2017年3月11日、東日本大震災から6年の歳月を刻む。
三陸沿岸や福島第一原発から遠く離れた人々からは、震災は過去の出来事になりつつある。しかし、家族や生活の糧を奪われた人、故郷に戻れない人、日々の暮らしの足を奪われた人にとって、震災は今も目の前の厳しい現実だ。
BSフジでは、震災の直後から被災地の鉄路をつぶさに取材し、毎年「甦れ!東北の鉄路」として放送を続けている。今回は、そのシリーズ6回目となる。
東日本大震災で長距離に亘り運休しているのは常磐線だ。福島第一原発事故の避難指示地域を走る区間と津波で甚大な被害を受けた相馬〜浜吉田間だ。しかし去年12月10日。
5年9ヵ月ぶりに相馬〜浜吉田間が開通し、原ノ町から仙台まで繋がった。
開通の日、沿線住民の人々は歓喜し、電車の警笛に涙した。これでやっと日常の暮しに戻れると。
仙石線の移転区間を通る野蒜北部丘陵地区が2017年1月に完成し、永く仮住まいを強いられてきた多くの被災者が、やっと終の住処で新たな暮らしをスタートさせる。入学した時から仮設の校舎で学んできた1年生は、6年生の3学期から新校舎だ。教室の窓から仙石線の電車が見える。
震災当時、復旧のメドすらなく廃線もささやかれた石巻線女川で、去年8月仙台〜女川
直通快速が運行を開始し、震災前よりも30分短縮され、乗り換えなしの90分で結ばれた。それによって通勤通学客や交流人口が増えた。
震災から3年で全線復旧させた三陸鉄道が、新たに釜石〜宮古間のJR山田線を引き継ぎ
第3セクターでは日本一の長大路線になる。期待と不安が交錯する中、三鉄社員は新たな挑戦に挑む。
一方、鉄路ではなく、BRT(バス高速輸送システム)で本復旧する気仙沼・大船渡線は
鉄路に代わる公共交通の役割を果たすことができるのか、今年は正念場を迎える。
私たちが6年間の取材を通して見えたこと。それは鉄路が単に輸送機関でなく、被災地沿線の人々にとって「安心」を与える存在であったことだ。
番組では鉄路の復旧を伝えながらも、同時に三陸沿岸沿線の多くの被災者が、大切な人を失った悲しみを背負いながら、あすへと歩む姿も描く。