年間でいただいたのは、アナウンスの技術に留まらない学びと素晴らしい方々とのご縁でした。
華やかな仕事に捉えられがちなアナウンサー業ですが、実際の仕事は案外泥臭いもの。
私自身、学生キャスターを務めさせていただく中でも感じた所です。
何度も原稿を読んで尺調整、それでもリハーサルで読みのスピードがぶれてしまい、またまた原稿を改訂。
たとえリハーサルが完璧でも、本番で予期せず噛んでしまうこともある。
このような面倒なプロセスを踏んだりリスクを抱えたりするくらいなら、極論、人工知能に原稿を読ませてしまえば良いのです。
正確性、コストパフォーマンス共に人間を凌駕します。
自分のアナウンス技術の不安定さを鑑みると尚更、真っ当な解決策に思えました。
それでも、半年間の任期を終えた今、この現代にあってもわざわざ人間がアナウンサー業をこなしているのには理由があると確信しています。
一つのニュース原稿を読むにも、ただ棒読みするのと、その背景知識を踏まえて読むのとでは、読みの抑揚や相手に与える印象がまるで変わってきます。
聞き手の心の中に入っていけるのは、思いのある、生身の人間の声だからこそだと思います。
まさしく「声は人なり」なのです。
医療の情報を伝える時も然りです。
私自身が、医師として知識や経験をきちんと備えて初めて、メディアを通じて、人々の健康をサポートしたり、命を救ったりすることができるのだと思います。
アメリカのテレビ局に所属する医師“メディカルコレスポンデント”を日本で先駆けたい。
初回投稿でこのような夢を提示してしまいましたが、そもそも日本で求められている存在なのか、
もしそうだとすれば、その入口は、既存のシステムでは、アナウンサーなのか、医療コメンテーターなのか、記者なのか、はたまた全く別の職種なのか、正直まだ分かりません。
でも、分からないからこそ様々な可能性を模索し、一方で自分が持っている軸を大切に伸ばしていけば、自ずと未来は拓かれるのかな、と感じています。
また、この半年間でいただいたフジテレビの社員の方々とのご縁は、私にとってかけがえのない宝物です。
デビュー前にキャスター研修をしてくださったアナウンサーの先生方、そして、毎回の放送へのフィードバック、将来のキャリアへの惜しみないアドバイスや応援をくださった社員の方々。
(報道局でよくお話させていただいた、斉藤舞子アナウンサー・奥寺アナウンサーと)
デスクの阿部知代さんには本当にお世話になりました。
アナウンス、言葉の組み立て方など、ご教示いただいた技術はもちろん、放送の合間の楽しい会話や温かいお声掛けまで、全てが私にとって宝物です。
社員の方々が若い世代にも多様な経験や教えを授けてくださるような温かい社風の下、お仕事をさせていただけたことはこの上なく幸せでした。
そして、最後になりましたが、番組をご覧くださった皆さまには感謝の気持ちで一杯です。
皆さまからの応援がいつも活力の源でした。
生放送のニュース番組なのに、欠かさず録画をして、温かく見守ってくれた家族や友人、そして、医学生とキャスター、私が二足の草鞋を履けるよう惜しみないご理解・サポートをくださった皆さまに、改めて感謝の意を表します。
火曜日の早朝に元気よく飛び起きてフジテレビへ行くという、最早習慣となった行為がなくなると思うと、不思議な寂しさが込み上げてきます。
でも、学生キャスターとしていただいた経験や学び、ご縁は生涯にわたる糧です。
これからも新たなステップへ向けて頑張ります。
半年間、本当にありがとうございました。
32期学生キャスター
火曜日担当
谷本英理子