日本有数の貿易港・神戸から瀬戸内海に沿って、岡山、広島、下関と主要都市を結びながら、九州・門司まで至る全長534.4・の山陽本線。今回は前編として、神戸から尾道までを旅する。
 須磨の海沿いを走る列車は、明石、姫路と城下町をたどりながら、岡山に入り、備前地方の平野部を駆け抜ける。吉永駅近くにある旧閑谷学校では、備前焼の瓦屋根が美しい国宝の講堂と楷の木の見事な紅葉が出迎えてくれる。岡山・後楽園、倉敷・美観地区、鞆(とも)の浦と観光地を巡りながら、列車は坂の街・尾道へ。瀬戸内の自然と文化を堪能する旅路をお届けする。